結果は、「もちろん!すぐに!」がトップとなりましたので、サイレントヒル2編の前に、こちらを投稿しておきます。
まあ、啓蒙低い亜希羅の脳髄の、妄想の産物ですのでね。鼻で笑いながら見てくださいな。
あ、ちょっとご指摘を受けたので、前話のラストシーンを加筆しました。
よかったら、そちらもどうぞ。
※第1楽章3、ポッター母子がアメリカに旅立ったくらい。
彼は魔法省勤務の木っ端役人である。名前は・・・紹介するまでもないだろう。
とりあえず役人Aとしておく。それで済むほど、彼はこの物語の本筋とは何の関係もない。
脳に瞳もなければ、獣狩りの経験もないし、啓蒙も知らず、ホグワーツをそこそこの成績で卒業後、無難に入局して、書類にガリガリ羽ペンで書きつけて、紙飛行機にして飛ばしまくっているだけなのだから。
そんな彼でも、その年は激動の日々であったといえる。
魔法省は、日に日に活発化しつつある闇の勢力と、対抗しているといえば聞こえはいいが、荒らすだけ荒らして後片付けを押し付けるだけの光の陣営の板挟みであった。
確かに闇の陣営はいけないだろう。マグルを駆逐なんてできるわけがない。そのために虐殺なんて、もっての外だ。ホロコーストなんてやろうものなら、マグルが魔法界に感づいて、大量虐殺兵器を叩きこんできかねない。
役人Aは
妹は、魔法を自慢する父や自分に対し、あんまり調子に乗らないことね、と負け惜しみのように言っていた。その気になったら、マグルは魔法族を万人単位で虐殺できるんだからね、と。
当時は負け惜しみだと思ったが、後で調べてみれば、妹の言ってたことはあながち間違いではないとわかった。
マグルには魔法はないが、科学がある。杖がなくても、明かりをつけて、電話で遠くと話し、爆弾やミサイルで吹き飛ばして、毒ガスで指一本触れずに殺すことができる。
まして、イギリス魔法界は、かろうじて自治はできているが、人口――マンパワーという点では、マグル界とは大きく差ができてしまっている。
ここで、マグル界に侵攻などしようものなら、怒り狂ったマグルたちが潰しにかかり、イギリス魔法界はその独立性を失って一自治区のようになり果ててしまうだろう。
だが、だからと言って、“不死鳥の騎士団”を始めとした光の陣営もいかがなものかと思ってしまうのは、彼が役人であるためだろうか。
彼らは確かに、闇の魔法使いには対抗してくれるが、我々役人を後片付け係、あるいは無能としか見ていないようなのだ。
確かに、魔法省が無能な部分はあるだろう。だが、だったら、彼らも入局して、体制を変革しようと活動をシフトしてくれればいいのに。
闇の魔法使いたちは、方向性はいびつであれ、彼らは一応目標と、未来の魔法界像というものを掲げ、そのための活動を行っている。(過激で血生臭くあれど)
対し、光の陣営は、とにかく闇は反対というだけなのだ。だったらお前らの主張とか、未来の魔法界像は何よ?と、役人Aは言ってやりたい。
反対する割に、具体的なこと――法案の意見とか、その成立のための活動とかはやらないよな、と思う。
口だけ出すのは楽だよな。だから、ごく一部の熱烈なシンパを除いた魔法省役人は、光の陣営に対しても冷ややかなのだ。
話を戻す。
最近、魔法省内のうわさでひそかに持ちきりなのは、ホグワーツ校長も務める輝かしきD氏が持ち込んできた、予言についてである。
役人Aは、妹の影響もあって予言なんて胡散臭い、と思っているが、魔法界でのそれは、特別らしい。
何でも、アカシックレコードから直接情報を抽出し、固定化するとか何とか。
要するに、予言されたことは、絶対、確実に、間違いなく、実現するらしい。
ただ、この予言、予言者自身にも時場所、情報内容を問わずに、降ってくるらしい。そして、予言者はその間アカシックレコードと直接リンクするため、記憶が飛ぶ。その予言を聞いた他者によって、予言されたと認識されるのだ。読まれたのが確実なものだけ、魔法省に届け出が出されて保管されており、実際はもっと他にあるのかもしれない。
