柔と剛、そしてごり押し   作:名無しの権左衛門

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深夜テンション終了。
これ以降は、面白くないかも。


4:押してまいる

「アウレオルス先生、インデックスと上条を連れてここに行くといいじゃん」

「ありがとうございます、黄泉川先生」

 

「そういうわけで、一緒にクレープ食べに行かないか?」

 

「まじ!?」

「いいなぁ、上条」

 

「当然一人一種まで、私のおごりってのはどうだい?」

 

「太っ腹やないか!」

「いいねぇ、俺っちも行きたいにゃー」

「ちょ、あんたたち!?」

 

「委員長もどうだい? ここのは天然由来のものだから、

栄養吸収も優れモノって聞いたよ?」

「むむむ……行きます」

 

 能力検査が終わった昼頃、給食を食べて掃除して下校時刻になった。

そんなときアウレオルス先生が、上条のいるクラス全員に

新しくできたクレープ屋に行かないかと誘った。

流石に全員がついてくるわけではなかったが、10人ほど来ることになった。

 この中に上条とインデックスは含まれていない。

当然入ることになっているからだ。

 

「インデックスちゃんは何頼むのかな~?」

「私は当麻さんと同じものにします」

「殊勝な心掛けだにゃー、でも―――かみやんと違うクレープにしたら、

一口味見しあえるぜぃ」

「はっ! それには至りませんでした」

「おい土御門!?」

 

 そんなわけで、クレープやに直行して思い思いに頬張っていく。

 柔らかな生地と生の触感が合わさり、食べた全員の舌を甘美の世界に誘う。

 

「「「うまー」」」

「これうめぇぜ、なあインデックス」

「はい、一口どうぞ」

「ありがとな、俺のもいいぜ」

 

 ホワイトベリーとチョコバナナをお互いに分け合って食べた。

 

「イザードせんせー私の一口どうぞ!」

「せんせー、私もいいよー」

「ははは、ありがとう」

 

 外見はイケメンな先生は、女学生と委員長に詰められて各種クレープを味わう。

ただ先生は原作を知っているので、ここに集まっている人たちを見て

展開を見守っていた。

 そう、ここには超電磁砲1話に出てくる主人公たちが、ここでクレープを食べているのだ。

更に能力で、銀行強盗の様子も透過される。

 

「あー! あんた!」

「げっ、ビリビリ!?」

「ちょ、なんで逃げようとしてんの!?」

「待て待て! 此処で電撃を放つんじゃありませんことよ!」

「はあ? そもそもあんたが逃げ出すのが悪いんでしょうが!」

 

 びりびりこと御坂美琴。

レベル5の超能力者で、電撃使い。

通称は超電磁砲(レールガン)と呼ばれている。

汎用性が高く、浮いたり壊したり作ったりができる。

 

「ええなぁかみやん、中学生に追いかけられるなんてアニメの世界やで」

 

 アニメなんだよなぁ。

 

「あの子もかみやん属性にヒットしちまったかぁ。ご愁傷様だにゃー」

 

 他人事じゃないんだよなぁ。

 

「インデックスちゃん? どうしたの? うっ」

 

 委員長がインデックスの顔を覗き込んだ時、そこには深淵しかなかった。

 

「当麻さん、当麻さんをあの暴力女から遠ざけなきゃ。

当麻さんは私のすべて。だから近づくもの奪う者全部壊さないと―――」

 

 要約すると、邪魔ムシは消えちゃえってことさ。

 いや、怖いな。

うつろな瞳で、当麻と御坂美琴との間に入る。

 

「なっ!?」

「インデックス!?」

「貴方、当麻さんの何なんですか?」

「ちょ、あんた! 女の子に守ってもらうなんてサイテーね!」

「なんで俺がこんなとばっちりを!?」

「私はびりびりさんに聞いているんですよ?」

「びりびりですって!? 私には、御坂美琴って名前があるのよ!」

「私はインデックスといいます」

「む……(なんか調子狂うわね)よろしく」

「よろしくお願いします」

 

 目に光がないのに、社交性はあるインデックス。

内に秘めた殺意を表に出さないように、ポーカーフェイスを貫く彼女は

役者か何かか?

