ヴェルドラに転生したがそこはFAIRY TAILで…… 作:ハッピーになりたかった人
新型コロナウイルスであまり外にも出歩けなくなった現在。家に居てやることと言えば、課題かゲーム、あとは友達と通話だろうか?何にせよやる事が少なすぎて暇なのだ。
だからこれから、本日3度目の睡眠を貪ろうとね、思ってるのだよ。
「ふぁ〜あ、寝よ」
───────────────────────
『ん、んん〜、よく寝たよく寝た。って、えぇ!?ここ何処ォ!?』
「「「「「っ!?」」」」」ビクッ
そこで漸く起きた俺と、簡単に手で潰せそうな程小さな人間達。と、そこである事に気が付いた。俺は何故か”竜”になっていて、人間がかなり怯えていることに。
「総員戦闘準備!暴風竜をここでまた眠らせる!それが出来なければ、全員死ぬと思えェ!!」
「「「「「はっ!」」」」」
ちょちょちょちょちょ!やめ、やめろ!そんな尖ったもので刺されたら痛、い……アレ?痛くない?あ〜、暴風竜とやらになったからかな?
ってか暴風竜ってヴェルドラしか知らないけどその類だよね!?よっしゃぁ!こういうのになるのは男の憧れだからなぁ。
……ウザったい。痛くないけど何回も切られたりぶっ刺されるのは気が散る。
あ!そうだ!
『いい加減に辞めんか人間共ォ!!』
という訳で暴風竜の……………………咆哮!!!
「ぐあぁぁぁぁぁ……!」
あ、跡形もねぇ……!すげぇけど使い方ミスると国1個余裕で壊せちゃいそう。よし、取り敢えず飯食いたいな。竜だし生でも肉とか食えるだろ。適当に数匹捕って食うか。
────1000と数十年後
え、時間が飛び過ぎ?気にするな!
よし、今日も動物捕まえに行こう。最近はずっと向こう側だったし、今日は向こう側じゃない方に行こう。太陽的に方角は北かな?まぁどっちでもいいか。
『よっと』
ふんふふ〜ん。今日はどんなモンスターとか動物が居るのか、ちょっと楽しみだな。ん?アレ、あそこの木陰に誰か居るな。ちょっと行ってみるか。
ズシン
『何をしてるんだ小娘』
「ひっ!あ、あの……その……ごめんなさい!だから命だけは…!」
な、何を言ってるんだこの子。急に謝るのだけでも全然理解出来ないし命だけはって、俺別に直ぐに殺して食う訳じゃねぇんだけどなぁ。
『別に取って喰ったりはせん。質問に答えろ。ここで何をしている』
「わ、私は……この島に、私の弟の病気を治す薬の材料を採りに来たんです。だから弟が私を待っているんです!お願いですから命だけは助けて……!ヒクッ…グスッ」
え、えぇ!?な、泣き始めた!?いやちょっ、どうすればいいんだよコレ。ここ1000年以上人と(戦い以外)関わってこなかったから、どうすれば良いのか分かんないんだが!
