大自然が遣わした正義の使者は異世界最強   作:Hetzer愛好家

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悩みに悩んだ末、ハジメにはとある処置を施すことにしました。苦肉の策他ならないので見苦しいとは思いますがご了承ください。


第六話 後悔

俺がハジメと約束を交わしてから一週間が経過した。

 

「先生。この世界で一番硬いという鉱石をゲットできましたよ!」

「そうか。それじゃあ今日にでも始めるぞ」

 

あれから俺は、ハジメのために“腕”を開発していた。当初はライダーマン結城丈二のように右腕その物を改造するのが早いと考えていたが、やはり彼の五体を一部とはいえ切り刻む事になるのは気が引けた俺は、この一週間寝る間も惜しんで様々な案を考えた。

 

その結果、俺は一つの妥協案を思いついた。ライダーマンはカセットアームを改造した義手と連動させて動かしていたが、俺はそれを更に改良して“装着者の神経と接続して脳の命令で二の腕から下を細胞から変化させて武器へと変形させる第二の皮膚”を作ろうと考えついたのである。

 

脳の命令によって形を変えるため、物作りに適した錬成師であり想像力が豊かなハジメにはピッタリなはずだ。

 

神経と接続させるためには当然だがかなりの苦痛を伴うが、改造手術を受けて手当たり次第に物を破壊するよりは遥かにマシ。心に傷を負って塞ぎ込むより数倍良い。俺はそう割り切って設計図を完成させた。

 

「ハジメ。これからお前の右腕半分を覆うようにカセットアームを制作する。まずは下地となる鉱石を寄越してくれ」

「はいっと……これです」

「それじゃあ俺が指示した場所を少しずつコーティングしてくれ」

「分かりました」

 

複雑な回路を先に組み立て、本来なら接着剤が必要な箇所はハジメが錬成で補強する。回路その物は既に準備してあったのであっという間に組み立て終わった。

 

次にハジメから受け取った鉱石を薄く伸ばしてから彼の右腕に合うように型を作っていく。下地となっている鉱石はタウル鉱石だ。タウル鉱石は引き伸ばすとなぜか人の肌の手触りと似たような感触が現れるため、ハジメのカセットアームには最適だと思ったので今回は使用している。

 

改造人間の力で硬い鉱石を難なく引き伸ばし、改造された目で脳にハジメの指先から二の腕までの尺を測っては第二の皮膚を少しずつ形にしていく。

 

ある程度形になったらハジメの腕に被せてみる。そして出来る限り彼の腕とジャストフィットするように何度も何度も微調整を行った。

 

しかし、それも数十分で終了した。後は回路と第二の皮膚を繋ぎ、ハジメと接続させるだけである。

 

「ハジメ。回路を繋ぐぞ。錬成を頼む」

「了解です。これは……ここですか?」

「だな。それが終わったら隣にある回路をそこにやってくれ」

 

手際良く回路を皮膚と繋いでいき、見た目は薄っぺらい紙にウジャウジャと回路がくっ付いている変な物質へと変わっていった。

 

なお、細胞から腕を変化させる機能は目に見えない程小さい機械によって成し遂げられる。腕の細胞を一度分解し、やはり目に見えない機械に腕の細胞を収納。そして代わりにタウル鉱石の細胞を腕があった部分に放出させて集束。そこから脳の命令によって形を変えた武器等が生み出されるのである。回路内には、電子顕微鏡でも見えない程小さな機械類でビッシリなのだ。

 

「……よし。これで完成だ」

「よ、ようやくですか。小さくて目が痛い……」

「少し休憩するんだ。休憩が済んだら装着する」

「了解です。あの、猛先生」

「なんだ?」

「ありがとうございます。僕の自分勝手な我が儘を聞いてくれて」

「……礼を言われる事じゃない。俺はまた、地獄への道連れを作ってしまった。むしろ謝らせてほしい。これ以外の方法が思い浮かばなくて、本当にすまなかった」

 

俺はハジメの第二の皮膚を開発しながらも、何度も彼に確認を取った。「本当にお前は腕だけでも人外にするのか?」と。強くなるなら方法は幾らでもあるのだ。例えば「俺が稽古をつける」や「パワードスーツを開発する」だ。

 

しかし、ハジメはどの誘いも断り、あくまでも腕を人外に変える道を歩もうとした。それこそ最初の頃は、ライダーマンのように義手とカセットアームを作ってくれと懇願された。

 

