おじさんとヘザーの恋路はどうなることやら、というところですが、先に外伝をやります。
タイトルからお察しかと思いますが、本編では退場済みの某人物とハリーJr.のお話です。
いや、もうあいつはいいから、という人は飛ばして次のお話へどうぞ。
※第7楽章9の最中のこと
ガタゴトと馬車が揺れる。国際暖炉のある町に到着するまで、しばらくかかりそうだ。
ヘザーは緊張の糸が切れたのが大きいのだろう、馬車が動き出すなりうとうとし始め、今はハリーJr.の肩に頭を乗せてすやすやと寝息を立てている。
セブルスはといえば、腕を組んでうつむいており、寝ているか起きているかは定かではない。
そして、ハリーJr.はといえば。膝の上に置いた折りたたんだ透明マントを撫でていた。
彼の、母親譲りの緑の瞳は目の前のことを見ておらず、少し前のことを思い返していた。
ハリーJr.は、不気味な通路を一人で移動していた。左手でかぶった透明マントを押さえ、ヤマナラシの杖はポケットに入れ、右手には歩行杖代わりの鉄パイプを持っている*1。
化け物どもに感づかれないように、彼は細心の注意を払って移動する。
左足がズキズキと痛い。熱を持った感じがするから、腫れているかもしれない。父の書斎に似た部屋を出る前に、靴を脱いでおくべきだったか。でも、この辺りを素足で歩きたくなかったのだ。
顔をしかめながら、ハリーJr.はゆっくりと、しかし確実に来た道をひき返す。
化け物たちのすぐそばを通過するときは、肝が冷えた。見えてないはずなのに、犬のように四つ足の奴がすぐそばまでやってきて、匂いを嗅ぐように周囲を動き回ってきて気が気じゃなかった。
鳥かごじみた金網のエレベーターに乗り込み、スイッチを入れて一息つく。
結構引き返せたのではないか。いや、油断は禁物だ。そもそも、この足のケガだって油断が原因だったのだ。
エレベーターを降りて、気を引き締めたハリーJr.はさらに来た道を戻っていく。
もう少ししたら、教会の入り口に近い礼拝堂に出る。そこまで出ればほとんど安全圏だ。ハリーJr.がそう期待した時だった。
すれ違った怪物の突起に透明マントの端が引っ掛かり、ばさりと外れてしまったのだ。
怪物たちが一斉にハリーJr.の方を振り返る。ハリーJr.は急ぎ鉄パイプを手放して、ヤマナラシの杖を引き抜こうとした。
直後。
『じぇぇぇぇぇぇいむずぅぅぅぅぅ・・・』
「うそだろ?!」
聞き覚えのあるうめき声のような鳴き声に、ハリーJr.は顔をひきつらせた。
どうする?この足では、戦うことも逃げることも満足にできない。透明マントをかぶって隠れてやり過ごす?敵が邪魔だ!
とにかく、ハリーJr.は目の前の化け物を蹴散らそうとヤマナラシの杖を構えて。
それより早く、飛び込んできた犬男が一撃のもとに化け物どもをなぎ倒す。あっという間に化け物どもは散り散りになった。
思っていた以上に強い。あと、ハリーJr.たちと戦っていた時以上に速くなっている気がする。あんなもの当たったら、ハリーJr.なんて腹を掻っ捌かれて即死だ。
すぐ目の前に迫る濃密な死の感覚に、我知らずハリーJr.は杖先を震わせ、浅くなった呼吸で目の前の犬男を見やった。
思わず後ずさろうとして負傷している左足に負担をかけた彼は、思わず「いっ?!」と呻いてバランスを崩しそうになった。
『じぇーむず!』
そんなハリーJr.を、駆け付けた犬男がぱっと抱き留めた。
『大丈夫カ?!足ヲけがシタノカ?!』
おろおろとハリーJr.を見やりながら言った犬男に、ハリーJr.は硬直した。つい先ほどまで、殺し合いをしていたはずの相手(しかも、足を怪我させてきた張本人だ)を、なぜこうも気遣ってきているのだ?訳が分からない。
『じぇーむず?ドウシタンダ?』