『言っただろう、取って喰ったりはせん。名は何という、小娘』
「イザベル」
『そうかイザベル。我は暴風竜ヴェルドラだ。薬草は見つかっておるのか?』
「み、見つかってません……その、ごめんなさい……」
『謝らなくていい。我はこれから動物を探しに飛ぶとこであった。上に乗れ。上から探す方が早かろう』
ただの気まぐれだけど、これでこの子とその弟が助かるならそれも良いだろ。よし、行くとするか。見つかるかはさて置き、探すという努力が大事だからな。
『落ちるなよ。落ちたら死ぬと思え』
「は、はい!」
バサッ
「うわぁ……!凄いです、空を飛ぶのは初めてです!」
『そうか、楽しそうで何よりだ。ところで、どんな薬草か知っているのか?』
「アカツメクサとエビヅルです。医師に言われたのでそれでいいはずです」
という事は風邪か?でもただの風邪なら医師が治せる。ふむ、重い風邪なのだと思っておこう。
「えっと、薬草を探して貰っているのに烏滸がましいかと思いますが、この後私の町まで送って頂けないでしょうか?この島には船があまり来ないんです。それこそ1ヶ月に1回あるかどうかくらいで……」
『構わん。一度乗りかかった船だ。最後までやり通す』
「あ、ありがとうございます!」
『気にするな、ただの気まぐれなのだからな。さてと、彼処にあるぞ、アカツメクサが。エビヅルは向こうだ』
「えぇ!?何処!?何処ですか!?」
よし、ちょっと高度を下げて木の上スレスレを飛ぶか。これで見えたか?本当に目と鼻の先にあるんだけど。
「あ、ホントだ!!すみません、ちょっと採ってきます!」
は!?ちょっ、ここ木の上だろ!?気付いてるのか!?……なんてこった、飛んでるんだが……すごい自由自在にジャンプで動き回るからまるで飛んでるかのようだな。おっと、迎えに行くか。……ここら辺で待っていれば来るだろう。ん?そんな事考えてたらもう来たな。早い。
「お待たせしました!」
『良い良い。次はエビヅルか?』
「はい!」
この感じでいったら今日中には帰せるだろうな。よし、さっさと薬草見つけて、てか採って帰してあげよう。両親も自分の娘が竜の住む島に一人で行ったとなればかなり心配だろうからな。
「あ、あった!じゃあまたちょっと行ってきます!」
『うむ』
よし、ここら辺で待っていれば良いか。そこまで遠くないからすぐに来るだろうし。
「キャアァァ!」
『っ!?』
イザベル!?なんだ、何があった!行ってみるか!
『何事だ!』
「も、モンスターが……」
「ウホッホ、女だ、しかも若い女だァ♡」
キモッ!相っ変わらずキモイなこのモンスター。えぇっと名前は?確かバルカンとかだったか?此奴らも相当な女好きだよな。取り敢えずぶっ倒せばいいんだよな?じゃあ爪でぶっ刺してっと。はい終わり。
「え、え?お、終わったん、ですか?」
『終わった。早くエビヅルを採ってこい。早々に帰ったほうがよかろう?』
「は、はい!」
ふ〜む、眠い。なんか物凄く眠いんだが。寝そう。はっ!いやいやいや、ここで寝たらイザベルを送り届けるのが遅くなってしまうだろ。耐えろ、耐えるんだ俺!男だろ!
「ただいま戻りました!…どうしました?」
『なんでもない。行くぞ。町は何処だ』
「ギルティナ大陸のエルミナという港町です」
『メルクフォビアが住む所か?』
「そうです!水神様が住まれる町が私の住む町です!」
やっぱりか。メルクフォビアね〜……ま、今は昔よりかマシになってるだろう。残虐の限りを尽くしたあのメルクフォビアが、神として崇められてるんだからな。今だけ大人しいだけなのかもしれんが。
『行くぞ。久しぶりのエルミナだ。我も少し寛ぐとする』
「それなら私が毎日ヴェルドラさんに会いに行きます!食べ物も持って行きます!せめてものお礼です!」
『…ハハッ、そうかそうか、その好意は有難く受け取るとする』
でも、これだけは伝えておかないとな。
『だが、我とあまり仲良くし過ぎると、お前が大変だぞ。町の者に疎まれ、最悪、メルクフォビアに目をつけられかねん。そうならなくとも町の者に危害を加えられるやもしれぬ。そこまでして我に礼をする必要は「あります!」っ!?』
「あるに決まってるじゃないですか!ヴェルドラさんは、私と弟を救ってくれたんですよ!?お礼をする理由なんて、それだけで十分じゃないですか!」
「ククッ、そうか、そう言ってくれるなら有難い。さて、そろそろ行くか。行くぞ」
「はい!」
この子、かなり俺に打ち解けてきてるな。これなら敵対しなくて済みそうだ。とは言え、この子の町の人達がどうだかは知らないが。
──────────────────────
『着いたぞ。ここでいいのか?』
「うわぁぁぁぁぁ暴風竜だぁぁぁ!」
「助けてくれぇぇぇぇぇ!」
「はい!ここで大丈夫です!ありがとうございました!」
「逃げろぉぉぉぉぉぉぉ!」
『えぇい黙らんか人間共!破壊に来たのでは無いのだからそんなに騒ぐなァ!』
やっと静かになった。全く、俺は静かに暮らせればいいんだから襲いかからなきゃ被害は出ないのにな。襲うから死ぬんだって事をそろそろ分かってくれないものか。
「イザベル!!」
「あ!お母さん!お父さん!」
「危ないだろう!!?こっちに来なさい!」
「はぁい。ヴェルドラさん!また今度!」
ハハッ!最後の最後まで面白い子供だったな!よし、じゃあ俺はそこら辺で寝てるか。
「また今度だと……?」
「あのガキ、まさか竜にこの町を襲わせる気か?」
なんか不穏な言葉が聞こえてくるな。よし、ここは俺が一言入れて置いてやろうか!
