スタイリッシュな双子の兄貴になりました   作:クリカラ

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第4話  大いなる力には大いなる責任が伴う

 

 

 

 

「ハァッ!」

 

 ダンテがルシファーへ距離を詰めた。踏み抜かれた大地は彼の足跡をくっきり残し両者の距離を武器(エモノ)の射程範囲まで収める。すかさず魔剣ダンテを振り抜くがそれに合わせてミラージュエッジをぶつけるルシファー。両者の武器が鍔迫り合いによって火花を発生させ、受け止めたルシファーの足元を数センチ程陥没させる。

 

「フンッ!」

「うおっ⁈」

 

 ルシファーは片手で攻撃を受け止めたが瞬時に両手に持ち直して、バットを振る要領で武器ごとダンテの身体を吹っ飛ばす。そうする合間にも蒼い閃光が近くまで迫る。蒼い閃光――バージルはがら空きとなった右腹部を狙って閻魔刀を加減なく振る。

 

「―― ハッ!」

 

 バージルの攻撃にルシファーは彼と刀身の間に瞬間的な盾として幻影剣を出現させる。僅かでも閻魔刀の速さ(スピード)を緩められればと考えた幻影剣(ソレ)は、何の抵抗もなく両断される。

 

「ッ⁈ 舐めるなッ!」

 

 しかし、素直に攻撃を通してやろうと考える程ルシファーは甘くなかった。ミラージュエッジを手放し、空いた右腕の肘と右足の膝で真剣白刃取りを行う。見事に成功させ閻魔刀を抑える。

 

 そんな彼を嗤うバージル。

 

「そら、ヤツが来るぞ?」

 

 バージルが告げた瞬間、いつの間か二人の頭上に移動していたダンテが、ルシファー目掛け剣を急降下させる。

 

「死ねッ!」

 

 にこやかな笑顔で物騒なセリフを吐くダンテ。この重い一撃が頭に直撃したら、悪魔の身体でも流石に致命傷になるだろう。

 

「ちょ、まッ ――」

 

 これは拙いと判断し、白刃取りを止めてジャンプで後方に撤退する。ダンテの魔剣に僅かばかり髪を斬られながらも、何とか躱す事に成功し冷や汗を流すルシファー。

 

「危なk ――」

「次は、俺の番だな」

 

 休む暇を与えずバージルはルシファーの周りに円陣状へ幻影剣を配置する技【烈風幻影剣】を。逆に自身の周りに配置する技【円陣幻影剣】と、高速突進を行い斬撃を繰り出す技【疾走居合】を放つ。ルシファーに配置した幻影剣で彼の動きを封じ、自身に纏わせた幻影剣と閻魔刀で繰り出す無数の斬撃を以て打倒しようとするバージル。

 

 バージルの攻撃に加え、ダンテも腰のホルスターから大型二丁拳銃【エボニー&アイボリー】を抜き取り無数の弾丸を放った。

 

 ルシファーは事ここに至って出し惜しみしている場合ではないと判断して、己の中に封じ込めた魔具(ぶき)を呼び出す。彼の両手足が一瞬光った後、そこに金属製の籠手と具足【衝撃鋼ギルガメス】を装備したルシファーの姿が在った。

 

「―― ハァァァァァアッ‼」

 

 ダンテも使用した魔具(モノ)であるそれを装備したルシファーは、躊躇なく自身の足元に拳を叩き込み周囲に衝撃波を発生させる。彼の周囲に浮かんだ幻影剣は衝撃波で消し飛び、間近まで迫っていたバージルを吹き飛ばす。ダンテが放った弾丸も風圧で勢いを失い、力なく地面へ転がった。

 

 転がった弾丸に視線を送りつつ、ルシファーの魔具を観てダンテは懐かしさを感じる。

 

「そいつは俺が持ってた魔具(ヤツ)と同じ奴か?」

「多分、同じだろ。ギルガメス(コイツ)は個体数の少ない悪魔だが、一点(レア)モノって訳でもないからな」

 

 そう言いつつもフェイスガードを出したり、空中に鋭い打撃(パンチ)を繰り出して遊んだり等と思いの外楽しむルシファー。そこに先程吹き飛ばされたバージルが戻ってくる。

 

 ギルガメスの感触を確かめながら双子を見てある事を思い出す。

 そういえば、この二人も自身と似たような魔具を所持していた事を。

 

「なあ、お前達。丁度いい機会だから、格闘戦(コレ)に付き合ってくれないか?」

 

 己の拳を搗ち合わせながらルシファーは二人に提案する。

 彼の提案に二人ともそれぞれ違った表情で拒否する。

 

「何故、貴様に合わせなければならない」

「俺は汗臭くなりそうだから御免だね」

 

 バージルは抑々誰かに指図されて戦うのは好きではない拒否。

 ダンテは純粋にめんどくさそうに拒否する。

 

 二人の反応が大体予想を通りであった為、簡単な方(バージル)を焚き付ける方向にチェンジ。

 ルシファーは心底可哀想なモノを見る表情を作りながらバージルに謝罪する。

 

「まぁ、仕方ないか。バージルは閻魔刀を使わないと俺に勝てないからな」

「―― ナニ?」

 

