炎の呼吸は世界最強   作:ギラサメ

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なんとか書けました。

新章開幕です。


ライセン大迷宮編
第二十七章 ライセン大峡谷


焔SIDE

 

「なんでやねん」

 

 南雲のツッコミが聞こえる。私だってそう言いたくなる。

 

 オルクス大迷宮を攻略をし、無事地上に戻れる……

 

 

 

 

 筈だった。

 

 どこもかしこも岩壁、岩壁、岩壁……。ガッカリ感が半端ない。

 

 そんな中ユエが南雲の服の裾をクイクイと引っ張る。

 

「……秘密の通路……隠すのが普通」

 

「……ああ、そうか。確かにな。解放者の隠れ家への直通の道が、隠されていないわけないか」

 

「成る程、盲点だった」

 

「そうね考えもしなかった」

 

 ユエのそれを聞いて納得する私達三人だったっけ

 私達は気を取り直し、南雲は“宝物庫„というオスカーが残した亜空間に物を仕舞えるアーティファクトから緑光石を用いたマグライトを出し、辺りを照らした。

 

「ん?あれは……」

 

 淡い緑の混じる光が洞窟の奥に異変を見つける。綺麗な縦線の刻まれた壁があり、手の平大の七角形が描かれていた。各頂点には異なる紋様も描かれていて、その内の一つはここ数ヶ月よく見ていたオスカー・オルクスの紋章があった。

 南雲はその壁に歩み寄り、“宝物庫„からオルクス大迷宮の攻略である指輪をかざした。すると、直後にはゴゴゴッと雰囲気たっぷりに音を響かせて壁が左右に開き、その奥に通路を晒した。

 私達は顔を見合わせ一つ頷くと、その通路へと踏み出す。

 途中、幾つか封印された扉やトラップがあったが、オルクスの指輪のおかげで悉く解除されていった。私達は、一応警戒したのだが、特に何事もなく洞窟を進み、そうして……遂に光を見つけた。

 外の光だ。陽の光だ。私と雫、南雲にとっては数ヶ月、ユエに至っては三百年間、求めてやまなかった光だ。

 それを見つけた瞬間、私達はお互い顔を見合わせ、一目散に駆け出した。

 近づくにつれて徐々に大きくなる光。外から清涼で新鮮な風が吹き込んでくる。そして、同時に光に飛び込んだ。

 

「……戻って……来たんだな……」

 

「……んっ」

 

「……あぁ」

 

「……うん、うん」

 

 南雲が呟けば、ユエも私も雫も目一杯力の籠った返事をする。雫に至っては手を口に当て涙を流していた。

 

「よっしゃぁああーー!!戻ってきたぞぉおおおおおっ!!」

 

「んっーー!!」

 

「うぉおおおおおーー!!やったぜぇえええええ!!」

 

「うぅ〜、ここまで長かった〜」

 

 ユエを抱きしめ、南雲はくるくると回る。私はこの上ないくらい叫んだ。雫は膝をつき、泣きだす。

 だが、喜びもここまでであった。

 

 

 私達はすっかり多くの魔物に囲まれていた。

 

「はぁ、全く無粋なヤツらだな。もう少し余韻に浸からせてくれたっていいだろうよ」

 

 南雲はドンナーとシュラーゲンを抜き、私と雫は日輪刀を抜刀する。あっ、そういえばここって魔法が使えないライセン大峡谷って、南雲から聞いたっけ。

 

「……分解される。でも、問題ない」

 

 その証拠にユエの魔法が分解される。でも、本人には何の問題がないみたい。

 

「力ずくって……効率は?」

 

「……ん……十倍くらい」

 

 どうやら、初級魔法を放つのに上級レベルの魔力が必要らしい。射程も相当短くなるようだ。

 

「あ〜、それなら、俺達がやるからユエは身を守る程度にしとけよ」

 

「うっ……でも」

 

「ここはお前にとっちゃ相性最悪だろ?私達に任せてくれ」

 

「……んぅ……分かった」

 

 ユエが渋々といった様子で引き下がる。よっぽど戦力外なのがショックみたいだ。

 そのユエの様子に少しグッときたのか、彼はドンナーを発砲した。相手の方を見もせず、自然な動作でスッと銃口を魔物の一体に向けると、これまた自然に引き金を引きやがった。

 

「さて、奈落の魔物とお前達、どちらが強いのか……試させてもらおうか?」

 

「強化された日輪刀がどれ程のものか……テメェらで試させてもらうぜ」

 

 南雲は奈落で身につけたガン=カタの構えをとる。私と雫も日輪刀を構える。一歩後退る周囲の魔物達、その中から三体の魔物が飛び出す。

 

『炎の呼吸 壱ノ型』

 

『不知火』

 

『風の呼吸 壱ノ型』 

 

『塵旋風・削ぎ』

 

 

「「「ガァアアアア!!」」」

 