こてんと首を傾げた犬男に、ようやくハリーJr.は悟る。目の前の存在は、都合のいいようにしかハリーJr.を見ようとしていないらしい。
とはいえ、今のハリーJr.にできることは多くない。戦闘になれば、確実にハリーJr.は殺されるだろう。
となれば。
「ああ、すまないな。化け物どもに左足をやられたんだ」
『どじダナア』
くすくす笑う犬男に、ハリーJr.はつられたように笑うが、幾分かひきつった笑みだった。
この犬男の“じぇーむず”を演じて、機嫌を取るしかない。血縁上の父のことなんてわかりようもないが、とにかく話を合わせる。
『じぇーむず、ナンデ魔法デ治サナインダ?』
「ふ、普段使ってる杖をなくして、予備を使ってるんだが、この杖は治癒魔法に向いてないんだ。情けないだろ?」
『ソウカ・・・俺モ杖ヲ失クシテナ。スマネエ、俺モ魔法ヲ使エナインダ』
どぎまぎしながら嘘混じりの言い訳をするハリーJr.に、犬男も悲しそうに肩を落とす。
見ているものは都合のいいものだが、彼が“じぇーむず”を思いやる気持ちは本物らしい。
「気にするな。オレはもう少し休んだら行くから、お前は先に行っててくれないか?」
早くあっちに行け、と内心で懇願しながら言ったハリーJr.だが、こういう時に限ってその要求は通じない。
『何言ッテンダ、じぇーむず!コンナトコロニオ前ヲ一人ニデキルワケナイダロ?!』
「け、けど、お前の足手まといになるわけにもいかないだろ?オレなら大丈夫だから」
『ヨォシ!ジャア、コウシヨウ!』
どうにかこうにか犬男には慣れてもらいたいハリーJr.に、犬男は何か思いついたらしい。
くるりとハリーJr.に背を向けて、かがみこんだ。
『俺ガオ前ヲ背負ッテヤルヨ!コレナラ二人一緒ニ動ケル!
俺ハ手ガフサガッテイルカラ、化ケ物ガ襲ッテキタラオ前ガ魔法デ攻撃シテクレヨ?』
思わずハリーJr.は呆気に取られて目の前の背中を眺めた。
犬男は完全にハリーJr.に対して無防備だ。今なら、背中からクラゲ足だろうが全身石化だろうが、それこそ死の呪文だろうが当て放題だ。
信じるべきじゃない。
ハリーJr.は思う。だってこいつのせいでメイソン家はめちゃくちゃになった。この町に来た直後だって、おじさんと姉を殺して、ハリーJr.の記憶をいじる宣言してきた。許せるわけがない。
殺さなくても、呪いで動けなくして、透明マントをかぶって逃げるべきだ。いや、今度こそ確実に息の根を止めるべきだ。生かしておいても百害あって一利なしだ。
そんな暗い欲望がハリーJr.の胸によぎる。今なら、確実に、殺せる。
『じぇーむず?ドウシタ?』
何も言わず動きもしないハリーJr.に、わずかに振り返って問いかける犬男は、微塵もハリーJr.のことを疑ってはいないのだろう。
・・・そして結局のところ、ハリーJr.もどうしようもないお人よしなのだ。
殺すのはいつでもできる、という言い訳の下、彼は姉の鉄パイプは
『ヨォシ!シッカリ掴マッテロヨ!』
「どっちに行くかわかってるだろうな?」
不快感を殺して言ったハリーJr.に、犬男は不敵な笑い声をあげた。
『出口ダロ?任セロ!』
そのままそれは駆けだした。背負っているハリーJr.の足に響かないように気を遣っているらしく、速足ではあるがそんなに激しく揺れはしなかった。
そして、小さな扉の前にたどり着いた。ここをくぐれば、最初の教会の中へ戻れるはずだ。
そこで、犬男は『降ロスゾ』と言ってから、ゆっくりとひざまずいてくれた。
そして、ハリーJr.も警戒しながらゆっくりと犬男から降りた。
「あ、ありがとう。助かったよ」
礼を言うハリーJr.は、内心で戸惑っていた。この犬男は、ハリーJr.を途中で降ろすなんてことせず、それこそ抱えたままサイレントヒルの外へ飛び出しかねないと思っていたのだ。
