火神に憑依したっぽいのでバスケの「王様」目指す 作:Dice ROLL
バッシュが鳴らすスキール音、ボールが跳ねる音、選手たちの掛け声、男子バスケ部の日常とも言える音の中で、今日も誠凛高校男子バスケットボール部は練習に励んでいた。
「はい!そこまで!!この後は各自クールダウンね」
「ふい〜疲れた…」
全体練習が終わりクールダウンの時間。選手たちは大抵雑談に興じることになる。もちろん、ここでも例外はなく
「今日の連携の感じはよかったっすね!練習試合とかないんすか?色々試してみたいな…」
「ん?試合?お前まだ出れないよ?」
「…えっ?なんでっすか!?キャプテン!!俺の何が…」
「あ〜違う違う、プレーの話じゃない。一年生はまだ仮入部期間なんだ。正式な部員じゃないんだよ」
グルン!と音が聞こえそうな勢いで火神は相田リコに向かう形で首を回した。
「はは!こんな時期に言い出す子がいるとはね〜。もちろん即戦力だしベンチに空きもあるから大歓迎よ」
「あざっす!これで試合に…」
「ちょいまち!ただし受け付けるのは月曜朝8時40分の屋上ね!」
そして時は流れ
◆◇◆
「ふっふっふ、待っていたぞ」
「決闘?」
「つーか、気にはなってたけど…、後5分で朝礼ですよね!?」
「うん!だからいいのよ」
「え〜っと?」
「その前に!一つ言っておくことがあるわ。去年カントクを頼まれた時に約束したの。『全国目指してガチでバスケやること』もし覚悟がなければ同好会もあるからそっちへどうぞ!!どんだけ練習を真面目にやってもいつか、だのできればだのじゃいつまで経っても弱小だからね。具体的かつ高い目標と、それを達成しようとする意思が欲しいの。んで、今!ここから、学年とクラスと名前、今年の目標をここから宣言してもらいます!」
「さらにできなかった時はここから全裸で告ってもらいます」
「「「え゛え〜〜!!?!?」」」
驚く3人をよそにいつも通り無表情な黒子そして…すでにジャンプしている火神。そのまま手すりに着地すると声を張り上げた
「1-B!火神大我!!史上最強のバスケットボーラーになる!!!」
…ハードルを限界までぶち上げた。
「うおっ!?なんだあれ?」
(今年もやったか…。しかし火神のやつ、そんなとこまで見据えてんのかよ…)
日向達二年生は去年を思い出して苦笑いを浮かべていた。
「あの、すいません」
「わあっ!なに?」
「声はるの苦手なので、拡声器使ってもいいですか?」
「…いいけど」
『1-B、黒子テツヤ。日本一にします。』
この後、先生にめちゃくちゃ怒られた。
◆◇◆
またしても、二人はいつものストバスコートにいた。
「なあ、キセキの世代ってのはどんなバスケするんだ?」
「どんな、といいますと?」
「気になるだろ、10年に1人の天才なんて言われるような奴らが五人集まってたんだ。帝光中ってのはどうやってそいつらをまとめてたんだと思ってな」
「…まとめてなんていませんよ」
「ん?」
「帝光中には唯一無二の基本理念がありました。それは『勝つことが全て』ということです。そのために必要だったのはチームワークではなく、彼らがただ圧倒的な個人技を行使するバスケットでした」
「はーん、聞けば聞くほどのぼせ上がってやがるな。確かに、バスケットボールは他の球技に比べて一チームあたりの人数が少ないスポーツだ。けどよ、天狗が5人集まったバスケじゃたかが知れてるぜ。お前が強豪校じゃなく、誠凛に来たのもそれがきっかけってことか?」
「…そう思ってたんですけど、それよりボクはこの学校で君と先輩の言葉にシビれた。今ボクがバスケをやる理由は君とこのチームで日本一になることです」
「はっ!とりあえずやってみてえな。キセキの世代」
◆◇◆
「キセキの世代いるとこと、試合組んじゃった…♡」
翌日の練習、火神にとっては願ってもない機会が唐突に舞い込んだ。
(渡に船ってか、感謝するぜカントク!!)
このカントクの報告は結果としてこの日の練習に気合を入れることになった。特に火神と黒子は、実にいきいきとしていた。…だからこそ、なのだろうか体育館の周りで起こり始めていた異変に気づくのに時間がかかった。
「火神!」
「いきますよ、伊月先輩!」
一瞬、減速すると華麗なスピンムーブから右手のワンハンドダンク。しかし、伊月も食らい付いていた
「伊月先輩、自分より大きい相手へのディフェンス、だいぶ良くなってきてるっすね!」
「あんだけ手抜かれても、追い縋るので精一杯だけどな」
この練習にも当然訳がある。誠凛が今年やろうとしている戦術には必要不可欠なことだった。しかし、たまたまこの時この練習をしていたことが少し違う結果を生むことになる…
「あれ、てか体育館、人多くね?」
(ウソ、なんで彼がここにいるの…?キセキの世代、黄瀬涼太!!)
モデルとして活動しているそのスタイルの良さと整ったビジュアル。間違いようもないその男がステージに腰掛けていた。
「お久しぶりです黄瀬君」
「うん、久しぶり。黒子っち」
次回、激突
本当は途中で切る予定でしたが、キセキの世代出す出す詐欺が凄いことになってきたので無理矢理ここまでつなげました笑
急ぎめで次書くのでお許しを
今後の黒子はどうしていくべきだと思いますか
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原作初期通りの「幻の六人目」
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原作終盤の自力で攻めれる攻撃フォルム
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あえて守備にブッパしたスティール王
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