アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~ 作:ねここねこ .com
「……」
ボーッと空を眺めている守里剣(まもりけん)だったが、そこにはただ入道雲が広がっているだけだった。
「守里! 何やってんだよ! 今日はお前の…」 と驚いたようにそこまで言いかけて止めた。
内心、興味本位っぽくいいかける鏡俊一(かがみしゅんいち)だったが遮るように、
「な、なあ守里? 俺達で取りに…てか買いに行って来ようか?なっ?」
と優しく聞く、おせっかいな安藤成(あんどうせい)だった。
守里はボーッとしたままで「…ん? あ? いや俺行くよ! 大丈夫任せておけって!」
と、人が見たらガラクタにしか思えないような荷物を持って、走りだしたのだった。
ガラクタといってもそこには、守里が大切にしている工具がたくさん入っていた。
ジャンク屋を鏡と安藤と始めて1年、守里剣にはどうしてもやりたい夢があった。
あえて口に出すことのない日々が続いていた毎日。
鏡と安藤は2人でコソコソ小声で守里に聞こえないように言う。
「あいつ、熱くなるくせに抜けてるからなぁ、ま、でもしっかり者だから大丈夫でしょ」
と、半ばあきれ顔で話しをしていた。
そんな話が聞こえるはずもなく、守里は急いでいた。
守里剣はこの日、16歳の誕生日をを迎えようとしていた。
守里自身が、以前から欲しがっていた部品を買おうと密かに少しずつお金を貯めていたから。
密かに造っているものを見に、鏡たちに内緒にしている倉庫へと守里剣は嬉しそうに見に入くと、そこに広がっていたのは何か物足りないけど、ジャンク屋を始めて1年で「ここまで来たか…」と自分でも感動する光景が広がっていたのだった。
守里には何が待ち構えているか知る由もない。
安藤と鏡とそれぞれの夢を抱えていただけ。
ジャンク屋の生活から離れることなど考えたことはなかった。
どちらかというと鈍感な守里剣。
16歳になり、大きな出来事が待っているとも思わず。
小さな出会いから壮大な舞台へ向かうことなど分からなかった。
それでも何でも受けて立つ守里剣。
ボーッとした性格の中でも、男としての闘志だけはあった。
夢がある、それは何があっても立ち向かうことをも意味をしていた。
安藤にも鏡にも隠している秘密。
それが大きな意味を持っていたことを痛感することになる。
現実になることを守里も気付かず…いやどこかで分かっていたのかもしれない。
ただ無意識だったのだろう。
目の前のことだけに集中しつつ、広がる景色の中、守里に待っていたこととは。
守里たちの空間は果てしない世界。
何があってもおかしくはない。
ただ突然のことなど分かるはずはなかった。
目の前に広がる空間だけが現実だった。
そして…
第2話をお楽しみください!