私は目の前にいる二人の男女に驚いている。
黄色に赤が混ざった炎のような髪、眼力のある四白眼。
よく夢に出てきた男、煉獄杏寿郎だ。
もう一人は桜色で先が緑色の髪をし、大きく胸元が開いた隊服を着た女
恋柱・甘露寺蜜璃だ。
「おい!柱に対してその口の聞き方!」
うるさいな、この人。
よく見たらこの人、隠の人じゃん。
「そんなに騒ぐな。この子も突然の事で戸惑ってるんだ、そう乱暴にするな」
「す、すみません」
「それと三人で話しがたい。君はもう下がってよい」
「は、はい!」
煉獄さんに言われるがまま隠しの人は去って行った。
「さて単刀直入に言う。ここは君の夢の中だ!」
「ゆ、夢の中!?」
「そして君には炎の呼吸を覚えてもらう!」
「えっ?えぇぇー!!」
炎の呼吸を……私が!?
「ちょ、ちょっと待って……」
「早速鍛錬を始めるぞ!」
「えっ?ちょ!?」
私はそのまま煉獄さんに手を引っ張られた。
「どうした!どうした!守ってばかりいないで攻めてこい!」
「ひいぃぃ〜!」
私はあれから道着に着替えさせられ、煉獄さんと打ち込みの稽古している。
「わぁ!?」
煉獄さんのあまりの勢いに私は尻餅をついた。
夢なのに痛みを感じた。
「立て!まだ稽古は終わってないぞ!」
「……あるの?」
「ん?」
「こんな事をして何の意味があるんですか!!」
私は煉獄さんに叫んだ。
「私に炎の呼吸を覚えさせるなんて、私は生まれてから刀を握った事もないですし、ましてや剣道や剣術も習った事もないんです!!そんな私に炎の呼吸なんて……」
「君を戦える様にするためだ!ここは君の夢の中だが、ここで鍛錬した事は現実の君にも影響を与える!」
「でも!戦えるって、戦争なんて……こんなただの女子高生に……うぅ」
私は涙を流してしまい、泣く。
「東堂少女」
煉獄さんが私の肩に手を置いた。
私は顔を上げ、煉獄さんの顔を見る。
「これから色んな困難や理不尽な事があるかもしれん。だが、心を燃やせ。歯を喰いしばって前を向け、君が足を止めて蹲っても時間は止まってくれない。君はどうしたい東堂少女?」
「私は……」
私は……
私は……
思い出す。
家族や友人達と過ごすいつもの日常
笑い合い、楽しむ姿
「私は……」
「私は生きたい!!生きて元の世界に帰りたい!!家族や友達に会いたい!!普通の日常に戻りたい!!」
私は叫んだ。自分の心の叫びを。
「うむ!しかと君の叫びを聞き届けた!では、東堂少女続けるぞ!」
「はい!師範!」
「頑張って焔ちゃん!」
私は煉獄さんとの鍛錬に戻った。
「はぁ!」
「うむ!いい動きだ!」
私はさっきまでとは違い、攻めるように鍛錬に励んだ。
「ギャーー!!痛い!!」
「ガンバ!ガンバ!」
甘露寺さんからも鍛錬を受ける事に。今柔軟を受けている。
もう殆ど甘露寺さんによる力技によるほぐしだ。夢なのになんで痛いのー!!
「はぁ、はぁ」
「うむ、少々粗削りだが問題ないだろう!これなら常中の取得も可能だろう!」
「よく頑張ったね!焔ちゃん!」
私は鍛錬を終えて、息を切らす。
「もうすぐ目覚めだ。起きていても鍛錬を怠るんじゃないぞ!」
「はい!」
「では!」
私の目の前が真っ暗になった。
「っ!?」
起き上がり、周りを見渡す。
用意された部屋だ。
少し体を動かしてみた。なんかいい感じだ。
煉獄さんの言う通り、夢での鍛錬が本当に現実に影響したみたいだ。
「ん?」
ふと床を見るとなんか置いてあった。
「これは」
そこにあったのは刀と木刀、桜餅だった。手紙も添えてあった。
『東堂少女よ、鍛錬の為にこれを送る。しかと鍛錬に励め』
『頑張ってね焔ちゃん。頑張れるように桜餅食べてね』
「師範、甘露寺さん」
私は思わず涙を流してしまった。
「私……頑張ります。お二人の期待に応えられるように」
「焔ちゃん頑張っていたね!」
「うむ、これからの活躍に期待だ!」
「ここでコソコソ噂話。焔ちゃんは中学時代、不良だったけど、勉強は学年上位に入るほど良かったみたい」
「「次回、ステータス!」」