 

「それで美琴さんは、当麻さんに何かされたんですか?」

「ナニカされたんじゃないのよ。こいつ、私と戦わないのよ?」

「……美琴さんは、人を殺すために能力者になったんですか?」

「は!? んなわけないでしょ。そもそもこいつは、私の電撃が効かないのよ」

「それで?」

「それでって、いけしゃあしゃあとして私との戦いを避けてるのよ」

「そりゃそうでしょう?」

「なんでよ、電撃効かなかったら私の電撃がどこまで通用するか知りたいじゃない」

 

 いつの間にか美琴の立場が弱くなっている気がする。

それにインデックスの怒りは徐々に収まりつつあり、目の前の未知に対する好奇心が

他者を殺しそうになっている事を可能性として考慮していない彼女に呆れ始めた。

可哀想な人だなぁ。

 

「当麻さんは、右手しか能力を無効化できません」

「それがなんだってんの」

「もしも、当麻さんがゴム底じゃない靴を履いていたら、静電気を纏っていたら、

絶縁性のない金属の近くに居たら、オゾンが発生したら、ストリーマーが発生したら、

火災が発生して一酸化炭素が出たら。

能力じゃない自然現象は、当麻さんを殺します。

美琴さんは、馬鹿なんですか」

「いや、そもそも風通しが……あ、もぅいいわ」

 

 美琴も分かったと思うが、此処には無能力者が大勢いる。

しかも上条のクラスメイトが多数いる中で、常盤台のお嬢様という時点でも

嫉妬の対象なのにレベル5と白井黒子が演説したから、批判の目が突き刺さっているんだ。

これは痛い。

 

場はすでにアウェーだなこりゃ。

 

「えっと……私のわがままで迷惑をかけてすみませんでした」

「え、あ、いや。俺こそ悪かったよ。なんでびり……御坂が、

俺を追いかけてきたのかわからなかったんだ。

訳を知れてよかったよ」

「次からちゃんと目的を言うわね」

「ああ、よろしく頼むよ」

 

 ちゃんと仲直り出来たようだ。

ただインデックス的には、御坂が頬を赤らめたことに気づいて憎悪と嫉妬が

渦巻くことになるのだが。

 大丈夫かこれ。

 

(((全然大丈夫じゃないなぁ)))

 

 クラスメイトは、上条を中心に蠢くタールのような汚泥の沼に慄くのだった。

 

 そんな時、ついにやってきました銀行強盗。

シャッターを破壊して出てきた悪役三人組。

彼らは一気に走り去ろうとしていた。

 

「初春、すぐにアンチスキルに連絡を」

「白井さんは!?」

「制圧してきますわ!」

 

 行動を開始するも。

 

「ジャッジメントか。すぐにずらかるぞ」

 

(あれ、原作と違う。アニメじゃないし、それもそうか)

 

 アウレオルスは、場違いなことを思っていた。

 そもそもアンチスキルやジャッジメントといった統治組織がある中で、

白昼堂々と盗むわけがないもんなぁ。

 

「そんなことは、この黒子が許しませんの」

 

 おっと白井による護身術が炸裂した!

しかし何故か白井が、地面に飛ばされていた。

どういうことだ?

 

「てこずらせやがって。車に乗るぞ」

「「おう」」

 

「行かせません」

 

 怪我した白井の横を三人組が通った後、白井を攻撃した男が彼女を追撃しようとした。

しかしどこからか現れたインデックスが、真横から殴り飛ばした。

 

「うべら」

 

 そのまま壁にめり込む形になってしまう。

 

「女性に暴力を振るってはいけないと、習っていないんですか?」

「なっ!?(この方の力、すさまじいですわ!)」

「大丈夫ですか?」

「えぇ、有難うございます」

 

 インデックスが白井を助けている間、二人組の男の一人が少年を一人拐[かどわ]かした! なんてことだ。

しかし連れ去られようとしたとき、上条は走った!

 

「! 御坂、あいつらが逃げる。行くぞ!」

「え、うん!」

 

 本来ならば佐天が行くところを、上条が率先して救助しにいったから彼女は

怪我することがなかった。

しかしその代わり上条が能力によって、飛ばされた少年を助けようと下敷きになってしまった。

 

すごく痛そうだ。

 

「おらよ!」

「くそ! 御坂!」

「勿論、逃がすわけないでしょ!」

 

 少年を助けて身動きが取れない上条の代わりに、御坂が電撃と共に飛んで行ってタックル!

背中をぼっきりいったが、大丈夫か?

