大自然が遣わした正義の使者は異世界最強   作:Hetzer愛好家

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説明回です


第二十五話 旅立ち

「さて、造るとするか」

「先生ぇ。顔色悪いけど大丈夫なんか?」

「幸利。先生は昨晩お楽しみでね」

「やかましい。早く造るぞ」

 

設計図は脳内に叩き込んである。あとは〝生成魔法〟を使って特殊な鉱石を創り出し、出来た鉱石を形にしていくだけだ。

 

まず制作していくのは強化服だ。本来なら一々ハンマーで叩いて形を整える必要があるが、俺達にはハジメという最高の錬成師が味方に居る。ハジメに絵を含めた設計図を渡して後は一任させても大丈夫だろう。

 

錬成によってものの数秒で形が殆ど完成したのを見て、今度は仮面を造るように指示する。仮面には便利な機能が多数盛り込まれている他、バイクに電波を飛ばして連携も取れる優れものだ。

 

「ベルトは複雑な機構が備わるから俺が造る。その間にバイクを頼んだぞ」

「分かりました。あの、バイクの形は僕達で勝手に決めても……」

「好きにしな。とりあえずバイクがあれば良い。仮面装着は手動でもベルトを起動させて強化服さえ身に纏えば何とかなるからな」

 

ベルトに必要な機能は風力発電によって強化服が一瞬で装着されるという複雑極まりない物だ。そのため、俺は〝瞬光〟を使って脳の処理能力を引き上げながら作業をする。

 

外見はタイフーンとまるっきり同じにして、あとはショッカーから学んだオーバーテクノロジーとも言える機能を次々と放り込み、数十分もした頃にはベルトの原型が二つ完成した。

 

そこからハジメが制作した強化服をベルトに搭載された“原子レベルまで一度は分解しベルトの起動によって再構築される”というハジメの右腕と似たような機能とリンクさせベルト内部に収納した。

 

ベルトを起動させるためにはベルト横にあるダイヤルスイッチを捻れば完了だが、二人がロマンを追い求める事も加味して彼らの脳信号によって任意のタイミングで変身出来る機能も念の為備え付けてある。

 

「ほら、試してみろ」

「ありがとうございます! それじゃあ早速……」

「これで念願の仮面ライダーになれるんだな。出来栄えはどんなもんかなっと」

 

ハジメと幸利がベルトを受け取り、ベルト横にあるダイヤルスイッチを捻る。するとベルトの風車が回転し、一瞬で強化服が二人の身体に纏われた。

 

デザインは俺のと似通っている。違いとしては手足の装甲が俺のは白に近い銀色に対して強化服はモスグリーンな事だ。あとは全体的に色合いが暗く見える。ちなみに幸利の強化服には腕や脚に銀色の太いラインが一本入っている。

 

最後に二人は仮面を被り、クラッシャーを装着して変身を完了させた。この仮面もハジメと幸利でデザインが異なり、ハジメの仮面は濃淡色でピンク色の複眼をしておりクラッシャーは灰色だ。対して幸利のは複眼が赤く仮面の色もモスグリーンとなっておりクラッシャーは銀色である。

 

参考程度に、俺の仮面の色は黄緑色であり胸部装甲の色も明るい。また、クラッシャーは口元だけを隠すのに対して二人の仮面は鼻から下全てを隠す物だ。ライダーマンにクラッシャーが加わった感じである。

 

「あの先生。この状態で手合わせしてもらっても良いですか?」

「俺も一緒に頼みたい。強化服の力を知りたいからな」

「構わないぞ。何なら二人同時に来い」

 

言葉と共に服を脱いで皮膚を変化させ、更に仮面を装着する。風が吹き荒れ、深紅のマフラーがパタパタとはためいた。

 

肩幅弱に足を開いて腰を落とし、二人にかかってくるように促す。

 

「……行きます! 幸利!!」

「おうよ! 先生、覚悟!」

 

左右同時に鉄拳が飛来する。ハジメのパンチは右手で軽く受け流し、幸利のパンチは体を少し動かして攻撃その物を回避。連続で、かつ不規則に鉄拳が連打されるが一つ一つを受け流すか回避するかしているので結局のところ俺にダメージはない。

 

突出した幸利を踏み台にして俺は跳び上がると、天井を蹴って急降下してハジメのコンバータラング目掛けて拳を振り下ろす。

 

