鬼滅の刃 if episode:悟空 【焔は絶えず】 作:暁を拝む者
どのくらい久しぶりなのかもはや分かりませんが第五話です。
杏寿郎は目を見開く。
自身の鬼血術の守りを突破され、自身が貫かれたにも関わらず鬼は笑っていたのだ。
集中力が極限までに研ぎ澄まされ、ゆっくりと流れる時間の中で自身の日輪刀の剣先を確認する。
杏寿郎の日輪刀は、左腕の黒槍によって防がれていた。
杏寿郎の日輪刀はその破壊力で鬼の鬼血術の細い黒槍を破壊し、さらに左腕の黒槍を破壊してもなお鬼の身体を傷つける。
しかし、傷つけることが限界だった。
威力の減衰された刺突では、相手の身体を貫くことなど出来ず刃を突き立てることが精一杯だった。
(図られたのか!?)
すぐさま鬼の右腕を確認する。
その右腕には、月の光に照らされた黒槍が見えてしまった。
不気味な笑みを浮かべながらその右腕を杏寿郎の顔にめがけて突き付ける。
杏寿郎は顔を傾むけることで頬を掠めながらもなんとかその一撃を躱す。
しかし、鬼の攻撃は終わらない。
鬼血術、影牙槍撃はいまだに続いている。
鬼の足元から次々と黒槍が襲いかかる。
踏み込みすぎた。
杏寿郎が反応するよりも速く、そしてより多くの黒槍が杏寿郎の身体を貫かんと迫る。
鬼もそれを把握している。
先ほどまでの戦闘で杏寿郎の反応速度は確認済み、ゆえにここまで接近させて最後の攻撃への準備を行ったのだ。
読み合いに、杏寿郎は完全に負けていた。
(貴様はこれを躱しきれまい。貴様の敗けだ!鬼殺隊!!)
勝ちを確信した笑みを浮かべながら杏寿郎を嘲笑い目をむける。
杏寿郎の目はまだ燃えていた。
【炎の呼吸 肆ノ型:盛炎のうねり】
炎の呼吸を用いて黒槍を防ぐ、しかしもちろん防ぎきることはできずに杏寿郎の身体を傷つける。
肩、左足、右額、身体の様々な箇所に切り傷を作る。
だが、退かない。
杏寿郎は全く退こうとはしなかった。
それどころか身体に傷を負いながらもさらに深く一歩踏み込む。
(どうせ全ては躱せない!!それなら致命傷以外は構うな!!やつはまだ片腕が使えない!!)
(なぜだ!?攻撃は当たっている、早く倒れろ!!)
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」」
地面から伸びる数多くの黒槍を杏寿郎は炎の呼吸で斬り刻む。
鬼は杏寿郎の勢いに押され、徐々に後退していく。
(くそっ!人間の癖にこれだけの攻撃を受けてなお迫り来るのか!?)
これ以上距離を詰められるのはまずいと後退しながら杏寿郎に攻撃を仕掛けるが、杏寿郎は逃さまいと前進しながら黒槍を斬り刻みながら突撃する。
僅か数秒の時間しかなかったが、その数秒で杏寿郎は影牙槍撃の攻撃に順応し紙一重で躱せるようになる。
その状況を把握する間もないほどのすさまじい攻防に鬼が冷静さをかき始める。
その焦りを含む目を杏寿郎は見逃さなかった。
「炎の呼吸、壱ノ型!!」
鬼の視界から杏寿郎が姿を消す。
鬼はすぐさま自分の背後へと目をやると、杏寿郎が刀を構えて燃えたぎる眼をこちらにむけていた。
鬼の脳裏に自分が斬られるイメージが鮮明に映し出される。
(斬られる!?)
