俺はスッキリした戦場の只中に突っ立っていた。
まぁそこら彼処にグラディウス達に切り刻まれた悪魔達の死骸が放置されているが、時が経てば消滅する為大丈夫だろう。
そのグラディウス達は既にこの場にはいない。
戦闘が終わった後は早々に帰還させた。
『ガァァァァァッ‼(ヤダッ‼ 帰りたくないです主ッ‼)』
『カァカァ......(ほら、我儘言わずに帰りますよ......)』
『ガァガァ‼(せめて私だけでも主の御傍にッ‼)』
『カァ......カァァァァ(はぁ......全員で
『カァカァ(((りょうか~い)))』
『ガァァァァァッ⁉(主ッーーーーーーー⁉)』
帰還させる際に滅茶苦茶ガァガァ喚いてる個体がいたけど何だったんだろう。
もっと悪魔を殺したかったのだろうか。血の気が多すぎんだろ。
てか、
俺の命令を聞いてるというより、自分達で考えて動いてるような。学習能力が高いだけか。
......アイツ等ちょっと物騒だったから、今後は使用を控えるか。
俺は悪魔達の死骸を一瞥しながら戦場を練り歩く。そしてお目当てのモノを見つける。
「おっ、最初に切り取られただけあって他の悪魔達より綺麗に死んでるな」
触手型の悪魔であるクリフォトの根の残骸を発見する。
地面から生えて一生懸命のたうち回っていた彼等も、グラディウス達の
「そんな事より、さっさと調べるか」
他愛もない考えを頭から叩きだし、俺はクリフォトの死骸へ触れる。
そして意識を集中させる。
―― 同調、開始
俺の能力の一つである分裂能力。応用で細胞レベルまで分裂した現身を
―― 末端、接続
クリフォトの根と一つになった俺に今度は本体である俺自身が接続する。支配下に置いた相手に接続など簡単な事。拒絶反応も起こらずに俺は意識を沈め込む。
――
死んでまだ時間はそれ程経っていない為、真新しい
ルシファーは
そして数分の時が過ぎる。
―― 工程、完了
「ん~、確かに俺の力を使った悪魔だな。ありゃあ......」
クリフォトに
どう見ても俺の力の一部を使っている。あのダンテやバージルを退ける力を通常の悪魔が持っているのは正直考えられないからな。
「なら、やっぱり
今は何ともない右腕を摩りながら俺は呟く。
別に幻肢痛で痛みを覚える等といった事ではない。腐ってもこちとら悪魔だ。その程度で弱音は吐かない。しかし、ムンドゥス程度にしてやられたのにはムカついた。
昔の事を思い出しながら苦々しく思っていると、地面が僅かに揺れる。
「こいつは......」
揺れは次第に強くなり、ひと際大きくなったと思いきや地面が破裂する。正確には地中から何か飛び出した勢いで、地面の土が吹き飛んだだけだが。
それはさておき ――
「お前さん誰よ?」
「お、お前こそ。だ、誰だ」
今俺の眼前に何とも形容しがたい悪魔が一体いた。
外見は先程まで見ていたクリフォトの根っ子の先に人型の上半身をくっ付けた様な奴だ。ただ、その上半身が醜悪だった。赤いグミを纏めた様な姿に全身の無数の棘と両肘から先の鋭い一本棘。顔に相当する部分には目や口などは存在しない。
他には地面から飛び出してる体の付け根から、蛇のような口を持つ触手も複数生えていた。
酷いだみ声で喋るその悪魔はこちらの言葉を無視しながら逆に問い掛けてくる。
面倒だった俺は挑発交じりに言葉を返した。
「先に聞いたのはこっちの方だ。さっさと答えろバカ」
「ば、バカって言ったなこの野郎⁉」
「言ったさ。もっと言われる前に喋ったらどうだ」
「お、俺をバカにするなァッ‼」
沸点が余りにも低かった
彼にしてみれば止まっているかの様に遅い攻撃をぼんやりと眺める。
「おっと」
突進する触手を簡単に避けてみせる。
それを見た悪魔が更に怒る。
「殺してやるッ! ブチ殺してやるッ!」
「
「死ネェッ‼」
最早こちらの言葉は聞こえないとばかりに触手による攻撃を開始する。
ルシファーは自身に迫りくる触手を躱しながら思案する。
「(グラディウス達はさっき試したし、別のモンで戦いたいが......)」
一応、上級悪魔っぽいしグラディウス達をまた試すのも悪くないかと一瞬考えるが、それじゃあ面白みがない。どこからか”カァ(そんなぁ)”と聞こえてきた気がするが、気のせいだろう。
暫く考えに浸ると、とある
