火神に憑依したっぽいのでバスケの「王様」目指す   作:Dice ROLL

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原作では桐皇と海常の試合しか描かれていないインターハイ本戦なので色々難しいですが、頑張ります。あと緑間、ごめん


28話 挨拶

インターハイ開会式当日。選手達にとっては一生の思い出兼眠くなる話を聞かされ、滞りなく式は幕を閉じた。しかし、平穏に終わるはずがない。黒子の元に一通のメールが届いた

 

「…すいません、ちょっと外していいですか?」

 

「何かあったの?」

 

「呼び出しです。『キセキの世代』のキャプテンから」

 

「赤司征十郎…。分かったわ、いってらっしゃい」

 

◆◇◆

 

会場のメインアリーナにつながる大階段に、かつての戦友達はいた。SGを務めた彼はいないし…いやなぜかいる。今黒子の目の前にいる三人のうち二人はつい最近一緒にファミレスで談笑したばかりだが、それでも特別な空気感を感じていた

 

「緑間君、どうしてここに?」

 

「お前達の試合を見にきたのだよ」

 

緑間真太郎、情により現れる

 

「インターハイは開会式当日に試合はありませんが…」

 

が、告げられる現実

 

「なっ!?本当か、黒子?」

 

「あーあ、言っちゃったっすよ黒子っち」

 

「本当に何しにきてんだバーカ」

 

「ラッキーアイテム、やっぱり持ってるんだね〜」

 

ちなみに今日のラッキーアイテムはハサミである

 

「お久しぶりです。紫原君」

 

「うん、黒ちん久しぶり〜」

 

紫原敦、『キセキの世代』のCにして、208cmという日本人としてはかなり恵まれた身長。そして、自らの身長からくる平均値を大きく上回るウィングスパンに足の長さ。それらに加えて圧倒的な反応速度を誇る異次元のリムプロテクターである。ちなみになぜかプロテインバーを食べていた

 

「紫原君、まいう棒じゃないんですね」

 

「うーん、最近チームメイトになった人に怒られちゃってね〜。『そんな物ばかり食べて、それでもアスリートか!」って。でも口寂しくてね〜、なんとか許可が下りたからこれ食べてんの」

 

「見ない間に随分ガッシリしたっすもんね。体重どんくらい増えたんすか?」

 

「やっと100キロ超えたくらいかな〜」

 

「5キロも増やしたのか。驚いたのだよ」

 

「なんで覚えてんの〜。みどちんキモイ」

 

「キモイとはなんなのだよ!」

 

「緑間っち、いじられ役の世界へようこそっす!これからはよろしく」

 

「よろしくしたくないのだよ!!」

 

と、ここで誰かの携帯が鳴り響く

 

「黄瀬ちん、鳴ってるよ〜」

 

「こ、これは…」

 

「んだよ、赤司か?」

 

「ファンの女の子からの電話っす!」

 

「死ね!」

 

「みんな、仲良くなったね〜」

 

「すまない、待たせたね」

 

ここで、待ち人来る

 

「…赤司君」

 

「また会えて嬉しいよ、真太郎がいるとは思わなかったが…こうして全員揃うことができたのは実に感慨深いね」

 

「触れないで欲しかったのだよ…」

 

緑間真太郎、人生最大の屈辱である。ちなみに自業自得の為文句は言えない

 

「それと、場違いな人間がいるね?」

 

「ん?それは俺のことか?」

 

「「「火神(っち)!?」」」

 

「火神君、どうしてここに?」

 

「ん、緑間が何故かいるって黄瀬からLI○Eきたからよ、いじり倒してやろうと思ってきたんだが…邪魔だったか?」

 

ちなみに黄瀬とはお好み焼き屋のタイミングで連絡先を交換していた。まさか来るとは思っていなかったため

(なんか緑間っちきてるっすよ!開会式の日に試合あると勘違いしたらしいっす笑笑笑笑笑笑)

と言うL○NEを飛ばしていた

 

「真太郎、ちょっとそのハサミ借りてもいいかな?」

 

「何に使うのだよ」

 

「髪がちょっと鬱陶しくてね…まあ、その前に、火神君だね?噂は聞いてるよ。『キセキの世代』を圧倒した『王様』らしいね?」

 

そして、唐突に、火神に向かってそのハサミを突き出し…当たる直前で止めた

 

「火神君!」

 

「…なぜ避けない?君ならば十分かわせただろう」

 

「ハナから当てる気なかっただろ。まあ、当たったら当たったでそん時はそれだ。オフシーズンに後頭部をビンでぶん殴られた挙句ナイフで滅多刺しにされたのに一ヶ月後から始まるシーズンに全試合出てた選手だっているんだぜ?」

 

「…やはり、気に入らないな。この世の中は勝者が全て肯定され、敗者は全て否定される。全てに勝つ僕は全て正しい。僕は今まで、あらゆることで負けたことが無いし、この先もない。…が、勝手に『キセキの世代』と僕と一括りにされた奴らが勝手に負けた挙句、僕よりも上の存在、『王』を名乗るとは、頭が高いぞ。僕に逆らうやつは、親でも殺す」