 しかし、南雲の銃撃が魔物の頭を吹き飛ばし、私と雫の剣技が魔物の頸を斬り飛ばす。

 そこから先は、最早戦いではなく蹂躙となった。

 魔物達はなす術なく、逃げる事も叶わず、一方的に倒されるのであった。

 ドンナーとシュラーク、日輪刀を仕舞った私達、そんな中南雲は、首を傾げながら周囲の死体の山を見やる。

 その傍に、ユエが寄って来た。

 

「……どうしたの?」

 

「いや、あまりにあっけなかったんでな。……ライセン大峡谷の魔物といやぁ相当凶悪って話だったから、もしかして、別の場所に出てきたんじゃないかと思って」

 

 あぁ、確かにここの魔物なんか張り合いを感じなかったな。

 

 

「……ハジメが化け物なだけ。ホムラとシズクも」

 

 ユエに化け物扱いされた。女として複雑、そりゃ男子相手に勝つほどだけど。

 

「酷い言い様だな。まぁ、奈落の魔物が強すぎたってことでいいか」

 

 取り敢えず、そういう事にしとこ。

 

「さて、この絶壁、登ろうと思えば登れるだろうが……どうする?ライセン大峡谷と言えば、七大迷宮があると考えれている場所だ。せっかくだし、樹海側に向けて探索でもしながら進むか?」

 

 南雲が峡谷の絶壁を見上げながら言う。

 

「……なぜ、樹海側?」

 

「いや、峡谷抜けて、いきなり砂漠横断とか嫌だろ?樹海側なら、どこかの町にも近そうだし」

 

 確かにそうだな。

 

「……ん。確かに」

 

 南雲の提案に、ユエは納得したように頷いた。私と雫もその提案に賛成する。

 南雲は宝物庫から魔力駆動二輪シュタイフという大型バイクのような乗り物を二台出す。南雲は私専用にもう一台作ってくれた。色は南雲のは黒だが、判別できるように私のは黒に赤色が混じってる。

 私は跨ると、雫も後ろに乗る。私は南雲について行く形でシュタイフを走らせる。

 

「どうだ乗り心地は?」

 

「悪くないね。というか運転上手いね」

 

「まぁな。向こうでも乗ってたし」

 

「……まさか無免許?」

 

「な訳あるか。高校入ってすぐ免許取ったんだよ」

 

 まぁ、この世界じゃ免許云々は関係ないけど。

 シュタイフを走らせて、大きくカーブした崖に回り込むと、その向こうに何かを発見した。見ると頭が二つあるティラノとそれに襲われているウサミミを生やした少女だった。

 

「あれは?」

 

「確か、兎人族?」

 

 何でこんなとこに兎人族が?

 

「みづけだぁ!!やっとみづけましたよぉ〜〜!だずげでぐだざ〜い!ひぃいいい、死んじゃう!死んじゃうよぉ!だずけて〜、おねがいじますぅ〜!」

 

 涙を流し、顔をぐしゃぐしゃにして必死に駆けてくる。ここは助けてやるか、と思った。

 

 その瞬間……

 

 ヒュン!

 

 何かが通り過ぎた。今のは?

 

 すると、双頭ティラノから血が噴き出た。だが、まだ動いていた。よく見るとウサミミ少女のとこにもう一人、私ぐらいの女がいた。

 

「おい!早く逃げろ!まだ生きてるぞ!」

 

 私は叫んだ。

 

「大丈夫だよ」

 

 女がそう言うと、双頭ティラノは突然苦しみだし、倒れてしまった。私達はシュタイフから降り、近づく。

 

「あっ」

 

 よく見るとその女は後姿だったが、蝶の羽の模様が描かれた羽織を来ていて、蝶の髪飾りをしていた。この女もしかして。

 

「おい、お前もしかして……」

 

 私がそう言うと、その女が振り向いた。

 

「「あっ」」

 

 私はその女を見て、目を見開く。その女も同様だ。

 

「ほむちゃん?」

 

「スグ?」

 

 その女……スグはこっちに近づいて来て、私の手を握る。

 

「やっと会えた!ほむちゃん!」

 

「えっ?何、焔この子知り合い?」

 

「姉貴、誰なんだこの女は?」

 

「ホムラ、誰?」

 

「あっ、あぁ。こいつは……」

 

 

 

 

 

 

 

「スグ、桐原直葉。私の幼馴染」

 




「よっ!」

 炭治郎、禰 豆子登場!

「遂に地上に出る事ができた。良かった」

「うぅ〜」

「そして新たに登場した兎の耳の少女と東堂さんの幼馴染は?」

「うぅ〜」

「ここでコソコソ噂話。東堂さんと八重樫さんが魔物肉を食べないのはドーピングみたいで拒否したとの事」

「新たな話の開幕、どうなるんだ?」

「うぅ〜」

「次回、ウサミミ少女と蟲の剣士」
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