火神に憑依したっぽいのでバスケの「王様」目指す   作:Dice ROLL

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本格的にキセキを強化し始めて思うことは緑間がチート過ぎること


39話 エース

3Q終了、終わり際の2分半で大爆発した青峰に点差を一気に詰められ、最大13点あったリードを残り5点まで食い潰していた

 

「青峰大輝か…どうする?時間的に考えても『ゾーン』が切れるとは思えない。かと言ってこの5点を守り切れるか?」

 

「俺が戻るっす。もう十分休んだしいけるっすよ!」

 

「…ダメだ。『完成』が無ければ今の青峰とは戦えないだろう。万全な状態に戻りきっていないお前を試合に出せば必ずどこかで無茶をする。試合に出たければ今はまだ休め」

 

「監督…」

 

「よし、お前ら。そういうことだ。はっきり言って今の俺らじゃ青峰は止められねえ…。なら点取り返すぞ!黄瀬が戻ってくるのを待つなんて消極的な考え方じゃ絶対勝てねえ。俺らだけで勝つぞ!!」

 

◆◇◆

 

桐皇学園もまた、いかに逆転し、勝ちきるかを考えていた

 

「青峰さん…凄いですね…」

 

「ああ、今の青峰が1on1で負ける可能性があるのは海常だと黄瀬君くらいなもんやろ…。まあ当分は出て来れなそうやけどな」

 

「悔しいですけど、青峰がいればオフェンスで負けることは無いでしょう。俺達で守備固めましょう」

 

個人主義のエゴイスト集団に見える桐皇だが、一つ共通している理念がある。それは『勝つこと』

 

「青峰君…いつまで使えそう?」

 

「ん?さつきか。使えそうってのは『先出し(フライング)の権利』のことか?」

 

「えっと、何それ?」

 

「無冠のなんたらにいたろ。『後出しの権利』だとかいうのを持ってる奴がよ」

 

「確かに、短距離走のスタートも0.1秒以内はフライング判定だもんね…」

 

「で、いつまでって話だが…まあ『ゾーン』が前提だな。普通の状態で使うには要求される集中力が大き過ぎる。使えたとして、『ゾーン』による肉体性能の向上が無けりゃ今ほどの破壊力はねえだろ」

 

「そういうことです。試合終了の笛が鳴るその瞬間まで気を引き締めていきましょう」

 

◆◇◆

 

最終4Q、序盤の主役はやはり青峰大輝。3Qで見せたパフォーマンスをそのままに海常を圧倒していく。しかし、一気に点差を詰める展開にはならなかった

 

「流れるようなパスワーク。流石に鍛えてきてるわ…」

 

黄瀬涼太の獲得が無ければこうだったのだろうという海常のバスケ。そもそも今のスタイルは誠凛に負けてから編み出したものであり、一年以上かけて磨き上げてきた連携を軸とするスタイルは練度が違う

 

「青峰に付かれる状況だけは避けろ!キツかったらシュートでいい。取れるボールは早川がリバウンドでどうにかする!!」

 

森山、笠松のアウトサイドを軸に小堀と早川がオフェンスリバウンドを狙う。黄瀬と代わって入り体力に余裕がある中村も、オフェンスでは運動量で、守備では定評のある卓越した技術で貢献した

 

「早川!ナイスリバウンドだ!!」

 

「や(り)ますよ俺!オフェンス(リ)バウンドもガンガン取(り)ますか(ら)!!ガンガンシュート打ってください!!!」

 

「うるせえよ!あとラ行言えてねえよ!!」

 

これに焦りを隠せないのが桐皇学園、時間が経てば経つほど『黄瀬涼太』というプレッシャーが強くなっていく。完全に浮足立っていたが

 

「お前ら!何、居もしねえ奴にビビってんだ!!点なら取ってやるからボール寄越せ。ディフェンスだって止められねえような相手じゃねえだろうが、気合い入れろ!!!」

 

青峰大輝がチームメイトを激励する。これもまた、以前の彼にはあり得ない行動だった

 

「青峰君…チームでバスケしようとしてる…。いけない、涙脆いなぁ最近」

 

これによって勢いを取り戻した桐皇学園、再び点差を詰め始める

 

「若松!ナイスリバウンドや!」

 

「いつまでもオフェンスリバウンド取れると思ってんじゃねえぞ!!」

 

「青峰さん!お願いします!!」

 

「…任せな、リョウ!」

 

桜井からボールを受けた青峰、マークの中村をまるでいなかったかのように突破する

 

「打たせん!」

 

「止め(る)!!」

 

小堀と早川が何とか阻止すべくブロックに跳ぶが、なんと青峰はバックボードの裏に回るとそのままシュート。バックボード越しにゴールを奪って見せた

 

「そんなのありかよ…」

「凄え…無茶苦茶だ…」

「それに、ついにきたぞ!!今ので逆転だ!!!」

 

