中間管理職のオッサンが褐色美女な悪魔に憑依転生してしまった話 作:とんこつラーメン
実装されたのはつい最近で、割と衝撃的だったサーヴァント。
この作品でも超チートですが、それ以上にお気楽能天気な美人のお姉さんです。
「あぁ~……もう朝ぁ~…?」
枕元にあるスマホを引き寄せて時間を確認する。
現在の時刻は朝の八時半。
……まだまだ社畜だった頃の癖が完全には抜け切ってないな。
私の中にある体内時計が自動的に朝には起床させてしまう。
「……本当は二度寝したいけど、なんか目が覚めちゃってるから起きますか」
別にグータラ生活をしているからと言って、必ず二度寝しなくちゃいけないって訳じゃない。
早起きをしたっていいじゃないか。人間だもの。
あ、今の私は悪魔だった。
「ん~……」
目を擦りながら玄関まで行き、郵便受けに入っている新聞や広告を取り出す。
これもまた前世からの癖の一つだ。
いつもならば、新聞は適当にそこら辺に放り投げて、広告は燃えるごみ行き確定だけど、今日だけは違った。
「こ…これは……!?」
とある広告を見た時、私は衝撃で一気に目が覚めた。
「…早起きは三文の徳って言うけど…本当だったわね……」
よもや、昔の癖に助けられるなんてね……なんでも経験しておくもんね。
「よし! 今日の予定決定! まだまだ開店時間には早いけど、今から並んでおかないと良い場所が取れない! 善は急げよ!」
決まるが早いが、私は歯を磨いて顔を洗い、髪を整えながら私服に着替える。
化粧? そんなことしなくても十分に美人だから問題無いでしょ。
完全に女としての生き方に慣れつつある自分への違和感が無くなりつつある事も忘れて、私は外出の準備に勤しんだ。
「…よし! 完璧! 今日の私も綺麗!」
全ての準備が完了してから、ハンドバックに貴重品なんかを全部入れてから玄関のドアを開ける。
「いってきまーす。誰もいないけど」
どれでも言ってしまうのは、私の中身が日本人だからか。
誰にも迷惑かけてないから大丈夫だよね。
様式美ってのは大事だからね。
・・・・・
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・・・
・・
・
「さて…と。今からなら歩いても十分に間に合って……あれ?」
鍵を閉めてから階段を降りようとすると、隣の部屋からも同じタイミングで誰かが出てきた。
褐色肌でスタイル抜群の超美人。
白の縦セーターと黒いロングスカートを着たお姉さん。
「カテレアちゃんっ!?」
「ブッキーっ!?」
「「もしかして、あの広告を見たのっ!? え?」」
そんな彼女の名前は『伊吹童子』
詳しい事は知らないけど、どうやら鬼に属する人っぽい。
少し前までは京都で暮らしていたらしいが、気紛れでこっちに来て、ほぼ同時期に同じアパートの隣の部屋に引っ越してきている。
本当は角やら尻尾やらがあるらしいけど、魔力で隠しているとの事。
私も悪魔の尻尾や羽を隠しているから、魔力って本当に万能。
因みに、一目見て私が悪魔であることや魔王の血筋であることを見抜き、その後に引っ越し祝いと称して酒盛りをしたら一発で意気投合。
あっという間に大親友になった。
「やっぱカテレアちゃんもパチンコ行くんだ~!」
「当たり前じゃない! なんたって今日は……」
「「新台入れ替えの日!」」
考えている事は同じだったみたい。
やっぱり、ブッキーこそが私のパートナー!
「そうよね~! アレを聞いて行かないのは有り得ないわよね~!」
「うんうん! 早く行って良い台を確保しておかないとね!」
「最近は目ざといおじさん達も増えたしね~」
「まだパチプロは駒王町に来てないみたいだけど、このままじゃ時間の問題かもしれないわね~」
「「ま、仮に来たとしても私達で返り討ちにするんだけど!」」
私とブッキーの腕を舐めるなよ?
駒王町に来てからこっち、一度も負けたことが無いんだから!
「んじゃ、とっとと行きましょうか」
「そうね。朝ご飯はどうしようか?」
「行く途中でコンビニにでも寄ればいいんじゃない?」
「賛成ー!」
・・・・・
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・・・
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パチンコ屋『カジノ・キャメロット』。
店名に『カジノ』と銘打ってはいるが、実際にはパチンコしか置いてない。
店員さん曰く『金髪でバニーな店長の趣味』らしい。意味が分からない。
「「…………」」
煙草を咥えながら、私とブッキーは静かに目の前の台に集中する。
パチンコとは即ち、己との戦いと心得たり。
この時ばかりはお互いに超真剣モードになって何にも話さない…勝利の瞬間までは。
「ん……?」
こ…これは…もしかして……!?
