狂いのストラトス Everlasting Infinite Stratos 作:柳之助@電撃銀賞5月10日発売予定
『早馳風――御言の息吹!』
『大宝楼閣――善住陀羅尼!』
開幕と同時に放たれたのは天地至高に斬撃と浸透剄の極限域の拳。
それらはどちらもが莫大な神気を宿し、激突の瞬間に隣接する宇宙を数十、数百単位で破壊しながらその威力を撒き散らす。
初撃としては激しすぎる互いの一撃。かつての暴風竜との相対においては決殺であったはずに奥義を二人は迷うことなく放ち、
「くははははーーーーー!」
「あははははーーーーー!」
溢れる神威と共に一夏と鈴は哄笑し、刀を、拳を構える。
最大級の威力が激突し合ったが故に、二人自身に少なくないダメージがあるはずだが、それらにまったく構わずに笑い、さらなる一撃を放ち、
鈴の右腕が飛んだ。
「――!」
鈴の右腕、それは篠ノ之束が作成し、彼女に馴染み、武神として太極にまで至った今、それに見合うだけの神器となっている。それに鈴自身の神威を込めれば、消して砕けぬはずの鉄拳なのだ。
にもかかわらず、それはあっけなく断ち切られた。
「ハッーー!」
それに鈴は構わなかった。構わず、残った腕と身体を連動させ、刹那彼女の姿が数百にまで分岐し、
「破!!」
取り戻した右の拳を叩きこむ。
それは先ほどまでにはなかったはずの部位。だが、今の鈴には関係ない。先の一閃は決して避けれないものではなかった。激突ではなく、回避を選べば避けれるはずだった。その可能性もあったのだ。
だから、その可能性を引き寄せる。
引き寄せ、修復されたその一撃は、一夏に叩き込まれる瞬間に再び、分岐。今の鈴が花てる全ての攻撃は乱立し、同時に叩きこまれた。恐れるべきは数百にまで届く攻撃のどれもが邪魔し合っていないということ。あるいは避け合い、あるいは統合され、最大限の威力を見こめるように一夏へと叩き込まれる。
「そんだけかよ」
それらを温いと断じながら、一夏の颶風の抜刀は全てを切り裂いた。
最早速い遅いという領域では無く、時間という概念を無視した切断現象。
当然だ。太極にまで至った一夏は存在そのものが一本の刀剣であり、彼がそうである以上、何かを斬るのに刀は必要不可欠ではないのだ。
視線を合わせれば、視認されれば、もっと言えば認識された時点で、対象は必ず一夏に斬られている。
それゆえに斬る為に刀を抜くのではない。すでに斬っているのだから、その現象を具象化させるために刀を抜くのだ。
唯斬。切断、斬撃という概念としては歴代神格を寄せ付けず、攻撃速度という分野においても飛び抜けいている。
鈴は防御力に優れているのに対し、一夏は攻撃力に特化している。
だが、それでも。二人はそんな己の特性を考慮になどせず、
「くはっ、はははっ、はははははははーーーー!!!!」
「あははっ、はは、あははははははーーーーー!!!」
互いを刻みあう。
そしてそれこそが彼らの愛。殺したい、愛したい。狂気の愛はそうであるがゆえに常識を外れ常人では届かぬ領域へと容易く至り――
『
人間を超越し、
『宣誓――我らが
響界式心奏永久機関――
人間大の新法則となる。
『我が真理は無謬の剣撃』
『我が真理は天嶮の大輪』
『我ら狂気を抱く剣鬼にして戦姫。されどこの身は修羅に非ず』
『人より超え、しかし人の輝きを忘れぬことをここに誓う』
『蒼穹の加護より羽ばたき、己が魂の元にいざ舞い踊らん』
『我ら正気に非ず。しかしその魂を刃と拳に抱こう』
『天下唯一の刀剣と天下最高の高嶺華は互いを刻みあい、それこそが我らの愛である』
『
一夏と鈴が纏うのはそれぞれ白銀と赤黒の機械鎧。全身を余すことなく覆っていく。
そして新たな姿となり、謳いあげられるその咒は、
『
「行くぞォォッッーー!」
「あるぇー? あれれー? 私あんなの作ったけ? あれれ? あっれー? おっかしいなぁー! 束ねさんあんなのつくった覚えないんだけどなー!? あれー!? なんか、こう……はっちゃけちゃうと作品とか世界観違うんじゃないかなー!?」
エイプリルフールですから!
ゼロニティやったので書いてみた。
英語の名前とかオリジナル詠唱に恐ろしく違和感がある怒りの日脳