試合時間、残り4分。とうとう102-101で桐皇が逆転に成功した

 

「監督、行かせてください」

 

「黄瀬…だが…」

 

「ここで行かなきゃエースじゃない。お願いします!」

 

「わかった、行ってこい!」

 

再び役者は揃った

 

「お待たせっす。青峰っち」

 

「遅かったな黄瀬。モタモタしてると置いてくぜ?」

 

ここからは、両エース拮抗した戦いになる。圧倒的なスピードで守備を破壊する青峰と、洗練された技術の数々を用いて攻撃を操る黄瀬。二人という名の圧倒的な矛の前に盾が機能しない。お互いに全くシュートを落とさないまま時間が過ぎていった。ついに残り時間16秒。110-109で桐皇学園がリード。決めなければ海常の負け、逆に言えば決めれば逆転勝利

 

(まずいっすね…今は点が取れてるけど、青峰っちの反応速度も明らかに早くなってきてる…。このまま行ったら捕まるっすね。エース対決、負けるわけにはいかないのに…。火神っちはよく勝ったすよね。点も取れて、パスも出せて、本当に腹が立つくらい完璧なエースじゃ無いっすか。…あれ?そっか、俺が点を取る必要は無いんだ。エースの仕事は点を取ることじゃ無い。チームを勝たせることだ!!)

 

「最後の勝負っすね。青峰っち」

 

「ああ、来いよ。絶対止めるぜ」

 

黄瀬が動いた。『天帝の目』、『雷轟のドリブル』持てる技術から青峰に通用するものを選びぶつけていく。しかし、『雷轟のドリブル』の最大弱点、手首に過度な負担か掛かることに起因する切り返しの遅さ。その隙を逃す青峰ではない

 

「青峰の勝ちや!!」

 

今吉が、いや桐皇の選手が皆勝利を確信したその時。黄瀬は凄まじい速度で跳ね返ってきたボールの勢いに逆らわず、手のひらで弾くように利き手側にパスを出した。コート上の時が止まる。パスの受け手、笠松を除いて

 

(なんだこのパス、位置も高さも縫い目の角度まで完璧…。このシュートを落とす訳がねえ)

 

体が勝手に動いたような滑らかなシュートがネットを揺らした

 

「笠松先輩!!!」

 

「ナイスパスだこの野郎!!」

 

「きーちゃん…今のプレー、かがみんの『王の時間』にテツ君のパスに赤司君の『究極のパス』を合わせてた…。そんなことまで…」

 

一転、敗北を悟ったかのような表情、空気感になる桐皇学園。だか、エースは諦めていなかった

 

「何つっ立ってんだ!早く寄越せ!!」

 

「!?。頼む、青峰!!」

 

「残り時間2秒無いんだぞ!?何ができるってんだ!」

 

海常の動揺を他所に最高速度でボールを運ぶと、残り時間を悟ったのかハーフラインでシュート体勢に入った

 

(これは…入った!)

 

幾度となくシュートを決めてきた青峰大輝が、このシュートは入ると確信した。それほど完璧なシュートタッチ。だが、そのシュートがネットを揺らす事はなかった。阻んだのは、かつて打ちまかし続けた『ライバル』

 

「青、峰っちぃぃッ!!」

 

コート上でただ一人、黄瀬涼太だけは信じていた。青峰大輝なら決めると。体力を削る『ゾーン』に対して、『完成』は体力消費を最小限に抑える能力である。その差が明暗を分けた。青峰が決めると信じているのなら、そこに『天帝の目』など必要ない

 

「チェイス…ダウンブロック…」

 

そして、試合は終わった

 

「黄瀬ぇぇ!!!!!!」

「美味しいところ持ってかれちまったぜ。この野郎!!」

 

「かましてやったっすよ!」

 

海常の歓喜の輪に歩み寄る人影が

 

「…黄瀬」

 

「青峰っち…」

 

「いい試合だったぜ。まさかお前に負ける日がくるとはよ」

 

「…はぁー。調子狂うっすね…。青峰っち、遂にリベンジマッチ達成っす!長かったっすよ」

 

「ああ、次やるときは俺の番だぜ?」

 

「かかってこいっす!」

 

二人は硬い握手を交わす。桐皇学園、二回戦にて散る。今年のインターハイは優勝候補二高がいきなり姿を消す波乱の展開になった

 

「最後、二人とも凄かったですね」

 

「ああ、黄瀬も青峰も、試合中にドンドン成長してやがった。俺らも負けらんねえな。…次は、タツヤと紫原だ」

 

ベスト8が出揃った

 

次回、対陽泉開幕




俺はコイツが勝つ世界を見たかったんや…

今後の黒子はどうしていくべきだと思いますか

  • 原作初期通りの「幻の六人目」
  • 原作終盤の自力で攻めれる攻撃フォルム
  • あえて守備にブッパしたスティール王
  • それ以外(メッセージかTwitterで)
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