炎の呼吸は世界最強   作:ギラサメ

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出来ました!


第五章 ステータス

 夢で煉獄さんと甘露寺さんから鍛錬を受けたけど、現実でも今日から早速訓練と座学が始まる。

 まず、私達に十二センチ×七センチ位の銀色のプレートが配られた。不思議そうに配られたプレートを見る私達に、騎士団長メルド・ロギンスが直々に説明を始めた。

 

「よし、全員に配り終わったな?このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」

 

 非常に気楽な喋り方をするメルド団長。

 彼曰く「これから戦友になろうってのに何時までも他人行儀に話せるか!」とのこと。

 

「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこの、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。"ステータスオープン„と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ?そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」

 

「アーティファクト?」

 

「アーティファクトっていうのはな、現代じゃ再現できない強力な能力を持った魔法の道具のことだ。まだ神や眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、昔からこの世界に普及しているものとしては唯一のアーティファクトだ。普通は、アーティファクトと言えば国宝になるもんなんだが、これは一般市民にも流通している。身分証明に便利だからな」

 

 生徒の質問にメルド団長が答えた。

 アーティファクトというのはこの世界の便利アイテムみたいなものか。

 納得した私は、指先に針を刺し、魔法陣に擦りつけた。するとステータスプレートに文字が浮かび上がった。

 

 

 

 東堂焔 17歳 女 レベル:10

 天職:剣士

 

 筋力:200

 

 体力:200

 

 耐性:200

 

 敏捷:200

 

 魔力:100

 

 魔耐:200

 

 技能:剣術・全集中の呼吸【+炎の呼吸】・縮地・炎属性適正・先読・反復動作・気配感知・言語理解

 

 

 これが私のステータス。

 まるでゲームみたいだ。

 

 ん?レベル10?普通1からのスタートのでは?

 

「全員見られたか?説明するぞ?まず、最初に"レベル„があるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれが人間の限界を示す。つまりレベルとは、その人間が到達できる領域の現在値を示しているというわけだ。レベル100ということは、自分の潜在能力を全て発揮した極致ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 

 レベルが上がる。ゲームと一緒だな。

 

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後で、お前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。何せ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 

 じゃあ私のレベルが1じゃないのは夢で煉獄さんと甘露寺さんの鍛錬を受けたからか。

 

「次に"天職„ってのがあるだろう?それは言うならば"才能„だ。末尾にある"技能„と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないといえば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくもないもある。生産職は持っている奴が多いな」

 

 私は天職を見た。剣士か。

 煉獄さんと甘露寺さんのおかげかな。

 

「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

 訓練内容ね。

 それなりにここでも鍛錬はするけど。

 なんとか常中を取得しないと。

 

 常中

 全集中の呼吸を二十四時間、睡眠中も維持し続ける身体強化の一種。煉獄さんや甘露寺さんや他の柱はみんなできる高等技術である。

 これの取得はかなりの困難で炭治郎も取得にはかなり苦労した。

 

 そんな事を考えながら順番を待つ。

 

 

「ほお〜、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな……規格外な奴め!頼もしい限りだ!」

 

「いや〜、あはは……」

 

 あいつ……光輝だっけ?

 メルド団長に褒められて照れてる。

 あいつが勇者か……なんか先が思いやられる。

 

 そう考えていると今度は南雲の出番だ。

 あいつは何か可能性を秘めてるからな。

 

「ああ、その、何だ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」

 

 鍛冶職。て事は鋼鐵塚さんと同じポジションか。

 あいつに頼めばもしかしたら日輪刀……いや無理だな。

 日輪刀にはそれを造る鋼が必要だ。それがないと造ることができない。

 

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛冶職でどうやって戦うんだよ?メルドさん、その錬成師ってって珍しいんっすか?」

 

「……いや、鍛冶職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」

 

「おいおい、南雲〜。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

 晩餐会で私に手を握り締められた男……檜山だっけ?ウザイ感じで南雲を嘲笑ってやがる。

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

 

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ〜?」

 

 ハジメはプレートを檜山に渡した。

 それを取り巻きのような連中と見た。

 

「ぶっははは〜、何だこれ!完全に一般人じゃねぇか!」

 

「むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな〜」

 

「ヒァハハハ〜、無理無理!直ぐ死ぬってコイツ!肉壁にもならねぇよ!」

 

 こいつら、南雲を……鍛治職を馬鹿にしてやがる。

 もし、ここに鋼鐵塚さんがいたら……

 

 

 

 

「鍛治職を馬鹿にするとはどういう料簡だ貴様ら!万死に値する!!」

 

 

 て言いながら包丁を持って、あいつらを追いかけ回すだろうな。

 

 て考えてる場合じゃない

 

 私はあいつらのとこへ行く。

 

「おい」

 

「あ?ぶっ!?」

 

 パァン!

 

 檜山に思いっきりビンタした。

 その時にステータスプレートを落とす。私はそれを拾い、南雲に渡した。

 

「ほら」

 

「え?あ、ありがとう」

 

「この女!何しやがる!」

 

「あ?お前らが南雲を馬鹿にしたからだろう。お前らに南雲を馬鹿にする理由はない」

 

「は?こいつは鍛冶職、戦えないんだぞ!その上ショボイし!笑えるだろう!ハハハ!」

 

 こいつまた笑いやがる。それに釣られて取り巻きや他の生徒も。

 

「はぁ〜、お前ら馬鹿か?」

 

「あ?」

 

「鍛冶は重要で大事な仕事だ。私達とは別の凄い技術を持った人達だ。実際武器を造ってもらえなかったら私達何も出来ないよね?戦う者と鍛治はお互いがお互いを必要としている。戦っているのはどちらも同じだ」

 

 私は炭治郎が無一郎に言った事を言ってやった。

 

 そもそも戦いってのは前線で戦う者だけでは成り立たない。鬼殺隊だってそうだ。戦っているのは柱である煉獄さんや隊士である炭治郎だけではない。

 

 鬼殺隊をまとめている産屋敷家

 

 鋼鐵塚さんなどの刀鍛治

 

 後藤やゲスメガネなどの隠の人達

 

 きよちゃん、なほちゃん、すみちゃん、アオイちゃん、傷ついた隊士のお世話をする蝶屋敷の面々

 

 

 こういう人達もいてこそ鬼殺隊は成り立つのだ。彼らも立派な戦力なのだ。

 

 

「そんな事も考えず、よく戦うなんて言えたもんだな。非戦系の人達の気持ちも分からないで、そんな奴は戦う資格はない。その辺で雑用でもやってろ」

 

 そういうと檜山やその他は黙り込んだ。

 私は南雲の方を向く。

 

「あんな奴らの言ってることなんて気にするな。周りは周り、お前はお前だ。それに人は心が原動力だから心はどこまでも強くなれる。だから頑張れ!!」

 

 私はそう南雲に言うと、ステータスプレートをメルド団長に渡す。

 メルド団長は目を見開く。

 

「どういうことだ?レベルが10だと?それも魔力以外勇者の二倍?この全集中の呼吸とは?一体どうなって?」

 

 まぁ、驚くのも無理ないよな。

 

「二人の立派な柱に鍛えられました」

 




「「よっと」」

 ゲスメガネ、アオイちゃん登場

「くうぅぅ〜、俺らの事を立派な戦力だって。あの子には特別な隊服を作らなければ!」

「しのぶ様に燃やされますよ」

「バレなければ問題ない」

「はぁ〜、ここでコソコソ噂話。焔さんは甘いお菓子やスイーツには目がないらしいです」

「「次回、常中といじめ」」

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