 

(あっちゃー)

「かみやん!」

「青髪っち、助けるぜよ!」

「あいよ!」

「ちょ!? 三馬鹿はなんでこーも」

 

 アウレオルスは、白目をむく悪役を見て目をそらしてしまう。

いやだって、痛いでしょ。

 

 少年を受け止めた上条を見て、クラスメイト達は走り出す。

なお逃走した残り一人は、自動車に乗って走り去ろうとしている。

拙いと思っても、自動車に追いつけるものはいない。

 

「まずいですわ!」

「あの車、停止させればいいんですよね?」

「ええ、そうですの!」

「でしたら、これでいきます!」

 

 インデックスは焦りだす白井に確認を取って、敵を追撃する手段を取り出す。

 

「限定版、ヨハネのペン。 ソドムとゴモラの火(弱)車両前方に炸裂!」

「なんですとお!?」

「あー飛んだわねー」

「たーまやー」

「佐天さんそんなのんきな!?」

 

 発火能力3くらいの威力の火球が、車両前方で炸裂!

車は回転しながら、インデックス達が立っている道路まで落ちてきた。

 強盗三人はすぐに取っつかまり、アンチスキルの世話になる。

なんとも間抜けな顔だこと。

捕まえたとある高校の生徒や女子4人組は、事情聴取を受けたらすぐに解放された。

 

「怪我がなくてよかったよ」

 

 若干目をそらしながら言う。

何故なら後ろで、インデックスと御坂が上条の取り合いをしているのだ。

ちょっとかかわりあいたくないですね。

 

「美琴さんどいてください」

「は? あたしがここをどく理由なんてないんだけど?」

「私にはあります」

「あたしだって、こいつの怪我の治療をやってんのよ」

「代わって下さい、わたしがやります」

「なんでよ。そもそもこいつ、無能力者なくせに能力者に率先して、

立ち向かうのよ。レベル5として、あたし個人としても、償いはやらないと」

「美琴さんってそんな殊勝な方だったんですね。

ですがそれはいつでもできるじゃないですか。

早く当麻さんから離れてください」

「何、嫉妬してんの? 意外とインデックスも、おこちゃまね~」

「ゲコ太シリーズを網羅しようと、何度でも屋台に並ぶ姿は、

さながら幼稚園児でしょうか?」

「あらあら、このお子様はわかってないようね~?」

「ふふふ、美琴さんのような方をアリスシンドロームと呼ぶのですよ?」

 

(コワイ)

 

 上条さんの内心ガクブルなのが伝わってくる!

応急箱をもった美琴と医療魔術を使おうとするインデックス。

両者は上条の隣を占領しようと、乙女の戦を開始した!

あんまりバチバチいわせないで、人が逃げてるじゃん。

 

「くぅ~上やん、美少女に囲まれてうらやましいわ~」

「上やんにはもったいない美少女だぜぃ。しかもお相手は銀髪美少女インデックスと、

常盤台の超電磁砲!」

「上条! 中学生に手を出すんじゃないわよ!」

「上条くんって、中学生が好きなんだー」

「上条! もてない男同盟はどうなるんだ!?」

「もどってこーい上条ー! 俺達の友情は、こんなにも儚いモノなのかー!」

 

「てめぇら、好き勝手言ってんじゃねーよ!?」

 

 あまりにもひどいクラスメートに、上条は思わず突っ込んだ!

目の前の修羅場をどーにかしてから、云ってくれませんかねえ!?

ほらほら、お嬢さん方のジト目が上条に向けられてるぞ。

 

 最後に先生から

 

「当麻君。君も立派になったなぁ。まさか女の子二人をとっかえひっかえするなんて……!昨日は童貞臭さを醸し出していたというのに……。

やはり、男子三日合わざれば刮目してみよとは、素晴らしい格言だったのだなッ!」

「先生正気に戻って!?」

「童貞くささ?」

「ほほう、先生、昨日の上やんについて教えてくれへんかな?」

 

 周囲のクラスメートにまじって、先生も悪乗りを始めてしまった。

上条の味方は誰もいないみたいだ。可哀想に。

代わりに先生の言葉に、青髪や土御門が反応しやがった!