だが、俺の拳は確かに突き刺さったがコンバータラングには傷一つ付けられなかった。どうやら装甲は完璧らしい。我ながら素晴らしい設計だ。

 

パンチの衝撃波で後ろに跳んだハジメは幸利と並ぶ。そして互いに頷き合うと、こちらを一瞬睥睨してから宙に跳び上がった。おそらく、あの技を試すつもりなのだろう。以前、ベヒモスを葬り去った一撃必殺の大技。かつて俺達も数多くの怪人を地獄へ送ったあの技。

 

「「ライダァァァダブルキック!!!」」

 

息は完璧。ハジメが右足。幸利が左足。一糸の乱れも見られない挙動でシンクロした二人は同時に跳び蹴りを俺に見舞った。

 

無抵抗のまま食らえばタダでは済まない。俺は足に内蔵されている小型原子炉を20%だけ起動。右足に炎を纏わせて二人が突き出してきた足に叩きつけた。

 

ゴォガアアアアアアアアアアン!!

 

凄まじい轟音と衝撃波がほぼ同時に広がり、ハジメと幸利は後方へ吹っ飛ばされた。俺もジンジンと痛む足を抑えて蹲る。想定の十倍ぐらいは破壊力のあったライダーダブルキックに俺は強化服の出来が百点満点以上であることを実感した。

 

とんでもない物を作り出してしまったものだ。下手したら俺の設計した強化服や前型スーツは世界を滅ぼしかねない物だ。もう二度と、俺は兵器類を設計しない方が良い気がする。

 

騒音によって駆けつけてきた香織の姿を見つめつつ、俺は密かに新しい決意を固めるのだった。

 

───────────────────

 

強化服が完成してから一週間が経過した。

 

毎晩、美少女二人によるある種の拷問(ご褒美)を受けながらある時は戦闘技術の精進をし、またある時はハジメの開発した兵器を試してみたりとしているうちに全員ステータスが軒並み上昇していた。

 

俺のステータスは全能力値が非表示になってしまったので例に挙げられないので今回は幸利のステータスを参考にしようと思う。

 

====================================

清水幸利 16歳 男 レベル:???

天職:闇術師

筋力:12950

体力:14700

耐性:10790

敏捷:13540

魔力:15400

魔耐:15400

技能:闇属性適性[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+複数同時発動][+消費魔力減少]・水属性適性[+発動速度上昇][+効果上昇][+消費魔力減少]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・闇属性耐性・水属性耐性・先読[+未来予測]・遠視[+収縮拡大]・纏雷[+出力上昇]・天歩[+空力][+瞬光][+縮地][+重縮地][+豪脚]・風爪[+三爪]・夜目・気配感知・魔力感知・熱源探知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐慌耐性・物理攻撃耐性・金剛・威圧・念話・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解

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以前のステータスを考えると信じられない成長率だ。レベルはいつの日からか表記されなくなり、全能力が10000を超えている。技能もかなり増えており、強化服やハジメお手製の装備もあると考えれば幸利も凄まじい力を手にしたことが分かるはずだ。

 

ちなみにハジメはというと幸利よりほんの少しだけステータスが低いがその代わりに錬成のスキルが大幅に向上している。遂には錬成に関しては魔法陣を必要としなくなり、普段から身に付けている手袋を外しても問題なくなった。更には錬成の派生で錬金術まで使用できるようになり、ハジメはかなり喜んでいた。

 

「某鋼の男の子みたいになれますね!」と興奮するハジメの頭をペシリと叩いて恵里が諫めていたのはとても微笑ましかった。

 

その恵里さんはと言うと霊力の使用に慣れたのか、精神体をあの世へ飛ばして解放者と接触。改めて解放者が何をしようとしたのかを聞き、ついでに大迷宮が何処にあるのかも教えてもらってくれた。魔法の破壊力もユエ程ではないが一つ一つが凄まじい物になっている。

 

ユエはハジメと恵里に相変わらず懐いている。生きた年月だけで言えばユエは最年長なのだが、これまで受けてきた仕打ちもあって精神年齢が年相応か少し下になっており、ハジメと恵里にベッタリだ。

 

だからと言って戦力外になる訳ではなく、むしろ恵里と並んで後方支援攻撃の要として魔法の精度を十分に高めていた。単純な破壊力ではユエに。精度では恵里に軍配が上がるだろう。

 

