大自然が遣わした正義の使者は異世界最強 作:Hetzer愛好家
ハジメの意識が戻ってから一週間が経過した。
最初の頃は変わった目の感覚に慣れず、日々疲労していたハジメであったが、今ではすっかり馴染んで前とほぼ変わらない生活を送れている。
ただ、使徒の目を移植したと言う事もあって、ハジメの身体には大きな変化が起こっていた。
これが現状のハジメのステータスだ。
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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???
天職:錬成師
筋力:13500 [最大値:20250]
体力:15000 [最大値:22500]
耐性:17500 [最大値:26250]
敏捷:16000
魔力:12100
魔耐:12100
技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+イメージ補強力上昇][+鉱物系探査][+複数錬成][+遠隔錬成][+圧縮錬成][+高速錬成][+自動錬成][+想像錬成][+錬金術]・右腕強化・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・痛覚耐性・風爪[+三爪]・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・分解能力・生成魔法・重力魔法・言語理解
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軒並みステータスが上昇しているのにも驚いたが、それ以上に新しく増えた能力の方に俺は目が行った。
分解能力。これは、使徒が攻撃する際に標準装備していた超強力な能力だ。触れた物体を基本は何の抵抗も許さずにこの世から消し去ってしまう。俺が制作してハジメが身に着けていた仮面も、使徒の攻撃によって左目周辺が消し飛んでしまっている。
この能力に気が付いたハジメは早速実践してみたのだが、左手で能力を行使するのが限界だったらしい。
左目に一番近いと思われる左手で使うのが精一杯。その旨を少し落ち込んだ様子のハジメから報告を受けた。
「カセットアームに能力の付与が出来ない」と落ち込むハジメであったが、俺は丁度良いのではなかろうかと考えている。
その理由は、これまで右腕の補助でしかなかった左腕でも十分に戦えると踏んだからである。右腕は従来通りカセットアームで戦いつつ、左の間合いに入った敵には分解能力を付与した鉄拳をぶつければ、ハジメの戦闘能力はこれまでの数倍以上のレベルにまで仕上がるだろう。
純粋に隙がなく、しかも常に凶悪な初見殺しを仕掛けられるハジメとはあまり戦いたくない。
俺の見解を聞いて元気を取り戻したハジメだったが、すぐに恵里に落ち着くように諫められてた。
「無理したらダメだからね」
圧が物凄かった。ハジメは勿論だが、俺も全く動けなかった。愛する人を守るためなら鬼にもなれるのは、どうやらハジメだけではなかったらしい。
と、まあ色々とあったが「良い思い出」で何とか済ませられるだろう。
何だかんだで結構な期間滞在していたブルックの町であったが、其処ともお別れする時が来た。
「おや、全員で来るのは珍しいね?」
「どうも、キャサリンさん。実は明日にでもこの町を出ようと思ってるので、最後に挨拶でもしようと思いまして」
現在俺が居るのは何時ぞやの老婆……基キャサリンさんが受付嬢をする冒険者ギルドだ。
使徒の襲撃を受けてから一週間。壊された町もかなり復旧が進み、活気が大分戻って来ている。その様子がギルド内からも見受けられた。
「そうかい、寂しくなるねぇ。町を救った英雄御一行がこの町を去ると知ったら、きっと物凄い事になるんじゃないかい?」
「英雄だなんて。僕は出来る限りの事をしただけですよ。英雄だなんて大袈裟な称号は似合いません」
「相変わらず謙虚な男だねぇ。ま、そんな姿勢があんたの人気の秘訣なんだろうけどね」
キャサリンさんには随分とお世話になった。使徒を追い払った事で揉みくちゃにして来た群衆を一声で黙らせ、更に気を利かせてギルド内にある宿泊施設のVIPルームを使わせてくれたのだ。
御蔭でハジメ達はゆっくり療養が出来たし、俺は重力魔法の鍛錬に集中する事が出来た。
「さ、雑談はこの辺にしておこうか。実はあんた宛に届けられた手紙があってね。次会ったら渡そうと思ってたんだ」
「手紙ですか?」
「ほら、これだよ」
キャサリンさんから受け取った手紙の封筒には、見覚えのある筆跡で書かれた文字がある。
「これは……」
「猛さん、どうしたんですか?」
封を開けて手紙を読み、目を見開いた俺を見た香織が心配そうな表情を浮かべていた。
手紙の内容はこうだ。
中立商業都市フューレンで活動している者が、ショッカーの主要基地らしき何かを発見したと言うのである。どうやら巨大な人攫い組織と結託しているらしく、基地に潜入した男は幾人もの人間が売られては改造されていく様子を目撃したらしい。
あまりにも巨大であり、とても一人では潰しきれない事から、俺に対して救援を要請すると言う旨の手紙だった。
この基地を見つけ、更に手紙を書いた男の名は……
「敬介だな、この手紙を書いたのは。あいつもこの世界にやって来ていたのか」
神敬介。またの名を、仮面ライダーX。GOD機関と激闘を繰り広げたカイゾーグである。
てっきり海の方に居るのかと思っていたのだが、その予想は外れたらしい。
しかし、こうやって主要基地らしき物を見つけてくれたのは有り難い。救援要請を無下にも出来んし、これはしっかりとフューレンまで行くべきだろう。
「キャサリンさん。フューレンにこれから行こうと考えてるんですけど、其処に行く依頼はありますか? 冒険者らしく依頼を受けようと思うんですけど」
「う~ん、おや。ちょうどいいのがあるよ。商隊の護衛依頼だね。ちょうど空きが後一人分あるよ……どうだい? 受けるかい?」
「ええ、それで頼みます」
「あいよ。先方には伝えとくから、明日の朝一で正面門に行っとくれ」
依頼書を受け取り軽く一礼。とんとん拍子で話を進めたので香織が困惑しているが、彼女もしっかりと礼をした。礼儀がしっかりとなっている。
そんな俺に、キャサリンさんは懐から更にもう一通の手紙を取り出して手渡して来た。
「これは?」
「町を救ってくれたサービスみたいなもんだよ。あんた達は何か抱えてそうだし、他のギルドで揉めるかもしれないからね。もし他の町でギルドと揉めた時は、その手紙をお偉いさんに見せな。少しは役に立つかもしれないからね」
手紙一つでギルドのお偉方に影響を及ぼすだと……?
