百合の間に挟まりたいっ!   作:胡椒こしょこしょ

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再会は突然に....

朝。

病院の中庭のベンチには朝早いにも関わらず、二人の少年が座っていた。

 

「じゃあもう一回、基礎訓練しようか!」

 

「うん。.....これ操作が難しいな。」

 

もう片方は金髪の美少年で、もう片方が白い杖のような物を持っている普通の少年だ。

少年はこの時期にも関わらずトレンチコートに身を包んでいる。

下の常人には考え付かない狂ったデザインのバリアジャケットを隠す為だ。

 

少年、ユーリは小型の魔力弾を形成すると、飲み終わったコーヒーの缶に向かって反復させるように魔力弾を動かす。

かなり大雑把な動き、だがそれでも人並み程度には出来ていた。

 

「うん、最近始めたとはいえ結構うまくなってるんじゃない?才能あると思うよ。」

 

金髪の少年、ユーノはそう言って隣のユーリに微笑みかける。

 

「前に一度なのはさんに教えてもらって暇つぶしにやっていたんだ。...まぁ病室内部でやってたせいでぶっちゃけこっちの操作よりも早着替えの方が上手くできるようになったんだけど。」

 

少年は遠い目をする。

何度看護師にバレそうになったか分からない。

しかしそれを繰り返したことで意識する必要があるが、1秒でバリアジャケットと普通の服を切り替えられるようになっていた。

まぁ多分切り替えの大部分の処理はデバイスがやっているんだろうけど。

 

「へぇ....、それはまぁなんていうか....災難だったね。」

 

ユーノはその言葉を聞いて苦笑いをする。

一方ユーリはそんな彼の笑顔を見て、やはり確信していた。

 

(やっぱユーノさんが男っておかしいよなぁ....。世の中の方が間違えてるんじゃないの?これ。)

 

以前ヴォルケンリッターと対峙したとは思えないほどのお気楽な思考。

優しい時間が刻々と過ぎていた。

 

「じゃあそれはその辺で。次はバインドの練習だね。....あそこの鳥の動きを止めてみてよ。」

 

ユーノはそう言うと、木々に止まっている鳥を指さす。

すると唐突にユーリは顔を顰める。

そしてユーノはそれを見て、苦笑した。

 

「...多分、ユーノさん。フェイトさんから聞いてますよね?」

 

「そりゃ今日学校に行っているフェイトの代わりに来たといっても過言じゃないからね。でも苦手だからってやらないのとは違うよ!がんばって克服しないと!!」

 

そう力説するユーノ。

 

「....分かりましたよ。確か、...こうだったよな。バインド。」

 

<OK>

 

肩を落とすと、鳥を視界に押さえる。

そして口からその魔法を呟いた。

それに答えるかのようにデバイスは返事をする。

 

すると、リング状の魔力が取りに絡みつくようにして動きを阻害する。

動けなくなる鳥。

だが、それは端の方からぽわっと霧散するかのようにして消えて行ってしまった。

戸惑った様子でその場をぴょこぴょこと動き回り、逃げるように飛び去ってしまった。

 

「っ....はぁ....はぁ......」

 

酷く疲れた様子のユーリ。

魔力弾を形成して、動かしていた時とは比べ物にならない疲れだった。

 

「大丈夫?....それにしても、まさかここまでとは。」

 

ユーノは彼の背中を撫でつつ、唖然とした様子で言葉を漏らす。

彼が使ったのはバインドの中でも基本中の基本であるリングバインド。

だというのに、彼はそれも維持することが出来ないのだ。

 

「はぁ...できなさすぎで.....はぁ.....びっくり、するでしょ.....」

 

ユーリはそんなユーノに息を切らしながら話しかける。

そんな彼を見て、考え込むユーノ。

 

(彼の魔力量、そして魔力弾の時に見せた技量なら基本のバインドくらい出来てもおかしくない....いや待てよ。)

 

そう言えばとユーノはあることを思い出す。

それは彼がフォトンランサーを使用したあの時のこと。

考えてみればフェイトの場合は発射体を複数作って出していたが、彼の場合は魔法陣から一気に射出していた。

もしかすればと思い、ユーノは彼に提案する。

 

「そうだ!スフィアを形成するとか出来る?」

 

「まぁやってみますけど.....」

 

