NO SIDE
モシャモシャモグモグ
「「……」」
今、焔と雫の目の前でハジメが胡蝶しのぶからもらった食料をガツガツと食っていた。
焔と雫は信じられないかのような目で見ていた。
「ねぇ、あれ本当に南雲?」
「あぁ、間違いねぇ。見た目は変わちまってるけど、音と匂いはアイツだ」
雫は信じられないのも無理はない。
彼女達が知っているハジメは髪は黒く、どこにもいる普通の男子高校生の姿である。
しかし、目の前にいる男は髪も白く、体格もガッチリしており、かつての南雲ハジメの姿とはかけ離れている。
「でも……」
「信じられないならこれを見ろ」
ハジメはそう言うとステータスプレートを二人に差し出す。
「「……は?」」
二人はステータスプレートを見て、驚愕し、空いた口が塞がなかった。
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:23
天職:錬成師
筋力:450
体力:550
耐性:350
敏捷:550
魔力:500
魔耐:500
技能:錬成【+鉱物系鑑定】【+精密錬成】【+鉱物系探査】【鉱物分離】【鉱物融合】・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩【+空力】【+縮地】・風爪・夜目・気配感知・石化耐性・言語理解
ハジメのレベルがかなり上がっており、技能も沢山あった。
「何よこれ?」
「“男子三日会わざれば、刮目して見よ„って言うけど、これは……」
これには彼女達も驚かざるを得なかった。
「おい、一体どうやったらこんな風になるんだ?」
焔も流石に気になってしまい、ハジメに問いた。隣の雫も気になっていた。
「魔物の肉を食べた」
「へぇ〜、そうか魔物の肉を……」
「「魔物の肉を食った(食べた)!?」」
「っ!?」
衝撃的な答えに二人は叫んだ。
あまりの大声にハジメは驚き、耳を塞いだ。
「ちょっとどういう事よ!魔物の肉を食べたって!」
「そうだ!確かそれ毒があるって!なのに何でピンピンしてるんだ!」
雫と焔はまるで鬼気迫ったのような顔でハジメに迫った。
「近ぇよ。今から説明する」
「へぇ〜なるほど」
「これが」
焔と雫はハジメから説明を受け、納得していた。
ハジメは確かに魔物の肉を食べたが、彼が神水という回復出来る物も飲んだおかげで死なずに済んだ。
そして魔物の肉のおかげでステータスも上がり、現在の姿になったのだと。
「それにしてもこんな便利な物があったなんてね」
雫が手にある物を見て関心する。
彼女の手にある物はハジメが説明した神水なのだ。
「お前がそうなったのは分かった。ところでお前左手は?」
焔はハジメの左手がなくなっている事に気づく。
「魔物に喰われた」
ハジメが告げた事に焔と雫はショックを受けたかのように目を見開いた。
「済まねぇ」
「何で姉貴が謝るんだよ?」
「だってよ。私らがもっと早く意識を取り戻していりゃお前の左手を失わずに済んだかもしれねぇのに」
焔はハジメの左手を失った事に罪悪感を感じていた。もし、もっと早く意識を取り戻していたら、彼の左手は失わずに済んだかもしれないからだ。
「別に姉貴は悪くねぇよ」
「そうよ焔、それを言うなら私だって」
ハジメと雫は焔を励ます。
「でもよ……」
「あぁーもう!いい加減にしなさい!アンタらしくないわよ!」
落ち込む焔が気に食わなかったのか雫は彼女のほっぺを引っ張った。
「いひゃい、ひっぱりゃにゃいで」
「ハハハ。本当お前ら姉妹みたいだな」
ハジメはこの光景に笑みを浮かべる。
「どう?少しは良くなったでしょ」
「おぉ」
焔は引っ張られた頬を押さえる。
「ところでよ」
「ん?」
「実はさっき熊の魔物の死骸を見かけたんだけど」
「あぁ、俺が殺した」
ハジメはそう言うと何かを出した。
「それ」
「銃だと、どうしたんだよこれ?」
ハジメが出したのは銃だった。
「作った」
「作った?ちょっと触らせて」
ハジメは焔に銃を渡す。
「へぇ〜よく出来てるじゃん。おまけにカッケ、流石錬成師」
「分かるのか?ドンナーって言うんだ」
「ハハハ、こう見えて映画とか好きだったからな。こんな風に」
焔は銃を構える。
「さっさと失せろ、ベイビーてな」
「おっ、なんかカッコいいな。それ気に入った」
「どうも」
焔はハジメにドンナーを返し、少し話した後、再び移動を開始した。
バン!バン!
「「……」」
ハジメはドンナーを使い、魔物を撃ち殺しまくっていた。
その様子を焔と雫は呆然と見ていた。
「南雲」
「アイツやるじゃねぇか」
「頼もしいわね、でも」
「私達だって!」
『炎の呼吸 弐ノ型』
『風の呼吸 肆ノ型』
『昇り炎天』
『昇上砂塵嵐』
焔と雫もハジメに負けじと魔物を斬る。
戦闘後、互いに頷き、移動を開始する。
その後も魔物を倒しながら迷宮を進んだ。
「これは」
やがて彼らはある扉に辿り着いた。
「扉だよね」
「あぁ」
「待て待て」
ハジメが扉に触れようしたが、焔が止めた。
「どうした?」
「なぁ、こういう迷宮とかにある扉ってゲームや映画だと何を思い浮かぶ?」
「……罠とか」
雫が答えた。
「そうだ。あとはボスの部屋とか運が良ければ宝の部屋だったりもするけどな」
「だが、進むにはこの扉の先に行かないと」
「あぁ、そうだ。だから警戒しないと」
「あぁ」
ハジメは扉に触れた。
ゴゴゴ!ゴゴゴ!
「っ!?」
「何!?」
「ちっ!!今度はなんだ!?」
扉に触れた瞬間、何かが起こる。
やがて、三人の目の前に一つ目の怪物が二体出現した。
「サ、サイクロプス?」
焔が怪物の名を呟いた。
「済まんが、付き合ってる余裕はねぇんだ。さっさと失せろ、ベイビー」
ドパッ!!
ハジメはドンナーでサイクロプスの一体を撃ち抜き、倒す。
「容赦ねぇ」
「焔」
「あぁ」
焔と雫はもう一体のサイクロプスに目を向け、日輪刀を構える。
サイクロプスは二人に目掛けて拳を突き出す。
『風の呼吸 陸ノ型』
『黒風烟嵐』
雫はサイクロプスの拳を刀を下から振り上げ、斬り裂いた。
『炎の呼吸 伍ノ型 炎虎』
そこに焔が駆け出し、燃え盛る虎の如く日輪刀を大きく振り、サイクロプスを斬る。
倒し終えた三人は扉の中に入る。
「一体なんなのここ?」
「警戒しとけ、何があるか分からないからな」
「あぁ」
三人は部屋の周りを警戒しながら、奥に進む。
「おい、何かあるぞ」
ハジメが何かを発見した。
「何あれ?」
「さぁ?」
「誰……?」
「「「っ!?」」」
突然、声らしきものが聞こえた。
三人は更に近づいた
「誰か……そこにいるの……?」
「よっ!」
炭治郎、禰豆子登場。
「まさか南雲君があんなになっていたなんて、随分と見違えてしまったな」
「むぅ〜」
「あんなになってしまう程、大変だったんだな」
「むぅ〜」
「ここでコソコソ噂話。東堂さんは映画のセリフを色々覚えているそうですよ」
「それにしても最後の扉の中にあったもの、一体?」
「むぅ〜」
「次回、金髪の吸血鬼」