 

「はっ!知らねえよ、てめえの言い分なんざ。まず、親は大事にしとけ。次に、自分から『王様』だなんて名乗った覚えはねえよ。『王』っていうのは成るもんじゃねえ、認められるもんだ。悔しかったら認め返させてみな。最後に、負けたことも無いような分際で、分かったような口をきくんじゃねえよ」

 

「へえ、つくづく気に入らない。でも、今日のところはここで引こう。君はバスケで倒さないことには面白く無さそうだ」

 

「やれるもんならやって見ろよ」

 

「…じゃあ行くよ。今日のところは挨拶だけだ」

 

「は?ふざけんなよ赤司!それだけの為にわざわざ呼んだのか?」

 

「いや、本当は確認するつもりだったけど、皆の顔を見て必要ないと分かった。全員、あの時の誓いは忘れてないようだからな。ならばいい、次は戦う時に会おう」

 

こうして赤司征十郎は去っていった

 

「…なんか知らねえが気に入らねえやつだな」

 

「火神っち、それ初見の俺ら全員に言ってないっすか?」

 

「俺は言われてないのだよ」

 

「俺は初めましてだしね〜」

 

「ああ、初めまして。お前が紫原敦か」

 

「うん、話は聞いてるよ〜火神大我」

 

「話?誰に?」

「俺だよ、タイガ」

 

「!?、タツヤか!なんだ来てたのかよ」

 

「うん。久しぶりだね、背伸びたかな?」

 

「203!高校入ってからもう2cm伸びたぜ。タツヤもデカくなってるだろ?」

 

「お、分かるかい?2mまであと少しだね」

 

「初めまして」

 

「うん、初めまして。黒子テツヤ君だね?うちの弟が迷惑かけてるかもしれないけど、よろしく頼むよ」

 

「…タツヤ、三回戦で会おうぜ」

 

「うん、お互い頑張ろう」

 

こうして、役者は揃った。各々が明日、明後日から始まる決戦に向けて調整をするべくチームの元へ帰った。…緑間を除く

 

◆◇◆

 

(よく寝れたな…うっし!行くか)

 

インターハイ、初戦。対するは大仁田高校

 

「小林君には火神君をつけるわ。伊月君だと流石にサイズ不足だしね。インサイドに課題があるチームだから引っ掻き回してやりなさい!」

 

「「「「「おう!!!」」」」」

 

「じゃあまずはアップから!初めての全国だからって、緊張するんじゃないわよ!!」

 

こうして、誠凛初の全国大会が始まろうとしていた。アップの為に、会場の雰囲気を見る為に、コートは出ようとすると…

 

「きたぁ!誠凛高校だ!!」

「『キセキの世代』三人倒してんだろ?じゃあ最強じゃねえか!」

「しかも全試合ボロ勝ちらしいぜ…。アイツだ!エース、『王様』火神大我!!」

「流石に初戦は余裕だろ!!」

 

「…なんだこの空気」

 

繰り返すが、誠凛高校にとっては初の全国大会である。通常はアンダードッグ扱いが当たり前。しかし、あの『キセキの世代』を倒してしまった以上事情は異なる。黒子以外が初めて味わう、『勝って当たり前』の空気感に、彼らは気圧されていた

 

「おいおい、どうしたみんな。せっかく出れた全国の舞台で、こんだけの人の前でバスケできるんだ。楽しんでこーぜ」

 

「…木吉、そうか、そうだよな!お前ら切り替えろ。集中していくぞ!」

 

(木吉先輩、やっぱりこのチームには貴方が必要ですよ…)

 

◆◇◆

 

木吉の激励もあり、試合は終始誠凛ペースで進んでいく。エース小林を火神が完全に抑え大仁田高校の攻撃を封じ込めると、オフェンスでは日向が躍動する。この日絶好調のスリーを連続で沈め、点差をつけていく。そして、当然火神も

 

(どっかで見てんだろタツヤ!)

 

パスを捌きつつ要所では自ら得点。試合終盤には火神も引っ込め二年生だけのチームで戦うが、それでも点差は縮まらなかった。大仁田の心が折れた訳ではない。小林のマークを土田がきっちりこなし、黒子の代わりに入った小金井はしっかりシュートを決め、チームのスペーシングに貢献した。火神がいなくなっても伊月がきっちりパスを回し、危なげのない試合展開。結局104-67で誠凛高校が全国大会初の白星を上げた

 

(これで、戦えるな!赤司征十郎!!)

 

そう、二回戦には無敗の帝王が待っている

 

次回、洛山高校戦開幕




火神を乱入させるにはこれしか思いつかなかったんです!!許してください!!

今後の黒子はどうしていくべきだと思いますか

  • 原作初期通りの「幻の六人目」
  • 原作終盤の自力で攻めれる攻撃フォルム
  • あえて守備にブッパしたスティール王
  • それ以外(メッセージかTwitterで)

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