「ありがとうございます。あの、キャサリンさん。貴女は……」
「おや、詮索はなしだよ? いい女に秘密はつきものさね」
「わ、分かりました。これは有り難く受け取りますね」
「素直でよろしい! 色々あるだろうけど、死なないようにね」
謎多き、片田舎の町のギルド職員キャサリンさん。俺達は、そんな彼女の愛嬌のある魅力的な笑みと共に送り出された。
その後、俺はシアが世話になったと言う洋服屋やマサカの宿にも顔を出し、今日でお別れだと言う旨を伝えた。
曲がりなりにも英雄と呼ばれているのもあってか、その日の夜ご飯は町中の人々を巻き込んだ大晩餐会となり、大いに盛り上がったのだがその様子は割愛する。
ただ、これはだけは言いたい。心温まる人々ばかりであり、俺は感動したよ。
晩餐会の最中に今後の予定を全員に伝え、ついでに敬介の事を話したらハジメが大いに驚いたのも割愛する。そんなに仮面ライダーが存在しているのがビックリしたのだろうか……。
そして翌日早朝。
正面門にやって来た俺達を迎えたのは商隊のまとめ役と他の護衛依頼を受けた冒険者達だった。どうやらハジメ達が最後のようで、まとめ役らしき人物と十四人の冒険者が、やって来た俺達を見て一斉にざわついた。
どうやら、俺達がやった事はかなりの範囲で広まっているらしい。
「お、おい。まさか最後の護衛者って英雄御一行様なのか!?」
「マジかよ! 嬉しさと恐怖が一緒くたに襲ってくるんですけど!」
「オーラから違いすぎて気絶しそうなんだが? 特にリーダーらしき男。あれヤバいだろ……」
「迫りくる幾万の襲撃者をたった一人で撃滅したらしいぞ?」
「マジでぇ!?」
「見ろよ、俺の手。さっきから震えが止まらないんだぜ?」
「いや、それはお前がアル中だからだろ?」
……まあ、フランクな雰囲気ならやりやすい。一々首を突っ込んで言葉を放つのも面倒なので、言いたいだけ言わせておこう。
微妙な表情を浮かべて近寄ると、商隊のまとめ役らしき人物が声をかけた。
「君達が最後の護衛かね?」
「ええ。これ、依頼書です」
懐から出した依頼書を見せる。それを確認して、まとめ役の男は納得したように頷き、自己紹介を始めた。
「私の名はモットー・ユンケル。この商隊のリーダーをしている。君達のランクは未だ青だそうだが、キャサリンさんからは大変優秀な冒険者と聞いている。道中の護衛は期待させてもらうよ」
「期待は裏切りませんよ。襲撃者が来たとしても、商隊には指一本触れさせませんので。私は猛。こっちは右から香織、シア、ハジメ、恵里、ユエです」
「それは頼もしいな……ところで、この兎人族……売るつもりはないかね? それなりの値段を付けさせてもらうが」
モットーはおそらく優秀な商人なのだろう。首輪を見てシアを俺の奴隷だと判断したようだ。
だが、俺の答えは決まっている。
「大切な弟子なんです。そんな人を売ると思いますか? まあ、無理にでも取ろうと言うのならこの場で戦争をして良いですが……どれだけの血が流れるんでしょうね?」
「…………そこまで言われては仕方ありませんな。ここは引き下がりましょう。ですが、その気になったときは是非、我がユンケル商会をご贔屓に願いますよ。それと、もう間も無く出発です。護衛の詳細は、そちらのリーダーとお願いします」
俺の言葉を受け、モットーは少し顔を引き攣らせながら引き下がった。相当怖い顔をしてたと思う。ちょっと申し訳ない。
と、そんな風に物思いに耽っていると、不意に背中側から〝むにゅう〟と柔らかい感触を感じ、更に腕が背後から回され俺を抱きしめてくる。
「……師匠、ありがとうございます」
「気にするな。身内は誰にも傷つけさせはしないって心に決めてるんだ」
身内の中には勿論シアも入っている。彼女だって、俺からしたらかけがえのない家族の様な者だ。
「香織も、シアも、ハジメ達も。この手の届く範囲なら、絶対に守って見せるさ」
そう締め括ったのだが、何だか空気がおかしい。
香織もシアも顔を赤くしている。近くで聞いていた女性の冒険者も同じく顔を真っ赤にしていた。
……やらかしたか?
彼がフューレンに来ているのにはしっかりと理由がありますが、それはまた後ほど。
本郷猛と結ばれて欲しい人は?
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香織&シア
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ユエ&ティオ
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雫