大自然が遣わした正義の使者は異世界最強 作:Hetzer愛好家
光輝を堕とすって大多数に人気なんですかね?()
前作もでしたが、光輝に不幸という名の正義の撃鉄が落とされると必ず感想(歓喜ばかり)が増えるので此方としても定期的に書きたくなっていたりします。
ドゴアン!
「……いやはや、何という破壊力だ」
リロードしながらぼやく。
目に入った二尾狼に向かってツェリスカを発砲すると、ただの一撃で狼の脳天を貫くどころか後ろにあった壁にも先の見えない穴を空けてしまった。
正直言ってドン引きである。ここまで恐ろしい兵器を、ハジメはポンポン作り出せるのだ。錬成師をバカにしていた生徒達は土下座をして謝罪するべきだろう。
ちなみにハジメも幸利も変身することなく新たに手にした拳銃で魔物を撃破している。香織と恵里の魔法組や、修行中のシアは出番なしだ。
ちなみにシアは修行中とは言っても、単独でベヒモスと共に出てきた骸骨戦士ぐらいなら倒せるぐらいの技量はある。
その三人も、ハジメと幸利も俺が毒を中和した魔物肉を食している事でステータスは大幅アップを果たしている。
例えばハジメだとこんな感じだ。
==================================
南雲ハジメ 16歳 男 レベル:15
天職:錬成師
筋力:440 [最大値:660]
体力:500 [最大値:750]
耐性:400 [最大値:600]
敏捷:350
魔力:370
魔耐:350
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+イメージ補強力上昇][+鉱物系探査]・右腕強化・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・痛覚耐性・言語理解
==================================
魔物肉を食したこと。そして錬成を使い続けて実戦も怠らなかったことで着実に力を付けている。特に右腕強化を使用した時の戦闘力は目を見張る物がある。このステータスに加えてパワードスーツを着用するため、実際の彼の戦闘力はステータスの倍近くを誇るだろう。
と、雑談はこの辺りまでにしておく。
俺の耳には、これまで出会った魔物とは一線を画する強さを持つと分かる咆吼が聞こえてきたからだ。まるで熊の鳴き声である。
何かを咀嚼する音も聞こえてくる辺り、どうやら食事中のようだ。距離は数百メートルほど。俺は一足先に〝縮地〟を使用して気配の主の元へ一気に接近した。
気配の正体は予想通り熊であった。ただし、熊にしては爪が長いと感じる。
もっとも、その爪を使わせるつもりは毛頭ない。俺は引き金に指をかけた。
ドゴアン! ドゴアン!
「グゥウ!?」
「甘い動きは命取りだ」
今の二発はあくまでも態勢を崩して敵意を此方に向けるため。避けられたことで問題はない。むしろ避けて欲しい。本命はこの次にある。
発射された弾丸は避けられたことにより、彼方此方の壁を跳弾している。狙いはこの跳弾だ!
ドゴアン!! ガキンガキン!
三発目に発射された弾丸は、跳弾と跳弾が互いにクロスする瞬間に放たれた。跳弾は飛ぶ向けを変え、デタラメな方向へ飛ぶのを止めて一気に爪熊へと向かう。
「グルゥアアアアア!!!」
その生涯でただの一度も感じたことのないであろう激烈な痛みに凄まじい悲鳴を上げる爪熊。その両肩からはおびただしい量の血……ではなく真っ黒な液体が噴水のように噴き出している。その肩には、焼き切れたであろう配線らしき物が見受けられる。
狙い違う事なく弾丸は爪熊最大の武器を扱うためにある両腕を封殺した。チェックメイト。
トドメに眉間目がけて発砲してフィニッシュ。力なく爪熊は地面に倒れ伏せた。
「……やっぱり強すぎるな、この武器。改造されている魔物を一撃で貫くとはとんでもないぞ」
腕の取れた両肩からチラリと見えた配線からして、間違いなく爪熊はベヒモスと同じく改造によって強化されていたのだろう。
それを、ただの拳銃一つで戦闘不能に追い込んでしまった。これは恐ろしいことだ。
俺は、ハジメ達が高速移動で近付いてくる少しの間に彼が人類を破壊してしまうような兵器は作らせないようにしようと密かに誓うのだった。
──────────────────
駆け抜ける旋風。移動しては目に入った魔物を殺し回る俺達の事を表すなら、この言葉が一番相応しいだろう。
爪熊を殺してその肉を食した後、俺達は下へ続く階段を見つけては下り最短距離で階層を駆け抜けていった。途中で現れる新しい魔物は調理しては食しているため、新しい技能も比例して増えていっている。また、ステータスも少しずつ伸びている。
