炎の呼吸は世界最強   作:ギラサメ

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仕事が忙しく。そのせいで体調崩してしまい、中々、書く時間が取れませんでした。今もちょっと不安です。


第三十六章 ブルック

焔SIDE

 

 どうも焔です。現在、私達はブルックという町に来てます。ここには七大迷宮の一つがあるライセン大峡谷に行くための食料やお金など先立つ物を手に入れるために来ている。

 因みに新しく仲間になったシアだけど、首輪をするようになった。別にああいうプレイとかではなく、奴隷のように見せるためのお飾りとしている。

 さて、今私達はメインストリートを歩いて行き、一本の大剣が描かれた看板を発見した。以前、ホルアドでも見た冒険者ギルドの看板だ。ホルアドに比べたら二回りほど小さいが。

 私達がギルドに入ると、冒険者達が当然のように注目してくる。特に私ら女性陣に視線が向く。まぁ、どうでもいいし、無視、無視。

 カウンターに向かうと、そこには大変魅力的な笑みを浮かべた……オバチャンがいた。そのオバチャンはニコニコと人好きのする笑みで私達を迎えてくれた。

 

「周りにとびっきり綺麗な花を持っているのに、まだ足りなかったのかい?残念だったね、美人の受付じゃなくて」

 

 おいおいユエとシアはともかく私、雫、スグ、董香は違うからな。

 

「いや、そんなこと考えてないから」

 

「あはははは、女の勘を舐めちゃいけないよ?男の単純な中身なんて簡単に分かっちまうんだからね。あんまり余所見ばっかして愛想尽かされないようにね?」

 

「……肝に銘じておこう」

 

 南雲の返答に「あらやだ、年取るとつい説教臭くなっちゃってねぇ、初対面なのにゴメンね?」と、申し訳なさそうに謝るオバチャン。チラリと食事処を見ると、冒険者達が「あ〜、あいつもオバチャンに説教されたか〜」みたいな表情で見ている。なんとも憎めない人だこのオバチャン。

 

「さて、じゃあ改めて冒険者ギルド、ブルック支部にようこそ。ご用件はなにかしら?」

 

「ああ。素材の買取りをお願いしたい」

 

「素材の買取りだね。じゃあ、まずステータスプレートを出してくれるかい?」

 

「ん?買取りにステータスプレートの提示が必要なのか?」

 

 南雲の疑問に「おや?」という表情をするオバチャン。

 

「あんた冒険者じゃなかったのかい?確かに、買取りにステータスプレートは不要だけどね、冒険者と確認できれば一割増で売れるんだよ」

 

「そうだったのか」

 

 へぇー、冒険者になればそんな特典が付いてくるのか。

 

「他にも、ギルドと提携している宿や店は一割から二割程度は割り引いてくれるし、移動馬車を利用するときも高ランクなら無料で使えたりするね。どうする?登録しておくかい?登録には千ルタ必要だよ」

 

 すげぇ。冒険者になるとこんなに特典が付くのか。

 因みにルタとは、この世界トータスの北大陸共通の通貨だ。ザガルタ鉱石という特殊な鉱石に他の鉱物を混ぜることで異なった色の鉱石ができ、それに特殊な方法で刻印したものが使われている。青、赤、黄、紫、緑、白、黒、銀、金の種類があり、上から一、五、十、五十、百、五百、千、五千、一万ルタと、驚くことに貨幣価値は日本と同じ。

 

「う〜ん、そうか。ならせっかくだし登録しておくかな。悪いんだが、持ち合わせが全くないんだ。買取り金額から差っ引くってことにしてくれないか?もちろん、最初の買取り額はそのままでいい」

 

「可愛い子何人もいるのに文無しなんてなにやってんだい。ちゃんと上乗せしといてあげるから、不自由させんじゃないよ」

 

 オバチャンかっこいい。あっ、なら。

 

「私と雫も冒険者登録していいか?それとスグと董香のステータスプレートの発行できるか?」

 

「もちろんかまわないよ。発行もできるよ」

 

 出来るみたいだ。よし!

 

「おい、姉貴」

 

「頼むよ南雲。せめてこの二人のだけでも」

 

「……」

 

 南雲がスグと董香と私を見て考え出す。

 

「……分かった。おい登録に四人追加と二人分ステータスプレートの発行を頼む」

 

「はいよ!それにしてもあんた達姉弟なのかい?全然似てないね?」

 

「違う。俺がそう呼んでるだけだ」

 

「そうか」

 

 オバチャンが納得する。まぁ、よく周りから姉貴とか姐さんと呼ばれていたからな、慣れちまった。

 まぁ、とにかく私、南雲、雫はステータスプレートをオバチャンに差し出す。スグと董香はオバチャンからステータスプレートを受け取り、ステータスを表示させ、同様に差し出す。

 戻ってきたステータスプレートの天職欄の横に職業欄が出来ており、そこに“冒険者„と表記され、更にその横に青色の点がついている。

 この青色の点は、冒険者ランクだ。上にいくにつれて赤、黄、紫、白、黒、銀、金へとなっていく。まぁ、駆け出しだし、青なのは当然だと。

 因みにスグ、董香のステータスだけど。

 