一方の犬男は、ハリーJr.に向き直ったが、何も言わずにじっと彼を見つめている。
そうして、ややあって自分の手をじっと見やった。
犬の肉球が付いている前足をヒトの手にして、膿疱とケロイドでぐちゃぐちゃにしたようなひどい表皮をしている、それを。
「・・・どうしたんだ?」
言いながらハリーJr.は、不安を覚えた。急に正気に戻ったとか、変な気まぐれを発揮して、ハリーJr.を連れて奥に引き返すとか、やめてほしいところだ。
右手に持っている杖を一層強く握りしめ、犬男の一挙手一投足見逃さないようにしていると、犬男が動いた。
『チョット待ッテテクレ』
言いながら、彼は何やらごそごそと体をまさぐりだした。辛うじて残っていたズボンを探った彼はほっとした様子でそれを取り出した。
『手ヲ出シテクレ』
「・・・どうして?」
『渡シタイモノガアルンダ』
ハリーJr.は警戒は解かず、右手の杖をいつでも振れるようにしながら左手を出した。万が一掴まれたり、攻撃されても、右手の杖があれば反撃できる。
ポトリ、とその左手のひらに何か落とされる。鍵だ。
「これは・・・?」
『ぐりんごっつノ鍵ダ。俺ノ金庫ノモノダ。オ前ニヤルヨ』
「え?」
思わずハリーJr.は犬男を見上げた。犬男は変わらぬ調子で・・・否、どこか穏やかな、それでいて悲し気な調子で話す。
『透明まんとハ持ッテルナ?ソレモヤル・・・ッテノハオカシイナ。返スッテイウベキカ。元々オ前ノ誕生日ぷれぜんとニスルツモリダッタンダ。
のわーるトカイウ奴ノ弁護士ガうだうだ言ウカラ、ナカナカ手元ニ来ナクテナ。
渡スノガ遅クナッテスマナイナ』
「何で・・・!」
犬男は気が付いている。目の前の人間が“じぇーむず”ではなく、ハリーJr.だということに。
ハリーJr.が気が付いたことを向こうも察したらしい。彼は至極申し訳なさそうに話す。
『はりー。悪カッタナ。足ヲ怪我サセタシ、オ前ノ家族ノコトヲ悪ク言ッタ。ヒドイコトモシヨウトシタ。謝ッテ済ムコトジャナイ。ソレデモ、謝ラセテクレ。本当ニ悪カッタ』
深々と頭を下げる犬男に、ハリーJr.は言葉を失った。ややあって、湧き上がってきたのは猛烈な腹立たしさだった。
「謝る相手が違うでしょ!僕じゃなくて!ヘザーと!父さんと母さん!巻き込んだみんなに謝ってよ!
足に関しては許してあげるけど、ちゃんとみんなに謝ってよ!」
『!』
ハリーJr.の叱責に、ぱっと頭を上げた犬男の尻尾がピンと立った。
『許シテクレルノカ・・・?』
「都合のいいところだけ聞かない!足のことだけ!ほかのことはみんなに謝らないと許さないって言ってる!」
ギャンギャンと吠えるように怒るハリーJr.に、犬男は肩を落とした。悲しそうな、うれしそうな、複雑そうな声で彼は言った。
『アア、ソウダナ。
・・・俺ヤじぇーむずダッタラ許サナカッタ。反省シテ謝ッテキテモ、ざまーみろッテ笑ッテ馬鹿ニシテ終ワラセテタ。
オ前ハ優シイナ・・・じぇーむずトハ違ウ・・・モット早ク気付クベキダッタ・・・』
そうして、彼は踵を返して、ゆっくりと去っていく。
「待って!どこ行くの?!」
『サヨナラダ。はりー。
今ハ正気デイラレルガ、モウ少シシタラ俺ハマタオカシクナル。
コレ以上、オ前ヲ苦シメルワケニハイカナインダ。
笑ッテクレ、はりー。頭ノオカシナ化ケ物ガイナクナルンダ。
ザマーミロ、清々シタッテナ』
小さく振り向いて、犬男は笑っていった。
『はりー。元気デナ』
ハリーJr.は言葉をなくした。もちろん、笑えるわけがなかった。シリウスを、助けられない。どうしたらいいか、わからない。結論を出す時間さえない。
けれど、何か。何か、言わねば。
「あの!ええっと!