極端な例えをしてしまえば、一触即発の外交問題に魔法省は頭を悩ませているというのに、突如防音の利いた個室トイレの中で10年後のゴキブリゴソゴソ豆板の単価を予言する予言者がいても、おかしくないわけなのだ。
いたらヤダなあ、と役人Aは自分の想像に脳内ツッコミを入れた。
だが、その予言は都合がいいのか悪いのか、現在魔法界を真っ二つにしている“闇の帝王”“例のあの人”こと、ヴォルデモート卿に関することらしい。
くどいようだが、役人Aは木っ端役人なので、そういう予言が読まれたということを知っている程度で、詳細内容は知らないのだ。
けど、“例のあの人”がいなくなるなら、光の陣営もおとなしくなるだろうし、役人Aとしては仕事も減って願ったりかなったりだ。
案の定、それからしばらく後――ハロウィーンの翌日に、“例のあの人”がいなくなった、という知らせが届いて、みんなして万歳三唱した。
いつどこで殺されるか、何か後ろ暗いことを強要されるか、冷や冷やしなければならないのと同じくらい、仕事が減る!という希望に満ちたものだった。
特に魔法執行部や闇払いは大張り切りだ。“例のあの人”が戻ってくる前に、その手足をもぎ取る!と張り切って、死喰い人たちを捕まえにかかっている。
一方で、“例のあの人”が最後に訪れたというゴドリックの谷の現場検証から帰ってきたメンバーがげっそりしているのが、魔法省内でひそかな話題になった。
何でも、ポッター家の周囲が血の海で、死体が挽肉とバラバラ混在のヤベエ殺し方をされていたらしい。被害者が、左手の
それ誰がやったよ?と当然それなりの騒ぎになった。が、このありさまにはすぐに箝口令が敷かれた。異常すぎる。新聞屋には嗅ぎつけられたかもしれないが、さすがにあの口さがない連中でも、年齢規制ものの光景は掲載しないだろう。
唯一このありさまの原因を知るだろう、P夫人(ゴドリックの谷在住。例のあの人から生き延びた親子の片割れ)をD氏の立会いの下、事情聴取したらしい。
が、どうもP夫人は錯乱しているそうで、話にならなかったらしい。
何でも、P夫人が言うには、あの有様はいきなり家にやってきた黒ずくめの男が、マグルの野蛮な武器(ノコギリ?鉈?銃?一貫性がない)でやらかした結果らしい。
あ。それは錯乱しているな。
役人Aはそう思う。
マグルの野蛮な武器を使った?死喰い人が、おとなしくそれに殺されたと?そんなことありえない。
死喰い人なら、武器で切りかかられるより早く、呪いを当ててはいおしまい、だ。連中お得意の死の呪いを始めとした禁じられた呪文だけじゃなく、他にも呪いはあるし、何なら盾の呪文だってあるというのに。
魔法使いが、只のマグル(杖じゃなくて野蛮な武器ならきっとそう)に負けるなんて、ありえない。最新の軍の武器・・・ミサイルとかじゃなくて、ノコギリ?斧?銃?何か、一人で扱えそうなのなら、なおさらありえそうにない。
実際、事情聴取した職員もそう思っているらしく、辻褄が合うように報告を上げるつもりらしい。
曰く、あの大惨事をやらかしたのは、“例のあの人”である、正気で粛清か、錯乱での虐殺かは定かではないが、犯人は“例のあの人”である。
P夫人は、“例のあの人”のやらかしを見て錯乱し、魔力暴走を起こし、そのどさくさで“例のあの人”が吹っ飛んだ。
・・・P夫人の錯乱証言よりも、筋は通るかもしれない。
だが、実際の現場検証に立ち会ったものからは、ありえない!という意見が強いそうだ。
魔力反応が出ないから、魔法によるものじゃない!らしい。大体、この惨状を作り上げる魔法が、どこにあるのだ!ということだそうだ。
ちなみに、全員もれなくげっそりしていた。吐いたものや卒倒したものもそれなりにいたらしい。どれだけひどい現場だったのだろうか?
役人Aは、今ほど自分がデスクワークでよかったと思ったことはなかった。
“例のあの人”のオリジナルでしょ?と、上層部は切って捨てた。
すでに、あの惨状をやらかしたのは“例のあの人”で、彼を吹き飛ばしたのは錯乱P夫人の魔力暴走、という意見を採用する――というか、事実確定する気満々らしい。
いいのかなあ?
