諏訪戦記 第0章
ピリリリリ、ピリリリリ
バイクに乗っていると胸の無線機が鳴る。それを聞いて僕は無線のスイッチをONにする。
「水都ちゃん?どうした!」
【刹那くん!バーテックスがもう一か所に!】
「わかってる、今現場に向かってる!もう一か所は!?」
【うたのんとちーちゃんが向かってる!】
「了解!こっちは任せろって伝えて!後、救助隊を呼んで!」
【うん!・・・気を付けて!】
そう言って無線を切る。現場まであと一キロって所か、間に合えよ・・・!
「うわぁぁぁぁぁ!助けてぇぇぇぇぇ!!!!」
「こっちだ!速くこっちに!」
「おっかぁ速く!」
「ダメだ!こっちにもいる!」
人々が逃げ惑う。家は破壊しつくされ、退路を塞がれ、段々と追い詰められていく。
彼らを襲うのは、白色の袋のような身体に、触手と巨大な口のような器官が備わっている化物―――バーテックス。
「逃げろ!にげ・・・!」
「行き止まり!?」
「そんな・・・」
絶望する人々、そんな事はつゆ知らず、バーテックスは彼らとの距離を縮めていく。
今まさにバーテックスにより、虐殺が始まろうとしていた。
その直後―――
「おぉりゃあああああああ!!!!」
バイクに乗った少年が、バーテックスを轢き飛ばした。
「・・・ちっ、やっぱりこれじゃ死なないか」
そう言うと少年はバイクから降り、構える。
すると腰にベルトが出現した。
ベルトは紅く、機械的。バックルには黄金の石が埋め込まれていた。
「変、―――身!!」
少年がそう叫ぶと同時に、ベルトが光を放つ。
光が収まるとそこには、紅き戦士がいた。
腕には相手を切り裂くための刃が形成され、黒いインナーに赤と銀の鎧を付けた戦士がそこにいた。
「・・・ここは僕に任せて、早く逃げてください。向こうにはこいつ等はいません」
少年が後ろの人々に語りかける。人々は驚愕しながらも、バーテックスがいない方角へ走り去っていった。
「さて・・・と」
全員逃げたのを確認してから、構える。
「さぁ、死にたい奴からかかって来い!!」
「ふぃ~・・・今回は楽勝だったな」
後ろでバーテックスが消滅する音を聞きながら、一休みする。
ピリリリリ、ピリリリリ
また無線機が鳴り、ONにすると、
【刹那くん!アーユーオーケー!?!?】
「うるさっ!無線機で叫ぶなよ歌野!鼓膜破れるかと思ったわ!」
【オゥソーリー・・・ってそうだ。貴方は大丈夫なの?襲われた人達は?】
「僕は無事。襲われた人たちも、僕が来た道に避難させたから大丈夫。今頃救助隊と鉢合わせしてると思う」
無線機越しに叫ぶ友人を叱りつつ、無事を伝える。
「で?そっちはどう?大丈夫?」
【ノープロブレムよ!私もちーちゃんも襲われた人達も無事。けが人はいるけど死者ゼロよ!】
「ならよし、ちょっとちーちゃんに変わってくれる?」
【りょーかいよ。待ってて、今代わるから】
そう言い、歌野が無線機を渡す音が聞こえた。
【えっと・・・聞こえるかしら】
「大丈夫だよ、ちーちゃん。ケガは無い?」
【大丈夫よ・・・だんだん戦いにも慣れてきたみたい】
その言葉に少し胸が痛む。僕がもう少し強ければ、といつも思う。
「・・・そっか、まぁケガが無いなら良かったよ。今から帰る。また神社で落ち合おう」
【了解よ・・・あっ待って刹那くん】
無線の電源を切ろうとすると、呼び止められる。
「どしたの?」
【あの・・・前一緒にやったゲームの真似したいなって、付き合ってくれる?】
前やったゲーム・・・あぁ、潜入ゲームの無線か。
「良いよ。じゃあ僕からやるね」
【わかったわ】
「こちら刹那、任務完了した。これより帰還する」
【こちら
これより綴られるは古代より力を分け与えられた少年と、世界を守るために選ばれた少女達の物語
はい。プロローグ的な感じです。
意地でもみんな生かします。
順番的にはのわゆ→わすゆ→ゆゆゆ→ゆゆゆいの順になっていくと思います。
誤字、脱字等ございましたら指摘お願いします。
感想、質問お待ちしております。