彼はそう言って何かを呟く。

すると杖が再度光ると、彼の背後に一つ目の発射体が出来る。

しかし二つ目以降になると、途端に不安定になる。

 

(なるほど.....。)

 

ユーノは一人で得心する。

そんな彼にまたしても息を切らした状態で問うユーリ。

 

「ぜぇ...これに、なんの意味が....ぉぇ......」

 

「ちょっとやすもうか。説明するから。何飲みたい?」

 

「....コーラ。」

 

ユーリの答えを聞くと彼は飲み物をまた買いに行った。

 

 

 

「多分だけど、ユーリ君は魔力を特定の形にしてその場に固定することがあまり得意ではないんだと思う。実際魔力を扱う技量はちゃんと出来ているし。」

 

ユーノは自分の所感を彼に語る。

ユーリはコーラを喉に流し込みながらも、それに対して言葉を掛ける。

 

「...見ただけでよく分かりますね。これ、見られた時に凄く驚かれたんすよね。....やっぱみんな大概バインドとか使える物なんですかね?」

 

暗い面持ちでそう言うユーリ。

その言葉は消え入りそうなほどのか細さだ。

それを見て、ユーリは励ますように笑顔を見せる。

 

「あはは....そこら辺の得意・不得意はどの魔術師でもあるよ。でも、最初苦手でもやりつづけることで出来ることもある。やろうと思う心は大事なんだと僕は思うなぁ。」

 

真面目なトーンで話すユーノ。

それをただボーっと見つめているユーリに対して、気を取り直すかのように笑顔を向けた。

 

「それに、僕たちがちゃんと今回の件もなんとかしてユーリ君が魔法を使わなくても良くすれば良いだけだから!心配しないで!!」

 

陽だまりの様な笑顔。

そんなユーノは見て、彼は口を開く。

 

「ユーノさん、あまりそういうの見せない方が良いっすよ。俺、好きになっちゃいますから。」

 

「え”っ”っ”!?な、...何が良くないのかな.....教えてほしいんだけど。」

 

ユーリの言葉に露骨に嫌そうな声を出すユーノ。

そんなユーノを見て、ユーリは思わず吹き出してしまった。

 

そんなユーリをジト目で見るも、冗談と分かっているからかユーノも釣られて笑う。

そして思いついたかのように彼はユーリに聞いた。

 

「そういえば、なんか色々魔法を教わったらしいね。何か得意な魔法とか見つかった?」

 

「得意な魔法....ですか?ちょっと待ってくださいね。」

 

そう言うと、杖が光って彼自身がほわほわと朧げになっていく。

それを見てユーノは声を発した。

 

「これって....幻術魔法?中々珍しいね.....。」

 

ユーノが関心したように呟く。

既に彼の姿は空気に溶けるようになっており、見えなくなっていた。

すると彼は解除したのか彼の姿がはっきりと見える。

 

「いやほら....俺、バリアジャケットこんなでしょう?だからなんとか隠したいなぁって思ってたらこの魔法が結構うまくいきましてね。」

 

「あはは....それで。」

 

ユーノは微笑する。

ユーリのバリアジャケットはかなり露出度が高い。

そのことをユーリは気にしているのだった。

 

「でもそれでここまでの完成度の魔法になるなんてすごいよ!」

 

「は、はぁ....。一応後練習しているのもあるんですけど。」

 

彼の靴に羽の様な物が生える。

 

「これってフライヤーフィン?」

 

「えぇ、なのはさんに教えてもらって。でもコレあまり得意じゃないんですよね。後.....。」

 

そう言うと急に杖に体重を任せて立ち上がる彼。

彼はまだリハビリ中で十全には歩けない。

心配そうに彼の動向をユーノが見ていると、彼は魔法の名前を口にする。

 

「ブリッツアクション」

 

その言葉を聞いた瞬間、風が巻き起こり目の前からユーリが消えた。

しかし、その直後に背後からガシャンと何が転倒する音が聞こえる。

背後を見ると、ユーリが転倒したのか倒れていた。

 

「だ、大丈夫!?」

 

「いっつぅ....大丈夫大丈夫。慣れてますし。」

 

ユーノの手を借りて立ち上がると、そのまま杖を突いて椅子に座った。

ユーノはハラハラしたのをなんとか落ち着かせながら、彼に質問する。

 

「危ないよまったく.....今のってフェイトの?」

 