「ブッキー……」
「どったの?」
「私…今日一番の当たりが来たかもしれない」
「マジで?」
自分の台をから体を伸ばしてこっちを見る。
もう既にリーチが掛かっていて、動きがゆっくりになっていた。
「来い…来い…来い…来い…!」
「そこ…そう…ここ…そこ!」
そ…そ…そ…そ…!
「「揃った――――――――――――――!!!」」
私の台が一気に輝き出して、派手な音と共に大量の玉を吐き出してくる。
はっはっはっ~! 今日も大漁じゃ~!
「って、ブッキー! ブッキー! そっちも来てる! マリンちゃん来てる!!」
「わっ!? ホントだ! わわわわわわわわわ~!!」
隣でブッキーも大当たりをして、同じように玉を大量ゲット。
早くに来て大正解だったわね!
まさか、二人揃って大当たりするなんて!
「ちっくしょ~…今日も伊吹とカテレアのねーちゃん達の大勝かよ~…」
「本当に強いよな~…あの二人……」
「しかも、美人でスタイルもいい!」
どうだ、ご近所のおじさん達! 羨ましいだろ~!
けどね、私達はこの程度じゃ満足しないのだよ!
「まだまだ、勝負はここからよ!」
「もっともっと稼ぐんだから! いっくわよ~!」
「「お~!」」
・・・・・
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・・・
・・
・
「「勝った勝った~♡」」
あれからずっと、お昼ご飯を食べる事すら忘れて没頭して、気が付けば午後の四時ごろになっていた。
けど、空腹なんてどうでもいい。私達はそれ以上に大きな物を手に入れたのだから。
「よし! 今晩は戦勝会しましょ!」
「いいわね~! どこでする?」
「カテレアちゃんの部屋!」
「ウチ? 別にいいけど…散らかってるわよ?」
「いいって! 私の部屋も人の事言えないし!」
「「ははははははは!」」
今日は本当に気分がいい! 私達が手に持っている紙袋には交換した戦利品が大量に入っている。
お菓子とかもあるけど、その殆どが酒ばかりだ。
今日はこれで飲み明かそう。絶対にそうしよう。
「あれ? あの子は……」
ブッキーと一緒に歩いていると、目の前の歩道を横切る見覚えのある男子高校生が友達と思わしき男の子たちと一緒に歩いていた。
そっか。今は丁度、下校時間なのか。
完全に時間の感覚が無くなってたわ~…。
「どうしたの?」
「あそこ歩いてる男の子たちの一人ね、アパートの近くに住んでる男の子なのよ。引っ越してきた時に近所に挨拶回りをした時に会った事があるわ」
「カテレアちゃん…律儀な性格してるわね~…」
「癖みたいなものよ。それに、ご近所さんとは仲良くしたいしね」
「そうね。私もしとけばよかったな~」
テンションが上がっていた私は、ブッキーを誘って小走りで彼らの所に向かった。
なんとなく、彼らの驚く顔が見たくなった。
「やっほー! 学校からの帰りかな? イッセーくん!」
「うぉっ!? カ…カテレアさんッ!? なんで通学路にっ!?」
予想通りのリアクションをしてくれてありがとう。
「パチンコの帰りに君達を見かけてね。ちょっと声を掛けてみようかと思って」
「そ…そうだったんスか……相変わらずッスね……」
この子は私の生活習慣の一部を知ってるからな~。
そんな感想が出ても仕方がないか。
「このツンツンヘアーの子がカテレアちゃんの知り合い?」
「そ。兵藤一誠くんっていうの」
「へ~…」
あ。ブッキーの目が完全に捕食者になってる。
めっちゃ舌なめずりしてるし。
「い…一誠!! 一体誰だ!? この凄いスタイルのお姉さまはっ!?」
「お前だけズルいぞ! こんな素敵な美人とお知り合いだなんて!!」
「く…くるじい……」
ははははは! お友達の子達もなんか面白いわね~!
類は友を呼ぶって本当だったのね!
