大自然が遣わした正義の使者は異世界最強   作:Hetzer愛好家

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話しが纏まらないので早めに切ってます。ご了承ください。


第三十八話 ご対面

さて、ご機嫌斜めになってしまった二人を何とか宥めた俺は、気を取り直して周囲を眺める。

 

俺達が入ったこの場所は超巨大な球状の空間だった。直径二キロメートル以上ありそうである。そんな空間には、様々な形、大きさの鉱石で出来たブロックが浮遊してスィーと不規則に移動をしている。完全に重力を無視した空間だ。だが、不思議なことに俺達はしっかりと重力を感じている。おそらく、この部屋の特定の物質だけが重力の制限を受けないのだろう。

 

そんな空間を、さっきも見た騎士甲冑がフワフワと浮きながら此方を睨んでいた。まるで落ちるように方向転換を繰り返しており、相当に細やかな動きを繰り返していた。ちょっと気持ち悪いとまで思ってしまう。

 

あれだけの細かい動きを、しかもかなりの速度で行っているとすれば、あの騎士甲冑を操る仕掛けなり人なりが近くに居るに違いない。

 

もっとこの空間を調べるため、俺は目を凝らして前を見つめる。

 

と、その時であった。シアの焦燥に満ちた大声が発されたのは。

 

「逃げてぇ!」

「!?」

 

その声を聴き、咄嗟に俺以外は後方へと全力で下がるようにジャンプした。これからやって来るであろう、とんでもない破壊の一撃を避けるために。

 

唯一、俺だけはその場に留まってタイフーンに蓄えていたエネルギーを放出。右拳を力の限り突き出す。

 

ゴォガアアアアアアアン!!!

 

隕石が落下したのかと思うぐらいの衝撃が右拳に来た。隕石というのはあながち間違った表現ではないだろう。赤熱化する巨大な何かが落下して来たのだから。

 

これだけの重さと破壊力。余裕で地面を粉砕する事が出来るだろう。魔法がほぼ使えない今、一般人よりは間違いなく強いハジメ達ですらも死んでしまった可能性が否定できない。

 

拳に乗っかる何かを気合で無理やりながらも押し返す。出鱈目な破壊力であったので、タイフーンに蓄えていたエネルギーをかなり消費してしまった。まだ変身を維持して戦うのは全く問題ないが、予備エネルギーが枯渇しそうなのは先行きが不安になる。

 

「猛さん、大丈夫ですか!? 怪我とかは……!」

「大丈夫。何ともないよ。香織達こそ怪我はしてないか?」

 

駈け寄ってきた香織に支えられながら立ち上がって後ろを見ると、恵里とユエを小脇に抱えて退避したハジメの姿。そして彼らを守るようにして構えるシアが居た。

 

全員無事らしい。それに一安心だ。

 

だが、一息入れる間もなく、弾き飛ばされた隕石があるであろう方向から急速に一つの気配が此方へ近寄ってきた。

 

ズシャアン! と凄まじい轟音を鳴り響かせ、接近していた何かはその場に留まった。そして、ギンッと光る眼光をもって俺達を睥睨する。

 

「これは……」

 

降って来たのは超巨大の騎士甲冑。他の騎士と同じようにして宙に浮いているのだが、迫力と威圧感は段違いだ。全長が二十メートル弱はある。右手はヒートナックルとでも言うのか赤熱化しており、先ほど俺の右拳と激突したのはあれだろう。左手には鎖がジャラジャラと巻きついていて、フレイル型のモーニングスターを装備している。

 

如何にも親玉。この迷宮の最終試練に相応しい。

 

飛来してきた騎士に包囲され、一層緊張感が増していく。張り詰めた糸が今にも千切れてしまいそうだ。心の臓に掛かる圧迫感が尋常ではない。

 

目を見開き、次にやって来るであろう攻撃に備えて殺意を充填していく。一切の遠慮は不要だ。少しでも気を抜いたら、俺は問題なくても仲間に死が訪れる。

 

まさに一触即発の状況。そんな空気を先に破ったのは……

 

「やほ~、はじめまして~、みんな大好きミレディ・ライセンだよぉ~」

 

 ……巨体騎士のふざけた挨拶だった。

 