「えぇ。やっぱ姉だけあってフェイト姉さんから一番魔法を教えてもらってますしね。あの人、出来たら嬉しそうな顔をするし、俺もそこは頑張らないととは思うんです。」

 

彼の言葉にユーノは感慨深くなる。

フェイト自身、新しい家族が増えることに不安になっていた。

自分の後から来た少年。

彼と仲良くできるのだろうか?と。

しかし彼女のそんな心配は杞憂のようだった。

少なくとも、彼はフェイトと仲良くあろうとしている。

それにフェイトだって同じだ。

最近少し過保護じゃないかと思うくらいで、いつも魔法の訓練を彼女が行った際には逐一報告が入るのだ。

弟という存在は彼女を良い方向に変えている。

 

「そっかぁ。...なら、頑張らないとね!」

 

「そうですね。」

 

二人は力強く同意すると、笑いあっていた。

 

 

 

 

 

「ユーノさんも帰っちゃうし、暇だなぁ。」

 

そう一人呟いて、病院の売店の前でパンを食べるユーリ。

その手には指輪のような物。

前に一度スタンバイフォームなってみてと言ったところ、指輪の姿になったのだ。

 

時刻は既に昼。

外は燦燦と明るい物の、外に出ることはない。

まぁ、昼ご飯中だし?

 

そう思ってボケ~っとしながらご飯を食べると自分の病室に戻ろうとする。

が、その道中の診察室に通りがかって誰かがその一室から出た。

車椅子を引いた桃色の髪。

珍しい髪色だな。外国の人かな?って思いながら注視すると、それは以前ある場所でとても見たことのある女性。

一瞬であるにも限らず頭に刻み込まれるほどの衝撃的な出来事。

俺が最初に魔法を使ったあの日。

敵と言われていたヴォルケンリッター。

その内の一人で俺がフェイトごと轢いてしまった女性がそこには居たのだ。

 

すると向こうも視線を察したのかこちらを見る。

目と目が合う。

 

「ん....あれはどこかで、いや、奴は.......!!」

 

なんか向こうが目を見開いたっぽいし、向こうも気づいたっぽい。

 

<DANGER!DANGER!PLEASE RUN AWAY NOW!!>

 

頭の中で大きく棒切れの警告音が響く。

どうやら念話であるらしく、周りには聞こえないようだが、警鐘音がけたたましく鳴り響いていた。

そんな...逃げろっつったってどうしろと....、あぁ!もうどうしてアイツこんな所に居るんだ!!

俺はどうしてこうもついてないんだ!!!

心中で自棄になって叫ぶ。

 

向こうの眼光に剣呑な色が灯った。

その瞬間、その張り詰めた空気を引き裂くかのように声が大きくした。

 

「あれ?ユーリ君?ユーリ君やろ!!」

 

ピンク髪の女が押していた車椅子。

そこに座る一人の少女が声を上げたのだ。

それは、自分の初めての友達である八神はやてその人だった。

 

なんで.....君がそいつらと居る!

そう思った矢先に、頭にデバイスの声が響く。

 

<Hey master! she is owner of Wolkenritter.>

 

「マジかよ.....」

 

唖然として呟く。

ヴォルケンリッター。

つまり闇の書の主がはやてだと、コイツの言う事を信じるとそうなるからだ。

 

「ごめん、シグナム。ちょっとあの人の所まで車椅子を引いてくれへん?」

 

「え、えぇ....分かりました、主はやて。」

 

困惑した様子で車椅子を引いていく女。

するとはやては俺の目の前にまで来る。

 

「久しぶりやな、ユーリ君。相変わらずいろんなものに挟まっとるか?」

 

はやては気さくに話しかけてくる。

しかし、俺はそれに答えられない。

当然だ。

敵の一人が居ると思えば友達と一緒に居て、その友達が闇の書の持ち主かもしれないというのだから。

 

加えてはやての後ろの女の目。

ベクトルは変った物の、相変わらず突き刺すような鋭さをしている。

まるで、お前は何者だと言わんばかりの目だ。

 

すると、はやての目が座った。

 

「なんや....私が話しかけとるのに鼻の下伸ばして無視するんか。シグナムばっか見て....そりゃシグナムは綺麗やもんなぁ。よかったやんか、綺麗な女の人に会えて....。」

 

おっ、なんだなんだ!?