助けてくれてありがとう!シリウス!」
せめてこれだけは、とハリーJr.は声を張り上げた。
その声は、確実に彼に――かつてシリウス=ブラックであったものに届いたに違いない。
実質初対面となったあのレストランで、シリウスと呼んでほしいといったけれど、間髪入れずにハリー=メイソンを侮辱した彼は、結局そう呼ばれずじまいだった。
けれど、やっと。あるいは今になって、ハリーJr.は彼をシリウスと呼んだのだ。
“シリウス”は足を止めると、振りむきもせずに小さく言った。
『・・・コッチコソアリガトウ、じゅにあ』
そうして、彼は再び異世界の奥にその異形と化した姿を消したのだ。
それを見送ってから、ハリーJr.はきれいな教会に続く扉をくぐった。
改めて自分のものとなった透明マントは膝の上にある。もらった金庫の鍵も、ポケットの中にある。
何度思い出しても、“シリウス”のことは飲み損ねたピーナッツのような引っ掛かりとなって、ハリーJr.の思考の片隅に引っかかるのだ。
どうすればよかったのか。単なる悪人のまま、嫌いな奴のまま終わらなくてよかった、あのまま終わってほしくなかったと思う反面、あんな別れをするなら知らないままでいた方がよかったという気もしている。複雑な気分だった。
ふいに視線を感じたハリーJr.が顔を上げると、セブルスおじさんがこちらを見ていた。
おじさんのことだから、ハリーJr.がどこかおかしいのを気がついていたのかもしれない。
「・・・何かあったのかね?先ほどから何か考え込んでいるようだが」
「あ、ええっと・・・ルーピン先生に、どう説明しようかなって」
ヘザーを起こさないように小さな声で話しかけてきたセブルスに、とりあえずハリーJr.はそう言った。
直接危害を加えられ、あるいは殺し合いをすることになったセブルスとヘザーの前では、どうしてもシリウスの名前は出せず、とっさにハリーJr.はルーピンの名前を出した。
しかし、どのみち考えねばならないことではあった。
手紙のやり取りをしていたハリーJr.は出所したシリウスがルーピンのところに世話になっていたのを知っていた。ルーピンは、ヘザーの後を追うといったハリーJr.のことを申し訳なさそうにしつつも気にかけてくれていた。
彼には、シリウスの最期をどう説明すべきか、ハリーJr.は迷っていた。
「貴公が悩むことはない。私の方で説明する」
淡々と言ったセブルスに、ハリーJr.は言葉を失った。
自分たちのために、セブルスおじさんはシリウスを手にかけたのだ。それを、ルーピンに報告させる。ルーピンは温厚な人物だし、非があるのはシリウスだが、それでも何を言うか、それでセブルスおじさんがどう思うか。考えただけでハリーJr.は胸が痛くなった。
「待って」
だから、ハリーJr.は思わず口をはさんでいた。
「僕が説明する。僕が、ルーピン先生に言う。そう、させてほしい」
たどたどしく、ハリーJr.は言葉を選ぶように言った。
どう報告するべきかはわからなかった。でも、その役目はハリーJr.自身であるべきだ。彼は、そう思ったのだ。
そんな、思い悩むようなハリーJr.をしばし眺めたセブルスは、やがて目を伏せながら言った。
「・・・好きにしたまえ。ただし、貴公が無用な責任を負う必要はない。
悔いのないようにだけしたまえ」
淡々と言ったセブルスおじさんに、「うん。ありがとう、おじさん」とハリーJr.はうなずきを返した。
正直、ハリーJr.はシリウスを許してはいない。彼はハリーJr.には謝ってくれたが、結局セブルスやヘザーをはじめ、他の人たちには謝罪の言葉を向けてくれなかった。そのことについて許しはしていない。でも、彼はハリーJr.を大事に思ってくれていた。それは確かだ。
それは、あの短いひと時でようやく実感できたことだった。
ハリーJr.が知らないだけで、もしかしたらシリウスにももっといいところがあったのかもしれない。それを知るのは今となってはもう、ルーピンだけだろう。