振り返りながらも20本近くの黒槍を自身と杏寿郎の間に出現させる。
「不知火!!」
杏寿郎の斬撃は10本の黒槍を斬り伏せるも、受け止められてしまう。
鬼は安堵の表徐を浮かべるも、それがさらに杏寿郎の心を滾らせる。
全身に熱が、炎が燃え上がるかのように熱くなる。
足がめり込むほど強く地面を踏みしめると、残る黒槍を全て切断する。
続けざまに黒槍を繰り出そうとすぐそれよりも早く杏寿郎が型を繰り出す。
【炎の呼吸 伍ノ型:
燃え盛る業火の猛虎の如く振り下ろされたその一撃は鬼の足元に蔓延る黒いなにかをまとめて吹き飛ばす。
(こいつ!オレの
鬼の動揺は杏寿郎から見ても明らかだった。
隙
この戦いの中でもっとも明確に表れた初めての隙だった。
杏寿郎は刀を握る手に、踏みしめる足に、全身に力を込める。
杏寿郎が日輪刀を大きく振りかぶる。
鬼はこの攻撃だけは喰らえないと、力を振り絞り迎撃を行う。
【鬼血術
鬼の全身から黒槍が飛び出してくる。
それはまるでウニのように全身を守る棘の鎧のようだった。
しかし、いまの杏寿郎にそんなものは一切通用しない。
日輪刀で自身の目の前にある黒槍を全て切り刻む。
鬼と杏寿郎の視界が重なる。
鬼の憎しみに染まる目の奥底に宿る恐怖、対して杏寿郎の瞳には燃え上がる炎が如く情熱をともす。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
鬼の頸に杏寿郎の日輪刀がついに食い込む。
しかし食い込んだはずの頸には黒い液体のようなものがあり、頸を守るように硬化する。
鬼は左腕の形を変化させて掌を作ると杏寿郎の日輪刀を握りしめてなんとか引き剥がそうとする。
互いに腕に全霊の力を込める。
鬼の抵抗もむなしく、刃はさらに深く鬼の頸へと入り込み徐々に肉を裂いていく。
「ぐっ!ぐぐぅ!!?」
鬼の腹部からなにやら黒に物が動き始める。
杏寿郎はそれを見逃さない。
ついに決着の時がくる。
「不知火!!!」
最も繰り返し練習した炎の呼吸の壱ノ型である不知火。
悟空も煉獄も炎の呼吸の最初ノ型であり、基本でもあるこの型は徹底的に鍛えられ磨き上げられてきた。
ゆえにこの型はどんな状況でありながらもどんな体勢からでも放つことが出来る型である。
最も信頼できる使い込んだその型で、鬼の頸を斬り落とした。
(な、なんだこいつ!?様々な箇所に切り傷をつけているというのになぜここまでの力を出せる!?なぜ怯えない!?)
自身の頸に食い込む刃を必死に引き剥がそうとしながら心の中では叫び声を上げる。
(あり得ない!このオレがここで負けるなんざ!この糞やろうに負けるはずないんだ!)
もう一度鬼血術、黒死牢を発動しようとする。
(オレの鬼血術は全てが早く発動までのインターバルも短い!この距離で躱せまい!それにこの一瞬でオレの頸を斬り落とすなど…!!!)
次の瞬間、自身の頸もとに何かの衝撃が走る。
(なんだ…?身体が軽い。なぜだ?時間がやけにゆっくりと流れてる。これならやつの攻撃を全てさばける!)
その感覚に勝ちを確信する。
そして身体を動かそうとするが、身体を動かすことが出来ない。
それどころか、
(身体がいうことを聞かない…なぜだ?)
身体が動かないことに違和感を感じながらも視線を杏寿郎へと移す。
すると本来ならあり得ない光景がその目に写ってしまった。
「な…に?」
それは、刀を振り切ったであろう杏寿郎とその前々に立ち尽くす頸の失くなった鬼の身体だった。
(バカな!?頸を斬られたのか!?あり得ない!何かも間違いだ!!?あんな糞やろうにこのオレが負けるのか!?嘘だ!!)