 バージルの表情が変化するがお構いなく話を続ける。

 ダンテはこの段階でどういう結果が出るのか色々と察し、二人からサッと離れていった。

 

「偉大な兄に対してそんな重いハンデを背負わせる所だったのか。兄貴として失格だな」

「......」

 

「でも、安心しろ。優しい兄は、弱い弟(・・・)を怖がらせたりしないからな」

「............」

 

「こんな優しい兄をもってお前も鼻が高いだろ、バージル?」

「..................」

 

 芝居掛かった、若干棒読みレベルの言葉を吐いていくルシファー。

 その間にもバージルの表情が無へと変わっていく。

 

 ダンテは簡単に挑発へ乗せられる双子の兄(バージル)を見つめ、めんどくさい状況になったと嘆く。

 

「あーあ、俺し~らね」

 

 観客気分となって二人から離れた位置で雑魚寝をするダンテ。

 どうして双子でこうも違うのかねと内心考える彼だったが、若い頃はどっちもどっちだった事をすっかり頭の中から忘却していた。都合がいい記憶力であった。

 

 

 

 

 

―― 第二ラウンド発生まで、あと数秒 ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― 親父殿(スパーダ)が、行方不明となった

 

 ぶっちゃけた話、原作ゲームでスパーダが行方不明なのは物語上(ストーリー)的に仕方がない事だとは思う。英雄(スパーダ)が出てくれば息子(ダンテ)が戦う必要がないからな。

 

 死んだと明言されないのも後の作品でフラグが回収されるかもしれないしファンが考察する為の余地(ネタ)をただ提供しているだけかもしれない。

 

 まあ、何が言いたいかと言われれば、一言で足りるだろう。

 

―― ふざけるな、と

 

 愛した妻と幼い子供達を置いて、行方を晦ますなんぞ許せるわけがねえ。自分の考えが正しいか間違っているかなんてこの際如何でもいい。ストーリーが破綻しようが関係ない。俺はスパーダを行方不明になんぞさせんと誓った。

 

 だが、スパーダは姿を消した。元からそんな人物いなかったかのように。

 

 人間の女性(エヴァ)に別れを告げている場面(シーン)を視た。このタイミングで接触すれば少なくともスパーダの足取りは追えるだろうと高を括った。まさに接触しようとしたその時、俺に不快な暗転(ノイズ)が走った。それは一瞬の出来事だった。だが、その一瞬でスパーダは姿を消した。

 

 俺は出来うる限り探した。スパーダが人間界で訪れた場所、魔界で訪れた場所、両方を探したが駄目だった。勿論、関係がなさそうな場所も全て探した。でも、痕跡一つ出てこなかった。

 

 俺は気味の悪さを覚えた。

 

 2000年前、裏切り者(スパーダ)に封印された魔帝ムンドゥス。しかし、2000年経った現代において復活を果たし、裏切り者(スパーダ)と彼の血族を根絶やしにするべく手下を放つ。

 

 俺は自身に襲い掛かる悪魔をぶった斬りながら、スパーダが住んでいたレッドグレイブの屋敷に来ていた。駆けつける際に近所にある小さな公園で襲われている子を助けたが、よく見ればそれが幼い双子の内の一人だとすぐに理解した。

 

 双子の片割れ――バージルと共に屋敷へ駆け付けたが悪魔に襲撃された建物は火の海となるが、悪魔の身体が火の海程度でどうこうなる訳もない為、強引に押し入らせてもらった。屋敷に入ったそこで悪魔に襲われている人間の女性――エヴァを発見する。ここに来て見殺しにするつもりなど毛頭ない為、勿論助ける。たすk......そこでまた、俺に暗転(ノイズ)が走る。

 

 気が付いた時に視界に入れた光景は、手に持った閻魔刀を悪魔に振るうバージルの姿だった。

 

 この時、共についてきたバージルが呼び寄せた閻魔刀で何とかエヴァさんを救ったらしい。俺は何故か棒立ちして動かなかったそうだ。

 

 この後、何とか救出したダンテとエヴァさんそれとバージルを含めた4人で俺が支配する魔界の異空間へと逃れる。魔界に生身の人間が訪れた場合、瘴気によってその命を絶ってしまうがそんな初歩的なミスを俺が犯す筈もなく、無事に三人を安全な場所に避難させる事が出来た。

 

 しかし、俺は懸念していた事が現実味を帯びてきている事に気付いてしまった。

 

―― あの暗転(ノイズ)、アレを調べてみる必要があった

 

 

 

 




この度、この作品に投票者が5名を越えて評価点と色がつきました

現在の時刻 1/13 午前2時、現評価は投票者数:6人(平均評価☆6.33) 色は黄色

うん、ぶっちゃけ微妙です。
はっきり言って6を下回って5が出たなら即刻この作品消そうと思いました。
私的に5以下の評価が下されたら、モチベーション的に下がり結局は投稿しなくなると思ったのでその際はさっさと作品を消して終わりにしようと考えていたのですが......まあ、ギリ頑張れる評価だったので続けていきたいと思います。

デビルメイクライを覗いた際にこの作品が無くなっていた場合は、お察しください......
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