火神に憑依したっぽいのでバスケの「王様」目指す 作:Dice ROLL
後半開始、笠松がハンドラーを務め、黄瀬は本来のポジションであるSFでプレーしていた
(火神っちが言ってた『スタイルの模倣』…出来るはず。俺は、ずっとこの人を見てきたんだ!!)
「ちっ、すまん!」
笠松のシュートはリングに弾かれた。返す桐皇の攻撃は、またしてもエース青峰の1on1。ストリートバスケを彷彿とさせる派手な動きはめっきり減ったが、フリーキーなテンポのドリブルと圧巻のチェンジオブペース。またしても黄瀬は止めることができなかった
(そっか、青峰っちも変わってる…。派手さを捨てた、より実践的なドリブルスタイル。うん、イメージはできた)
「…黄瀬、ちょっとはマシな面構えになったな」
「多分さっきまでは勝ちたいと思いつつ、心のどっかで負けてほしくないと思ってたんすよ。…だから、憧れるのはもう止める。改めて、勝負っすよ青峰っち!」
攻守交代、黄瀬が青峰の突破を試みる。先程までも、黄瀬涼太は『天才』の名に恥じない素晴らしいプレーを見せていたが、今回はレベルが違う
「…たっく、やればできんじゃねえか」
画面越しに火神がボヤいた。今の黄瀬涼太のムーブはついさっき青峰が見せたものと全く同じだった
「黄瀬…てめえ!」
「なるほど…やってみるもんすね」
そのまま横っ跳びからボールをゴールに向かってぶん投げる。そんな無茶苦茶なシュートも、今の黄瀬なら決める
(やってみたのはいいっすけど…恐ろしく疲れるっすよこれ。このままじゃ持たない。なんか工夫しないとっすね。でも、まずはディフェンス!)
続く青峰との1on1で黄瀬が仕掛ける。先程までより遥かに距離を縮め、プレッシャーをかける
「舐めんじゃねえぞ!」
青峰はこれを突破したかに見えたが
「バックチップ!」
この試合のファーストプレーの焼き直しかのように、今度は黄瀬が青峰にバックチップを決めた
「い…かせるか!黄瀬!!」
黄瀬は再び青峰の『模倣』で突破しにかかるが、先程より集中力が増している青峰のディフェンスを前に完全に突破しきることができないでいた。だが
「小堀先輩!」
パス。ドリブルやシュートのスタイルは青峰そっくりでも、本家には絶対に無い選択肢が、黄瀬にはある。ただスタイルを『模倣』しただけではない、自身の力で改良まで加えていた
(『型の無いシュート』を打たなきゃいけない本数を減らせるだけでも負担は減る…。でもそれ以上の効果がありそうっすね!)
これには火神も称賛を送る
「いいじゃねえか。さしずめ、今の黄瀬はパスが出せる青峰ってことか…。これはなかなか手強いぜ?」
「よしっ!このまま一気…に…」
黄瀬はチームを鼓舞しようとしたが、その言葉が終わる前に青峰は彼の後ろにいた
「きやがったっすね…。『ゾーン』…!」
「やっぱり、面白えよ。なあ黄瀬?」
直前まで行われていた試合のように、超高校生級のエースがとんでもないレベルで殴り合う。またしても、そんな試合展開になっていった
「赤司、あの二人のパワーバランス、今はどうなってる?」
「黄瀬がスタイルの『模倣』に成功しさらには本家にはないパスを取り入れることで凌駕したかに見えたが、青峰は『ゾーン』に入ることで基本性能を底上げしている。現状は互角と見ていいが、使い慣れていないスタイルを駆使して戦わなければならない分『ゾーン』を加味しても黄瀬の消耗の方が激しいだろうな。さらに言えば、今の黄瀬は『ゾーン』に入っていない青峰の『模倣』をしている。つまり、このままいけば青峰が取る」
赤司に限らず、コート上の選手達も現状を把握していた
「どうするんや?海常さん、このままじゃジリ貧やろ」
「分かってる…このままじゃ勝てない。でも、気づいてないんすか?俺が青峰っちの『模倣』に成功した本当の意味が!」
場所はハーフライン上、そこから黄瀬はシュートを放った
「嘘…青峰君のだけじゃ無いの…!?」
リングのど真ん中に、高弾道のシュートが突き刺さる
「名前を付けるなら…『
海常の猛追が始まった。『ゾーン』に入っている青峰大輝を超える程の存在感を黄瀬涼太は放っていた
「すっげえな黄瀬!…でも、黄瀬の方が消耗が激しいから不利なんだろ?使える『
「いや、あれはそう言った類のものではない。青峰のスタイルであれば、最も体力を消費するストリートスタイルのドリブルムーブや『型の無いシュート』を打たないことで、緑間のシュートであれば、ハーフラインから打つ際は『オリジナル』に比べて弾道を低くすることで体力の消費を抑えている。緑間のシュートの弾道は、コートの端から端までを射程距離にする為にあそこまで高くなっているからね。つまり、黄瀬は持ち前の器用さで細かい部分に改良を加えている。もはや『
「は!?じゃあ、今の黄瀬は『キセキの世代』の上位互換ってことか!?」
「いや、必ずしもそうとは限らない。『オリジナル』の俺たちがそこまでの細かい調整をしないのは効率が悪いからだ。今の黄瀬がやっていることは、肉体的な疲労は抑えられても、一つのプレーに要求される集中力や精神力は想像の遥か上をいくだろう。だから、俺達のスタイルはより感覚的に、より再現性が高くなるように磨き上げられてきた。黄瀬が今の状態を維持出来る時間はそう長くは無いだろう」
「じゃあ、なんで黄瀬はそんなことしてんだよ」
「恐らくだが、ここで挽回不可能なレベルの点差をつける気だ」
赤司の分析は当たっていた。黄瀬のプレーはまさしく『神がかって』いた。あえて『アンクルブレイク』は狙わず『青峰』を突破できるギリギリのドライブを仕掛け、あえて接触プレーを避け、フリーの味方に一瞬だけ発動した『王の時間』でパスを捌く。今の黄瀬の前では七点差など無いに等しく、すぐさま逆転し点差は開いていく
(やっっっっばいすねこれ!!もういつまで持つか分かんねえ…。でもここまできたら、もう行けるとこまで突っ走る!!先行逃げ切りで勝負を付ける!!!)
画面越しにライバル達も戦況を見守っていた
「火神君、どう思いますか?」
「あんなもん、普通なら持って一分だ。それを超えてるんだからいつガス欠になってもおかしくない。後は黄瀬の精神力しだいだな。元チームメイト的にはどうだ?」
「…精神力という意味では、黄瀬君は『キセキの世代』でも一番かも知れません。彼は、『キセキの世代』の中でも最も多く敗北を経験しながら成長してきましたから」
「なら、点差はどこまで開くかな…。15点もいけば上出来だ」
覚醒した黄瀬涼太を前に太刀打ちできない桐皇学園。しかし、黄瀬の限界もすぐそこまできている
次回、リベンジマッチ
黄瀬は時間制限付きでバグチート無双するのがよく似合う。完成はめだかちゃんから名前借りました
今後の黒子はどうしていくべきだと思いますか
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原作初期通りの「幻の六人目」
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