後ろの女の眼光に怯えていたけど、前のはやてもなんか怖いぞ!!?

俺は慌てて彼女に笑いかける。

 

「い、嫌違う!!ひ、久しぶりでちょっとびっくりしただけだよ!あっ!!シグナムさんって言うんですね!初めまして!!!」

 

「あ、あぁ。」

 

するとシグナムという女は更に困惑した様子で俺の挨拶に答える。

そしてすぐさま彼女から視線を外してはやてを見る。

 

「そ、それにしても、はやては今日どうしたんだ?診察か!そりゃここから出たもんな!アッハハハ!!!」

 

正直、訳が分からなくなっていた。

俺何言ってんだ?

テンパりすぎでしょ。

 

行きがかりの看護師の静かにしろと咎める視線が刺さり、俺はたまらず頭を下げる。

 

「ふふっ...なんや今日は前にもましてえらい愉快なことになっとるな。」

 

するとはやては愉快そうに笑った。

良かった....笑ってくれた。

とにかく聞きたかったことは....やめておこう。

後ろのヴォルなんちゃらについて聞きたかったが、またなんかおっかなくなりそうだ。

 

「それにしても、なんで最近ぱったり来なくなったんだよ。俺、寂しかったんだぞ。」

 

そう言うと、彼女は何故かモジモジしながら答える。

 

「そ、それはほら...私の家に何人か親戚の人が来たから.....というか、私が居らんくて寂しかったん?」

 

「うん。」

 

俺は彼女の言葉に頷く。

親戚?このヴォルなんちゃらが?

でも確かコイツら闇の書から出てくるって......。

そう思うと、俺の頭に電流走る。

多分、はやてはコイツ等を紹介する時に親戚と言っているのだろう。

まぁその方が話が早くて良いしな。

 

「ふ、ふーーーん!か、かわええ所あるんやなユーリ君にも!へー私が居なくて寂しい。へー....。」

 

なにニヤニヤしてるんだコイツ。

そんなにおかしい事言った覚えがないが。

でもまぁ寂しいといったことを茶化しているのは分かる。

 

「良いだろ別に。それで後ろの人も親戚か?」

 

なんか話の流れ的に聞きたいことが聞けた。

するとはやては頷く。

 

「せや。結構前から家で一緒に暮らしてるんやで。後2人と1匹一緒に暮らしてるんやけど、今度ユーリ君にも紹介したいわ。」

 

「へぇ、なんか楽しそうだな。俺とかこの病院で誰か来るまで大抵一人だよ。」

 

看護師の人とか来るが、基本的にそれは数には含まないだろう。

てか、もしかしなくてもヴォルケなんちゃら全員と一緒に住んでんのか。

ちょうど4人くらいだったしな。

あと一人はどうしたんだろ。

犬が居て家に流石に収まらなかったのかな。

可哀想に.....敵ながら同情しちゃう。

 

俺の言葉を聞いて、申し訳なさそうにするはやて。

 

「その、ごめんな....お見舞いに来れなくて。」

 

「良いって!おかげで俺の足、リハビリのおかげでこんなに動くようになったんだぜ!うおっっ!!」

 

そう言ってタップダンスしようとするが、流石にこける。

無茶やってしまったか。

そりゃ出来るわけないわ何やってんだ。

 

起き上がれないでいると、なんとシグナムが俺に手を貸す。

 

「ど、どうも.....。」

 

「あ、あぁ....。」

 

敵同士だから気まずいなぁ。

まぁはやて挟めば大丈夫っぽいからはやてとずっと喋るか!

 

「もぉ~はしゃぎすぎやって。でも、元気そうでよかった。前見た時は車椅子やったからな~。」

 

笑うはやて。

そういえばそうだった。

人の再生力というのは目を見張る物がある。

だが、だからこそ.....

