鬼滅の刃 if episode:悟空 【焔は絶えず】 作:暁を拝む者
「はぁあ!!」
「でぇりゃあ!!」
2つの竹刀が互いにぶつかり合う。
2つの力は拮抗して譲らない。
一度吹き飛ばし合い、距離を取る。
すぐさま距離をつめて型を繰り出す。
【炎の呼吸 壱ノ型:不知火】
【炎の呼吸 弍ノ型:昇り炎天】
2つの技がぶつかり合い、激しい衝撃があたりに散らばる。
互いに扱う呼吸は炎の呼吸、会得している型も全く同じ、実力も拮抗している、故に互角。
互いの技をぶつけ合うが決着はつかない。
再び距離をおき今度は別の型をぶつける。
【炎の呼吸 参ノ型:
【炎の呼吸 陸ノ型:
片方は上段からの振り下ろし、もう片方は強い踏み込みからの素早い突きだった。
竹刀を振り下ろし切る前にその竹刀を突き穿つ。
突きが完璧に決まり、食らった人物は大きく体制を崩す。
突きを放った人物はそのまま竹刀を相手に向かって斜めに振り下ろす。
相手は重心が後ろに傾きながらもそのまま地面を蹴り出してバックステップを取り、刀の攻撃範囲から抜け出して躱す。
が体制は後ろにのけぞっている。
次の攻撃がその隙を逃さずに迫りくる。
【炎の呼吸 肆ノ型:
突撃しながら新たな型を繰り出す相手に向かって、杏寿郎は目を見開きその動きを見極める。
相手の炎の呼吸の型を横にステップを踏むことでギリギリで回避し、逆に自身の攻撃の方を繰り出す。
【炎の呼吸 壱ノ型:不知火】
繰り出された型は相手の頚椎を完璧に捉える。
相手は短い悲鳴を上げ、そのまま地面に突っ伏した。
地面に倒れ込んだ人物が再び目を開くとそこには見慣れた顔があった。
「大丈夫か!悟空!」
「大丈夫ですよ、兄上。…イッ!?イチチ…!」
「悟空兄上!ご無理はなさらずに。」
悟空は大丈夫といいながらも痛むうなじに手を当てる。
どうやらダメージは小さいわけではなさそうだった。
その後、悟空は少しばかりの休養を取り杏寿郎は鬼の討伐へと向かっていった。
千寿郎と悟空は杏寿郎が討伐へ向かったあと少しだけ杏寿郎についての会話をした。
「極地、ですか?」
「あぁ、極地だ。兄上はいつか到達できる場所だって言ってたんだけどよ、それがどんな場所なのか全く分からねえんだ。」
そう言いながら首を傾げるが、首に鋭い痛みが走りすぐさま元に戻す。
「っ〜!兄上いわく、相手の動きを感じられるっていうんだけどよ、オラにはよく分からねえんだ。きっと【前にオラの破れた血管を見つけた】やつみたいなものだとは思うんだけどな。」
そんな会話をしながら、やがて日が暮れるとふたりは早めに床につく。
次の日も、明くる日も、鬼と戦いながら悟空と杏寿郎は互いに特訓を重ね、その【極地】を目指し己を高めていった。
やがて時はたち、一人の少年がとある鬼と出会うことで運命の歯車は大きく動き始めた。
「蟲柱様〜。」
陽気な声が蝶屋敷へと響き渡る。
その屋敷の当主は小さなため息を付きながらその人物がいるであろう場所へと迎えに行く。
「悟空さん…と千寿郎くんですか。なるほど、それなら用事は把握しました。」
「はい、今日もご指南をよろしくお願いします!」
そう言いながら千寿郎は深々と蟲柱にお辞儀をする。
それを聞いたしのぶは笑みを見せながら快く了承し、屋敷の中へと案内する。
それを見ていて悟空はしのぶに声をかける。
「なぁ!その間オラはカナヲと修行しても「ダメです。」…いっ!?」
話を言い終える前にしのぶの否定の意が告げられる。