『人間共ォ!!イザベルに手を出せば、その命はないと思えぇ!誰かが単独でやったとしても、我はこの町をお前らごと潰してくれる!!』
よし、寝る前にメルクフォビアに会いに行くか。久しぶりの再会になるだろう。何があってもいいようにしておこう。
──────────────────────
『久しいな、メルクフォビア』
『っ!ヴェルドラか?何しに来たんじゃ』
おぉ、本当に大人しくなってる。俺を見て即行襲いかかってこないとは!うんうん、これならゆっくり話が出来るかな。
『何、この町の娘を帰しに来ただけだ。にしても大人しくなったな、どうした?』
『……心境の変化とでも言っておこう。気に食わない事があればまだ破壊はしているが、無闇にするのは辞めた』
気に食わなければ破壊はするんだ。それもう無闇にやってるのと同じなような気がするんだが。まぁいいや、戦闘なんて面倒なだけだからな、こっちとしても好都合だ。
『ヴェルドラこそ、人間に関わるとは、何があった?』
『ん?まぁ、少し昔を思い出してな。気まぐれで助けただけだ。我は何も変わっとらん』
『いや、やはり、変わったな。昔であれば私を見た瞬間に襲いかかってきたというのに』
『そりゃお前が襲いかかるからだろう?我は静かに暮らしたいのだ。さて、ここで暫し過ごしたらイグニールの所へ行く予定だが、共に行くか?』
『……いや、御免蒙るよ。悪いけど、1人、いや、1匹?で行ってくれ』
『分かった。さて、我はそろそろ戻らねば。町の娘がまた来るとか言っておったのでな』
『そう。じゃあね』
『うむ。また機会があれば赴くことにする』
『楽しみにしてるよ』
──────────────────────
「ヴェルドラさ〜ん!来ましたよ〜!あたっ。?風?」
『全くそそっかしいなイザベルよ。で、何をしに来たんだ?』
「また今度って言いましたよね!?食料持ってきたんですよ!」
『お前のまた今度は小一時間後の事か!』
全く……お?この匂いは肉だ!やったお肉お肉〜♪やっぱり肉は最高なんだよね〜!
「はいどうぞ!」
『うむ、有難く頂く。そういえば、我は明後日か明明後日にはここから去るからそのつもりでな。行く所が出来たのだ』
「えぇ!?そ、そんな、急過ぎですよ……」
ん〜、肉美味い。生肉もいけるけど、やっぱ焼いてある方が美味いな。
『……なんかすまんな。いずれここに戻ってくる。毎日ここで待っとれ!ガッハッハッ!』
「分かりましたよ!待ってますよ!毎日この時間にお肉持ってここに来ますよ!」
『いや〜冗談冗談……はぁ?いや、マジで言っとるのかお前は』
ここで待ってろっていうくだりはほんの冗談だったんだがなぁ。まぁ待っててくれるならいいや、いつか戻ってこよう。
「マジもマジ、大マジですよ!」
『全く……これじゃあ帰ってこないってことが出来ぬでは無いか。まぁ良かろう、この暴風竜ヴェルドラ!イザベルの為に何時しか帰ってくる事をここに誓おう!ガッハッハッ!』
この約束がはたされるのは約数十年後になるのだが、この2人は知る由もなかった……
またいつか会いましょう!では!
追記:イザベルとの再会は本編に出さないつもりです。