炎の呼吸は世界最強   作:ギラサメ

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なんとか出来ました。


第十一章 蟲柱

「離して!南雲君達の所に行かないと!約束したのに!私がぁ、私が守るって!離してぇ!」

 

 飛び出そうとする香織を谷口と光輝が必死に羽交い締めにする。香織は、細い体のどこにそんな力があるのかと思うほど尋常ではない力で引き剥がそうする。

 このままでは香織の体の方が壊れるかもしれない。しかし、だからといって、断じて放すわけにはいかない。今の香織を放せば、そのまま崖を飛び降りるだろう。それくらい、普段の穏やかさが見る影もないほど必死の形相だった。いや、悲痛というべきかもしれない。

 

「カオリン、駄目だよ!」

 

「香織!君まで死ぬ気か!南雲と東堂はもう無理だ!落ち着くんだ!このままじゃ、体が壊れてしまう!」

 

「無理って何!?南雲君達は死んでいない!行かないと、きっと助けを求めてる!」

 

 誰がどう考えてもハジメ達は助からない。奈落の底と思しき崖に落ちていったのだから。

 しかし、その現実を受け止められる心の余裕は、今の香織にはない。言ってしまえば反発して、更に無理を重ねるだけだ。

 

 

 

 

 

「……どうして?」

 

 

 そんな中、優花が幽霊のようにゆらりと檜山に近づく。

 

「は?何だよ?」

 

「どうして南雲と焔に魔法を撃ったのよ!」

 

「は!?何言ってるんだ!そんな事はしてねぇ!」

 

「嘘よ!私見たのよ!それにあんたの適正は風のはず、なのに適正のない炎を使うなんて明らかにおかしいよ!」

 

 優花は檜山がハジメと焔に魔法攻撃をした事を証言するが、天之河をこれを否定した。

 

「園部さん、檜山がそんな事をするはずがない。ただの見間違いだ」

 

「そ、そうだ、お前の見間違いだ!デタラメを言うな!」

 

「違う!あれは見間違いじゃない!こいつが二人に魔法を放ったのよ!」

 

 光輝は檜山がそんな事をするはずがないと言った。

 しかし、優花はあれは見間違いではないと証言する。

 

「優花ちゃんそれ本当?」

 

「香織、真に受ける必要はない!園部さんの見間違いだ!」

 

 香織はゆっくりと檜山の方に歩く。その彼女を天之河は止める。

 

「邪魔だよ、天之河君」

 

「うわ!」

 

 香織は光輝を突き飛ばす。

 彼女は優花を見る。

 

「優花ちゃん、ナイフ一本貸して」

 

「えっ?うん」

 

 優花はナイフを香織に渡す。

 香織は檜山の方を見る。

 

「白崎?」

 

 檜山は香織の行動に疑問を浮かべるが、顔が段々と青くなった。

 

「白崎、冗談だろう?あんな奴の言ったのを信じるのかよ?なぁ、白崎考え直せ、なぁ?」

 

 しかし、香織は檜山をゴミを見るような目で見てナイフを高く上げる。

 

「香織やめるんだ!君はそんな事をするような人じゃない!早くそれを捨てろ!」

 

 光輝が香織に向かって叫ぶも彼女は聞く耳を持たなかった。

 やがて彼女は口を開く。

 

 

 

 

 

「とっととくたばれ糞野郎」

 

「ヒィィ!」

 

 檜山はあまりの怖さに目を閉じる。しかし、一向にナイフは来なかった。

 彼が目を開けるとそこには倒れている香織がいた。

 

 

 

「メルド団長」

 

 メルド団長もいた。彼が香織の首筋に手刀を落としたのだ。

 

「もう一人もしなせるわけにはいかない。全力で迷宮を離脱すると。……彼女を頼む」

 

「はい」

 

 優花は倒れている香織を抱える。

 

「香織」

 

 優花は香織を見た後、崩壊した橋を悲しく見渡す。

 

『南雲、雫、焔』

 

 

 

 

焔SIDE

 

 

「……し……もし……」

 

 誰?私を呼ぶのは?私は確か……

 

「もしもし聞こえますか?」

 

「っ!?」

 

 私は目を開け、辺りを見渡した。なんかまるで病院みたいだ。

 あれ?私はオルクス大迷宮にいたはず、なのに私はベッドの上に。

 

「っ!?」

 

 そうだあの時橋が崩落して私は……それに南雲と雫も……

 

「私は死んだのか?……ここはもしかして天国?」

 

「いいえ、貴女は死んでませんよ。あとここは天国ではありません」

 

 そういえばさっきから声が聞こえるけど、どこかで聞いたような?

