火神に憑依したっぽいのでバスケの「王様」目指す   作:Dice ROLL

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〜オプションは、攻撃の選択をする際の優先度のことです。要するにファーストオプションがエースって感じですね。
原作黒子のバスケカテゴリの中で総合評価順に並べると一番上に出るようになったみたいです。日頃読んでくださっている皆さんには感謝しかありません


18話 セカンドオプション

6-9。開始早々ハイペースな殴り合いが展開されていた。互角に見える攻防ではあったが、本人も言う通り三点ずつ稼ぐ秀徳が一歩リードしている。しかし、先にタイムアウトを取ったのは秀徳だった

 

「…ここまでは悪くない、だが決して良くはない。23番、どうだ緑間?」

 

「はっきり言って、俺一人で止めることは不可能です」

 

「だろうな。大坪とダブルチームで問題ないと思っていたが…どうも思っていたより他のメンツも粒揃いらしいな。まずは足を動かせ、イージーショットを許すなよ」

 

一方、誠凛ベンチは…

 

「緑間にマンツーで付くつってたが、止め切れるか?火神」

 

「多分大丈夫っす。カントク、どうでした?」

 

「どうでしたって何よ?」

 

「試合前に緑間のリリースまでの時間を計って欲しいって頼んでたんすよ。緑間のシュートは3Pラインから打ってるときでもリリースまでが長かったんで、何秒くらいか把握したかったんす。…予想はしてなかったっすけど、コートの端から打ったときはさらにタメが長かったので、何かヒントになるかもしれないっす」

 

「なるほど…じゃあ、どうだったのカントク?」

 

「3Pラインからの時が約1秒、ハーフコートからの時が1.5秒、オールコートで2.5秒ね」

 

「…それって、どうなの?」

 

「現実的に、俺が付けば多分止めれるっす」

 

「まじ!?」

 

「マジも大マジよ。火神君がコートの端から端まで全力で走って4秒ちょい。この機動力に加えて…火神君、ジャンプ力いくつくらいだっけ?」

 

「ステップ有りの垂直跳びで111cmっす」

 

「…人間?…このジャンプ力よ!でもって火神の指高が270cmだから単純計算で到達点は381cm!緑間君のリリース点が260cmくらいだから、止めることに集中すれば数字上はいけるわ!」

 

「なんか希望見えてきた!」

 

「…問題は、火神君抜きで秀徳のインサイドを止めること、なんだけど」

 

「ツッチーは?」

 

「それも後で試すわ。でも土田君を入れるとなると黒子君を下げないといけないから、ここはメンバーは変えずにいくわ」

 

試合再開、伊月がコントロールする

 

(火神の負担が大きくなる以上、俺だけでも点を取りにいかないとな)

 

伊月が高尾に1on1を仕掛ける。その絶大な視野の広さで周りを活かすプレーが得意な伊月だが、突破能力も十分に兼ね備えている。切れ味鋭いクロスオーバーで高尾を振り切る。ヘルプに来た大坪がブロックに跳ぶが

 

「な!?スクープショット…!」

 

ブロックを嘲笑うかの如くその上をすり抜けていく、中距離から放たれるレイアップシュート。小兵がビッグマンを相手取るに当たって非常に効果的な技術である

 

(よし!入った。これで俺の単独突破も多少は警戒されるだろ)

 

そして、ディフェンス側からすれば相手の選択肢が多いことは厄介きわまりない。誠凛のセカンドオプションは、今も息を潜めていた

 

「すんません!取り返しまっ…と、やっぱそうくるよな」

 

まだ自陣からボールを運んでいる段階、通常ではそうそうないタイミングで、火神が緑間にピッタリとついていた。このような対策を想定していない緑間ではないが、振り切れない

 

「ちっ、機動力では分が悪いか…」

 

「真ちゃん止めてえのは分かるけど、あんまりウチを舐めるなよ!」

 

ゴール下の大坪にパスが通る。マッチアップの水戸部ではパワー不足でそのまま押し込まれてシュート…の直前に黒子がスティールを決めた

 

「…っ!何処から出てきた!?」

 

カウンター、ファストブレイクの先頭を火神に走られたら、止める術などないだろう。それは例え『キセキの世代』でも変わらない。緑間を引きちぎるとダンクを叩き込み、逆転に成功した

 

「自分で点を取る力があるわけじゃねえが、うちのセカンドオプションもなかなかの物だろ?てか、お前の方がよく知ってるか」

 

「黒子か…、当然よく知っているのだよ。だから、黒子にはこれ以上仕事はさせん」

 

緑間の宣言と同時に、秀徳ベンチから指示が入った

 

「10番のマーク代われ。高尾、お前が付け」

 

「了解っす!」

 

再度秀徳の攻撃は大坪を使う。高尾がハンドラーとなりピックアンドロールを展開。大坪に渡すとしっかりと得点を決めた。返す誠凛の攻撃、伊月は黒子を使おうとするが…

 

(なっ!?黒子がマークを振り切れてない…。ということは、やっぱりあいつも持ってるな。目を)

 

「どうしたよ?まあ、逃げられないぜ。俺の『鷹の目』からは!」

 

「こういうことだ、お前抜きではインサイドは手薄だろう。セカンドオプションな殴り合いなら、負けはないのだよ」

 

「なるほどな…。コート全域に届くレベルの視野の広さか、面白え!」

 

「…面白いか、分からんな。今、明らかにお前たちの方が状況は悪いはずなのだよ。それでもなぜ笑う?」

 

「状況が悪いねえ、それはどうかな?」

 

お互いに持っているカードの強さも枚数もある程度把握してきた時間帯である。だが、忘れてはいけない。火神大我の底はまだまだこんなところではない。この試合の均衡は、徐々に崩れていく

 

次回、三人目




次が結構長くなりそうだったので早めに一回切っときます

今後の黒子はどうしていくべきだと思いますか

  • 原作初期通りの「幻の六人目」
  • 原作終盤の自力で攻めれる攻撃フォルム
  • あえて守備にブッパしたスティール王
  • それ以外(メッセージかTwitterで)

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