悟空は目を丸くしながら慌てたような様子を見せながらもう一度しのぶに向けて声を上げる。
「なんでですか!?オラはちょっとだけ…「悟空さん?」…はい!」
再び悟空の言葉はしのぶの声で遮られる。
その声は先程までもさらに冷たい声であった。
「くれぐれも勝手にカナヲと特訓や修行を行わないでいただけますね?悟空さん?」
冷たい。
非常に冷たい声だった。
振り向きこちらに向けられた顔は笑顔であった。
しかし全く安らげるものではなかった。
恐怖を覚えるくらいには冷たい笑顔であった。
これには悟空も背筋をぴしっと伸ばし敬礼をする。
「はい。分かりました。蟲柱さま。」
そう言うと踵を返して歩いて去っていく。
が、すぐに立ち止まり再びしのぶに声をかける。
「蟲柱さま。かなえさんの様子はどうですか?」
その言葉にしのぶの足が止まる。
悟空の目には先程までの恐怖や同様はなく、心配な様子を見せた純粋さだけがあった。
しのぶは一呼吸置いてからその質問に回答した。
「変わりません。あの時からそのまま。」
「そうか…。ありがとうございます蟲柱さま。」
「悟空さんこそ心配してくれてありがとうございます。ちなみに十さんは…。」
「…。」
しのぶの問いかけに悟空は答えることができなかった。
しかしその沈黙が答えであることをしのぶはすぐに理解しそれ以上の問は投げなかった。
3人は静かにそれぞれの方向へと歩いていく。
しのぶと千寿郎は屋敷の中へ、御供は屋敷の外へと出る。
すると悟空の肩に一羽のカラスが飛んでくる。
肩に止まると大きな鳴き声で伝令を伝える。
その伝令を聞いた悟空は少し目を丸くしながら、伝えられた場所へと駆けていく。
十二鬼月がいると思われる被害地へと向かって。
悟空が十二鬼月の討伐を終えた頃、別の場所でも十二鬼月の討伐が行われていた。
下弦の伍の鬼である【累】によって多くの隊士が殺害されたが、柱が合流したことによって解決する。
十二鬼月ももちろん大変な事態なのだが、今回はそれと同等、いや下手をすればそれ以上の異常事態が巻き起こっていた。
鬼殺隊の隊員が鬼を匿っていたのだ。
鬼を殺さればならないはずの鬼殺隊の人間が鬼をかばうなどあってはならないこと。
それは鬼殺隊としても大問題となり、鬼を連れた隊士と鬼の子は鬼殺隊に囚われ、柱たちの前へと連れ出されたのであった。
「ち、違うんです!俺の妹なんです!」
どうやら妹が鬼にされてしまったのを庇い続けていたらしい。
無意味だった。
現状、鬼を人間に戻す方法など存在していない。
鬼になった人間は決して戻らないのだ。
それをこの少年は受け入れることができていない。
周りから見れば哀れな少年が現実を受け入れられずに錯乱しているようにしか見えなかった。
が、鬼の本性を探ろうとした風柱の作戦は裏目に出てしまい人の血を見ても人を一切襲わなかった禰豆子をみたお館様は柱たちに鬼の禰豆子のことを【人を襲わない鬼】として発言。
柱たちは様々な思惑は持ちながらもその意見にひとまず先導し、鬼殺隊の中でも異例中の異例である鬼の在中の許可を出すこととなった。
その噂は瞬く間に鬼殺隊の中へと広がっていった。
そしてその噂に反応したものがここにも一人。
「なぁ、おめえ十二鬼月と戦って生き残ったんだろ?強えんだな!」
まぁ、彼は【
炭治郎は
優しい匂いがするが、それ以上に初めての匂いが彼を物語っていた。
(何だこの匂いは?表裏のない…純粋な人なのか?)
