リバース・コンツェルト   作:はなだ

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処女作です。見る専だったのに遂に手を出してしまった……!
駄作な上に遅筆ですがどうぞお手柔らかによろしくお願いします。


ぶらり一人旅

俺が年密に計画していた"一ヶ月たっぷり歴史を巡るわくわくツアー旅行計画"が終盤に差し掛かった所らへんから、この話は始まる。

今日の旅行のメインである博物館に入ろうとした瞬間、タイミングがいいのか悪いのか、カバンの中に入れていたスマホが急に鳴り出した。

画面を見ると、そこには俺がよく見慣れた名前。

急に掛けてくんなジジイ今月は休暇取らせて貰うって事前に言っただろうが。

 

「はい、こちらアオバです」

『ガゼルじゃ』

「はいはい。どうしましたか、博士」

『頼みがあるんじゃが』

「やです」

『即答するな。年長者の言うことは聞くもんじゃぞ、全くこれだから若いモンは……』

「うるせージジイだなほんとに」

『今うるさいって言ったな?!?!』

 

耳元で突然馬鹿デカい声を出され、反射でスマホを持つ手を滑らせた。

落ち着いた街並みによく合うレンガが下に敷き詰められているため、落としたら確実に傷がつく。カバーやフィルムをつけたら少しは大丈夫なんだろうが、極度の面倒くさがり故に自分でわざわざショップまで買いに行って付けるのが怠くなってやめた。あの時の自分を呪いたくなる。

とにかく傷を付けることだけは避けたい、というその一心で、俺は慌てて空中に投げ出されたスマホに手を伸ばした。しかし地面は目前。もう間に合わない。

最悪だ。グッバイ綺麗な画面……お前のことは忘れないよ……。

そんな現実逃避を始める俺。

 

 

ふわり。

 

重力に逆らって空中に浮いたままになるスマホ。唖然とする俺。ぷるぷる、と俺の隣で楽しそうに鳴くランクルス。

 

「…………ありがとう」

 

どうやら、勝手に出てきた手持ちのポケモンが助けてくれたらしい。他のポケモンや人間にちょっかいをかけるのが好きな悪戯っ子だが、ときたまこういう風に気まぐれでボールから出てきては助けてくれる。

それにしてもナイスタイミングだった。感謝を込めて彼の好きなモモンの実を差し出せば、目をキラキラと輝かせて食べ始める。かわいい。

 

「よしよ〜し……おい、汁が垂れてるぞ」

「ぷ!」

 

ハンカチで口元を拭ってやると、ランクルスは嬉しそうに一鳴きした。ほんとにかわいい。はぐはぐと美味しそうに食べるその様子を眺めていると、自分の口角が段々緩んでくる。

……だから、だろう。

俺は忘れていた。ランクルスのサイコキネシスの影響で浮いたままのスマホを。

 

「あ」

「ぷゆ?」

 

ランクルスがモモンの実を食べるのに集中していたからか、サイコキネシスの効果が切れる。

そして。

 

 

「あーーーーーーーっっっ!!!!!!!」

 

 

 

 

俺のスマホは、真っ逆さまに地面に落ちていった。

 

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