炎の呼吸は世界最強   作:ギラサメ

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なんとか書けました。

無限列車編はいよいよ最終回、遊郭編はすぐそこです!


第二十一章 殻を破る投術士

「ど、どういう事?」

 

 優花は香織から受け取った本を見て、震えていた。

 

「何で……伊黒さんが?」

 

 その本の表紙に描かれていたのは夢の中で何度もしごかれ、ネチネチと色々言われまくられた伊黒小芭内が描かれているのだから。

 

「優花ちゃん落ち着いて」

 

「はっ!」

 

 香織に声をかけられて落ち着く優花。

 

「あ、えっと?これ一体?」

 

「これは"鬼滅の刃„という漫画でね。焔ちゃんがこの世界に来た時に一緒に持って来た物なの」

 

「焔が?」

 

「うん。この漫画は竈門炭治郎君という主人公が鬼になってしまった妹の禰豆子ちゃんを人間に戻すために鬼と戦う話なの」

 

「鬼?」

 

「この漫画に出てくる鬼は元々は人間だったんだけど、鬼舞辻無惨という鬼のリーダー格によって恐ろしい怪物になって人々を襲い、食べてしまうの」

 

「人が怪物になる?それで人を襲う?」

 

「うん。その鬼から人々を守るために鬼殺隊という組織があるの」

 

「鬼殺隊」

 

「その鬼殺隊には最も位の高い“柱„という鬼殺隊を支えている九名の剣士がいるの」

 

「……柱……柱!」

 

 

 

 

「二人の立派な柱に鍛えられました」

 

 

 優花は以前、焔がメルド団長に言っていた事を思い出す。あの時、焔が言っていた柱の事。

 

「柱って……まさか」

 

「うん。でね、この柱には炎柱の煉獄杏寿郎さん、水柱の冨岡義勇さん、蟲柱の胡蝶しのぶちゃん、音柱の宇髄天元さん、岩柱の悲鳴嶼行冥さん、霞柱の時透無一郎君、風柱の不死川実弥さん、恋柱の甘露寺蜜璃ちゃん」

 

 香織は優花に柱の面々を見せた。

 

「そして蛇柱の伊黒小芭内さん。優花ちゃんの師匠だよ」

 

「師匠って」

 

「でも、優花ちゃん凄いね。伊黒さんの継子に選ばれるなんて」

 

「継子?」

 

 聞き慣れない言葉に優花は首を傾げる。

 

「継子というのは柱が育てる隊士の事だよ。相当才能があって優秀じゃないと選ばれないんだよ。例えばこの子」

 

 香織は優花にある少女を見せた。

 

「この子は栗花落カナヲちゃん。しのぶちゃんの継子なんだ」

 

「へぇ〜」

 

「だからね、それだけ凄いんだよ継子に選ばれるのは」

 

「そうなんだ。でも、私にはそこまでの才能なんてないし、優秀でも。あの時だって……」

 

 優花は思い出す。オルクスで襲われそうになった事や証明しようとしてダメだった事。

 

「そういう意味じゃ焔の方がよっぽど」

 

「そんな事ないよ。だって優花ちゃん三人のために頑張ってくれていたし、今も強くなろうと伊黒さんに」

 

「香織」

 

「だから……」

 

 香織は優花の手を包む。

 

「自信を持って強くなって、私も頑張るから」

 

「香織……うん!」

 

 優花は力強く言う。

 

 

 

 

 

 

 

「あの伊黒さん」

 

「何だ?」

 

「どうして私が貴方の継子に選ばれたんですか?私の他にもいたでしょう。天之河とか」

 

 優花は夢の中で伊黒に問いた。どうして自分が彼の継子に選ばれたのか。

 

「あいつはダメだ。それだけじゃねぇ他の奴らもだ」

 

「えっ?」

 

「お前らは戦いというのを舐めている。ただ力があるというだけでいい気になって、それじゃ鬼と変わらん」

 