だから、ハリーJr.こそがルーピンに、シリウスの最期を伝えるべきだ。彼に、シリウスはひどいことをしてきたけれど、それでも優しい思い出にしていい、というために。
そして、ハリーJr.自身はシリウスを今は思い出にはしない。多分、他の家族の前でも話はしない。でも、記憶の片隅に残しておく。
いつか、思い出にできるように。
* * *
霧に覆われた静かなる湖畔の町、サイレントヒル。
そこには、時折人が迷い込む。ある者は失った大切な人を求めて。ある者は己の罪過から逃げ出して。ある者はさらなる憎悪をまき散らすために。
彼らは稀に、奇妙な異形に出会うことがある。犬のようにも見える大男は、たどたどしい言葉使いで、迷い込んだ人間を“じぇーむず”と呼ぶが、化け物たちから守ってくれたり、けがの手当てをして安全な場所まで送ってくれたりする。
それが何者なのかは、誰も知らない。
以上、別名:シリウス追補篇でした。
先日原作を読みなおしたら、ヤベエなシリウスに対する劣化具合が半端ねえな、もうちょっと何とかしようぜ、せめてハリーJr.と原作よりまともな別れ方させよう、とこの話を書くに至りました。
ちょっと本編で描き切れなかった部分を補足しておくと、別にシリウスも第7楽章4で宣告したみたいなセブルス&ヘザーを殺害してハリーJr.を拉致なんて、最初は微塵も考えてませんでした。ヘザーの身の上を聞いても、スニベルスの言ってたこと本当だったのか、とヘザーに少し同情的になったくらいです。
でも、ヤベエ妄想妄信強化アイテムを身に着けてたのもあって、サイレントヒルに来た時点で記憶と認識改変をもろに食らって、ああなりました。
馬車の上に乗って密行したのは、セブルスさんが同行を拒否ると思ったからです。(そして、実際拒否したことでしょう)
もうシリウスのことなんていいよ、とうんざりされている方も多いでしょうに、お付き合いくださりありがとうございました。
Q.思い出にならないって言ったじゃないですか!
A.(今は)思い出になりません。ついでに、いつか思い出にすると言ってるのはハリーJr.だけで、セブルスさんとヘザーは記憶に残しておく価値すらないと考えてたりします。
原作みたいに『不死鳥の騎士団』本拠地にブラック邸を提供して、他の騎士団のメンツとかかわりあいになってないんですよね、本作のシリウス。
ホグワーツでのやらかしがひどすぎて、マグル虐殺は冤罪でもあれは事実じゃん、結局やべー奴じゃん、と敬遠されてて、ダンブルドアとルーピンくらいしか寄り付かなかったんですよね。
だから、彼が亡くなったと聞いて心の底から惜しむのは多分、ルーピンと、次点で縁を切ったとはいえ、レギュラスくらいかと。
まあ、死体がないので行方不明扱いとなって、7年経過待たないと死亡確定にならないんですけどね。
Q.こんなもの書くくらいなら、最初からシリウスとの和解ルートを出せばいいじゃないですか!
A.主人公がセブルスさんという時点で、ぎりぎり共闘(原作展開)はできても和解は無理でした。
ハリーJr.との関係に関して言えば、第一印象最悪のロンや、ダンブルドアの入れ知恵で先入観を持っているルーピン先生とは1対1で話し合ってコミュニケーションを深める機会や時間があったのですが、シリウスはここに至るまで皆無でした。
ホグワーツでのやらかしとジェームズに対する執着を知っている周囲が、二人きりにする方が危険、と判断してその機会を奪ったので。
逆を言えば、そういう機会さえあれば菩薩級寛容さを持っているハリーJr.なら、新しく関係構築ぐらいはできたかもしれません。(もっとも、できたとしてもシリウスが一番望んでいただろう、頼れるおじさんポジションはセブルスさんの地位のままなのでしょうが)
まあ、今となっては後の祭りでしかありません。
(ぼそっ)おそらく、このシリウスを“終わらせる”ことができるのは、ハリーJr.だけでしょう。セブルスさんは、そうしたがらないと思いますし、シリウス本人も嫌がることでしょう。
いつか、ハリーJr.が彼を終わらせることでしょう。それがいつになるかは、ご想像にお任せします。