大自然が遣わした正義の使者は異世界最強   作:Hetzer愛好家

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ギャグに走ってるわけではないです。ないですが……タイトルがギャグかも()


第二十四話 ある種の拷問であり試練

頭痛がすっかり治まった俺は、どんな能力が脳に刷り込まれたのかを確認するためにステータスプレートを取り出した。

 

能力値は死にかけたからと言って特に変わってはいない。しかし、言語理解の左隣に新しい能力がポツリと増えていた。

 

その名も〝生成魔法〟だ。どうやらこの魔法は神代においてアーティファクトを作るための魔法らしい。アーティファクトは現在ステータスプレートぐらいしか流通していないが、遙か昔はもしかしたらそこかしこにアーティファクトが溢れていたのかもしれない。

 

素材さえ有れば今後はアーティファクト類を造ることも可能だろう。なんならハジメの右腕を強化することも出来そうだ。予備として仮面ライダースーツを造るのも良いだろう。

 

今後どんなアーティファクトを造ろうか。そんなことを思案していると、香織も生成魔法を手に入れたらしく若干涙目で此方に近付いてきた。

 

「いてて……なんか、一気に情報が流れてきて困惑してます」

「それは俺もだな。だが、今後俺がやることは変わらないぞ。ショッカーを潰し、ついでに狂った神々も討ち滅ぼす。それだけだ」

「すっごい簡単に言いますね」

「宇宙人とだって戦ったことあるからな。目新しい物は何もないさ」

 

軽い調子で言葉を投げかけながら、俺はオスカー・オルクスの骸の前に立って膝を付いた。

 

何万年もの間こうして待っていたのだろうか。アーティファクトが消失した時期を考えると途方もない年月の間、骸になっても此処で自分達の意思を継ぐ者が現れるのを待っていたのだろう。

 

目を瞑り、俺はオスカー・オルクス含む全ての解放者の冥福を祈る。もう心配しなくて良い。貴方達の意思は俺が継ぐ。

 

「……安らかに眠ってくれ」

 

骸が心なしか微笑んだ。そんな気がした。

 

近くには畑のような物が見受けられる。俺は骸を抱き抱えると、傍らに置いてから畑の土を掘り始めた。人一人が入るぐらいの穴を掘り、骸からローブを脱がせると、骸をその穴に入れて再度土をかける。

 

最後に平べったい石を探し出し、そこに「偉大なる解放者オスカー・オルクス此処に眠る」と文字を描いて骸を埋めた箇所に突き立てる。

 

簡素な墓を建て、もう一度手を合わせてオスカー・オルクスの冥福を祈り、俺は香織を連れて下の階層へ降りた。

 

「君に、全てを託すよ」

 

そんな声が俺の耳に入った気がした。

 

───────────────────

 

その後、俺はハジメ達と合流して住処内を見せてもらった。

 

住処は三階建てであるが、何故か川のような場所があったり太陽と月のような物が宙に浮いていたりと俺を唖然とさせるには十二分すぎる物ばかりが見られた。

 

しかし、その中でも特に驚いたのはライオンが熱湯を吐き出しすというお約束の元造られた温泉である。

 

実は、迷宮攻略中は風呂なんぞに入る余裕がなく痒みが気になったら恵里に頼んで水を出してもらい、それで全身流してタオルで汚れを拭き取るぐらいしか出来なかった。久しぶりに暖かい風呂が入れると知り、俺の心は上昇傾向である。

 

そんな俺に、ハジメがこんな提案をした。「折角だし裸の付き合いでもしませんか?」と。何やら話したいこともあるらしい。

 

断る理由もないため俺は快諾し、その後に幸利も加わって男三人で風呂に入ることになった。

 

「先生。もう大丈夫なんですか?」

「大丈夫だ。心肺停止したと聞いたときは流石に驚いたけど、こうしてピンシャンしてるからね」

「流石改造人間、なのか? なんにせよ凄いことっすよ」

 

湯船に浸かりながらとりとめのない話をする。やれ改造人間は長生きしそうだとか、やれ仮面ライダーになるには何処を弄れば良いのかだとか。後者に関してはすぐに「魂さえ変えれば立派な仮面ライダーになれる」と発してしまった。まあ、ハジメも幸利も魂だけなら間違いなく正義の使者仮面ライダーだ。心配することはない。

 

そして、今度はそこから「仮面ライダーを模した強化服なら作れるのでは?」という話に変わる。何でも、ハジメの錬成を使えばかなり短時間で完成させることも可能らしい。もっとも、設計図があればの場合らしいが。

 

「先生は何か良い案ないですか?」

「やっぱり仮面ライダーの姿になってみたいんだよなあ。男の夢というか」

「ロマンでもあるね。仮面ライダーになりたいは誰しもが通る道だし」

「まあ、仮面ライダーを模したアーティファクトなら数日あれば完成させられると思うぞ。二人に渡したパワードスーツは仮面ライダーの試作品のような物だからね」

 

何となくではあるが、既に仮面ライダーと同じ姿をしたパワードスーツの構想は脳内で完成している。後は図面に書き出して実際作れば数日のうちに完成するだろう。

 

ちなみに強化服の内容としてはガス等の化学兵器が一切通用せず、暗視ゴーグルやサーモグラフィ機能といった様々なモニタリング機能を備えた仮面、全体装甲は対物ライフルのゼロ距離射撃でも傷一つ付かない程度、それに加えて心臓といった重要臓器を守るために胸元にコンバータラングという増加装甲を取り付けると言ったところだ。後は単にパワーアシスト機能も入れたら大体は仮面ライダーである。