嗅覚だけはいっちょまえにいいな、こいつら。

 

「流石に言えないが、やはり、故意に押し当てられる身体を意識しない

男はいないだろう?」

「やはりテメェは敵だ、上条!」

「上やん、俺っちたちを裏切りやがったのかにゃー!?」

「上やんだけ、大人の階段を上ったんや。おとなしく見守ろう」

 

「まじでおまえら黙ってくんね!?」

 

 鉄血(笑)の友情(笑)は、儚くとも崩れ去ってしまった。

先生は言葉を濁していたけれど、色々飢えている狼たちにとって

意味がなかったようで。

 

「上条サイテー」

「ほほう、キサマには一度お灸をすえてやらんとな?」

「童貞が許されるのは、小学三年生までだよねー!

勿論ネタだよ!」

 

「ちょ、おまっ」

 

 先生のオブラートに包んだ表現が、青年たちの言葉でラミネート加工されていく!

最終的にラップに包まれているんだが、これ大丈夫か!?

実際大丈夫じゃないんだけど、この場収拾つかないんだけど。

 

「お姉さま! あんな交際経験をひけらかす野蛮人等相手にしてはなりません!」

「白井さん抑えて抑えて!」

「いやー、公衆の面前でどうどうと、すごいわー」

 

 なお超電磁砲組も、主に白井が暴れていた。

テレポートをすることを忘れるぐらい、憤怒を隠しきれていない。

そんな彼女を初春が取り押さえているが、いつまでもつかな?

佐天さんもそんな感心しなくてもいいのに。

 

「はいはい、おまえら事情聴取はすんだぞ。解散しな」

 

 警備員、読みをアンチスキルという。

そんな当地組織に所属している黄泉川先生が、解散を促した。

ありがたい!

 イギリス清教の隠しダネと学園都市最強ともいえる超電磁砲は、

誰も相手にしたくないわな。

 

―――

 

 夕方。

 ようやくいろんな人から言葉やらなにやらでいじられた上条は、

インデックスと一緒に帰路についていた。

 

「なあインデックス、御坂とも仲良くしてやってくれねぇか?」

「……当麻さんがそういうなら」

「……大丈夫、見捨てたりしないって」

 

 少しいじけてしまったインデックスを、上条はすかさずフォローする。

彼の言葉は、非常に大事なんだ。

何故ならこのステイホーム、イギリス清教から直々の申し入れだ。

 

 主にアウレオルスの嘆願ではあるが。

 

 そういうわけで、インデックスの立場は非常に弱い。

上条が少しでも苦言を呈するだけで、学園都市側はインデックスを帰国させるだろう。

勿論アウレオルスも同じだ。

 そもそも魔術関係の人物が、科学関係の総本山に長居などできないのだ。

魔術サイドと科学サイド。

 

 語るには時間がかかりすぎるから、あえて省略しよう。

端的に言えば光と闇で、お互いが信じる正義を振りかざして社会を振り回している派閥である。

魔術サイドは、十字教という名のキリスト教や仏教・イスラム等様々な宗教や神話といった、色んなおまじないといったものを操る人たちの集団だ。

そして科学サイドは、過去のおまじないを捨てて未来の未知を探求する人たちの事。

 

 いやまあ、魔術サイドでも冷蔵庫もクーラーも使うが。

 

 色々線引きが、ね。

ぶっちゃけて言えば、科学サイドの能力者開発は魔術の限定版みたいなものだから、

あまり気にしなくてもいいと思う。

 

 そこらへんは、とある魔術の禁書目録を見ていただければ幸いだ。

 

「当麻さん、今日は一緒に寝ましょう!」

「いつも一緒にねてますよね!?」

 

 御坂美琴の甲斐性を知った上条は、その彼女に若干気持ちを揺らした。

それに感づいたインデックスは、上条を自身に意識を引き戻すため

行動を口に出す。

 母性の暴力や中学生たちのギャップというもので、簡単になびかない様

彼女は自身の魅力を使って縛り付けようとするのだった。

 

「……よかった。当麻君もインデックスも、剣呑な関係じゃない。

帰宅したら、謝ろう」

 

 なおアウレオルスは、黄泉川先生に反省文というか始末書を書かされていた。

理由は生徒たちを焚きつけたこと。

場の雰囲気にのまれてしまい、つい心が緩んでしまった。

 重責から逃れた結果、心の余裕が生んだたるみ。

これはアウレオルスを、たびたび襲ってしまうのだろうか。

 

「明日こそ、いい日にして見せよう」

 

 そして彼はただではくじけない。

上条とインデックスを法的にも、結び付けられるようあがいていくのだった。

 

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