大自然が遣わした正義の使者は異世界最強   作:Hetzer愛好家

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テェスゥトォです()
間違いなく筆は遅くなる(はず)ですのでご容赦ください。


第三十話 勇気の漢

フェアベルゲン内部は、正に圧巻と言うべき光景が広がっていた。

 

門をくぐると、そこは別世界だった。直径数十メートル級の巨大な樹が乱立しており、その樹の中に住居があるようで、ランプの明かりが樹の幹に空いた窓と思しき場所から溢れている。人が優に数十人規模で渡れるであろう極太の樹の枝が絡み合い空中回廊を形成している。樹の蔓と重なり、滑車を利用したエレベーターのような物や樹と樹の間を縫う様に設置された木製の巨大な空中水路まであるようだ。樹の高さはどれも二十階くらいありそうである。

 

流石にここまでの予想は出来ていなかったため、俺は思わず唖然とした。

 

元いた世界はショッカーや人間によって美しい自然が破壊され、次々と工業施設が建設されていたので、こういう自然その物がヒトと寄り添っているのを見るのは非常に嬉しく思う。

 

「アマゾンは、こんな素晴らしい場所で生活していたのか……」

「フェアベルゲン、綺麗! 空気ウマイ!」

「ああ、その通りだな。俺もここに住んでしまいたいぐらいだ。お前が羨ましいよ」

「ふふ、どうやら我らの故郷、フェアベルゲンを気に入ってくれたようだな」

「気に入るも何も、こんな素晴らしい場所を称賛する以外に何があるのです。もっと誇っても良いと思いますよ」

 

最悪、ハイリヒ王国を捨てることになってもフェアベルゲンは守りたい。そこまで思わせるぐらいに素晴らしい場所である。

 

掛け値なしのストレートな称賛に、流石に、そこまで褒められるとは思っていなかったのか少し驚いた様子の亜人達。だが、やはり故郷を褒められたのが嬉しいのか、皆、ケモミミや尻尾を勢いよくふりふりしている。

 

流麗な町並みを眺めて目を細めていると、また不意に感じ慣れた気配が一つ近づいてくるのが分かった。すぐに誰なのか当たりを付けた俺は、気配がする方向を振り向いた。

 

そこには……

 

「先生、どこに行くの?」

「うん、ちょっと先生のお友達が来てるらしいんだ。折角だから会いたくてね」

「先生のお友達? どんな人なんだろう!」

 

ネコ耳とネコ尻尾を生やし、腕を三角巾を吊している女の子と共に一人の男が現れる。

 

見た目は何処にでも居そうな男だ。しかし、その男は右側に女の子が回ればすぐに自分も反対側へ移って徹底的に右手で触れないようにしている。時折右腕を擦ってはほんの一瞬だけ悲痛そうな表情を浮かべ、またすぐにその表情を消す。

 

間違いないだろう。彼のことを、俺はよく知っている。

 

復讐の鬼から少しずつ誰かのための正義の心という物を持ち、最終的には仮面ライダーと認められた右腕の鬼。一度死んだが、俺と隼人の手によって甦った勇気の漢。

 

「結城……!」

「え、その声……まさか本郷さんですか!?」

 

声に反応して俺のことを直と見つめる結城丈二。フェアベルゲン内にはアマゾンともう一人仮面ライダーが滞在していると聞いていたが、まさかの結城丈二である。

 

町医者をやっていると聞いているが……いや、確かに可能だ。彼の右腕は超万能なカセットアームである。メディカルアームという物があったはずだ。更に彼は知能指数が200程はあった。大体の薬の制作も可能だろう。それに、結城は元々デストロンで改造人間を制作していたこともあって人体分野に関しては非常に博識である。

 

そんな結城と俺は、こうして生身の身体で対面するのはアマゾンと同じく初めてである。恐らく彼も俺の声で判別したようだが、此方を見て目を丸くしている。

 

「アマゾンの友達と聞いたので誰かと思ったら本郷さんでしたか! お久しぶりです!」

「ああ、久しぶりだな。何時ぶりだ?」

「ガイボーグの一件以来じゃないですか?」

「そんなにか。だとしたら数年ぶりになるな。なんにせよ元気そうで良かったよ」

 

ガシッと右手で握手をして軽い挨拶を交わす。結城とは作戦を立案する時によく顔を合わせており、俺としては旧知の友に会えた気分だ。話したいことも沢山ある。

 

「ふむ、やはりお前さんは彼らの知り合いなんだな。確か……仮面ライダーと言ったか?」

「その通りです。僕も、結城も、アマゾンも。全員仮面ライダーですよ」

「え、ええ!? た、猛さん。その人も仮面ライダーなんですか?!」

「そうだな。彼は仮面ライダー第四号さ。またの名をライダーマンだ」

 