「オラには分かるぞ。おめえはまだまだ強くなれるってな!」
「分かる…ですか?いや、それよりもあなたは?」
「オラか?オラは煉獄悟空だ!おめえは兄上にあったんだろ?」
驚きの言葉を告げられて目を丸くする炭治郎。
「兄上?誰のことですか?」
誰のことがわからないとでも言いたげに目を丸くしたままそう言葉を告げる。
あたりまえだった。
およそ2週間にあった柱合会議では炭治郎は裁判の被疑者として柱たちの前に拘束された状態で突き出されたあげく、名も知らぬ柱たちにイカれた隊士として扱われのである。
結局柱で名前を知っているのはいまだに彼を助けてくれた水柱の富岡義勇のみであった。
そんな様子なのだが彼の肩にかかっている羽織には見覚えがあった。
「その羽織は…貴方は炎柱の弟なんですか?」
「あぁ、そうだぞ。炎柱の煉獄杏寿郎はオラの兄上だ。」
それを聞いて頭の中で炎柱の姿を浮かべるがあまりにも似つかない二人に首を傾げる。
だがその羽織を見る限りは嘘はないだろうし、何より匂いで嘘をついていないのがわかった。
なぜ彼が炭治郎に話しかけてきたのかを問おうとする前に彼からその理由が語られる。
「なぁ、オラと組打ちをしてみねえか?いや、してくんねえかな?」
「組打ち…ですか?」
他の隊士からそんな依頼を受けたのは初めてのことだった。
基本的には鬼殺隊同士の私闘は厳禁である。
貴重な戦力を自ら減らしかねないからである。
組打ちもその一種に含まれているのではないかと考える炭治郎。
だが、それを考えると同時にある場面が脳裏に浮かんでくる。
「血鬼術…
動けない身体にとどめを刺される瞬間の映像だった。
身動一つ取ることができずに、助けが来なければそのまま死んでいただろう。
そんなことを思い出す。
(このままじゃだめなんだ…!禰豆子を人間に戻すにはもっと無惨に近い血が必要なんだ。累の血は確かに無惨の匂いが強かった…それでも!)
強い眼で悟空を見つめる。
「ぜひともお願いします!」
そう言いながら体を起こそうとする。
まだ完全に治療を終えているわけではないので体には鈍痛が走る。
それでもやめない。
「今すぐってわけじゃねえさ。怪我してるなら無理すんな。」
「いいえ、少しでも強くならないと…!禰豆子のためにも…!」
そう言いながら軋む体に鞭打って起き上がろうとする。
それを見た悟空は目をキラキラさせながらエールを送る。
「よし!それなら早くやろうぜ!善は急げってやつだ!」
「は、はい!」
布団から起き上がり床に立ち上がる。
そして「できます!」とでもいうかのように強い目を悟空に向けると、悟空は笑みを浮かべながらうなずく。
「ナニヲシテイルンデスカ?フタリトモ?」
背筋が凍りつく。
時が止まったような感覚に陥り、部屋の空気が一気に重くなったのを肌で、感覚で感じ取る。
炭治郎はガタガタと体を震わせているがそんな様子も今の悟空の目には全く映らない。
同じく震えながら声が聞こえてきたであろう背後へとゆっくりと振り返ると、そこには満面の笑みを浮かべた蟲柱が立っていた。
それを見た悟空は更に一層血の気が引いていく。
「む…むしばしらさま?な…何をそんなに怒っていられるのですか?」
「怒っていませんよ?安心してください。怒っていませんから笑顔じゃありませんか。」
嘘である。
その顔からは喜びや幸せの感情がないことなど誰が見ても明らかだった。
怒り、怒り心頭である。
ヤバい。
誰もが理解する。
「おらは何もしてないですよ!?本当に!」
「安心してください。やろうぜといったあたりから聞いてますから。」
悟空の顔が真っ白になる。
あぁ、終わったと。
すると悟空の後ろから声が聞こえてくる。
「し、しのぶさん!俺が無理をいったんです!悟空さんはオレの無理を聞いてくれようとしただけで…!!」
それを聞いた胡蝶はため息をつくと炭治郎のもとまで歩いていき、炭治郎を寝かせる。
そして悟空に向き直ると次はないと言い伝え、別の病室へと戻っていった。
悟空はホッとしたように額の汗を拭うと、寝ている炭治郎の横に座る。
「しのぶはおめえのために怒ったんだ。だから怖がんないでくれよ。…まぁ、おっかねえのはわかるんだけどな…。」
そう言い終わるとすっと立ち上がる。
すると同じタイミングでカラスが悟空の肩へと舞い降りてくる。
「デンレー!デンレー!浅草ニイケ!浅草ニイケー!!」
「浅草か…。そういや、
そうつぶやきながらカラスの頭を少しだけ雑に撫でる。
そして浅草へと目的地を定めるが早く、恐ろしい速度で蝶屋敷をあとにした。
数カ月。
炭次郎の怪我が治るまではかなりの時間がかかった。
故に
だが、それでも今その組打ちが叶おうとしていた。
「行きます!悟空さん!お願いします!!」
「あぁ、頼むぜ。炭次郎。」
お互いに木刀を構える。
「おめえは水の呼吸の使い手なんだろ?それなら拾ノ型でこいよ。」
「拾ノ型?それって…。」
【水の呼吸 拾ノ型:生生流転】
水の呼吸の最後の方であり、最も高い攻撃力を誇る技である。
いきなり、そんな技を叩き込んでこいと言われたのだ。
(…オレは、まだまだ弱い。炎柱の弟さんであるということはかなりの実力があるはず…。どれほどの距離が俺とあるのか、それを探るには全力をぶつけるしかない!)
