大自然が遣わした正義の使者は異世界最強 作:Hetzer愛好家
それではお楽しみください!
片面からは武装した大量の骸骨が迫る。その反対側には体長十メートル級の四足で頭部に兜のような物を装着している魔物。
骸骨の方は大したことないと思えたが、巨大な魔物は少し考えて戦うべきかもしれない。
俺は一人、骸骨戦士の中へ突入していく。ベヒモスと呼ばれた魔物はどうやらメルド達が何とかして抑え込むつもりらしく、他の騎士団を連れて障壁を展開している。
隊列など無視して我先にと階段を目指してがむしゃらに進もうとする生徒達よりも先に骸骨戦士の元へ辿り着いた俺は、その数に戦慄した。
その数は軽く百を超えているだろう。ショッカーの戦闘員ですらここまで数は見られなかった。個々の強さは皆無に見られるとはいえ、この数を一人で粉砕するのは少々苦しい。
が、協力を仰ぎたい生徒達はベヒモスへの恐怖によって骸骨戦士と相対しても個々の武器や魔法を我武者羅に振るっているだけだ。このままでは死人が出るのも時間の問題である。
「チィ、くそっ! 邪魔だ!」
生徒達に襲いかかりそうな骸骨戦士を優先して横薙ぎに蹴りを入れ、数体を一気に粉砕する。更に拳打一撃で骸骨の頭部を粉砕し、その余波で生まれた衝撃波で更に数体を撃破した。
それでも依然、生徒達の様子は戻らない。騎士団の一人が必死に声をかけてるが、誰もが己の身を優先して聞く耳すら持たない。
あと数分もすれば、最初の犠牲者が現れる。そう感じた俺は、敵中であるにも拘わらずに勢い良く右腕を斜め上に掲げて頭蓋骨を破壊。左腕は拳を握って尾てい骨に合わせた。そのまま右腕を叫びながらも時計回りにゆっくりと移動させ、描く線が扇になるように動かす。
「ライダァァァァア……変身ッ!!」
左側へ腕が到達した次の瞬間に「変身」と吼える。咆吼と共にポーズが入れ替わると同時にタイフーンの風車が回転し始めた。
俺の咆吼によって体をビクリと震わせ、此方を見る生徒達を確認してから俺は上を仰ぎ見る。
「トオッ!!」
橋から粉塵が舞う。一瞬で天井近くまで到達した俺は、そのまま前方宙返りをしてベヒモスとメルド達との間に着地した。
更に後ろでは、骸骨戦士に囲まれながらも仮面を取り出して叫ぶハジメの姿。
「僕だって……やれるっ。変身! ヤァッ!!」
「な、南雲っ!?」
「その姿はっ」
「そんなことよりもみんな落ち着くんだ! こんな骸骨達なんて恐れるに足らないよ! 訓練を思い出して!」
スカルマン。いや、“仮面ライダー”となったハジメはパワードスーツの力を十全に使いながらパニックに陥った生徒達の統率を引き受ける。
生徒のグループの中でも特に力のある者を叱咤激励し、立ち直らせてはそれぞれのパーティーに堅実なフォーメーションを取らせて体勢を立て直す手伝いをしている。
「危ないっ。〝パワーアーム〟!」
「ひぃっ!?」
「パワーパンチ! ヤァッ!!」
パワーアームを使った正拳突きで、今まさに命を散らそうとしていた女子生徒を救ったハジメ。未だに「撤退しろ」と促されているのに自分の力を過信してその場を離れず、クラスメートの危機にも気がつかない光輝よりもハジメは勇者だ。
そんなことを思いながら、俺は突進してくるベヒモスを正面から受け止める。
「メルド。他の皆も撤退しろ。此奴は俺が引き受ける。彼奴らの立て直しを手伝ってくれ」
「……くっ、すまないな。悔しいが、お前さんは一番強いからな。任せたぞ!」
「待ってください! 先生一人を置いていくなんて俺は「状況に酔うな!」そんな、俺は酔ってなんか」
「前ばかり見てるんじゃなくて後ろも良く見ろ! お前が守ると宣言した奴らが命の危機に瀕しているのが分からないのか!」
「うぐっ」
「理解したなら早く行け! お前が心配しているようにはならん! 俺は改造人間。死ぬことはないし守られる必要もない!」
「わ、分かりました! 先に撤退します!」
俺の怒声で慌てて仲間を引き連れて後退していく光輝。メルドもベヒモスへの挑発を兼ねた風爆の衝撃波で退避した。
残されたのは、俺とベヒモス。
組み合っている感じだと、普通のライダーキックを弾き返すぐらいの表面装甲はある。特に頭部の兜は硬そうだ。流石に腹までは重装甲ではなく、そこは救いかもしれない。
「下がれ。ライダァァァパンチ!!」
「グガァッ!?」
戦車砲の発砲音のような騒音を鳴り響かせた正拳は、ベヒモスの巨体を一瞬で数十メートル後ろへ後退させる。そこへ追い打ちをかけるように俺は軽く跳び上がり、兜に付いている角目がけて手刀を振り下ろした。
――ライダーチョップ
ボキッと鈍い音を立ててベヒモスの角がへし折れる。が、それもすぐに再生してしまった。どうやら此奴は強力な再生能力があるらしい。