やがて中を舞っていた鬼の頸が地面へと落下する。
もはや視線を動かすことすら叶わず、目の前で自分の身体が崩壊していくのを眺めることしか出来なかった。
「ふっ…ふざけるな!!オレが死ぬはずがない!!十二鬼月となったこのオレが負けるなんてのは何かの間違えなんだ!!」
目の前の崩れる身体を見ながらもなお現実を受け入れることはなく、その横にいる杏寿郎に叫び続ける。
「貴様は!!貴様は!!許さんぞ!絶対にだ!!!必ず殺す…必ず殺してやるぞ!!この糞やろう!!!必ずだ!!!」
身体が全て崩壊し、ついに頭も崩壊が始まる。
鬼に残された時間は僅かだがそれでも鬼のやることは変わらない。
「殺す…殺してやる…!!呪い殺してやる…!貴様は必ず…上弦の鬼に殺されるんだ…!!」
「必ず!!!」
そう言い残すと頭もなにも残さずに塵となって消えていった。
「哀れな生き物だな。」
杏寿郎は鬼が居た場所に向かって独り言のように話し始める。
「自身が死ぬ直前になっても、誰かを思ったり自身を振り返ることもなくただ憎しみだけを、憎悪だけをわめき散らすとは、本当に哀れで悲しい生き物だな。」
そう言いながらその場所から藤の家へと移動する。
藤の家とは各所に点在する、鬼殺隊を認知している宿屋である。
鬼殺隊が運営する宿屋であり、一般人が使用できるものであり鬼殺隊を優先的に支援する目的のものである。
もう時刻は丑三つ時。
町中も月明かりと僅かな街灯が点る程度の明るさしかなく、町を出てしまえば月明かりのみでほとんどなにも見えなくなってしまう。
そんな状況を歩くのはとても得策だとは言えない。
そのため藤の家へと向かった。
杏寿郎が十二鬼月を倒したと言う情報はすぐさま鴉を通して鬼殺隊のお館様と柱の面々、そして煉獄家の人のもとへと伝達されたのであった。
柱達はその事実を認め、形上は杏寿郎のことを柱として認めていった。
煉獄杏寿郎が十二鬼月を倒してから数日が経過したある日、杏寿郎は悟空と千寿郎を連れてとある場所へと訪れていた。
「ここか?花柱がすんでると言う蝶屋敷は。」
「あぁ。ここであってますよ兄上。」
「とても大きなお屋敷ですね、杏寿郎兄上、悟空兄上。」
煉獄兄弟は3人とも胡蝶カナエの住む蝶屋敷へとやってきた。
扉をノックして中に自分達が来たことを知らせると、少ししてからパタパタと走ってくるような足音が聞こえてくる。
「いらっしゃい。よく来たわね~。」
扉を空けて3人を歓迎してくれたのは胡蝶カナエだった。
3人は胡蝶カナエに挨拶をしてから、屋敷の中へと上がっていく。
その屋敷にはいり広間へと案内されるとそこには2人の女性が待っていた。
「姉さんがいつもお世話になっております。胡蝶カナエの妹、【胡蝶しのぶ】です。以後お見知りおきを。」
そういいながら深々と頭を下げるカナエと歳の近い女性。
そして頭を上げると次に隣の幼い少女の紹介を始める。
「隣に居るのが、【栗花落カナヲ】と言います。どうぞよろしくお願いします。」
と再び頭を深く下げる。
「うむ、俺は煉獄杏寿郎!よろしくな!しのぶ!カナヲ!」
「おらは煉獄悟空。よろしくな。」
「ぼ、僕は煉獄千寿郎です。よ、よろしくお願いします。」
と煉獄家の兄弟も次々と挨拶をする。
それぞれの挨拶が終わると早速食卓につく。
目の前に広げられた豪勢な料理に悟空は思わず目を輝かせる。
「ひやぁ~~~~~~!これ全部カナエさんたちが作ったんか!?」
「ええ、がんばって用意したのよ♪」
カナエの言葉に杏寿郎も思わず感嘆の声を漏らす。
その様子に満足したカナエが早速食べようと促す。
皆が手を合わせて、食事の挨拶をすると目の前に溢れる料理の山に手を伸ばし始める。
「うっめえぇ~~~~~~!すっごく美味しいですよ!カナエさん!」
「あらあら、それはよかったわぁ。」
悟空が満面の笑みを浮かべながら料理の感想をのべると他の2人もそれに賛同するかのように料理の味を称賛する。
そんな料理を食べながらも話しはやはり互いの兄弟、姉妹の話しに移り変わっていく。
