Infinite ARMS   作:橘 千景

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12 突撃インタビュー?

 

一夏とセシリアの試合から一夜明けた朝のSHRで、少し以外な発表が真耶ちゃん先生から伝えられた。

 

 

「クラス代表決定戦の結果、一組の代表は織斑一夏君に決定しました。おめでとうございます一夏君、何か一繋がりでいい感じですね♪」

 

 

クラス代表が一夏?はて、セシリアは勝った筈だけども……何故?

 

 

「は? って山田先生質問です!」

 

 

一夏も事態が飲み込めないんだろう、気の抜けた声の後直ぐに手を上げて質問をした。

 

 

「はい、なんでしょう?」

 

 

真耶ちゃん先生はちゃんと山田先生って呼んでもらえるのが嬉しいのか、何時もより三割増し位に明るい笑顔で一夏に質問を返した。

 

 

「何で昨日負けた俺が代表になってるんです?」

 

 

「それはユーリ君はオルコットさんとの試合を終えた後に代表選からは外れると告げられていましたし、昨日の試合の後オルコットさんも辞退を申し出に職員室へ来られましたから」

 

 

それはまた驚きだね、一夏もかなり驚いたのか結構な勢いでセシリアの方に振り返ってるし。

 

 

「ええ!? 何でまた、あんなに突っかかってたのに」

 

 

「先ずその事ですが、これまでのわたくしの非礼をおわびいたしますわ。そして代表を辞退した件ですが、貴方には経験というISを操縦する上で最も大切な物がまるで足りていません。ですから一夏さん、貴方はクラス代表になり様々な経験を積むべきなのですわ……期待していましてよ?」

 

 

セシリアは先ず一夏に頭を下げてから代表を辞退した理由を説明したが、これはちょっと想定外かなと。

 

まぁ一夏を認めてくれたって事かな?何処かセシリアの一夏への視線が熱っぽいけど……其処は何時もの事だし流しておこう。

 

 

「えー、いや、分かった、やれるだけ頑張らせてもらう」

 

 

セシリアの説明に少し戸惑った一夏だったけど、覚悟を決めたのか何時もの凛とした笑顔でそう言った。

 

 

「良し。では一組のクラス代表は一夏に決定とする、異存のある者は居ないか?」

 

 

「「居ませーん♪」」

 

 

千冬が締めに教室中に問うたら、私と一夏と箒とセシリア以外の皆が揃って軽快に返事を返した。

 

いやはや、皆が仲の良いクラスで良かったよ。

 

 

 

―――

 

 

 

それから何やかんやでISの実技の授業に、先ずは一回目なので飛行演習を見る所からだそうだ。

 

 

「では今からISの基本的な飛行操縦を実践してもらうとしようか。と言う訳で一夏とオルコット、試しに飛んで見せてやれ」

 

 

「はい」

 

 

「俺もですか?」

 

 

「そうだ、ISでの飛行はとにかく慣れだからな。だから飛ぶ機会があれば飛べ、それにお前は専用機持ちなんだからな」

 

 

「お、おう、じゃなくてはい!」

 

 

「ではISを展開して軽く飛んでから降りて来い」

 

 

千冬の指示で二人がISを纏う、セシリアは0.5秒位かな?一夏は1秒程だろうか。

 

とか思った瞬間二人はブワッと飛び上がり、空をすいすいと旋回し飛んでいく。

 

セシリアは勿論綺麗な飛び方だが、一夏も三…いや入試実技ではほぼ飛んで無いだろうから実質二回目にしては中々しっかりした飛び方をしている。

 

少しの間空を舞っていた二人だったが、先にセシリアがフッと下降を始めた。

 

そして地面すれすれの所で見事に停止、流石代表候補生と言った所だね。

 

 

「ふむ、十センチ位か、上出来だな」

 

 

さり気に千冬も満足そうに呟いてる。

 

そして次は一夏が下りて来る、だがちょっと体勢が危なっかしいかなー。

 

と思ってたら少しばたついてから踏ん張るようにして停止した、地面からはちょっと遠いけどちゃんと止まれたので良しとしよう。

 

 

「地面から一メートル程か、いきなりオルコット位やれとは言わんが出来るだけ早くあれを目標にして精進しろ」

 

 

「……はい」

 

 

褒める程の結果でも無いけどキツイなー千冬は、まぁ一夏にはこれからちょいちょい訓練をやっていってもらうから上達は早いと思うけど。

 

 

「やれやれ……では次は武装を展開して見せろ、先ずは一夏からだ」

 