 

 桐原直葉 17歳 女 レベル:65

 天職:剣士

 

 筋力:200

 

 体力:700

 

 耐性:750

 

 敏捷:900

 

 魔力:300

 

 魔耐:600

 

 技能:剣術・全集中の呼吸【+蟲の呼吸】【+常中】・縮地・水属性適正・先読・反復動作・気配感知・言語理解

 

 

 湊董香 17歳 女 レベル:80

 天職:剣士

 

 筋力:850

 

 体力:800

 

 耐性:600

 

 敏捷:900

 

 魔力:500

 

 魔耐:600

 

 技能:剣術・全集中の呼吸【+音の呼吸】【+常中】・縮地・雷属性適正・先読・反復動作・気配感知・言語理解

 

 と、まぁこんな感じだ。

 

「男なら頑張って黒を目指しなよ?お嬢さん達にカッコ悪いところ見せないようのね」

 

「ああ、そうするよ。それで、買取りはここでいいのか?」

 

「構わないよ。あたしは査定資格も持って持ってるから見せてちょうだい」

 

 お、査定資格も持ってるのか。優秀なオバチャンだ。

 南雲は素材を出す。

 

「こ、これは!」

 

 恐る恐る手に取り、隅から隅まで確かめる。息を詰めるような緊張感の中、ようやく顔を上げたオバチャンは、溜息を吐き南雲を見る。

 

「とんでもないものを持ってきたね。これは…………樹海の魔物だね?」

 

「ああ、そうだ」

 

 ん?なんか珍しいのか?それ?

 

「……あんたも懲りないねぇ」

 

 オバチャンが呆れた視線を南雲に向ける。

 

「なんのことか分からない」

 

「樹海の素材は良質なものが多いからね。売ってもらえるのは助かるよ」

 

「やっぱり珍しいか?」

 

「そりゃあねぇ。樹海の中じゃあ、人間族は感覚を狂わされるし、一度迷えば二度と出てこられないからハイリスク。好き好んで入る人はいないねぇ。亜人の奴隷持ちが金稼ぎに入ることもあるけれど、そんな亜人達の神経を逆撫でするようなことしていたら、それこそ命がいくつあっても足りないよ。それに、仮に運よく素材が手に入っても、売るならもっと中央で売るさ。幾分か高く売れるし、名も上がりやすいからね」

 

 オバチャンはチラリとシアを見る。シアのおかげだと推測したのだろう。

 それからオバチャンは、全ての素材を査定し金額を提示した。四十八万七千ルタ。結構な額だ。

 

「これでいいかい?中央ならもう少し高くなるだろうけどね」

 

「いや、この額で構わない」

 

 南雲は五十一枚のルタ通貨を受け取る。

 

「ところで、門番の彼に、この町の簡易な地図を貰えると聞いたんだが……」

 

 ああ、そういえばそんなの聞いたな。

 

「ああ、ちょっと待っといで……ほら、これだよ。おすすめの宿や店も書いてあるから参考にしなさいな」

 

 その地図を見ると、中々に精巧だった。有用な情報が簡潔に記載されていた。

 

「おいおい、いいのか?こんな立派な地図を無料で。十分金が取れるレベルだと思うんだが……」

 

「構わないよ、あたしが趣味で書いてるだけだからね。書士の天職を持ってるから、それくらい落書きみたいなもんだよ」

 

 このオバチャン優秀すぎねぇか?何でこんなとこで受付やってんのか不思議でしかねぇ。

 

「そうか。まぁ、助かるよ」

 

「いいってことさ。それより、金はあるんだから、少しはいいところに泊まりなよ。治安が悪いわけじゃあないけど、その六人ならそんなの関係なく暴走する男連中が出そうだからね」

 

 オバチャンは最後までいい人で気配り上手だった。私達はオバチャンに礼を言い、ギルドを後にした。

 

「ふむ、色んな意味で面白そうな連中だね……そういえばあの四人の子達が着ていたのどこかで見たような?」

 

 

 

 

 

 ギルドを出た私達が向かったのは“マサカの宿„という宿屋。紹介文によると、料理が美味しく防犯もしっかりしており、なにより風呂に入れるという。お得満載の宿だ。

 

「いらっしゃいませー、ようこそ“マサカの宿„へ!本日はお泊まりですか?それともお食事だけですか?」

 

 カウンターらしき場所に行くと、十五歳くらいの女の子が元気よく挨拶しながら現れた。

 

「宿泊だ。このガイドブック見てきたんだが、記載されている通りでいいか?」

 

 南雲がオバチャンからもらった地図を見せると女の子は頷く。

 

「ああ、キャサリンさんの紹介ですね。はい、書いてある通りですよ。何泊のご予定ですか?」

 

 へぇー、あのオバチャン、キャサリンって言うのか。

 

「あの〜、お客様?」

 

「あ、ああ、済まない。一泊でいい。食事付きで、あと風呂も頼む」

 

 女の子の呼びかけで気づく南雲、どうしたんだ?

