炎の呼吸は世界最強   作:ギラサメ

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遅くなりました。

色々と忙しくて。


第九章 ベヒモス

???SIDE

 

「チッ!」

 

 馬鹿が罠に引っかかったせいでとんでもねぇ事になりやがったな。

 

「仕方ねぇ」

 

 本当だったら実戦訓練終わったら鍛錬つけさせるつもりだったが、死なれたら困る。

 

「お前には素質があるぜ、八重樫雫」

 

???SIDE OUT

 

 

 

焔SIDE

 

 なんなんだあの化け物は?

 

 目の前のトラウムソルジャーはそれなりに大した事ないけど、あのベヒモスって化け物はなんだ?

 手鬼とは比べ物にならない下手すりゃ十二鬼月ぐらいかも。

 

「アラン!生徒達を率いてトラウムソルジャーを突破しろ!カイル、イヴァン、ベイルは全力で障壁を張れ!ヤツを食い止めるぞ!光輝、お前達は早く階段へ向かえ!」

 

「待って下さい、メルドさん!俺達もやります!あの恐竜みたいなヤツが一番ヤバイでしょう!俺達も……」

 

「馬鹿野郎!あれが本当にベヒモスなら、今のお前達では無理だ!ヤツは六十五階層の魔物。かつて、“最強„と言わしめた冒険者をして歯が立たなかった化け物だ!さっさと行け!私はお前達を死なせるわけにはいかないんだ!」

 

 メルド団長が光輝に命令するも彼は言う事を聞かない。

 こっちが見えないのかよ?

 本当空気読めねぇな。

  

 あの二人の言い争いを見てる間にベヒモスが咆哮を上げながら突進してきた。あんなの喰らったらあっという間にあの世行きだ。

 

「「「全ての敵意と悪意を拒絶する、神の子らに絶対の守りを、ここは聖域なりて、神敵を通さず、“聖絶„!!」」」  

 

 ハイリヒ王国最高戦力が多重の障壁を張り、ベヒモスの突進を防いだ。

 だが、前方のトラウムソルジャーと後方のベヒモスに周りは半ばパニック状態だ。

 

「はぁ!」

 

 私はトラウムソルジャーを斬る。

 少しでも倒して階段前を確保しないと。

 

「あ」

 

 ふと見ると一人の女子生徒がトラウムソルジャーに襲われそうになっていた。

 あいつは園部!

 間に合え!

 私は園部の方に向かった。

 

 

 しかし、その心配はなかった。

 

「南雲」

 

 南雲が錬成で地面を隆起させてトラウムソルジャーを巻き込んで奈落に落とした。

 非戦闘職も使い方次第で戦闘職にもなるってわけか。

 

「南雲!園部!」

 

「東堂さん」

 

 南雲と園部に駆け寄った。

 二人とも大丈夫みたいだ。

 

「二人とも大丈夫みたいだな」

 

「うん」

 

「えぇ」

 

「しかし、この状況……」

 

 あまり状況はよくない。

 このままじゃ。

 

「何とかしないと……必要なのは強力なリーダー……道を切り開く火力……」

 

 南雲は後方を見た。

 私はそれを見て彼の考えを察した。

 

「まさかあのアホ勇者を?」

 

「うん」

 

「ちっ!あのアホに頼りたくないが、仕方ねぇ。お前はとっとと呼んでこい。それまで私がなんとかする」

 

「うん、お願い東堂さん」

 

「それとこれ」

 

 私は南雲にある物を渡した。

 

「これは東堂さんの刀?」

 

 渡したのは私が鍛錬に使っていた刀だ。

 

「それを雫に渡してくれ」

 

「八重樫さんに?」

 

 訓練の時も思ったが、雫が今使っている剣は明らかに彼女には合っていないようだった。 

 だから、刀の方が彼女には相性がいいと思った。

 これでも十分に斬る事は可能だ。

 

「でも、それじゃ」

 

「大丈夫。私にはこれがある」

 

 私は日輪刀を見せた。

 

「分かった」

 

「よし行って来い。お前の責務を全うしろ」

 

 南雲は後方に向かった。

 

 そして私は前方のトラウムソルジャーに目を向け、日輪刀を構えた。

 