シアはすっかり逞しくなり、最近の手合わせではちょくちょく手痛い一撃を受けるようになってきた。これはシアがある程度先の未来を見れるが故の一撃らしいのだが、正直言って十分過ぎるぐらいだと言える。脚力限定で見れば俺と殆ど同等かもしれない。

 

香織はステータスが誰かより突出しているわけではない。だが、彼女はもはやチートと言っても過言ではない速度と量の回復魔法を同時発動させられるようになった。香織の仕事は消耗した味方を回復させることだ。仮にステータスが低かったとしても関係ない。彼女には彼女にしかできない特別な仕事があるのだ。

 

新装備にも少し言及しておこう。

 

まず、俺は特殊薬品を一ダース制作した。この薬は魔力や体力を細胞レベルで修復させることで問答無用で全快の半分を回復させ、更に一定時間脳の処理能力を上げることで戦闘能力を向上させることも出来る優れモノだ。あまりに強力なので多くは作れなかったが、これ一つで強化と回復を兼ねられるので強力無比である。

 

また、人数が増えてきたのでハジメがバイクの技術を応用した電力駆動の四輪を制作してくれた。排気ガスを一切出さないエコ仕様なため俺の評価は百点満点だ。他にもハジメはオスカー・オルクスの骸から抜き取っていた〝宝物庫〟という指輪を使ってドンナーに空中リロードができるようになっていた。

 

当然墓荒らしに相当するので滅茶苦茶怒った。久しぶりに手術跡をビキビキに浮かび上がらせながら怒った。ハジメ含めその場に居た人達は皆反省してくれたので良いとしているが、まさか骸から抜き取っているとは思わなかった。

 

ちなみにこの指輪。正確には指輪型アーティファクトで、指輪に取り付けられている一センチぐらいの紅い宝石の中に創られた空間に物を保管して置けるというものだ。空間の大きさは、正確には分からないが相当なものだと推測している。持ち物を片っ端から詰め込んでも、まだまだ余裕がありそうだからだ。そして、この指輪に刻まれた魔法陣に魔力を流し込むだけで物の出し入れが可能だ。半径一メートル以内なら任意の場所に出すことができる。

 

これを活用してハジメは空中リロードを覚えたというわけだ。俺はというと弾薬を必要な分だけ空中に投げてから撃ち切りそのまま弾倉に直接リロードしている。攪乱も狙えて一石二鳥だ。

 

装備は揃った。力も十分。そう判断した俺達は遂に住処を出ることを決めた。

 

「さて、いよいよ出るわけだが……幸利は一度王国に戻るのか?」

「ああ。愛子先生の護衛をしようと思ってな。ついでにクラスの連中がどうなっているかを知りたい」

「そうなると、ここを出たらしばらくの間はお別れだな」

「なに、心配は要らないさ。先生が作ってくれた装備があるからな。それに愛子先生を死なせるわけにはいかない。そのためにも俺は王国へ戻るよ」

 

今後の旅は大迷宮攻略とショッカーや神の殲滅を目的としている。その旅に幸利は同行せず、愛子先生を守ると決意してくれた。誰かがしなければならなかった事だけに、とてもありがたい。

 

俺は幸利の強い眼に頷くと、三階の奥にあった巨大な魔法陣を展開させる。

 

光が少しずつ広がっていく中、俺は後ろに控えている頼もしい仲間達に告げる。

 

「これからの旅は間違いなく危険度が上がる。俺達の力を教会は黙っていないだろうし、ショッカーや神から刺客が送られる事もあるだろう。それでも、幸利以外は同行するのか?」

「当たり前ですよ、猛さん」

「弟子は師匠に一生付いていきますよぉ!」

「誰かを救えるなら、僕は迷いませんよ。もちろん付いていきます」

「ボクはハジメの行く所へ一緒に行く。ユエもだろう?」

「……(コクリ)」

 

他の者の考えは全員同じらしい。それぞれが強い決意を眼に宿している。

 

それを確認して、俺は決意を改めて口に出した。

 

「救うぞ。この狂った世界を」

 




強化服は完全に仮面ライダー1971-1973のアレです。変更点があるとすれば変身ポーズを取ってから変身も頑張れば可能と言ったところです。その際、仮面とクラッシャーは宝物庫から空中リロードの要領で取り出さないといけないので完全にロマン機能です。

次回は久しぶりですが王国に視点を向けます。ですので次回は三人称です。

本郷猛と結ばれて欲しい人は?

  • 香織&シア
  • ユエ&ティオ
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