「何ぃ?」

「「「「は?」」」」

「ん……」

 

あまりにも気の抜けた挨拶に、ハジメ達はすっかり毒気を抜かれてしまっている。

 

俺も茫然としてしまいそうになった。だが、この場で気を抜いたら一瞬でやられる。そう思いなおして情報を整理する。

 

声質は女。やたら軽いノリで、かつ妙に腹の立つ挨拶をして来た。

 

……よし、何とか此処までは整理が出来た。信じたくはないが。

 

「……貴女がミレディか。俺は本郷猛。オルクス大迷宮を攻略した流れで此処を知り、そのまま攻略に乗り出した」

「おや、しっかり反応を返す辺り、君は随分と礼儀がなっているようだねぇ! 拍手拍手ぅ~」

 

落ち着け。相手のペースに飲み込まれるな。怒りをぶつけるのはもう少し我慢しろ。

 

「何故貴女がゴーレムになっているのかは分からないが、俺達の目的は神代魔法の習得ただ一つ。これも試練だと言うのなら、破壊してでも先に進ませてもらうぞ」

「ほうほう。神代魔法がお目当て? それなら……こっちの質問に答えてくれるかな?」

 

一転。さっきまでも軽薄な様子は消え失せ、真剣味を感じさせる声色へと変わった。

 

此方が彼女の素の姿なのだろうか。表面上は取り繕っているだけで、中身は誰よりも他を思いやる。そんな人物なのだろうか。

 

俺は勿論、ハジメ達も驚いている。この迷宮を攻略する間、ミレディ・ライセンと言う人物に抱いた印象では全くこんな姿を想像できなかった。

 

「何を目的で神代魔法を手に入れる? そして、神代魔法を手に入れたら何を為す?」

 

答えは一つ。何事があったとしても、これだけは変わらない。

 

「俺の、俺達の目的は、この世界を巣食う狂った神とショッカーを散滅する事だ。もうこれ以上、非力な人間の未来を弄ばせはしない。そのためにも、神代魔法の力を借りたいんだ」

 

人類の自由と平和を守るために。一人でも多くの笑顔を守るために。笑顔に連なる、未来に輝く幸福を守るために。

 

俺は。仮面ライダーは。戦い続ける。見知らぬ誰かの幸せを守るために……。

 

「狂った神とショッカーを……」

「もう一つ、俺には名前がある。大自然が遣わした正義の使者〝仮面ライダー〟だ」

「仮面ライダー。それに大自然が遣わした正義の使者、か。ふふふ……とっても安直な名前だけど、私は嫌いじゃないよ。君みたいに強い人が、私達と共に戦ってくれていたら……」

「ミレディ・ライセン。もう一度言うぞ。俺達の目的は神代魔法の習得だ。この試練、必ずや乗り越えてみせる」

 

ミレディ・ゴーレムの眼光を真っ直ぐに見返す。彼女に伝える事はもうない。後は、この拳で力の強さを伝えるのみ。

 

「……なら、此処は君達が本当に神代魔法を手に入れるに値する力を持っているか。それを見る必要がありそうだね!」

「そうか。なら行くぞ」

「ふっふふ~……私はとっても強いけどぉ、精々頑張ってねぇ~」

 

……やっぱイラつく奴だ。

 

彼女はきっと、気高い黄金の精神を持ち合わせているのだろう。だが、今は兎に角殴りたい。

 

人を此処まで怒らせるのが上手とはある種の才能かもしれん。

 

「魔法組は通常騎士の処理を頼む。シアとハジメはペア行動でミレディへアタックだ。行くぞ!」

「はい師匠! ハジメさん、行きましょう!」

「ちょちょ、シアさん速いって! ロ、ロープアームゥ!」

「香織、ユエ。行くよ」

「あ、恵里ちゃん待って! 一人で突っ込んだら危ないよ~!」

「ん……!」

 

それぞれが自分の仕事を果たすために走り出す。俺もまた、自身に課した仕事を果たすためにミレディ・ゴーレムへ飛び掛かった。

 

七大迷宮が一つ、ライセン大迷宮最後の戦いが始った。




次回、激突

本郷猛と結ばれて欲しい人は?

  • 香織&シア
  • ユエ&ティオ
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