「そういえばしのぶくんは花の呼吸ではなく、独自の【蟲の呼吸】の開発に取り組んでいたそうだな。その後の調子はどうなんだ?」
「…毒の生成には成功しましたが、まだまだ全然安定しないこと、そして濃度も低いのでもっと調整しているところです。」
「そうか!さすがは花柱の妹だな!実に優秀ではないか!」
「ありがとうございます。(声の大きい人ですね…。この人が新しい炎柱。)」
「カナエさんが言ってたしのぶってのはスゴいんですね。鬼を殺せる毒を作るなんて、おら想像もしてませんでした。」
「悟空、別にさんなんて着けなくてもいいのよ?敬語なんて使わなくてもいいのに。」
「そういうわけにはいきませんよ。おらは甲でカナエさんは柱なんですから。」
「し、しのぶさん。もし蟲の呼吸が完成したら僕にも是非見せてほしいです!」
「ええ。いいですけれど、千寿郎さんなら炎の呼吸の方がよろしいのでは?」
「も、もちろんそうですが…他の呼吸にも興味がありまして。」
兄弟と姉妹はそれぞれ思い思いの会話を進めていく。
しかし、そんな中で一人だけ会話に参加しない人物が居た。
それは…
「なぁ、カナヲも花の呼吸を使うんだよな?カナエさんが言ってたぞ。すごい才能を秘めてるって。」
悟空がカナヲに話しかけてもカナヲが悟空に視線を写すだけでなにも答えようとはしない。
諦めずに再び同じ言葉を繰り返すがそれでもカナヲの表情が変わることはなかった。
「カナエさん。カナヲってもしかして喋れないんですか?」
悟空がさすがに気になってカナエに問いかける。
「う~ん、ちょっと特殊な事情があったから塞ぎ混んじゃってるみたいで…。」
「特殊な事情?あぁ。」
悟空が聞き返すとひそひそ話で話していた2人はさらに距離を寄せて耳元で囁くように話し始める。
「あのお食事処での話ですか?」
「そうなのよ。」
その話をすると悟空はカナヲの方へと視線を移す。
少しすると悟空は立ち上がりカナヲの隣へと移動して座る。
カナヲは少しだけ悟空から距離をとる。
どうやらあまり好いては居ない様子だった。
だがそんなことはお構いなしに悟空は再び話し始める。
「おらは鬼殺隊の煉獄悟空!まぁさっきも挨拶したんだけどな。」
相変わらずカナヲから返事は返ってこない。
だが話すことは決してやめなかった。
「カナヲの話しは聞いたぞ。実はな、おらもカナヲと似たような生まれを持ってるんだぞ。」
その言葉にカナヲは一瞬だけ反応を示したように見える。
それはカナヲだけではなかった。
「悟空さん?それはどう言うことなの?」
カナエもその台詞に驚いたのか質問を投げ掛ける。
すると悟空はなんのためらいもなく話し始める。
「おら、本当は兄上とも千寿郎とも血の繋がってないです。小せえころに森で捨てられていたおらを父上が拾ってくださったんです。」
衝撃的な事実にカナヲだけでなくカナエも思わず言葉を失ってしまう。
だが、それを見たとしても悟空は止まらない。
「小さい頃は杏寿郎や千寿郎と違っておらは暴れっぱなしで迷惑をかけまくってたみたいだしな。」
悟空は視線をカナエからカナヲに戻して笑顔で話す。
まるでその過去が全くもって辛くなかったとでも言うように。
「でも父上も母上も、おらを本当の家族のように、本当の息子として育ててくれた。」
なにも疑わずに
「兄上も千寿郎もおらを兄弟だと言ってくれた。」
まっすぐにカナヲを見つめて
「おらは煉獄家で育った【煉獄悟空】そして、【煉獄当寿郎】だ。」
そう力強く宣言する。
カナヲも悟空から目を離そうとはしない。
「おめえもそうだろ?どこで産まれたかなんて関係ねえ。この胡蝶の家で育てられてる【栗花落カナヲ】なんだろ?」
そこまで言いきってようやく悟空の言葉が止まる。
悟空は変わらないまっすぐな瞳でカナヲを見続ける。
カナヲはそのまっすぐな視線が自身の心を見透かしているように思えてしまいついには目線をそらしてしまう。
悟空はそれに小さくため息をつくが、次の瞬間彼の頭になにかが乗っかってくる。