 

「はい」

 

 

一夏は集中の為か左手で右腕を掴むと、次の瞬間には光が煌き雪片が握られていた。

 

 

「……0.8秒か、ISの展開もだが0.5秒で出せるように位はなるんだぞ。次はオルコット、武装を展開しろ」

 

 

「はい」

 

 

セシリアは何かこう…独特のポーズで構えてあの長銃・スターライトmkⅢを取り出した。

 

様になってるねぇ、けど――

 

 

「タイムは良いが、そのポーズは癖か? 試合でもだが実戦になればそれは大きな隙になる、後で泣きたくなければ直せよ」

 

 

「……はい」

 

 

だね、この先実戦に出る事が無いとは言い切れないんだもの。

 

ちょっとションボリしてるセシリアにはかわいそうだけど、今後を考えれば仕方ナス。

 

 

「次は近接武装を展開しろ」

 

 

「は、はい。むー……ん~!」

 

 

「まだか?」

 

 

「くぬぬ……だぁもうインターセプター!」

 

 

暫らく唸っていたセシリアだったがやがて諦めたのか音声認証でショートブレードを取り出した、そのやり方をするって事はよっぽど近接戦の練習をしてないって事だよね……受けてくれるなら訓練メニューに追加しとこう。

 

 

「やれやれ、何秒かけてるんだお前は。戦闘ならもう斬り倒されてる所だぞ?」

 

 

「うぐ……実戦では間合いになんて入らせません!」

 

 

「心意気は買うが現実はそう上手くは行かん、ちゃんと近接武装も慣らしておけ」

 

 

「…………はい」

 

 

あーあ、相当凹んでるよあれは。

 

まぁこの場合千冬が正しいからフォローは出来ないかなと、頑張れセシリア。

 

 

「っと、もう時間か。今回はここまでだ、次の授業に遅れるなよ?」

 

 

一夏とセシリアのISを指差しながら説明等をしていた千冬がふと時計を見てそう言い、皆は教室に向かいだし、私と一夏はアリーナの更衣室に急いだ。

 

 

 

―――

 

 

 

授業を終え夕食も済んだ後の自由時間、私を始め一組の全員が寮の食堂に集まっていた。

 

理由は一夏のクラス代表就任を祝ってのパーティーだそうで、皆に気に入られているようでお兄ちゃんは鼻が高いぞ。

 

……まぁ単純に騒ぎたいってのもあるんだろうけど、まぁこれも青春だな。

 

 

 

「「一夏君クラス代表就任おめでとー!」」

 

 

その言葉と共に次々にクラッカーが発射されていく、その全てが一夏に降りかかるものだから中々に面白い事に。

 

それにしてもクラッカーを始め壁の『織斑一夏クラス代表就任パーティー』と書かれた紙とかこのお菓子やジュースやら皆で用意してくれたんだろうな、後でお礼を言っておこう。

 

ジュースの入ったコップを片手にお菓子をパクついてるとセシリアが傍にやって来た。

 

 

「あの、ユーリさん」

 

 

「どったのセシリア、何かあったかな?」

 

 

「いえ、この前の訓練に参加するかというお話の事ですが」

 

 

「ああうん、返事はどっち?」

 

 

「よろしくお願いしますわ」

 

 

「おーけーおーけー、じゃあ訓練メニューをセシリアも頭数に入れたバージョンで完成させておくよ」

 

 

それからセシリアは他の女の子達と話しに行き、暫らく私も誰かしらと話していたら食堂入り口からカメラを持った眼鏡美少女がやって来た。

 

 

「お楽しみの所失礼しますよーっと。新聞部の者ですが、話題の新入生がクラス代表になったと聞いたのでインタビューに来ました」

 

 

インタビューと聞いて皆がおーってちょっと驚いてた、まぁ校内新聞とはいえこのIS学園のだもんね。

 

その娘は少し辺りを見回すと先に見つけたんだろう、一夏の方にすたすたと近付いて行く。

 

 

「えーと……君が一夏君の方で合ってるかな?」

 

 

「あ、はい」

 

 

「新聞部部長をやってる二年の黛(まゆずみ)薫子(かおるこ)です、よろしくねー。はい、これ名刺ね」

 

 

おや、名刺を持ってるとは本格的。

 

 

「後もう一人の男性操縦者にもインタビューしたいんだけど、ユーリ君は何処かな?」

 

 

「此処ですよ」

 

 

多分こっちにも話しを聞きに来ると思ってたから、傍に来て声を掛ける。

 

