炎の呼吸は世界最強   作:ギラサメ

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遅くなりました。

忙しかったのと、少し体調を崩してしまって。

では、どうぞ。


第十章 悪意

「なっ、南雲!?」

 

「南雲君!?」

 

 驚く一同にハジメは必死の形相でまくし立てる。

 

「早く撤退を!みんなのところに!君がいないと!早く!」

 

「いきなり何だ?それより、何でこんな所にいるんだ!ここは君がいていい場所じゃない!ここは俺達に任せて南雲は……」

 

「そんなこと言っている場合かっ!」

 

 ハジメを言外に戦力外だと告げて撤退するように促そうとした光輝の言葉を遮って、ハジメは今までにない乱暴な口調で怒鳴り返した。何時も苦笑いしながら物事を流す大人しいイメージとのギャップに思わず硬直する光輝。

 

「あれが見えないの!?みんなパニックになってる!リーダーがいないからだ!」

 

 光輝の胸ぐらを掴みながら指を差すハジメ。

 

 

 

「コラぁぁぁぁぁー!!何ちんたらしてるんだー!!今までの訓練は何だったんだ!!こんなザコに手こずっているようじゃ戦争で生き残るなんて夢のまた夢よ!!」

 

 その方向にはトラウムソルジャーに囲まれ右往左往しているクラスメイト達がいた。

 そのクラスメイトを焔は怒鳴りながらトラウムソルジャーを斬ったり、殴りまくっていた

 

「ハイハイハイそんなぎこちない動きしなくていいから、とにかく訓練を思い出して動け!!」

 

 

「今東堂さん……姉貴が君の代わりにやってるんだよ!でも一撃で切り抜ける力が必要なんだ!みんなの恐怖を吹き飛ばす力が!それが出来るのはリーダーの天之河君だけでしょ!前ばかり見てないで後ろもちゃんと見て!」

 

 呆然と、混乱に陥り怒号と悲鳴を上げるクラスメイトを見る光輝は、ぶんぶんと頭を振るとハジメに頷いた。

 

「ああ、分かった。直ぐに行く!メルドさん!すみませーー」

 

「下がれぇーー!」

 

 光輝が“すみません、先に撤退します„そう言おうとしてメルド団長を振り返った瞬間、その団長の悲鳴じみた警告と同時に、遂に障壁が砕け散った。

 暴風のはように荒れ狂う衝撃波がハジメ達を襲う。咄嗟にハジメが前に出て、錬成により石壁を作り出すがあっさり砕かれ吹き飛ばされる。多少は威力は殺せたようだが……舞い上がる埃がベヒモスの咆哮で吹き払われた。

 そこには、倒れ伏し呻き声を上げるメルド団長と騎士が三人。衝撃波の影響身動きが取れないようだ。光輝達も倒れていたがすぐに起き上がる。メルド団長達の背後にいた事と、ハジメの石壁が功を奏したようだ。

 

「ぐっ……龍太郎、雫、時間を稼げるか?」

 

 光輝が問う。それに苦しそうではあるが確かな足取りで前へ出る二人。メルド団長達が倒れている以上自分達が何とかする他ない。

 

「やるしかねぇだろ!」

 

「……何とかしてみるわ!」

 

「待って、八重樫さん!」

 

 二人がベヒモスに突貫しようとするが、南雲が雫を呼び止める。

 

「何?」

 

「これ」

 

 南雲は雫に焔が彼女に渡すよう頼んだ刀を渡す。

 

「これ焔の」

 

「姉貴が君にって」

 

「焔が……ん?姉貴?」

 

「それはいいから早く!」

 

「分かったわ。ならありがたく使わせて貰うわ焔!」

 

 雫はそう言うと刀を抜刀し、改めてベヒモスに向かう。

 

「香織はメルドさん達の治癒を!」

 

「うん!」

 

 光輝の指示で香織が走り出す。ハジメは既にメルド団長達のもとだ。戦いの余波が届かないよう石壁を作り出している。

 

 

 

雫SIDE

 

『おい』

 

 えっ?