「ゲホッ…ゲホッ…。この人はうちの近所のアパートに住んでるカテレアさんって言って、アメリカから来てる人なんだよ」
「「アメリカ美女!!」」
あ。そこに反応するんだ。流石は男子高校生、色んな意味で素直だ。
「ぼ…僕が一誠の『大親友』の元浜です!」
「同じく『大親友』の松田です! よろしくお願いします!」
「なんで『大親友』の部分を強調するんだよ…」
ふむふむ…この眼鏡君が元浜君で、坊主頭の子が松田君ね。
はい、もう覚えました。
前世の職業柄、人の名前を覚えるのは得意中の得意なのよね。
「そ…それでカテレアさん。そちらの人は……」
「この子は私の隣に住んでる伊吹ちゃん。私は『ブッキー』って呼んでる」
「はぁ~い♡ カテレアちゃんの大親友のブッキーで~す♡ よろしくね!」
「「「よ…よろしくお願いします!」」」
わぉ…早速、純情な男の子たちを誘惑してるよ……。
私も初対面の時にイッセー君に似たような事をしてるから何も言えないんだけど。
なんつーのかな…女悪魔としての性ってやつ?
年下の男の子は誘惑せずにはいられないと言いますか。
「ふ…二人揃って凄い美人……」
「こんな人達が近所に住んでいる生活…羨ましすぎる……!」
「ま…まぁな!」
ホントに面白い反応するなー…この子達。
高校生って言えば丁度、色んな意味で性に飢えてる頃だから無理も無いけど。
私にも覚えあるな~…。
「そだ。三人にこれあげる」
紙袋の中からお菓子を三人に手渡す。
まだまだ沢山あるから、少しぐらいあげても問題無い。
「いいんですか? これ、パチンコの景品って奴じゃ……」
「だいじょぶよ。今日はめっちゃ勝ったから、まだまだ一杯あるのよ」
「だから、遠慮なく持っていって頂戴な」
「「「あ…ありがとうございます!」」」
うんうん。ちゃんとお礼を言えるのは偉いぞ~!
だから、三人の頭を撫でてあげよ~。なでなで。
「「「…………」」」
ありゃ? なんか急に黙った? なんで?
「それじゃあねぇ~」
「寄り道しちゃダメよ~」
ずっと引き止めてちゃアレだから、ここらでおさらばすることに。
さ~て…帰ったら祝杯じゃ~!
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
カテレアと伊吹が去って行ってからも、三人は手を振る体勢のままジッとしていた。
「俺…あんな美人、初めて見た……」
「同じく……すっげーいい匂いがした……」
「だな……やっぱいいよな……おっぱいも超大きいし……」
ここでようやく我に返り、元浜と松田は一誠に詰め寄る。
「と…ところで一誠君や……」
「お…お前はその…カテレアさんのお部屋に行った事はあるのか? ご近所さんなんだろ?」
「い…一応な。一回だけ……」
「「マジかッ!?」」
他の学生たちの視線なんて全く気にせず、三人は怪しさ全開でコソコソ話を始めた。
「前にウチの母さんが夕飯のおかずを作りすぎた事があってさ、それでカテレアさんに御裾分けしようって事になったんだ」
「よくある話だよな。ウチも似たような事はしたことある」
「で、その時にお邪魔したんだけど……」
「けど? どうだったんだ?」
「……その時のカテレアさん…タンクトップに黒いパンティーだけだったんだ」
その一言だけで想像してしまったのか、元浜と松田は急いで鼻を押さえる。
指からは赤い何かがはみ出ていた。
「しかも…ブラはつけてなかった。つまり、タンクトップの下にはあの巨大なおっぱいがそのまま……」
「「!!!!!」」
今度は二人揃って股間を抑える。
どうしてなのかは、男性諸君ならば分かるだろう。
「めっちゃ揺れてた…つーか、実は隙間から少しだけ見えてたんだよな……」
「「な…何が…?」」
「……真ん中にあるピンク色のアレが」
ここで遂に二人はその場に座り込んだ。
一誠も当時の事を思い出したのか、同じように座り込んだ。
「その日の事は今でも鮮明に覚えてる……何度も何度も頭の中で再生してる」
「近所に住む美人のお姉さん……」
「俺も欲しい……!」
カテレア達からすれば日常における些細な出来事の一つだったが、一誠たちにとっては忘れる事の出来ない一日となった。
余談だが、この日の夜、三人の夢の中にカテレアと伊吹が登場して裸で誘惑をしてきた。
勿論、彼女達は何もしていない。
単純に、あの三バカの脳裏に二人の存在が深く刻み込まれただけの事だった。
ある意味で似た者同士の伊吹童子、登場。
彼女は今後も頻繁に登場するレギュラーキャラです。
そして、一誠たちもついでに登場。
あの三人が年上の美人なお姉さん二人に勝てる道理がありません。
カテレアとブッキーの筆下し…見たい?
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見たい!!!
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別に?
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ブッキー! 俺だ! 結婚してくれ~!
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カテレアお姉さまは俺の嫁!!
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一夫多妻で二人とも俺の嫁ですけど何か?