『炎の呼吸 壱ノ型 不知火』

 

 私はトラウムソルジャーを何体か斬った。

 

「たく、予想外の事態は予感していたが、こんな事になるとはねぇ……後でこんな事態を起こした馬鹿はしばくとして……」

 

 

 

「例えどんな状況でも私は私の責務を全うする!!」

 

『炎の呼吸 参ノ型 気炎万象』

 

焔SIDE OUT

 

 

 

南雲SIDE

 

 僕はその背中を見つめた。

 

 最初、東堂さんの印象はどこか乱暴で不良少女って感じだった。

 

 でも彼女は天之河君に対しても自分の意見をはっきり述べ、真っ向から立ち向かった。

 

 みんなが僕を無能とか罵っても彼女は一切そのような事をしなかった。

 

 

 

何日か前

 

「お前の事を無能だとかほざいてるけど、私はお前が一番可能性があるって思ってる」

 

「えっ?」

 

 たまたま二人で話していた時、彼女がそう言った。

 僕はそれを聞いて目を見開いた。

 

「どうして?何で僕が?それを言うなら天之河君やそれこそ東堂さんや」

 

「ステータスやもてはやされているだけの奴に可能性はない。私はステータスがあいつより上なだけのようなもんだ。それにステータスだけが全てじゃない」

 

 それを聞いてまた目を見開いた。

 

「それに弱い事が寧ろ悪くはない。一番弱い人が一番可能性を持ってる」

 

「えっ?」

 

「戦いじゃ敵は強い相手を警戒して壁が分厚い、逆に弱い相手だと薄い。もしその弱い相手が予想外の動きで壁を打ち破れたら風向きが変わって勝利への活路が開く」

 

 僕はその話を真剣に聞いた。

 弱い事や無能は悪いものだと思っていた。

 

「とある剣士はな。自分の弱さに悔しく思っていた。でも、兄や師匠、仲間のために諦めず彼は頑張った。結果十二人の鬼の中でも最強の鬼を倒す事が出来た」

 

 へぇ、すごいなその剣士。

 弱くてもそんな事をするなんて。

 

「だからよ。例えどんなに無能でも弱くても諦めなければ活路は開く。前にも言ったろ心はどこまでも強くなれる。人間は心が原動力だと、だから……」

 

 

「っ!?」

 

 彼女は指を僕の胸に当てた。

 

「泣いていい逃げてもいい、ただ諦めるな。そして心を燃やせ」

 

 

 

そして現在

 

 僕は自分の責務を全うするよ東堂さん。

 

 

 いや、姉貴。

 

 

 

 心を燃やして

 

南雲SIDE OUT

 

 

NO SIDE

 

「ええい、くそ!もう保たんぞ!光輝、早く撤退しろ!お前達も早く行け!」

 

「嫌です!メルドさん達を置いていくわけにはいきません!絶対、皆で生き残るんです!」

 

「くっ、こんな時にわがままを……」

 

 メルド団長達は未だにベヒモスと戦闘していた。

 光輝はメルド団長の指示を全く聞かずにいた。

 

「光輝!団長さんの言う通りにして撤退しましょう!」

 

 雫は状況が分かっているようで光輝を諫めようと腕を掴む。

 

「へっ、光輝の無茶は今に始まったことじゃねぇだろ?付き合うぜ、光輝!」

 

「龍太郎……ありがとな」

 

 しかし、龍太郎の言葉にやる気を見せる光輝。それに雫は舌打ちする。

 

「状況に酔ってんじゃないわよ!この馬鹿ども!」

 

「雫ちゃん……」

 

 苛立つ雫、それを心配そうにする香織。

 その時、一人の男子が光輝の前に飛び込んできた。

 

「天之河君!」

 

 

 




「よっ!」

 炭治郎、杏寿郎登場!

「東堂さんと南雲君、堂々としているな。俺も見習わないと」

「うむ、東堂少女もそうだがあの南雲という少年も流石だ!」

「はい。ここでコソコソ噂話。東堂さんは周りからは姉貴や姐さんと呼ばれる事が多かった」

「そういえば最初に出てきたのって誰何ですか?」

「それは後々分かるだろう。分かる者はいるか?」


「「次回、悪意」」
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