 今の誰?急に声が聞こえた。

 光輝でも、龍太郎でも、南雲でもない声が。

 

『説明してる暇はねェ。俺の言う通りにしろォ』

 

「だから誰なの!私に話しかけるのは!」

 

「おい雫どうしたんだ?」

 

「龍太郎何か声が聞こえない?」

 

「はぁ?別にも何も聞こえないが?」

 

 龍太郎には聞こえてない。

 どうして?

 

『俺の声が聞こえるのはお前だけだ。それよりあの化け物をどうにかしてェんだろ。だから俺の言う通りにしろォ』

 

 この声は私にしか聞こえないみたい。

 誰だが分からないけどこの状況をどうにかする事が出来るなら。

 

「力を貸して」

 

『よし。なら呼吸だ、呼吸しろ』

 

 呼吸?

 

『お前と同じ髪をした女がしていたのを思い出せ』

 

 私と同じ髪?

 もしかして焔?そういえばあの娘なんかよく呼吸をしていたっけ?

 もしかしたら……私は焔のやっていた事を思い出し、やってみた。

 

『ほう、そこそこだが、まぁいい。そしたら強く前へ踏み込んで奴を切り刻め!』

 

「はぁ!」

 

 私は言われた通り強く前へ踏み込み、ベヒモスに駆け込んで切り刻んだ。

 

 

 

雫SIDE OUT

 

 

焔SIDE

 

「今のは」

 

 私は雫のあの剣技を見て目を見開いた。

 雫の今の剣技あれは

 

 

 

「風の呼吸 壱の型 塵旋風・削ぎ」

 

 風の呼吸といえば、風柱・不死川実弥の使う呼吸。

 いつの間に雫が風の呼吸を?今まで彼女が全集中の呼吸の使ったり、修行をしているような事はなかった。

 彼女を見た時、もし全集中の呼吸を覚えたらもっと良くなると思ったけど。

 私と同じように雫も夢の中で不死川さんと鍛錬をしたのか?

 

 私はベヒモスを見たけど、あまりダメージはないみたいだ。

 見た感じ彼女の技はまだまだって感じだ。

 

「神意よ!全ての邪悪を滅ぼし光をもたらしたまえ!神の息吹よ!全ての暗雲を吹き払い、この世を聖浄で満たしたまえ!神の慈悲よ!この一撃を以て全ての罪科を許したまえ!"神威„!」

 

 光輝の詠唱と共に技が放たれ、ベヒモスに直進した。

 龍太郎と雫は既に離脱している。二人はボロボロみたいだ。

 放たれた砲撃は、轟音と共にベヒモスに直撃した。激震する橋に大きく亀裂が入る。

 これならベヒモスも……

 

「えっ?」

 

 光が収まり、埃が吹き払われる。

 そこには無傷のベヒモスがいた。

 

「嘘だろ、おい」

 

 するとベヒモスが赤い魔力を発した。

 

「ちっ」

 

 私はベヒモスに向かった。

 

「うおぉぉぉー!!」

 

『炎の呼吸 伍の型』

 

 烈火の猛虎を生み出すが如く日輪刀を大きく振り、ベヒモスを斬りつける。

 

『炎虎』

 

「姉貴!」

 

「「東堂(さん)!」」

 

「「焔(ちゃん)!」」

 

 私はそこに降り立ち、勇者を見た。

 

 ガシっ!

 

「えっ?」

 

「とっととあっちへ行って助けに行け!!選手交代だ!!」

 

「わぁー!」

 

 私は光輝を掴み、トラウムソルジャーと戦っている皆の方に投げた。

 

「おい、お前光輝に……えっ?」

 

「お前も行って来い!!」

 

 筋肉ダルマも勇者同様に投げた。

 

「焔ちゃん凄い」

 

「男二人を軽々と投げるなんてどんだけ力持ちよ」

 

 白崎と雫がそう言う。

 

「おい、南雲、白崎を連れて逃げろ。雫もメルド団長も撤退しろ」

 

 私は指示した。

 

「姉貴!」

 

「焔ちゃん!」

 

「ちょっと何言ってるのよ!」

 

「そうだ!お前一人では!」

 