仮面ライダー第四号。またの名をライダーマン。元はデストロンの科学者だったが幹部に裏切られて右腕を失い、瀕死の所を仲間の手によって助けられカセットアームを使える義手を移植された復讐の鬼だ。

 

最初は敵対していたが後に和解して風見志郎と共にデストロンと戦い、最期は東京を救うためにプルトンロケットに乗り込んで爆発させ、瀕死の状態で海に落ちたところを俺と隼人が助け出して蘇生手術を行った。その結果、左腕でもカセットアームを使用出来るようになった。もっぱら結城は右腕を使ってるが……。

 

元は科学者だったこともあり、彼の戦闘スタイルはアマゾンと対極的である。敵に対して何が有効かを常に考え、その度にカセットアームを駆使して確実に倒していく。

 

「それなら尚更歓迎しなくてはな。お前さん達同士で積もる話もあるだろうから、ここで待っていてくれ。他の長老を呼んでこよう」

 

何から何まで気が利く長老である。俺がアルフレリックに一礼すると、彼は軽く手を振ってそれを制し、そのままフェアベルゲンの深部まで歩いて行った。

 

それを確認した俺は、今最も気になっている疑問を結城に投げかける。

 

「なあ結城。他の仮面ライダーはこの世界に来ているのか?」

「そう、みたいですね。今のところ判明しているのはこのアマゾンとハイリヒ王国に滞在している一文字さんです。他のライダーは……ちょっと分かりません」

「いや、他に来ている事が分かれば良い。その様子だと最低でも俺を含めた七人のライダーがこの世界に迷い込んだと言って良さそうだな」

「多分そうですね。転移する直前まで自分は洋と居ましたが、彼の足下に魔法陣はなかったですよ。あ、それとこれはただの予測ですけど、敬介は海の方にいるんじゃないですかね? 奴は陸よりも海が好きですから」

「有り得る話だな」

 

ちなみに町医者と聞いて挙がった候補は結城と神敬介である。結城は単純に生化学に精通しているし、敬介は風の便りで医者をやっていると聞いていたからだ。考えようと思えば他にも候補は出てくるが、それでもこの二人に絞っていた。

 

仮面ライダーの中でも最初期に生まれた七人には特に信頼を寄せている現れである。

 

「本郷さんはこれまで何をしてたんですか? その様子だと僕達より一足先にこの世界に来ていたみたいですけど」

 

後ろで未だポカンとしているハウリアを一瞬見てから結城が口を開いた。どうやら、このハウリアも全員仲間だと思っているらしい。まあ、一応仲間だが……どちらかと言えば守るべき対象だ。戦いを共にするという意味での仲間ではない。

 

本当の意味で仲間というならば、この場ではハジメ達の五人しか該当しないだろう。特にハジメは、形は違えど同じ仮面ライダーである。

 

俺はこれまでの事の顛末を簡単に伝え、最後にハジメが結城と似たような存在であることを特に戸惑うことなく明かした。

 

「それじゃあ、彼もカセットアームを?」

「結城のカセットアームを参考にした皮膚を装着しただけだから実際は違うけどな。仮面ライダーには違いない」

「強化服でとは言え本郷さんの発明には脱帽ですよ。僕としては貴方のことを一番敵に回したくないですね」

「生きてる限り敵にはならないさ」

 

その後、結城がハジメの右腕や強化服に興味を持って矢継ぎ早に質問したり、アマゾンがユエとじゃれ合ったりと比較的平和な時間が流れていった。ハジメは生粋の技術者である結城の様々な質問に答え疲れて恵里に頭を撫でられていた。

 

それに便乗したのか、香織が俺の腕に抱きついてきたり、シアが「わたしも~」と背中に密着したりと俺からすれば何とも言えない気分になる状態が更に数十分続く。

 

理性との戦いに一人悶々としていると、漸く助けと言うべき存在が近づいてきた。俺は居住まいを正して静かに待つ。

 

やがてやって来たのは……。

 

「ふむ、彼が問題の人間族だな?」

「小童には見えんな。何者だ?」

「さあ? ただ、常人ではないのは間違いないだろうね」

「さながら歴戦の戦士、か」

 

アルフレリックに連れられてやって来たのは、様々な種族の長と思われる雰囲気を纏った亜人であった。

 

場の空気が一挙重たくなり、特に亜人達は顔を強張らせている。平常心なのは俺自身と俺の頼もしい仲間達、そして結城とアマゾンだけだろう。

 

長老と俺の、一対複数の対談が始まる。




二人目(三人目?)のレジェンドライダーはライダーマン結城丈二です。予想では神敬介という人が多かったですが、彼はどうしても“海”と絡めたいのでここでは出現しません。

本郷猛と結ばれて欲しい人は?

  • 香織&シア
  • ユエ&ティオ
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