 

「はい。お風呂は十五分百ルタです。今のところ、この時間帯が空いてますが」

 

 女の子が時間帯表を見せる。なるべくゆっくり入りたい。男女で分けるとなると二時間は確保したいということを女の子に伝える。「えっ、二時間も!?」と驚かれたけど。

 

「え、え〜と、それでお部屋はどうされますか?二人部屋、三人部屋、四人部屋と大部屋が空いていますが……」

 

 ちょっと好奇心な目でこっちを見る女の子。

 

「ああ、三人部屋で頼む。こっちの四人に四人部屋」

 

 おお、南雲の奴迷うことなく三人部屋とは。

 

「はわわわわわわ〜」

 

「っ!?///」

 

 スグと雫が顔真っ赤にあたふたしてる。

 

「ほう。南雲も天元様と同じように派手ね」

 

 董香に至っては感心している。まぁ、彼女の師範である天元様は三人の嫁さんがいるからな。

 

「……ダメ。二人部屋二つで」

 

 ここでユエが否定する。まぁ、彼女の考えなら。

 

「……私とハジメで一部屋。シアは別室」

 

 やっぱり。

 

「ちょっ、なんでですか!私だけ仲間はずれとか嫌ですよぉ!三人部屋でいいじゃないですかっ!」

 

 抗議するシアに、ユエはさらりと言ってのけた。

 

「……シアがいると気が散る」

 

「気が散るって……なにかするつもりなんですか?」

 

「……なにって……ナニ?」

 

「ぶっ!?ちょっ、こんなとこでなに言ってるんですか!お下品ですよ!」

 

 あああ、始まったよ。二人の痴話喧嘩。チラッと南雲と董香を見ると拳構えているし。

 

「だ、だったら、ユエさんこそ別室に行って下さい!ハジメさんと私で一部屋です!」

 

「……ほぅ、それで?」

 

 指先を突きつけてくるシアに、ユエは冷気を漂わせた眼光で睨みつける。シアは震え出すが、睨み返すw

 

「そ、それで、ハジメさんに私の処女を貰ってもらいますぅ!」

 

 おいおい、こんな大勢がいるとこで何言ってるんだこいつは?ほら見ろ、周りの奴が注目してるぞ。

 

「……今日がお前の命日」

 

「うっ。負けません!今日こそユエさんを倒して正ヒロインの座を奪ってみせますぅ!」

 

「……師匠より強い弟子などいないことを教えてあげる」

 

「下剋上ですぅ!」

 

 一触即発の危機

 

 

 

 

 

 その時

 

 

「おい。何こんなとこでくだらん喧嘩しようとしてるんだ?ガキかお前ら?」

 

「姉さん。よく見て一人は思いっきり子供じゃない。ほらあの金髪」

 

「……あぁ、ホントだ」

 

 二人組の女の声が聞こえて振り向くと、私、スグ、董香は目を見開く。

 一人は眼鏡をかけて、髪をポニーテールにした女。もう一人はショートボブの女。二人とも鬼殺隊の隊服を着ていた。

 

「……子供」

 

 子供と言われたユエはポニーテールの女を睨む。

 

「プププ!子供!まぁ、お子ちゃま姿のユエさんにはお似合いですね」

 

 笑うシア。

 

「まぁ、そっちの女も金髪同様中身は子供みたいだけどね」

 

 今度はショートボブの女がシアを揶揄う。

 

「子供ですって?それもユエさんと一緒」

 

 ワナワナと怒り出すシア。シアは大槌を出し、ショートボブの女を睨む。

 

「上等ですぅ!ユエさんより先に貴女からやるですぅ!」

 

「おい!シア!」

 

 南雲が止めようとするも遅く、シアは突撃する。

 シアは大槌を振り下ろし、もらったと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべる。

 

 しかし、彼女はスルッと避ける。

 

 ガシっ!

 

「へっ?」

 

 ぶん!

 

 ドゴーン!!

 

 シアの腕を掴むと、彼女は投げられ床に顔から突っ込まれた。床に突っ込まれたシアは犬神家状態に。

 

「ふん。この程度?」

 

「真依、宿の床を壊す奴があるか」

 

「突っ込んできたそこの兎が悪い。それよりやっと会えたね焔、直葉、董香」

 

「焔、直葉、董香、知り合い?」

 

「姉貴?」

 

「ホムラ?」

 

「……あぁ」

 

 雫、南雲、ユエに問われ、頷く。

 

「二人は「焔、自分で紹介する」」

 

 

 

 

 

「私は西園寺真希。水柱・冨岡義勇の継子だ。で、兎を投げたのが双子の妹の」

 

「西園寺真依。岩柱・悲鳴嶼行冥の継子」

 

 




冨岡義勇、胡蝶しのぶ登場!

「彼女が冨岡さんの継子ですか。可愛い子ですね」

「……」

「彼女はどうでしたか?」

「……」

「何かおっしゃってはどうですか?」

「……ここでコソコソ噂話。真希は昔から物覚えや観察眼に優れて、そのせいで水の呼吸もすぐに取得できた」

「そうなんですか。真依さんもそうですが、二人の活躍に期待ですね」

「次回、水、岩の剣士」
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