火神に憑依したっぽいのでバスケの「王様」目指す   作:Dice ROLL

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最近タイトルを決めた後に被ってないか振り返りがちです


31話 支配者

火神の『ゾーン』をきっかけに一気に点差を縮めるかに見えたが、そう簡単にはいかなかった。『王の時間』により、赤司と黛、根武谷までを一人でカバーしていたが、ここでネックになるのが実渕のスリー。どうしてもマッチアップの日向では止めることができないでいた。結果、2Q終盤までに4本のスリーを浴びせられた。それだけでは終わらず、赤司の一瞬のディフェンスの乱れを正確に突いたパスでたびたび根武谷にボールが入ってしまう。水戸部はこれに対してファウルを取られてしまうケースが増え、2Q残り3分強の場面で既に3ファウル。5ファウルで退場の高校バスケにおいて3ファウルはかなり厳しい。選手層の薄い誠凛では尚更である。結局、根武谷がフリースローを二本外したおかげで最悪の展開は免れた。しかし、一方でオフェンスは十分機能していると言えた。火神が1on1から得点できるようになったことでパスも効果的に使えるようになっていった。ディフェンスで貢献できない分をオフェンスで、と言わんばかりの日向のスリーや、伊月のミドルレンジなどをチラつかせつつ、決めるところは自分で決める火神のゲームメイクで、なんとか点差は離されていない状態だった。均衡が崩れたのは2Q残り3分15秒、誠凛対洛山のスコアが36-43の場面だった

 

(このままじゃダメだ。黒子が帰って来る前に絶対追いつく。ギアあげるぞ)

 

「…っ!またか、火神大我!」

 

『天帝の目』でも追いつけない異次元のスピードによる突破。しかし、何も対策を立てない赤司では無い

 

「ヘルプ3枚!?根武谷さん、葉山さん、黛さんまで…。赤司君、かがみんの突破を潰しに来てる」

 

「…これは、火神でもキツいか?減速すれば後ろから赤司がスティールだ。もうパスも間に合わねえぞ」

 

超一流のスラッシャー、青峰をしても厳しいと判断したこの状況を、火神は掻い潜った。減速すれば死ぬことを悟ると、フルスピードのまま三人の間に切り込む。そのまま跳躍するとダブルクラッチで根武谷をかわしゴールを奪い取った

 

「…凄い、あそこから決めるなんて」

 

「さつき、よく見とけ。火神の『ゾーン』が深くなってやがる」

 

青峰の言葉通り、ここで火神が散々苦しめられた実渕のスリーをブロックする

 

「嘘でしょ!?さっきまでよりさらに広くなってるじゃない!」

 

速攻からダンクを叩き込む。しかし、まだ終わらない。洛山、葉山が入れたボールがやや甘くなってしまった。これを火神が掻っ攫う。すぐさま、まだゴール下に残っていた土田にパス。根武谷がファウルを犯しフリースロー2本獲得

 

「ぐっ…すまん!」

 

「ドンマイっす。切り替えましょう!」

 

一本をミスし1点止まり。だが、その程度で誠凛の…火神の勢いは止まらない。ディフェンスでは根武屋にボールが入るも、水戸部が執念のディフェンス。なんとか時間を稼いでいる間に土田がスティールを決めた。その後のボール保持がもたつき得意の速攻の展開にはならなかったが、再び1on1から火神が抜き去る。これをなんとか止めようと根武谷が激しい接触を伴うブロック。しかし空中で体勢を崩されることすらなくシュートをねじ込んだ。すると火神は、根武屋に向かい右手で力こぶを作り左手で叩くサイン、マッスルポーズを取って見せた。ようは根武谷を煽っている

 

「あのやろー!…だが、いい筋肉だ…!」

 

「いや永ちゃん、認めちゃってどうすんのさ」

 

これには海常の二人も

 

「なんつーフィジカルっすか、火神っち…」

 

「あの筋肉ダルマがぶつかってんのにな…」

 

このリアクションである。さらに今のプレーはバスケットカウントでフリースローが一本ついて来る

 

「…決めれば2点差か、次のQの頭にスリー1本でひっくり返るぜ」

 

「ああ、スリーを決めることができる選手も揃っているのだよ」

 

だが、火神の描いていた絵は違った。次のQに追いつくなどと悠長なことは言っていられない。追いつくなら今である。火神は敢えてフリースローを外した。あとは彼に託す。去年一年間をリバウンドに捧げた男に

 

「ツッチー!!ナイスリバウンド!!!」

 

漢土田、リバウンドをもぎ取った。残り時間は2秒を切っている。すぐさま火神にパスを飛ばす。相変わらずやや高めに抜けたが、逆に赤司には届かない高度になった。そして、火神のディープスリー。ブザーが鳴る…そして、入った。46-46の同点で前半を折り返すことに成功した

 

「うおおおおお!!火神ィ!!!」

「出来過ぎだ馬鹿やろう!」

「ナイスシュートだ!」

 

絶叫しながら走り寄るチームメイト。火神は左手で拳を作ると腕時計を覗くような形を取る。その左手を頭の高さまで掲げ、これまた腕時計の位置を右手の人差し指で指し示す。『俺の時間だ』と言わんばかりのセレブレーション(サッカーでいうゴールパフォーマンス)である

 

「はは、まさに『王の時間』っすね」

 

前半終了

 

◆◇◆

 

「最っ高よ!火神君、まさか追いついちゃうなんて思わなかったわ」

 

「2Qはなんとかするって黒子と約束したんで」

 

「で、火神君。『ゾーン』はどれくらい持つ?」

 

「まだ平気っすよ。多分3Qの間くらいならいけるっす」

 

「よし、じゃあ黒子君はとにかく洛山にも通用するミスディレクションを見つける。その間は任せっぱなしになっちゃうけど…大丈夫火神君?」

 

「チームの思いを背負って勝つのがエースの仕事です。やれるとこまでやり切りますよ!!」

 

◆◇◆

 

「…お前達、ここまでまるで役に立っていないが、どうした?」

 

「すまん赤司、いらねえファールだった」

 

「あたしも、もっと慎重にシュートを打つべきだったわ」

 

「もっと積極的にいかなきゃいけなかった…」

 

「…」

 

「いや、お前達を責めるつもりはない。僕が何度も抜かれ、得点を献上したのが原因だ。だから、もし負けたら好きなだけ僕を非難しろ。全責任を負って速やかに退部する。…そして、罪を償う証として、両の目をくり抜いてお前達に差し出そう」

 

「な、何言ってんだよ赤司!」

 

「そうよ、征ちゃん。そんなことしなくたって…」

 

「僕は何も心配していない。お前達を信じている。負けなければいいだけの話だ」

 

ゴクリ、と誰かがツバを飲む音がした。ここに、洛山高校の覚悟は決まった。敗北は許されない。その意味がさらに重くなった

 

次回、激戦はまだまだ終わらない




有名なセレブレーションを二つほど。片方は『王様』のじゃないですが

今後の黒子はどうしていくべきだと思いますか

  • 原作初期通りの「幻の六人目」
  • 原作終盤の自力で攻めれる攻撃フォルム
  • あえて守備にブッパしたスティール王
  • それ以外(メッセージかTwitterで)
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