 

「おおうびっくり。ふむふむ…噂通り可愛い顔してるねー、っとはい名刺」

 

 

「どんな風に私の事広まってるんだ…ってどうも。此方からも名刺です、どうぞ」

 

 

一夏にもだったけどちゃんと両手でビシッと差し出してくれてる、もちろんこっちもちゃんと受け取って返してと。

 

 

「うん、どーも。それじゃあユーリ君から先に良いかな?」

 

 

「はい、どうぞ」

 

 

「それじゃあ先ず、セシリアちゃんと引き分けた後代表選考から降りたそうだけど何でかな?」

 

 

「クラス代表には興味が無かったので、それに一夏かセシリアがなった方が良いとも思ってましたし」

 

 

「ふーん、別にユーリ君でも良かったような気もするけどねー。んじゃあ興味が無かったのに、何で勝負したの?」

 

 

薫子さんはポケットから取り出したメモ帳に書き込みながら、続けて質問してくる。

 

 

「単に勝負してみたかったから、言えばそれだけです」

 

 

「へー、もしかしてユーリ君好戦的?」

 

 

「そうなります。でも喧嘩とかは嫌いですよ、あくまでもちゃんとした試合とかだけです」

 

 

「ふむふむ、おっけーありがとう。じゃあ次は今日の主役一夏君、クラス代表の意気込みをどうぞ!」

 

 

薫子さんはメモ帳をしまうと今度はボイスレコーダーを取り出し、一夏にずずいっと迫っていく。

 

 

「えーと、その……なったからにはやれるだけの事はやります」

 

 

「うーん、もうちょっとパンチが欲しいかな?」

 

 

「いやそんな無茶な……へ? あーうん、えー?」

 

 

薫子さんが無茶振って来て困る一夏にそっと耳打ちしてみる。

 

 

「が…学園中の生徒の記憶に、俺の名前を刻ませてやる!………だぁああやっぱ無し! 消してくださいお願いします!」

 

 

「ぷふっ、いやいやこれは中々良いコメントだよ」

 

 

ぷくく、今の台詞は流石にカッコ付けさせすぎだったかな?

 

いやでも実際一夏カッコ良いし、結構様になってると思うんだけどなー。

 

 

「さて聞く事は聞かせてもらったし、最後に写真撮らせて貰うね。一夏君とユーリ君と、後セシリアちゃんもこっち来てくれるかな?」

 

 

「え、わたくしもですか?」

 

 

インタビューを受ける一夏を見つめていたセシリアが急に呼ばれて驚いてる、まぁ呼ばれると思ってなかったんだろうね。

 

 

「折角専用機持ちの娘が居るんだもん、一緒に写ってくれた方が絵になるよ」

 

 

「で、では」

 

 

「うんうん、一夏君真ん中で左右に二人が並んでー。あ、どうせなら一夏君とセシリアちゃんは手ー繋いどかない? 決闘して和解したアピール的な感じで」

 

 

「うえ?! あーその……」

 

 

「そんな、でも……」

 

 

「もー、ほらほらこうやって!」

 

 

クラスメイトの前で手を繋ぐのが恥ずかしいんだろうモジモジする二人の手を、じれったいと薫子さんが引っ張って繋がせた。

 

一夏はかなり恥ずかしいのか視線がふよふよと宙を泳いでて、セシリアは顔を赤らめてるけどまんざらでも無いって表情してる。

 

 

「さーそれじゃあ撮るよー、35×51÷24は~?」

 

 

えーいきなり何でさ、えーと―――

 

 

「74.375?」

 

 

「せーかーい」

 

 

私の回答に返事しながら薫子さんはシャッターを切った、その瞬間に他のクラスメイトも写る範囲に飛び込んで来たけど。

 

 

「って皆?! 何時の間に?」

 

 

「いやーどうせなら一緒に写りたいじゃん?」

 

 

「そーそー、同じクラスの仲間じゃない」

 

 

そう口々に言う女子の中、周りを見てたらさり気なく箒は一夏とセシリアの間に立ってた。

 

 

(私も一夏と写りたいのだ!)

 

 

とか思って其処に飛び込んだんだろうなー多分。

 

んでセシリアはえらくがっかりした表情してる、まぁドンマイ。

 

 

「えっへっへ~」

 

 

後私の隣にはのほほんちゃんが飛びついて来てた、意外と身軽なんだね。

 

それから何やかんやで、皆で消灯時間手前まで騒いでいた。

 

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