俺は迫る触手を大きく躱し、宙へその身を投じた。真下から見上げる悪魔に笑みを漏らす。
「―― テメェの調理方法を思い付いた。特別に俺自ら馳走してやるよ」
グラディウス達を呼び出した時と同じ様に、転移で
剣の銘は【カリバーン】。
グラディウスを開発したとある科学者の作品であり、
この剣は背にジェット推進器をつけた機動仕掛けが施されており、男の
ぶっちゃけるとグラディウス達を
どちらも同時期に入手した物だから、結構一緒に使ってたなぁ。カリバーンとグラディウス達を同時に使用するとグラディウスの性能が一時的に上昇したが、あれは結局なんだったんだろうか。
カリバーンもグラディウスと同様に俺の魔力と血で改造を施している。一種の魔具と化しているカリバーンは俺に呼応して力を発揮する。
ちなみに甥っ子にあたるネロはカリバーンの改造版【レッドクイーン】を主に使用しているので親近感が覚える。まぁネロの方が使用年数は長いので、俺の方が後輩の立場になるんだがな。
俺は両手で掴んだカリバーンの切っ先を真下に向けて、体重を乗せて勢いよく降下。真下にいた蛇口の触手へカリバーンの刀身を深々とぶっ刺す。
「アァァァァァッ⁈」
「煩い、騒ぐな」
触手が痛みに声を上げるが俺は気にせず柄のアクセルを思いっきり捻る。すると噴射口から火が噴き出す。
ネロが待つレッドクイーンは改造で多くの噴射口を付けたり
俺は魔力を流しながら更にアクセルを捻る。すると噴射口から火と雷が爆発的に噴射された。
それに伴って刀身に
「ガァァァァァッ⁈⁉」
「ギャアアアァァァッ⁉ き、貴様ァァァッ‼」
内側から二種の属性攻撃を喰らって身悶える触手。攻撃された触手と繋がる
「駆け抜けるぜッ!」
剣をブッ刺したまま俺は触手の身体を全力で駆ける。二種類の属性を伴ったカリバーンはまるで豆腐を斬る感じで触手の身体を切り裂いていく。
魔具と化したカリバーンは多少の無理をさせても強度的に問題はない。寧ろ、俺の魔力を浴びて活性化さえしている。だが無理をさせているのは事実なので、その代償として噴射口から1m程の
持ち手の俺にすらその攻撃は飛んでくるが、悪魔の身である自身を害する程ではない。その為、改良などせず俺はそのまま使い続けていた。
「や、止めろォッッッ‼‼」
高速で移動する俺を捉えられず痛みに宣う悪魔。
触手の身体を伝ってすぐに本体と繋がった根元まで到着する。
「じゃあな、ブサイク野郎」
俺は最後にアクセルを捻りながら剣を振り抜く。
更に出力を増したカリバーンは剣が壊れる勢いで悪魔を切り裂く。
「アァァァァァアァァァッッッ‼‼‼」
最後にひと際大きな叫びを上げた悪魔は、そのまま周囲の触手と共に地に伏せる。
その最後を眺めながら俺は唐突に思い出す。
「あっ、コイツって確かニーズヘッグじゃなかったっけ?」
絶命した後に思い出される辺り、可哀想な悪魔であった。
◇
俺はニーズヘッグの体液が付着したカリバーンを二、三回振って汚れを落とす。
綺麗になったそれをまた転移で元あった場所に戻す。
魔具化しているので自身の中に収納する事も出来るのだが、気分的に外へ出していた。
「はぁ、結構な数の悪魔達がいたな」
先程倒したニーズヘッグも含めて既に悪魔達は消滅している。
正真正銘一人になった戦場で一息つく。
「どうすっかなぁ。俺も人間界へ行ってみるか」
一応消滅する前にニーズヘッグの死骸にアクセスして
大した情報は持っていなかったが、奴は
とにかく、これ以上魔界にいても俺に関しての情報は出てこないだろう。
つまり人間界に出向かなければこれ以上の進展は見込めない。
「......まぁ、お袋の所に顔を出すついでに
ユリゼン擬きを創ったのは誰なのか。
ルシファーは新たな情報を求めて、魔界からその姿を消す。
◇
ルシファーが姿を消した少し後、戦場に一人の男が姿を現す。
「――――――」
フード深く被り顔を隠した男は戦場を一瞥した後、何も言わず立ち去る。
グラディウス達から一言
「ガァァァァ‼(あんな
「ガァ......(同じ
対抗意識を燃やして性能を一時的に上昇させてた感じです
すいません。アプリのイベントが始まったので投稿が遅れるかもしれません
後、私は度々このような事を言って投稿を遅らせるのでお読みになる際はご注意下さい