 

「こっちですよ」

 

 私は声のした方を向いた。

 

「えっ?」

 

 そこには紫色の毛先していて、後頭部には蝶の髪飾りをした美人がいた。

 

「胡蝶……しのぶ?」

 

「はい、胡蝶しのぶです」

 

 蟲柱・胡蝶しのぶがいた。

 

「じゃあここは?」

 

「蝶屋敷です」

 

 やっぱり

 

「なぁ、死んでないって」

 

「はい、確かに貴女は橋から落ちましたけど、奇跡的に助かりました」

 

「そうか」

 

 奇跡的に助かったのか。

 

「ただ意識は失ってしまっていますが」

 

「へ?」

 

 意識を失っている?どういう事?

 

「じゃあこの状況は?」

 

「まぁ無理はないですね。簡単に言うとここは夢です。現実の貴女は今意識を失っているのです」

 

 あぁ、そういう事。

 煉獄さんの時と同じか。

 

「あっ、そうだ。雫は?南雲は「イヤァァァーー!!」っ!?」

 

 突然どこからか叫びが聞こえた。

 

「今のは?」

 

 私はベッドから降り、叫びのとこに向かった。

 

「ここだな」

 

 叫びが聞こえたとこの扉の前に着き、勢いよく扉を開けた。

 

「来ないで!」

 

「大丈夫よ、何もしないから落ち着いて」

 

 そこには髪が長く左右に蝶の髪飾りをした女性がいた。

 あれ?この女性って……

 

「胡蝶カナエ?」

 

 胡蝶しのぶの姉、花柱・胡蝶カナエがいた。

 でも胡蝶カナエは上弦ノ弐・童磨との戦いで死んだはず。

 何で彼女が?それより私は胡蝶カナエの隣にいる人を見た。

 

「雫!」

 

 雫がいた。まさか彼女まで。

 私は彼女のとこに。

 

「雫、落ち着け!」

 

「焔?」

 

 雫が私の方に顔を向けた。

 

「とにかく落ち着いて話を聞け」

 

 私は雫を落ち着かせ、話をした。

 

 

 

「そう。すいません取り乱してしまって」

 

「いいのよ。私も悪かったから」

 

 雫とカナエさんはお互い謝罪をした。

 

「もう姉さんってば」

 

 カナエさんの隣にいるしのぶさんが呆れたのか頭を抱えた。

 

「取り敢えず、さっき説明しましたがここは夢の中で現実の貴女達は意識を失っています」

 

 しのぶさんが説明した。

 因みに前の説明で南雲は橋から落ちた際に離れ離れになってしまったようだ。

 

「「はい」」

 

「そこでですが、貴女達二人には鍛錬をしてもらいます」

 

「「鍛錬?」」

 

「はい」

 

「それってしのぶさんとカナエさんと?」

 

「いいえ、東堂さんは前と同じく煉獄さんの元で、八重樫さんは「おい胡蝶」あら?」

 

 しのぶさんが説明していると誰かが入って来た。

 入って来たのは、顔や体中が傷だらけで無造作な白髪の男性だった。

 この人は

 

「丁度いい所に、八重樫さんこの方がこれから貴女を鍛錬してれる」

 

 しのぶさんが彼が雫に鍛錬をしてくれる事を告げる。

 

 

「不死川実弥さんです」

 




胡蝶姉妹登場

「まさか姉さんが登場するとは思いませんでした」

「うふふ、これも作者のおかげだね」

「そうですね。ではここでコソコソ噂話。東堂さんの運動能力は男にも負けない実力で、度々運動部からお誘いがあったとか」

「これから二人がどうなっていくか楽しみね」

「そうですね」

「「次回、風柱」」

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