役人Aは思ったが、彼は木っ端役人なので、上司の決定は絶対というのも脳髄に刻み込まれていた。給料は誰だって、惜しいのだ。
何にしたって、“例のあの人”がいなくなったってのが、喜ばしいというのに、変わりはない。
だが、その輝かしいニュースを打ち壊す、奇妙な一報が、神秘部から届けられた。
神秘部に収められていた、D氏が届け出た予言玉が、壊れている。粉々に粉砕されている。誰にも動かしたり干渉できたりすることはできないはずなのに。
干渉できるのは、予言の渦中の人物、“例のあの人”くらいだが、彼はいなくなった。じゃあ、誰が?どうしてどうやって?
一同は顔を見合わせたが、誰が言い出したか、こういう結論に落ち着いた。
隠蔽しよう。
どうせ、神秘部は危険部署の一つとして、めったに人の出入りはないし、あの場所はヴェールも近いから、誰も近寄りたがらない。
予言を動かせる人物もいないし、ばれることはないだろう、と。
役人Aは、素直にそれに賛同した。反対してもいいことなど一つもないし、D氏がねちねち絡んできてその対応のために仕事が増える方が大変なのだ。
せっかく、“例のあの人”がいなくなったのだ。やるべきことが大量にできたというのに、この上、部外者に仕事を増やされるのは勘弁してもらいたい。
後日、P親子の自爆記事が新聞掲載された直後(気の毒に、と役人Aは思う)、顔色を変えたD氏が神秘部に押し掛けてきた。
あ。やっべ。
役人Aが思い至った時には、魔法省は上を下への大パニックに陥った。
取り乱したD氏による追及を受けて、気乗りしなさげな魔法省職員は重い腰を上げた。
が、やはり予言の水晶玉はひとりでに壊れたとしかわからず、(誰かが何らかの手段で壊したとしても、逆転時計も使えないほど時間が経っているので、結局わからない)迷宮入りとなった。
そんな結果を聞いた後、D氏が一気に10年ほど老け込んだようになったのは、なぜだろうか。
予言はすでに成就しているようだし、問題ないのでは?役人Aには不思議でならない。
こうして、予言の破壊が判明したわけだが、魔法省の隠蔽体質がそう直るはずもなく、やはり世間一般には、予言のことやその破壊については秘匿されたままだった。・・・つまり、今なおこっそり存在し続けている“例のあの人”は知らないままである。
D氏といえば。
あの人、変な人だよな、と昼食を食堂でとっていた別部署の同僚Bが言った。
押しかけD氏からの予言騒動の数日後であった。
はあ?あの人が変なのは今更じゃん。在学時代から変な人だったろ、あの人。
役人Aが思わずそう言うと、シィっと同僚Bが声を潜めるように叱責してきた。
ああ、そうだよな、いくら大人しくなったと言っても、不死鳥の騎士団シンパがどこにいるかわからないし。うかつに変なこと言って、闇の魔法使いの仲間扱いされても困るし、と役人Aは自分のうかつさを反省する。
同僚Bが改めて変な人だって言ってきたのには、もちろん理由があった。
なんと、D氏が無罪の主張をしてきたのだ。
マグルを虐殺して、P一家の居所を“例のあの人”に密告した、SB氏の。
D氏正気か。何で今更。
詳しく訊いてみれば、P夫人が騎士団の庇護下から出奔する前に、SB氏の無実を主張していたらしい。
でも、P夫人錯乱してたじゃん。みんなで聖マンゴに行った方がいいってお勧めしたのに、連れてってなかったのか。
役人Aは呆れた。
あれかな?P夫人が息子さんと心中自爆したのを気に病んで、本当のこと調べてほしいとか?