曰く、稽古はつけてほしいしパワードスーツも着てみたい。だけど、戦争はいつ起こるか分からない。だから腕だけでも改造して今すぐにでも強くなり、二人を守りたいらしい。

 

ついさっきも述べたが、ハジメの五体を一部とはいえ切り刻むのは何としても避けたかった俺は、何度も彼を説得し、ようやく妥協してくれたのが「第二の皮膚を己の神経と接続する」だった。

 

外部機器と脳を繋ぐというプチ手術を行うには変わりなく、それでいて彼の五体を切り刻むことない。これが俺とハジメの、限界の妥協点だった。

 

余談だが、パワードスーツは拳には火薬を、足に電撃発生装置が備え付けられており、電磁ナイフやハンドガンも完備している。顔は骸骨の仮面で隠すので、仮面ライダーというよりはスカルマンと言うべき物であった。このパワードスーツもハジメに渡すつもりである。

 

「先生。心の準備と体の準備、出来ました」

「そうか。 ……本当に付けるんだな?」

「当たり前です。完全な改造人間ではないのはまだ納得いきませんけど……」

「……ハジメ。一つ覚えておけ。改造人間の力は確かに強力だ。だが、争いの無い平和が来た日にはお払い箱になって誰も必要としてくれなくなる。それだけは覚えておけ」

「先生……」

「もっとも、人間が存在する限りは平和が来るのも難しいとは思うが……この話はここまでにするか。それじゃあ、装着するぞ」

 

これ以上この話を続けてと意味はないと思い、俺はひとまず話の流れ切ってハジメに第二の皮膚を手渡した。今するべき話ではなかったと軽く後悔をする。

 

ハジメは複雑そうな表情を浮かべたが、特に躊躇うこともなく第二の皮膚を自分の右腕に装着する。皮膚を装着した瞬間、第二の皮膚の下に隠れている接続回路がハジメの皮膚に突き刺さり、彼の神経と繋がる。

 

当然、凄惨という言葉では済まされないぐらいのとんでもない痛みが襲ってくる。

 

「ぐうあああああああ……!?」

「ハジメっ!」

「せんせ、いっ。腕が……腕が焼けてるっ」

「ハジメ、これを飲め!」

 

予め生成しておいた即効性のある痛み止めをハジメに飲ませる。味はそこまで美味くないが、良薬は口に苦しを地で行くため効果抜群だ。

 

ハジメは苦悶の声を上げ、脂汗をビッショリかいているが、何とか理性を保っている。神経接続が痛いのは最初だけなため、これさえ乗り切れば大丈夫だと分かっているからかもしれない。あとは薬のおかげもあるのだろうか。

 

やがて痛みも落ち着いたのか、ハジメは脂汗を拭いながら自分の右腕をマジマジと見つめている。

 

「……これで、僕の右腕は?」

「人外に変わり果てたさ。とりあえず幾つか試してみたらどうだ?」

「それじゃあ……〝ロープアーム〟!」

 

すると、一瞬ハジメの右腕が消えた……と思ったさらにその次の瞬間には俺の見慣れたロープアームが彼の右腕に装着されていた。どうやら第二の皮膚の開発は無事成功したらしい。

 

その後も彼は、〝パワーアーム〟だったり〝マシンガンアーム〟だったりを作り出しては目を輝かせていた。

 

が、とても喜ぶ事は出来ない。ハジメの体に異常がないことには確かな安心感を覚えたが、それでもハジメを地獄への道連れにしてしまったことを悔やむ気持ちでいっぱいである。

 

なぜあの時、もっと強く言い聞かせられなかったのか。なぜあの時、強引にでも断れなかったのか。悔やんでも悔やんでも悔やみきれない。

 

「これで二人を守れる」と目を輝かせるハジメとは対照的に、俺の瞳は暗く澱むのだった。

 




ハジメのこの処置が賛否両論なのは察してます()
が、感想にもあったように安易に改造手術に踏み切る本郷さんはらしくない→でも彼は優しいので断りきれない気がする(偏見)→ならどうしよう?→そうだ、皮膚だけ変えちまおう!
途轍もなく安易な発想で申し訳ないっす…。

さて、アンケートですが来週の火曜には締め切ろうかなと思っています。今のところ香織&シアか雫かで超接戦となってますので、投票してなければ是非ともお願いします。

本郷猛と結ばれて欲しい人は?

  • 香織&シア
  • ユエ&ティオ
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