火神に憑依したっぽいのでバスケの「王様」目指す 作:Dice ROLL
プロローグ
俺はバスケが大好きだった。
誰よりも努力をした自信があった。時間の限りバスケに打ち込み、体を動かせない時間は海の向こうの世界最高峰のリーグのプレーを見て研究を重ねた。
しかし、俺は圧倒的に恵まれていなかった。身長は170cmに届く前に止まった。運動神経は人並みの域を出なかった。その上でどうしようもない怪我をした。そして、地元でも弱小の域を出ないチームのベンチに過ぎない自分を見て、俺は高校2年生にして、「才能」の壁に打ちひしがれた。
というのが前世の俺である。
嘘みたいな話だが、気づいた時には「火神大我」という少年となりアメリカにいた。当時小学五年生である。だが、そんなことより驚いたのはこの体のスペックの高さである。成長期なのだろうが伸び続ける身長、思い描いたプレーを再現できる身体能力の高さ。そして競い合えるライバル。かつて望んだ全てがあった。
だから俺は決意した。前世で一番好きだったあの男を目指そうと。怪物揃いのそのリーグでも「史上最強」と呼ばれ、「選ばれし者」、「王様」と呼ばれたあの男を目指そうと。
◆◇◆
そして今日も俺は件の「ライバル」と鎬を削っていた。名を「氷室辰也」という。俺は彼を兄と慕っている。彼は初めて見た俺より努力ができる人だった。天賦の才に驕ることなく積み重ねられた努力に裏打ちされたそのバスケはあまりにも美しい。どうも元々「火神大我」の兄貴分だったらしいが改めて兄と呼んで尊敬するべき人間だと心から思った。
そしてしばらくこうして一緒にバスケはできなくなる。俺は明日日本へ帰ることが決まっていた。
「これで終わりにしよう。タイガ。」
「もう終わりか?まだまだやれるぜ?」
「お前は明日飛行機だろう。人より体も大きいんだ。しっかり休んでから行かないと体に良くない」
「たっく。過保護な兄貴だこと」
(本当に大きくなったな…)
氷室はバッシュを脱ぐ弟分の背中を眺めながら昔を思い出していた。
昔は自分より小さかった背丈も追い抜かれてしまった。バスケでも追い抜かれまいと必死に努力はしているが最近は教わることも増えてきた。
「続きは日本で、だな」
「タツヤが来た時には度肝抜かせてやるよ」
「こっちのセリフだ。でも楽しみにしてるよ」
何度と繰り返した拳を突き合わせるこのサインもしばらくできないことになる。でも不思議と寂しくはなかった。
「「じゃあ、またな」」
2人の声が重なりどちらともなく笑みが溢れた。
こうして、天才達と王様の物語が幕を開ける
更新は気長に待ってくだせえ
今後の黒子はどうしていくべきだと思いますか
-
原作初期通りの「幻の六人目」
-
原作終盤の自力で攻めれる攻撃フォルム
-
あえて守備にブッパしたスティール王
-
それ以外(メッセージかTwitterで)