「鬼と」

 

「おまけにあんな訳の分からない教会や国の連中を疑いもせず、簡単に信用しやがる。人が死んだというのにそれを無能だ、裏切り者だと喜ぶ連中を。全くお間抜けな奴らだ」

 

「お間抜けって……何もそこまで」

 

「そうだろう。オルクス大迷宮の訓練だってどうだ?命令を聞かなかった罪、罠に引っかかった罪、仲間を危険に晒した罪、仲間殺しの罪。もう数え切れねぇ程な。お前も力を持ちながら死にかけた分際だけどな」

 

 伊黒にたくさん言われた優花。でも、殆ど事実であり、言い返せなかった。

 

「だが、お前はあの三人のためにあそこまでの度胸を見せた。これはと思った。それでお前を継子にした」

 

「それで」

 

「話は終わりだ。始めるぞ。今日こそ一太刀入れられるといいな」

 

 

 話を終え、鍛錬に入る。しかし、残念ながら一太刀入れられなかった。

 

 

 

 

 だが、優花は諦めなかった。

 

 

「優花ちゃん!頑張って!」

 

「ぐぬぬ〜!」

 

 優花は必死に鍛錬をしている。彼女は今、香織からの助言で常中を取得しようと頑張っていた。

 

「はぁ、はぁ」

 

「優花ちゃん」

 

「まだよ。焔だってあんなに努力したのよ。絶対に取得してあいつに一太刀入れてやるんだから」

 

「優花ちゃん……うん!」

 

 優花は再度気合入れて鍛錬を行った。そんな頑張りに香織も彼女の鍛錬に付き合う。

 

「……」

 

 その様子を見ている光輝。どこか気に食わないようだ。

 

 

 

「香織、何もここまで」

 

「ううん。大丈夫。寝ている間でも全集中の呼吸できるようにしないと」

 

 香織は優花が寝ている間に全集中の呼吸が止まらないように見張りをするようだ。

 

「すぅ、すぅ」

 

「呼吸止まってる!」

 

 パン!パン!

 

 このように寝ている間に全集中の呼吸が止まれば、叩くようにしている。因みにこれは炭治郎が常中を取得した時のを参考にしている。

 

 こうして日々鍛錬に勤しんだ。

 

 

 

 その結果

 

『ダダダダダダ!』

 

 優花は道場の中を走る。以前とは比べ物にならない位に。

 

『速さも上がっている。それに俺にもついて行けているだと。こいつまさか常中を』

 

 これには伊黒も目を見開く。だが、彼は気にせず木刀を優花に向けて振る。

 しかし……

 

 

 

 優花は見事に避けた。

 

『躱しただと!?反応も早くなってやがる』

 

『ついて行けている!努力は無駄じゃなかった!今日こそ入れてやるんだ!』

 

 優花は必死に木刀を振った。しかも括られている人に当たらず、正確な太刀筋で。

 

 そして

 

 

 スパァン!

 

 

 

 優花の木刀は伊黒を正確な太刀筋で一太刀入れた。

 

 

『……やった……やった!』

 

 やっと一太刀を入れた事で安堵したのか座り込んでしまった。

 

 ふと、床を見ると包帯が落ちていた。恐る恐る伊黒を見る優花。

 

 

『あっ』

 

 伊黒の口がまるで口裂け女のように裂けていた。彼女が斬ったのは伊黒が巻いていた包帯だった。

 

「ご、ごめんなさい」

 

「何故、謝る?」

 

「だって、その口」

 

「口の事は気にするな。それよりよく一太刀入れたな」

 

 伊黒は座り込んだ優花に合わせてしゃがむ。

 

「一太刀入れたお前に朗報だ」

 

「朗報?」

 

「南雲ハジメ、八重樫雫、東堂焔。三人は生きている。今もあの大迷宮で頑張っている」

 