「あぁ!その通りだぞ!悟空!悟空は煉獄家の立派な次男だ!!俺は悟空と千寿郎を弟に持つことが出来て誇りに思うぞ!」
杏寿郎が悟空の頭を力強く撫でながらそう宣言する。
「ぼ、僕も!悟空兄上のような兄上を持つことが出来て、幸せです!」
今度は千寿郎がそういいながら腕へと抱きついてくる。
「い、いきなりなにすんだよ~。」
口ではいやがるようなことを言いながらも、その困り顔を見た誰もがそれを本気とはせずに中に笑顔が秘められていること理解することは簡単だった。
そんな兄弟の様子を見て姉妹が黙っていられるはずはなかった。
「そうよ。もうカナヲちゃんは私たち…【胡蝶家】の三女なんだから。あなたはもう【栗花落カナヲ】なのよ。」
そう言いながら優しく抱き締める。
その暖かな感触にカナヲは体を僅かに震わせる。
そして、しのぶも同じようにカナヲにそっと近づきその両手を優しく包み込む。
「そうです。あなたは私たちの可愛い妹なのですから。」
そう言いながら笑顔でカナヲを見つめる。
カナヲの体は未だに震えていた。
それは恐怖から来るものなのではなく、全く別の感情の高ぶりからなるものであることをカナエとしのぶは理解できた。
それぞれの姉妹、兄弟の時間が流れていく。
少ししてからそれぞれは兄弟姉妹の交流へと戻っていく。
「それにしても悟空さんが拾い子だったなんて…。確かに言われてみれば悟空さんはあまり炎柱様にも千寿郎君にも似ていないですね。」
「そうかしら?顔はそうかもしれないけれど、彼の持つ心の強さはその熱さは杏寿郎さんや千寿郎君と何ら変わりのないものよ。」
「それくらい分かってます、姉さん。あくまでも顔の話をしてたんですよ。」
そんな様子で2人は悟空と杏寿郎たちを見比べる。
確かに、杏寿郎と千寿郎は兄弟と言われなくても間違いかなく血縁関係があることを信じて疑わないほどに容姿が酷似していた。
しかし、悟空に関しては髪の色や質、目付きなど顔のどこの要素をとっても似ていないものだった。
だがしかし、その理由は悟空自身が煉獄家の人間ではなく拾い子だったがゆえのことだった。
しかし悟空はそれを一切悲しいことだとは考えずにむしろ煉獄家の一員となれたことに嬉しさすらも感じているのだ。
彼の心の強さには胡蝶たちは思わず尊敬の念すら抱いてしまう。
そしてその存在は少なからずカナヲに変化をもたらせたのであった。
やがて悟空、杏寿郎、千寿郎(主に前者2人)は食卓にあった料理の全てを食べ終えると今後のことや今回のお礼などをいい、蝶屋敷を後にする。
柱である杏寿郎とカナエは杏寿郎が先日戦った下弦の鬼の詳細について話していた。
そんなとき悟空は突然声をかけられる。
「悟空さん。過去の辛い話をさせてしまい申し訳ありませんでした。」
その声に振り返ると、そこには頭を深々と下げたしのぶがいた。
「?別に辛いなんてオラは思ってねえぞ。だからに気にすんなってしのぶ。」
そう言いながら笑顔向ける。
嘘偽りがないことはすぐに分かる。
だがそれでもしのぶは続けた。
「あなたが辛いとと思っていないのは分かっています。それでも、決して…決して…幸せだと…感じているんですか?」
しのぶは言葉を変える。
なぜかえたのか悟空には分からなかったが自分の思いをそのまま伝える。
「オラが赤ん坊のことの話は覚えてない。だからあの時のオラが幸せだったかは分からねえ。けど、少なくともいまのオラは幸せだぞ。」
そうだ、過去を振り返ることをせずに彼は進み続けているのだと思いしる。
であればしのぶがカナヲにしてあげることは変わらない。
そう確認することが出来た。
「ありがとうございます。悟空さん。」
「ん?おう。」
なぜお礼を言われたのか、それは全く分からなかったがとりあえず返答はする。
やがてカナエと杏寿郎の話も終わると兄弟も姉妹はそれぞれの家へと戻っていった。
最近仕事が地獄そのものでした。
それゆえアニメも見れない時間が続き…
遊郭が見られませんでした。
なんとか少しでも書いていこうと思います。
でないと廃人になりそうなので…