 

他には風力発電を使用しており起動させると内部から一瞬で身体に強化服が装着される機能を持つベルトや専用のバイクを用意して完璧と言えるだろう。

 

その構想を話すと、ハジメと幸利は唖然とした表情を晒した。

 

「や、やっぱりIQ600の考える事は違いますね。絶対強いじゃないですかその構想の強化服」

「しかもベルトから展開されるっていう事は今のパワードスーツに重ねて使えるってことだろう? だとしたら基本性能がとんでもないことになりそうだな!」

「そこまで構想が出来てるなら風呂を上がってからでも制作を始めましょう! 図面が出来たら錬成を使っちゃえばすぐに完成しますよ!」

「ああ、うん。でも、今日の所はゆっくり休ませてくれ。香織に今日は一緒に居てくれと頼まれているからね」

 

子供のように目をキラキラさせる二人に俺は苦笑いを零す。どうやら、男の子というのは強い何かに強い興味を惹かれるらしい。

 

一刻も早く仮面ライダースーツを作りたいらしく、ハジメと幸利は一足先に上がって体を洗いに行ってしまった。後に残された俺は、より詳しく仮面ライダースーツではなく専用バイクの内約を考える。

 

基本性能はサイクロンと同じで良いだろう。唯一、一般車両に偽装する機能は再現が極めて困難である。あれはショッカーの制作したナノマシンが必要だ。それもハジメの錬成があれば何とかなってしまいそうではあるのが何とも言えないところだ。まあ、この世界ではまずバイクを知っている人物が殆どいないので偽装機能は再現しなくても良いかもしれない。

 

ちなみにサイクロンを完全再現するなら垂直な壁でも難なく駆け上がり、何らかの信号で自立操作出来る機能や急発進と最高速からの急停車に耐えきれる強度も必要だ。マフラー部分は正直再現しなくても良いと思うのだが、それはきっと二人が許さないと思う。環境破壊にならない成分を噴出しているとはいえ見た目がかなり気になる。

 

一人悶々とどうしようか思案していると、いつの間にかかなりの時間が経過しておりハジメと幸利は気が付かない間に風呂場から出ていた。あまり長湯をするのは体内の機械に良くないので、俺も風呂から上がって体を洗い、火照る体を自身の能力で冷やしながら香織の待つ部屋へ向かった。

 

今夜は既にかなり寝ていたのもあって寝られないだろう。もしかしたら他の理由で寝られない可能性があるのだが、今は考えないことにした。

 

──────────────────

 

「あ、猛さん」

「来ましたねぇ!」

「……ん? シアも一緒なんだな」

 

部屋に入った俺を出迎えたのは、ベッドの上に座る香織とシアだった。てっきり香織だけだと思っていたので、俺はちょっと驚く。

 

二人はそんな俺にお構いなしだ。ニコニコと笑いながらベッドに腰掛けるように促してくる。

 

シアが居ること。そして香織達は何を話すのだろうかという疑問に頭を悩ませながらも、俺はベッドに座った。

 

「で、甘えさせてくれって俺は何をすれば良いんだ? 生憎女のことは分からないけど」

「ふふふ。それはですねぇ……えいっ!」

「よっと……こうするんです」

「……抱きつくのか?」

 

左右から抱きつかれた。両手に花状態になり、俺は困惑する。特に何処とは言わないが腕に当たる柔らかい感触。理性が飛びそうだ。

 

別に二人に抱きつかれる事が嫌なわけではないのだが、この状態が一晩は続くと考えるとある種の拷問である。

 

俺は改造人間だ。恋愛感情や煩悩は基本的に封印している。表に出そうになっても鋼の意志で抑えつけている。それがいとも簡単に崩されそうになるため、俺は意識を飛ばしてしまおうかと考え始めた。

 

「はふぅ。師匠の身体って引き締まってますよねぇ。惚れ惚れしちゃいますぅ」

「やっぱり猛さんの人肌は心地良いですよ。何度でもこうしたくなります」

「……人肌の下にはより強靱な筋肉だったり血管だったりが敷き詰められているけどな。というか、シアはこの短期間で心を開きすぎじゃないのか? 俺は男だぞ?」

「私、師匠にだったら何されても文句は言いませんよぉ」

 

これは俺の理性を試しているのだろうか。香織は言わずもがなだが、シアも初見で美少女と思うぐらいに容姿が整っている。そんな二人に挟まれているというこの状況は汚れた感情を封じ込めてる俺からしたら試練としか思えない。

 

困ったことに、香織もシアも俺になら何されても良いというスタンスなことだ。幾ら感情を封印していても、そんなこと言われたら揺らぐに決まっている。

 

「悪いことは言わないから、俺以外に男を捜すんだ。俺より良い男なんて幾らでも居るぞ」

「「嫌(ですぅ)!!」」

「おいおい……」

 

結局その後、二人を引き剥がすことは叶わなかったので一晩中引っ付かれたままだった。

 

改造人間であるために数日は睡眠を取らなくても問題がないという特性に、俺は初めて感謝をした。

 

でも翌日にハジメから「昨晩はお楽しみしたんですか?」と聞かれたことは心に軽いダメージを負うことになった。変なところで弱い俺の心は治りそうになさそうだ。




次回は今回出てきた仮面ライダースーツのお披露目です。あとは新道具だったりステータスだったりでしょうか。オルクス大迷宮編は次回辺りで終了だと思われます。

本郷猛と結ばれて欲しい人は?

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