「いいから行け!少しでも足止めをしてやる!こんなとこで死んだら元も子もねェ!」

 

 みんなが文句を言うが、私は言い返した。

 

「頼むよ。やらせてくれ」

 

 私は頭を下げ、懇願した。

 

「分かった。だが、無茶をするな。後で合図を出す。それでお前も撤退しろ」

 

 メルド団長はそう言い、撤退するが、南雲、雫、白崎が残った。

 

「おい、早く行け」

 

「やだよ。姉貴を置いて行くのは」

 

「うん、焔ちゃん一人にはしたくないよ」

 

「放っておけるわけにはいかないでしょ」

 

 こいつら

 

「もう好きにしろ。だが、白崎お前は向こうで皆の回復だ。負傷者優先だ」

 

「でも!」

 

「行け!今はお前の力で皆を回復させるんだ!」

 

「焔ちゃん」

 

「香織」

 

「雫ちゃん」

 

「行って来なさい。焔の言う通り。私達は大丈夫だから」

 

「雫ちゃん」

 

 白崎が向こうに行った。それを見て私はベヒモスを見た。

 

「行くぞ、化け物!」

 

『炎の呼吸 弍の型 昇り炎天』

 

「はぁ!」

 

 私と雫の斬撃をベヒモスに喰らわせた。

 

「ちっ、固ぇ」

 

 だが、あまり効果がない。

 このベヒモス十二鬼月の上弦レベルかも。

 

「〝錬成〟!」

 

 南雲が錬成魔法でベヒモスの足を埋まらせた。

 

「姉貴!八重樫さん!」

 

「よし」

 

『炎の呼吸 伍の型 炎虎』

 

「はぁ!」

 

 南雲の合図とともに私は伍の型を、雫は風の呼吸の壱の型でベヒモスを切り刻んだ。

 

「ちっ!しぶといな!」

 

『炎の呼吸 参の型 気炎万象』

 

 私はこれでもかと思うくらいベヒモスを斬った。

 するとベヒモスが私を睨んだ。

 

「ガン飛ばすんじゃねェ」

 

 私はベヒモスの片目に日輪刀を刺した。

 ベヒモスがあまり痛さに咆哮を上げ、苦しむ。さすがに目をやられたら最悪だろう。

 

「南雲君!焔ちゃん!雫ちゃん!」

 

「お前達!準備が出来た!そこから離れろ!」

 

 白崎とメルド団長の叫びが聞こえた。

 

「よし!とっととこんなとこおさらばするぞ!」

 

 私は二人にそう言い、ここを離れるため全力で走る。

 すると上空から多くの魔法攻撃がベヒモスに向かって発射された。

 これなら……

 

『っ!?』

 

 何だこの音?この悪意のような感じ。

 すると魔法攻撃の一つが何故か南雲に向かって来た。

 

「南雲!避けろ!」

 

「っ!?」

 

 私が叫ぶも魔法は南雲に、直撃はしなかったが、吹き飛ぶ。

 

「南雲!」

 

「焔!」

 

 雫が私に覆い被さる。

 すると私のとこにも魔法攻撃が。雫のおかげで直撃を免れた。

 

「雫!大丈夫か!」

 

「うん、それより早く!」

 

「あぁ」

 

 早く離れないと

 

「っ!?」

 

 ベヒモスが咆哮を上げやがった。

 早くしねぇと

 

 

 

 

 バキバキ

 

 

 

 えっ?

 

 

 地面が崩れた。その瞬間私達三人は……

 

 

 

 

 

 深い深い奈落の底へと

 

 

 

「南雲君!雫ちゃん!焔ちゃん!」

 

 




「よっ!」

 炭治郎、禰豆子登場

「ベヒモス、なんて恐ろしい化け物なんだ」

「うぅ」

「それを東堂さん、南雲君、八重樫さんが足止めするなんて。どんだけ強いんだ」

「うぅ〜」

「ここでコソコソ噂話。白崎さんは善逸の事を少しカッコいいと思った。その理由は禰豆子を助けたからだと」

「それより八重樫さんに風の呼吸を教えたのって……まさか」

「うぅ!?」

「次回、蟲柱!」
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