ベヒモスの兜から噴き出す炎を風で吹き散らしながら翻弄し、何とかして側面に回り込もうとするが、巨体に似合わない俊敏さで隙を中々見せようとしないベヒモス。時折目の前に振るわれるベヒモスの兜を回し蹴りで弾き飛ばすが、大した有効打にはなっていない。
上段の二段蹴りで顎を飛ばし、上を向いた所を見計らって懐に入り、巨体を物ともせず跳び上がって俺はベヒモスを階段とは反対側の対岸に叩き付ける。
そして激烈な衝撃で空気を揺るがすベヒモス目がけ、俺は〝空力〟で空を蹴って急降下を開始。そのままライダーキックを決めた。
――ライダーハンマーキック
「グウォオオオ……!」
「効いてない、か。再生の力が強すぎる……」
ライダー投げとライダーキックの組み合わせ技であるライダーハンマーキックを食らっても、何事もなかったかのように立ち上がるベヒモスに、着地をしながら少しだけ感心する。
いや、感心している暇はない。チラリと後ろを見れば、光輝やメルドが到着したことで陣形を立て直した生徒達の姿があった。そして、俺に近付いてくる二つの人影も見える。
その三人が到着するまでの数十秒。俺はベヒモスの攻撃対象が目移りしないようにゆっくりと歩きながら両腕を水平に伸ばしたファイティングポーズを取る。
「……ライダーファイト!」
「グルァァァァァアアアアア!!」
咆吼を上げながら突進してくるベヒモス。ヒラリとバックステップで距離を置くと、ベヒモスの頭部が一瞬前まで俺がいた場所に着弾した。
「「先生!」」
「恵里。幸利。無理して来なくても良かったんだぞ?」
「……ボクなら大丈夫です。後からハジメも来てくれるって言ってますから」
「それまでは援護してやれって言われたんですよ。目眩ましぐらいなら任せてください!」
「……そうか。それなら、恵里は奴の動きを少しでも制限しろ。幸利は暗闇でベヒモスの目を潰すんだ」
「「はい!」」
そこまで話した俺は、再度突撃した。地面に埋まった頭を引き抜いたベヒモスは、俺の姿を認めると兜を赤熱化させる。今度は外さないと言わんばかりに細められた瞳は、見ただけで並の人間は心臓を止めるだろう。
が、ベヒモスが突進を始めようとした瞬間。恵里の炎渦が目の前に広がった。思わず蹈鞴を踏むベヒモスに構わず俺は低高度に跳び上がり、体を横に回転させながら足を突き出して突っ込む。
――ライダースクリューキック
着弾の瞬間に暗闇が訪れ、実質ベヒモスの死角から放たれたキックによって大きく後ろに仰け反ったのを逃すことなく再度懐に入り込む。
そして無防備になった腹目がけ、俺は何度も何度もボディーブローを繰り出した。
右! 左! 右! 左! とデンプシー・ロールの勢いを使いながら何度も叩き込んでいると、ベヒモスが苦しげな声を上げながら胃液を吐き出した。更に恵里の繰り出す炎の鎖がベヒモスの間接に絡みつき、少しずつジワジワとダメージを与えていく。
暴れるベヒモスだが、目は完全に暗闇に包まれているのだろう。幸利が膝をつきながら魔法を行使して、ベヒモスの視界を完璧に封じている。
このチャンス、掴まない手はない!
サマーソルトキックでベヒモスを思いっきり空中へ叩きあげる。すると、俺の耳に聞き慣れた轟音が入ってきた。
「せんせーーーい!!」
「ハジメかっ!」
サイクロンの自動操縦機能を使い、ハジメがやって来たのである。何という絶好のタイミングだろうか。
俺は振り向くことなく跳び上がる。ハジメもサイクロンの上に立ち上がり、そこからパワードスーツで強化された脚力で俺と同高度まで跳び上がった。
打ち合わせは一回もしていない。構造すら伝えたこともない。それでも、俺はハジメがこれからやる事を察していると信じて前に一回転した。
少し遅れてハジメも前に一回転する。そして、ベヒモスの更に上へ到達した俺達は、二人同時に叫んだ!
「「ライダァァァダブルキック!!!」」
俺が右足を。ハジメが左足を突き出した。突き出した瞬間に、ベヒモスの腹へ二人の足が釘のように打ち込まれる!
俺のタイフーンから噴き出た
空気層を破裂させながら下へ吹き飛んだベヒモスは、対岸の壁に叩き付けられると、そのまま力なく転がって奈落の底へと身を落としていく。
二人して着地をし、橋の下を覗き込めば、朧気に輝くベヒモスの瞳の光だけがやけに目立って見えるのだった。
必殺技の大盤振る舞いです。初期の構想では本郷が単体で「電光ライダーキック」を使って決める予定でした。
本郷猛と結ばれて欲しい人は?
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香織&シア
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ユエ&ティオ
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雫