「全!集中!!」
大きく呼吸を整えて、最大制度で水の呼吸の型を繰り出そうとする。
「水の呼吸!!拾ノ型!!」
大きく回転しながら悟空へと向かって飛び上がり、距離を縮めていく。
「生生流転!!!」
回転を繰り返しながら水の呼吸の最後の技を放つ。
その一撃を悟空に向かって振り下ろすが、あっさりと捌かれる。
だがこの型はそれでは終わらない。
躱された瞬間その勢いのまま回転し、もう一度悟空に向かって飛び込み、斬り込んでいく。
先程と変わらず悟空はその攻撃をいなす。
それを繰り返していく。
水の呼吸の拾ノ型は単発の攻撃ではない。
連続で攻撃を織りなす技であり攻撃回数、回転するに応じて攻撃力を上げる水の呼吸の最大攻撃力を誇る型であった。
故に躱されれば躱されるほど炭次郎の攻撃は勢いを、その破壊力を増していく。
だがしかし、
「お、おい見ろよ。炭次郎の攻撃が全部片手で受けられてる…。」
「あ、あいつ…。めちゃくちゃつええぞ。」
どれだけ回転数を重ねても、悟空対処は変わらなかった。
常に片手で捌かれる。
(こ、こんなにも違うのか!?今の俺と
そんなことはないと、刀を降る腕に更に力を込めて攻撃を仕掛けるがそれでも結果は変わらない。
いや、それどころか…
(ん?攻撃の威力が上がらなくなってきたのか?)
悟空それに気づき炭次郎の顔に視線を落とす。
すでに苦しそうな顔をしながら生生流転を放っていたのがわかる。
(もしかして、【もう】呼吸の精度が落ち始めたのか?)
悟空はもう数発か炭次郎の攻撃を受け、これ以上攻撃力が上がらないことを確認すると片手ではあるが初めて攻撃の構えを取る。
そして次に攻撃を仕掛けてきたタイミングで炭次郎の攻撃に合わせて鋭い突きを繰り出す。
炭次郎は木刀を正確に撃ち抜かれ、手からその刀をこぼしてしまう。
そのあまりの破壊力に炭次郎は攻撃の勢いも完全に殺され、後ろへと尻もちをつく。
「ぜぇ! はぁ! ぜぇ! はぁ!」
体全体で大きく呼吸をする。
全集中の呼吸を継続してここまで長く使用したのは初めてのことだった。
その反動が来ていた。
全集中の呼吸は魔法などではない。
ただの身体能力を向上させるための呼吸の技術である。
ようは自分が日常的に使う力以上の力を引き出しているのだ。
それを行使すれば当然ながら体には大きな負担がかかる。
「大丈夫か?竈門?」
「はぁ!はぁ!…はぁ!は、はい。…ありがとう、ございます。」
苦しそうに悟空から差し出された手をとって立ち上がる。
立ち上がったあとも呼吸が落ち着くことはなくなかなか話し始めることができない。
それを見ていた悟空は炭治郎に回復の呼吸を行うように伝える。
炭治郎はそれがわからないとでも言いたげな自然を彼に向ける。
それを受け取った悟空は手短に説明を始める。
「体の緊張を解き、大きく全集中の呼吸をする。そして、全身の血管に酸素を回す。全集中の呼吸の酸素を全てだ。」
炭治郎は言われたとおりに呼吸を行う。
すると2度繰り返す頃には呼吸は整っており、前かがみの姿勢も直せるほどになっていた。
「ありがとうございます、悟空さん。お手合わせさせていただいただけでなく、新たな呼吸法の伝授までしていただいけて…。」