 

「そのっ....はやては、まだ.......。」

 

表情を伺いつつ聞いてみる。

しかし、意外にも彼女はあっけらかんと笑った。

 

「そうや。直る目途が立たんでな。入院も視野に入れないかんらしい。難儀な物やろ?」

 

「入院!?そんな....ごめん。」

 

俺が言うと、彼女が笑う。

 

「何謝っとるん?私は全然気にしてないよ。寧ろ、入院すれば毎日ユーリ君と会えるやん。顔を合わせて、一緒にご飯を食べて。ずっとずぅっーと!一緒に過ごせるんよ?そんなの最高じゃない?」

 

あくまで笑って言ってのけるはやて。

でも、その笑顔はなんていうか。

 

「無理...してないか?」

 

俺が聞くと、彼女は優しい目をして俺に言う。

 

「してへんよ。ユーリ君とずっと一緒なのが凄く嬉しいのは本当やし。シグナム達も会いに来てくれるならこれほど嬉しい事あらへん。...もしかしたら、ユーリ君の方が早く退院してな!.....そうなったら。」

 

はやてが俺の手を両手で包み込むように握った。

その目はどこか悲しい。

まるで懇願するかのような....。

 

「私に、会いに来てくれる?」

 

尋ねるはやて。

正直、女の子に手を握られて上目遣いで見られると凄く恥ずかしい。

でも、それでも....。

恥ずかしがって手を離しちゃいけない。

それだけは俺にもなんとなく分かった。

 

「...あぁ、約束する。毎日会いに行ってやる。」

 

そう言うと、はやては小さく笑った。

 

「毎日って.....大袈裟やなぁ。そんな無理やって。」

 

そう言って笑うはやて。

でも、俺は断じて誇張して言ったわけじゃない。

 

「無理ってやってもないことだろ。俺はな、これでも学校に行ってないんだ。毎日お前の病室に絶対に行ってやる。行ってみせるから、だから!!」

 

だから?

だからってなんだ。

俺は何を言おうとした。

目の前で諦めたように笑う少女。

そんな彼女に薄っぺらいこと言う奴とは思われたくなくて、言葉が衝いて出た。

最後に出た言葉が、何を言わんとしたものかは俺にも分からない。

 

でも途中で止まるのはおかしいし、なんか言わんと.....

そう思ってしどろもどろしてると、彼女は包み込むようにしていた手を放して俺の口に人差し指を当てて、口を噤ませた。

 

「分かった。分かったから.....うん、待ってる。そうなったら、私ずっと待ってるから。」

 

「お、おぉ....おう。」

 

彼女がにっこりと笑うのを見ると、何故だか急に照れくさくなる。

 

そんな様子を彼女は笑顔で見ていた。

そして....。

 

「.....」

 

後ろのシグナムは目を横に逸らしている。

...コイツのこと忘れてた。

少し熱くなり過ぎていた。

てか、コイツが現状滅茶苦茶危ないのに、忘れるとかどういうこと神経だろ俺。

 

「ユーリさーん!こんな所に居たんですかぁー、リハビリの時間ですよ~。」

 

通りがかりの看護師の人が言ってくる。

見ると俺の担当の看護師さんだった。

 

「はーい!今行きまーす。...ごめんな。ちょっと行かなきゃ。」

 

俺がそう言うとはやては笑う。

 

「あぁ構わん構わん。私ももう薬もらって帰るところやし。またね、リハビリ頑張ってな!」

 

「あぁ。シグナムさんもまた。」

 

取り敢えず貴方は帰って。

見逃して、どうぞ。

そういう気持ちを込めてそう言うと、彼女は首を縦に振った。

 

「あぁ。」

 

言ったな!?言質取ったぞ?

いやー、よかったぁ。

正直勝てる気がしないし。

 

そうして、俺は去っていく彼女たちの姿を見ながらも、リハビリへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼は......?」

 

シグナムが聞くと、はやては笑顔を浮かべる。

 

「私の友達や。」

 

「友達....ですか。」

 

そう聞き返すとはやては強く頷く。

 

「うん!私の大切な友達。....とても、大切な。」

 

その言葉を聞いてシグナムは心苦しく思う。

自分の主、彼女を見ればなんとなく分かる。

彼女にとってあの男がどんな人間か。

そして彼女の想いも。

 

しかし、あの男は我々に立ちはだかる敵だ。

だけど、倒してしまえば.....主は悲しむに決まっている。

しかし、騎士としてやるべきことは主はやての為にも......

 

「?どうしたんシグナム?」

 

「っ!いえ、なんでもありません。主はやて。」

 

「そっか。そうや、ちょっと帰りに図書館寄ってもらえへん?」

 

「分かりました。」

 

彼女達は図書館へと向かう。

騎士は迷いを孕みながら.....。




なんでこんなちょっとシリアス味出てるんですか?
前半でホモ味出してるのに後半でノンケ出すの止めろ。
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