何か、P夫人、自爆前にD氏に利用される~!とか言ってたらしいし。
罪悪感でも湧いてしまったのだろうか?錯乱した人間の妄言を真に受けるなんて、D氏もいよいよお年なのかもしれない。あの人、ひいきがひどかったけど、優しいときはゲロ甘だったし。
確かに、P親子のことは気の毒に思うが。
でも、あのスピード裁判の時(他にも死喰い人が目白押しだったから、悠長に時間をかける方が危険と判断されたのだ)、D氏もアズカバン行きに一票(正確には秘密の守り人だった云々)、みたいな証言してなかったっけ?と同僚Bが首をかしげている。
で、今更錯乱してる人間(故人)の証言を真に受けて、調べ直せって?無理じゃん。
証拠があるならともかく。無理でしょ。
他の純血貴族からも、裁判のやり直し要請がすごいのだ。
それを受けるなら、他のアズカバン行きになったケースのスピード裁判のやり直しもせねばならず、べらぼうに仕事が増える。
うん。無理だね。
・・・個人的にも、SB氏のことは好きじゃない。陰気なスリザリン生をいじめ倒して学校辞めさせたのはともかく、そのあと平然と死んだと噂して、万歳三唱ザマァッと高笑いしてるのを見たら、人間性を疑う。ありゃ死喰い人でもおかしくないな、ってみんなで思った。
よくあれと友達出来るな、とつるんでた他3人を珍妙な生き物を見る目で眺めてしまったものだ。(正確には、そのうち1名が珍妙な生き物で、他2人は巻き込まれてるみたいな感じだったが)
ぶっちゃけ、いじめられてたスリザリン生には気の毒だが、あいついなくなったら次誰よ、とみんな戦々恐々としてたし(特にスリザリン生)。幸い、P氏が恋の成就で大人しくなったから、まだマシだったけど。
あいつ、アズカバンから出してみろ。何かイチャモンつけてきて、変に陰湿に絡んできそうだし。上司も乗り気じゃないっぽい。ホグワーツOB間の連絡網を嘗めてはいけない。SB氏のうわさは、年長者の間まで轟いているのだ。・・・悪い方面でも。
役人Aは今の仕事が大事なのだ。妹はマグル界で働き先を持っているものの、役人Aの仕事収入も家計を支える重要な収入源なのだ。
それに、役人Aは、近いうちに結婚する。それを台無しにされてたまるか。
逆さ吊りにされて、パンツ丸見えにされるのだけは御免被る。
D氏も学校の校長なら、おとなしく生徒の面倒見といてくれないかな?
役人Aは切に願う。
続く
【今回は外伝なのでブラボ風テキストはお休み】
あの惨殺現場、どう処理されたのって話。
やっぱり魔法族って、無意識にマグルを見下してる風潮、あると思うんです。
・・・まあ、狩人セブルスさんは、魔法を併用してるんですけどね。
それに、魔法族って良くも悪くも杖一本、みたいなところがあるので、他の武器使うのは野蛮!マグルじゃな?ってところあるでしょうし。
あとは予言のこと。
予言のことは一部の人しか知らないけど、砕けたのはさらに別の一部の人しか知らない、D氏は本編第1楽章3直後に砕けたのを知ってショックで放心、“例のあの人”は砕けたのを知らないので、予言通りに全部進んでいると思い込んでて、それに沿う、というかその前提で周囲は動くと予想して動いています。
D氏は最初、HP君の額の傷はないけど、まさか赤ん坊をひん剥いて全身確認したわけでもないだろうから、見えないところに傷があるんじゃね?とか思われていたのかと。
だから、P親子はD氏によって引き離されそうになりました。
そして、魔法省は予言玉が砕けた前例ないことが発覚するのを恐れ、隠ぺいに乗り出そうとしました。どうせ動かせるのは、死人だけ!バレへんバレへん!と。
まあ、それから十分に隠ぺいできる前にD氏が押しかけてきて破壊がばれましたが。ただし、例のあの人はしぶとくHP君を探し回るよ!(ただし自爆記事が出るまで)
なまじ魔法絶対主義だから、予言をかたくなに絶対と信じ込んでる、D氏も“例のあの人”もどうするんだろうね、という話。
セブルスさんは、この時点でもまだ自分が予言に干渉したとは、自覚していません。
補足で、SB氏のアズカバン裁判。他にも死喰い人いたから、スピードでぶち込まれたってのがあるんじゃないかな。(某逆裁のごとく)
SB氏の人間性あれこれは、完全捏造ですけど。原作では、ここまでいかずと、他に味方する人いなかったんですかね?いなかったんでしょうねえ。
無罪をいまさら訴えてきたD氏。多分、P親子が亡くなって、罪悪感凄くて、罪滅ぼしのつもりかと。
でも、これでSB氏がアズカバンから出ること出来たら、息子君を助けてくれなかった!って速攻D氏を殴りに行きそうです。
出れないんですけどね。
何で主要人物がイニシャル表示?役人A視点だからです。彼的には、さして親しくもないうえ、恐れ多いので、イニシャル表示なんですよ。
この話はあくまで役人A視点ですので、あしからず。他、あれどうなってるのって疑問は、またおいおいやってきます。
原作者様は、設定の甘さに突っ込まれてますけど、布石の置き方とか、人物描写とかは、やっぱりすげえですよね。
これだけで、結構ひぃこら言いました。
今日は豪華二本立て!本編は同日投稿予定だよ!