「いいや、手合わせをしたいって言ったのはおらだ。むしろお礼を言うのはおらさ、ありがとうな炭治郎。けどよ、」
悟空は感謝を述べる。
しかしその次に出てきた言葉に後方の二人は流石に驚きを感じる。
「おめえ、思ったよりも強くねえな。」
「ぐはぁ!?」
突然の罵倒に炭治郎はダメージを受け、二人はすぐに炭治郎の元へ走る。
善逸は炭治郎に心配の声をかけ、伊之助は悟空に向かって指を向ける。
「おう!そこのツンツン頭のお前!この俺様とも勝負しやがれ!」
「…いや、今おらと組打ちしても炭治郎と同じようなものだろ。」
「なんだとぉ!!?」
「まずは全集中の呼吸:常中を…っ。」
「うるせぇ!猪突猛進!!」
悟空の話を遮って伊之助が折れた日輪刀を突き立てる。
悟空はそれを片腕で防御する。
悟空は軽くため息をつくと、伊之助の刀を軽く弾き距離を離す。
そして軽く構える。
伊之助はそれを見て一瞬口角を上げるが、すぐに緊張した趣になる。
(隙だらけに見えるのに…う、打ち込みにいけねぇ…。全身がビンビンに反応してやがる。)
伊之助はその隙だらけの構えになぜか打ち込みに行くことができずに時間が流れる。
「伊之助?」
炭治郎の声にハッとした伊之助は悟空にめがけて飛びかかり、型を繰り出す。
【獣の呼吸 参の牙:喰い裂き】
伊之助の両手から放たれる二刀の一撃は悟空を捉えることはなく、ただ虚空を裂くだけであった。
眼の前から悟空の存在が消え、その場にいる三人は目を丸くする。
(な!?どこにいきやがっ…!!)
伊之助が思考を巡らせる暇もなく両の手に大きな衝撃が走る。
思わず両手に持っていた折れた日輪刀を手放す。
日輪刀が地面に刺さる。
尻餅をつく伊之助とその直ぐ側で木刀を地面に向け伊之助に呆れた視線を向ける悟空、そしてそれを唖然とした様子で見つめる二人の姿があった。
悟空は再び小さなため息を付きながら話し始める。
「…おめえたちはかなりセンスは有ると思うぞ。だけど、まだまだ呼吸の練度が浅え。とりあえずは全集中の呼吸に慣れろ。そうすればもっと強くなるさ。」
そう言うと、地面に突き刺さった折れた一対の日輪刀を拾い上げて、伊之助に投げ渡す。
伊之助がそれを取るのを確認すると、悟空は屋敷の中へと戻っていく。
「あっ…ありがとうございました!」
炭治郎は悟空に挨拶をする。
善逸もそれに習うかのように小さくお辞儀をする。
そしてそれをしなかった伊之助は炭治郎に注意を受けているようだった。
しかし、それらに対して悟空は決して振り返ることはなく、片手で軽く返事をして屋敷の中へと戻っていく。
蝶屋敷の中へ入ると、蟲柱に出会う。
すると蟲柱は少し驚いたような表情をしてこちらに向かってくる。
何かを伝えようとするがそれを悟空の伝令カラスが遮る。
「元空柱、十冠十郎〜。十冠十郎を発見〜!」
悟空がその内容に目を見開く。
だが、次に聞こえてきたのは絶望の伝令だった。
「十冠十郎ー!〇〇地方の森林内にて死亡を確認!」
久しぶりの投稿です。
原作とは一部流れが変わっておりますが、大まかな動きは同じです。
もうリアルが忙しすぎて死にかけています…