「えっ?生きてる?生きてるんですか!?三人は!?」

 

「あぁ」

 

 三人の生存を知った優花は涙を流す。

 

「いいかよく聞くんだ。他の奴らには伝えるなよ。伝えるのは白崎香織だけにしろ」

 

「分かったわ」

 

「それと甘露寺から伝言だ」

 

「甘露寺?」

 

「俺と同じ柱だ。伝言はお前のいる世界に甘露寺の継子がいる。もし、そいつに会ったら仲良くしてやってくれと」

 

「えっ?甘露寺さんの継子?」

 

 その瞬間、優花の目の前が暗くなった。

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 目が覚める優花、見渡すといつもの部屋だった。目覚めると涙を流す。

 

「優花ちゃん」

 

 振り返ると香織がいた。

 

「優花ちゃん、どうし……っ!?」

 

 香織に抱きつく優花。

 

「優花ちゃん?」

 

「生きてる。南雲も、雫も、焔も、生きてるって……あの大迷宮で今も頑張ってるって」

 

「っ!?」

 

 それを聞いた瞬間、香織の目からも涙を流し、お互い泣いた。

 

 

 

 

 

「そう。伊黒さんが」

 

「うん。あの人がそう言ってた」

 

「うん。よかった、三人とも」

 

「香織分かってるよね?」

 

「うん。誰にも言わない。それより優花ちゃんあれ」

 

 香織が床を指差す。そこには鬼殺隊の隊服と刀と羽織があった。

 

「これ」

 

「優花ちゃんの隊服だよ」

 

「私の隊服?」

 

「で、これが日輪刀だね。ねぇ、優花ちゃん着てみて」

 

「えっ、うん」

 

 

 数分後

 

 

「着替えたよ」

 

「わぁー優花ちゃん似合ってる」

 

 隊服に着替え終えた優花がいた。羽織も着ており、その柄は伊黒と同じ柄だった。髪には藤の花の髪飾りもつけていた。

 

「その髪飾りは?」

 

「あっ、これ一緒にあったの」

 

「似合ってるよ」

 

「ありがとう」

 

「さぁ、次にこの日輪刀を抜いて」

 

 優花は香織から日輪刀を受け取り、刀を抜く。

 

「わぁー」

 

 刀身の色が薄い紫色となった。

 

「色が変わった」

 

「日輪刀は別名色変わりの刀って呼ばれていて、その人の呼吸に合わせて変わるの」

 

「へぇ〜」

 

 関心した優花は日輪刀を納刀する。

 

『伊黒さん、貴方から教わった事を胸に頑張るね』

 

 そう決意した優花であった。

 

『それより甘露寺さんの継子……誰なんだろう?』

 

 

 

 

 

「くしゅん!風邪でも引いたかな?」

 

 彼女に会うのはまだまだ先。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、オルクス大迷宮

 

「濃厚で深い味わい……!」

 

「うおっ」

 

「いただきます」

 

 ユエに襲われそうになるハジメ。

 

「おい!姉貴、八重樫!助けてくれ!」

 

「どうぞ、ごゆっくり。二人で楽しんで。私らはちょっと見回りしてくる」

 

「おい!待ってくれ!頼む!」

 

 かぷっ

 

 

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛

 

 ハジメの叫びが大迷宮に響き渡った。

 

「ユエって結構肉食だな」

 

「う、うん。『ううぅ、香織になんて言おう』」

 

 




「よっ!」

 炭治郎、禰 豆子登場!

「園部さん、やっと伊黒さんに一太刀入れられてよかった」

「ううう!」

「俺もあれには苦労したんだよな」

「ううう」

「ここでコソコソ噂話!園部さんの髪飾り、あれは伊黒さんが甘露寺さんと一緒に選んで買ったんだそうです」

「園部さんのこれからの活躍楽しみだね」

「ううう!」

「でも、大迷宮の方も気になるところ」

「次回、寄生花!」
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