瀬笈葉に憧れた少年が、運命を覆す為に奮闘するお話   作:雨宮祷

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重要なお知らせ。


花の呼吸に限らず、様々な呼吸で、原作で描かれなかった型が数多く存在します。穴埋めにご協力ください。


「こんな型あったらいいな」、「こんな型ありそうじゃない?」と思う型を感想欄募集します。

もしよろしければ、ご協力ください。


「双葉君にこんな型を使ってほしい!」もありです




肆話

 私がカナエに師事してから二年半が経過していた。

 

 

「葉の呼吸 弐ノ型 虫食い黄葉――ッ!」

「花の呼吸 弐ノ型 御影梅――」

 

 

 斜めに、無数の斬撃を繰り出すが、カナエを中心とする周囲を囲むような連撃で、全て潰される。

 これまでは、ここで終わっていたが、今は違う。

 

 斬り下ろしだけではない、切り上げも可能になったのだ。

 

 

「葉の呼吸 弐ノ型 虫食い黄葉――ッ!」

 

「――ッ!」

 

 

 刀で受けつつ下がるカナエ。だが、私の型は、そこも届く。

 

 

「葉の呼吸 参ノ型 葉閃光穿――ッ!」

 

 

 軸足に重心を溜め、思い切り踏み出す。

 

 この型は居合ではない。そのため、どんな方向に刀が向いていても、足が踏み込める場所さえあればいつでも使える。

 

 

「花の呼吸 肆ノ型 紅花衣――ッ!」

 

 

 降り下ろした木刀を、カナエの持つ木刀が弾く。カンッ、と小気味のいい音が訓練所に響く。

 

 

「花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬――ッ!」

 

 

 九つの斬撃が襲い掛かる。

 私は、弾かれた勢いそのままに回転し、左足から右足へと重心移動。姿勢を低くし、伸び上がるように斬撃を描く。

 

 

「葉の呼吸 肆ノ型 緑葉乱諷刃――ッ!!」

 

 

 私が放った斬撃がカナエの木刀の側面を捉え、弾き飛ばす。木刀を失くし、バランスを崩して座り込んだカナエの首元に、刃先を突き付ける。

 

 

「……参りました。強くなったわね」

 

「カナエの指導のおかげだよ」

 

 

 カナエに手を差し出す。手を掴んだカナエを引っ張り上げて立たせる。

 

 

「……最終選別に行くことを許可します。けど、死なないでくださいね」

 

「当たり前だ。死ぬ気なんて一切ない。絶対、生きて帰ってくる」

 

 

 カナエに微笑みかけながら言う。

 もちろん油断なんて以ての外だが、死ぬことはないだろう。

 

 真剣ではなく、稽古とはいえ、柱に勝っているのだ。

 最終選別に、柱レベルのものが苦戦するような鬼は居ない。

 

 

 ――いや、一匹だけ居た。

 

 

 水一門の悲しみを生み出し続ける厄災。――手鬼。

 

 私が最終選別で必ず倒さなければならない鬼の名前だ。

 

 

「さ、稽古は一旦中止にして、昼食を取った後に最終選別の準備に取り掛かりましょう」

 

「そうだな」

 

 

 手鬼の首を刎ねる。

 

 改めて決意を決めて、カナエについていき訓練場を後にした――。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃ、行ってくる」

 

「あなたなら余裕でしょうけど、気を付けてくださいね」

 

「おう、しのぶもな。カナエ達にもよろしく」

 

 

 それだけ言って、蝶屋敷に背を向ける。

 

 これが、この最終選別が、救済の始まりとなる。

 すべては、ここから始まるのだ。

 

 

 蝶屋敷の外へ、一歩を踏み出そうとし――。

 

 

 

 

 

 

 ――陥没する地面を跳んだ。

 

 

 

「「……」」

 

 

 どんだけ最終選別に行かせたくないんだあの人……。

 

 

「……改めて、行ってくる」

 

「……ええ、改めて、行ってらっしゃい」

 

「カナエ達に」

 

「分かってるわ。特に、姉さんにはキチンとお話ししとくから」

 

「頼んだ」

 

 

 いつ作ったんだよ、マジで。

 柱って、多忙じゃなかったっけ?