もっとも、俺のステータスの伸び幅は非常に小さい。ハジメ達は急成長とも言える程のステータスアップをしている。どうやら自分の力量と近い魔物を食べれば一気にステータスが上がるようだ。
これまで戦ってきたのは、暗闇とのコンビネーションで攻めてくるバジリスクやタールを泳ぎ気配を感じさせないサメ。あとは毒を噴出するカエルや麻痺の鱗粉を撒き散らす蛾である。
他にも自分の体の節を分裂させては独立させて動かすムカデ。迷宮という極限状況にも拘わらず滅茶苦茶に美味しい実を落としていくトレンドモドキも居た。
が、それだけの魔物もハジメの超兵器やそれぞれの戦闘技術によって難なく突破した。気がつけば、ステータスを確認出来ないシア以外の全員がオール1000を超えるステータスになっている。恐らくシアも、1000近いステータスになっているだろう。
そんなこんなで気がつけばもう五十階層手前は下りた。ここに来るまでの間、機械と生物の中間的存在の魔物と幾度となく戦った。が、ショッカーの基地らしき物は一つも見当たらなかった。
しかし、この五十階層は俺の長年の直感からショッカーの基地があると察した。ショッカーの基地特有の不気味な静けさと、機械工具類の独特な匂いが漂っていたのだ。間違いないだろう。
脇道の突き当りにある空けた場所には高さ三メートルの装飾された荘厳な両開きの扉が有り、その扉の脇には二対の一つ目巨人の彫刻が半分壁に埋め込まれるように鎮座していた。恐らくこの扉の奥には何かある。
そう思った俺は、一つ上の階層に簡易な拠点を設けて各自コンディションを整えていた。
「悪寒を感じて徹底してから二日。コンディションは万全、か」
「猛さん。準備が完了しましたよ」
「そうか。それなら行こう」
「あ、ハジメくん達は一足先に行きましたよ。何でも新兵器を試したいらしくて、猛さんに倒される前に敵を殲滅したいみたいです」
「……マジか。なら、この場に残っているのは俺、香織、シアか」
ハジメが「手榴弾を作ったんで試したいですね」なんて話していたのを思い出す。完成した新兵器は早く試して何処を改良すべきか調べたいのだろう。
戦闘狂ではないとは言え、彼には少しマッドサイエンティストとしての才を感じさせる一面がある。まあ、この際どうでも良いか。
俺はサイクロンにツェリスカの銃弾と回復薬を放り込み、拠点を後にした。目指すは五十階層。既に露払いは終了しているはず。後はちゃちゃっと攻略するだけだろう。
……そう思っていた時期が、俺にもあった。
階段を下りてまず目に入ったのは戦闘員の亡骸だ。ハジメと幸利が蹴散らしたらしく、辺りには薬莢が散乱している。上級戦闘員と思われる赤服の者も難なく倒されたようだ。
立ちこめる血の臭いに顔を顰めつつも俺達は先へ進む。次に目に入ったのは一つしか目のない怪物サイクロプスが地面に血の海に溺れている姿だ。これまたハジメと幸利に急所を正確に撃ち抜かれたらしい。
だが、此処まで見てきた物が思わず脳内から吹き飛ぶぐらいに、その次に見た光景が衝撃的であった。その光景は、つい先日見たときは閉ざされていた扉の奥にある。
中は聖教教会の大神殿で見た大理石のように艶やかな石造りで出来ており、幾本もの太い柱が規則正しく奥へ向かって二列に並んでいた。そして部屋の中央付近に巨大な立方体の石が置かれており、部屋に差し込んだ光に反射して、つるりとした光沢を放っている。
この立方体の石には何やら人らしき物が生えている。そしてその周りには、戦闘員や様々な虫をモチーフとしているであろう怪人が立っている。
それだけでも十分驚いたのだが、更に俺を驚愕させたのはそこから生えている人のような者の状態だ。
まず、立方体の石に生えていたのは女の子だ。長い金髪が某ホラー映画の女幽霊のように垂れ下がっていた。そして、その髪の隙間から低高度の月を思わせる紅眼の瞳が覗いている。年は十二歳ぐらいだろうか。
随分とやつれているが、問題はそこじゃない。
「擦過傷、切り傷、骨折跡、変色肌。どう見ても普通じゃないぞ……」
この迷宮内に人が存在すること自体が異常なのだが、それを差し置いても女の子の状態は誰が見てもおかしいと思える。
「貴様ら……人を何だと思っているんだ!」
そして、かつてないほど怒り狂ったハジメの怒声が何よりも女の子の状態や境遇が異常であると察する事が出来た。仮面によって隠れているハジメの悲しみと怒りが混じった表情。それを表す物は彼の震える肩。そして彼の右腕に取り付けられている凶悪なフォルムのガトリング。
その二つが、何よりも彼の激烈な怒りを表しているのだった。
次回はハジメくん視点です。それと、原作では一番のヒロインの身の上話もあります。
※感想や評価は宜しければお願いします! 少しでも感想や高評価があるとモチベーションアップに繋がります!
本郷猛と結ばれて欲しい人は?
-
香織&シア
-
ユエ&ティオ
-
雫