 

 ……深く考えないようにしよう。

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

 ――見つけた。

 

 

 あれが藤襲山だろう。

 

 そこには、「咲き乱れる」なんて言葉では足りない、「狂い咲く」という表現が最も当てはまるであろう程に満開の藤の花が山を覆いつくしていた。

 

 

「聞いては居たが、改めてすげぇな……」

 

 

 藤の花は本来、4月から5月、春に咲く花だ。今はもう10月。秋真っ只中だというのに、景色は満開のままだ。

 

 そして、麓にある階段に着くと、前方から狐の面を頭につけた少女が歩いてくる。

 

 

「君も、最終選別を受けに来たの?」

 

 

 一人目だ。救いたかった人たちの、一人目が、目の前にいる。

 危ない、涙腺がお仕事を放棄しようとしている。

 

 

「私は瀬笈双葉。そう言うって事は、君も、最終選別を受けに来たんだろ?」

 

 

 原作キャラに会う度に涙腺が崩壊しかけてるのは、そろそろ直さないとまずいなぁ。

 しのぶと顔を合わせると、ふとした拍子に泣きそうになるんだよな。

 

 

「そうなるね。私は、鱗滝真菰。最終選別、お互い頑張ろうね」

 

「大丈夫だよ。死にそうになってたら、私が助けるから」

 

「そっかー。それじゃあ、安心だ。なんとなく、双葉君が強いのが分かる。私、結構勘がいいんだ」

 

「へぇ、勘、か。いいな、それ。迷い事が少なそうだ」

 

「あ、能天気ってバカにしたでしょ!」

 

「それも勘ってやつ?」

 

「そうだよ!」

 

 

 意外に高性能な勘をお持ちの様で。そんなこんなで、話をしながら階段を上っていく。真菰のコミュ力たっか。

 

 ある程度上ると開けた場所に出た。そこには最終選別を受けに来た参加者が集まっており、私たちを含めて二十人ほどだ。

 

 

「皆様、今宵は最終選別にお集まりくださり、ありがとうございます」

 

 

 いつの間にか前に立っていた、提灯を持ち、藤の花の柄の着物を着ている白髪の少女から説明が入る。

 

 

「この藤襲山には鬼殺の剣士様が生け捕りにした鬼が閉じ込められており、外に出ることは叶いません」

 

 

 双子だろうか、今度は先ほどと全く同じ柄の着物を着た黒髪の少女が口を開く。

 

 

「山の麓から中腹にかけて、鬼嫌う藤の花が、一年中狂い咲いているからで御座います。しかし、これより先は藤の花が咲いておりませんので鬼共がおります」

 

 

 少女たちの説明は続く。

 鬼の数は五十から六十程度。人を食った数は、多くて四・五人程度らしい。あまり強くはないが、一般人からすれば、恐怖の対象でしかない。

 

 そして、白髪の少女が言った。

 

 

「山の中で、七日間生き抜く。――それが、最終選別の合格条件で御座います」

 

 

 説明が終わった少女たちは頭を下げる。

 

 

「「――では、行ってらっしゃいませ」」

 

 

 その言葉を聞き、参加者が先へ進む。

 

 

「じゃあ、七日後にまた会おうね」

 

「ああ、死ぬなよ」

 

 

 分かっている。何も行動を起こさなければ、彼女は死ぬ。だが、それを変えるために、ここまで足掻いてきた。

 

 

 運命を、覆すのだ――。

 

 

 

 私は一人、山を駆けた。

 

 

 




出てきた葉の呼吸


葉の呼吸 弐の型 虫食い黄葉(むしくいこうよう)

東方自然癒の主人公、「瀬笈葉」のつかうスペルカード「虫食い黄葉」参照。
斜めの斬り下ろし。エフェクトは黄色っぽい葉っぱ。細かい無数の斬撃が追随してくる。
鍛錬によって、全方向度の向きにも放てるようになったので、斬り下ろしだけではない。


葉の呼吸 参の型 葉閃光穿(はせんこうせん)

スペルカード、リーフスパーク参照。

ソードアートオンラインのスラントやホリゾンタルなどが近い。
踏み込みさえできればどの方向にでも連発できる。地上戦だと相当便利。


葉の呼吸 肆ノ型 緑葉乱諷刃(りょくはらんふうじん)

スペルカード、リーフストーム参照。

回転することで風を生み出し、鎌鼬の様な攻撃をする。
森の中など、自然の中でこの型を使うと、あたりの植物を巻き込み更に凶悪化する。また、この型は攻撃だけでなく、防御としても扱うことができる。



壱ノ型は決定済み。

東方自然癒、また、瀬笈葉を知ってますか?

  • 知ってる。原作プレイしたし瀬笈葉大好き
  • 知ってる。名前出されたら顔が思い浮かぶ
  • 名前は聞いたことある。え、顔……?
  • んー……?どっかで聞いたことある気が……
  • 知らん
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