瀬笈葉に憧れた少年が、運命を覆す為に奮闘するお話   作:雨宮祷

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遅れまして、申し訳ありませんでしたぁ……っ!


実はですね、書いていたんですけど、データの保存を忘れてまして……。
全て消えてしまい、萎えてました……。

また、ここから頑張ろうと思いますぅ……。







陸話

「仇、討ってきたぞ」

 

「そっ、か……。うん、ありがと」

 

 

 自分で成し遂げたかったという気持ちがあるのだろう。あまり歯切れがよくないが、気にしない。

 

 

「さてと、足見せろ。軟膏塗るから」

 

「準備が良いね」

 

「師匠の妹さんがそういうのが上手いんだ。今回のためにって色々作ってくれた。出来は保証するぞ」

 

 

 私は、持ってきた風呂敷の中から軟膏を取り出し、青紫に変色している患部に塗り込んでいく。

 

 

「よし、これで大事には至らないはずだ」

 

 

 布を当て、応急手当を終える。

 さぁ、ここからは説教タイムだ。

 

 

「なあ、真菰。大切な命、一つしかないんだから大切にしろよ? もし私が助けに来なかったら、真菰は今あいつの腹の中なんだ。仇は恨めしいかもしれんが、冷静になれ。戦いに於いては、心を乱した奴から真っ先に死んでいく」

 

「けど……!」

 

「じゃあ聞くが、その鱗滝さんとやらはお前に対し、命を懸けてでも鬼を殺してこいと、そう言うのか?」

 

「ッ!」

 

「『生きて帰ってこい』と、そう言われなかったのか?」

 

 

 知っている。鱗滝さんが、どれだけ優しい人なのか。帰ってこない弟子たちに、どれだけ心を痛めたのか。それは、真菰も分かっているはずだ。だが、真菰には死んでほしくないのだ。感情のままに突っ込まれては困る。

 

 

「落ち着け、冷静になれ。そうすれば、見えてくるものもある」

 

「……うん。そう、だね。そうだ、……ありがと」

 

「おう。だから、生きて帰らなきゃな」

 

「うん。ねぇ、守ってくれる?」

 

「そうだな。その鱗滝さんって人の所までは守ってやるよ」

 

 

 私の腕はそんなに広くない。救った後も、持ち続けることは出来ない。

 

 

 

 理解はしているけれど、それが、ひどく悲しかった――。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「結局、本当に送ってもらうことになっちゃってごめんね」

 

「いいよ、別に。足も万全じゃないんだろ? 怪我人は甘えてろ」

 

 

 私は今、真菰を背負って狭霧山へと向かっている。

 

 

 結局あの後、足を負傷した真菰を庇いながら七日間を生き抜き、最終選別を合格した。

 その後、玉鋼を選んだり、服の採寸をしたりして、今こうして狭霧山に真菰を送っているというわけだ。

 

 これから先も、救いたい人がたくさんいる。

 真菰一人だけをずっと守るわけにはいかないのだ。できることならそうしたいが。だからこそ、最後くらいはできるだけ寄り添ってあげたいのだ。

 

 

「着いたよ」

 

「ここが……」

 

 

 考え事をしながら歩いていると、不意に真菰から声がかかる。

 ここから物語が始まるんだなあ、と思うとなんだか感慨深い。

 

 しかし、あれだ。聖地巡礼みたいな感覚だ、これ。

 

 

 さて、そんなことは置いといて。

 鱗滝さんに会わなければいけないな。あの人、嘘とか分かるからあんまり話したくないなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「――ただいま、鱗滝さん」

 

「――よく……、よく帰った……。――真菰」

 

 

 感動の再会である。

 真菰は普通に泣いてるし、鱗滝さんも、面の隙間から涙がこぼれている。

 最終選別から帰ってきただけ、と言われればそれまでだが、一歩間違えれば会えなくなっていたわけだ。「感動の」と言っても差し支えないだろう。

 

 

「――それから、君もだ、双葉君。真菰を助けてくれて、ありがとう」

 

「いえ、私は自分のやりたいようにやったまでです。礼は受け取りますが、それ以上は何もいりませんよ」

 

「――そうか。君は、強いな」

 

「そんなことはありません。私より強いものなどこの世にはごまんといる」

 

「それでも、だ。――君は強い」

 

「――そうですか」

 

「ああ」

 

 

 まぁ、悪い気はしない。だが、自分より強いものなど、本当にいくらでもいる。強さは違う、と言っても、私自身何か強いものがあるかと言われれば首を傾げざるを得ない。

 

 けれど、鱗滝さんの人を見る目はなぜか信じられる。だから、そんな鱗滝さんが言うなら、私にも、どこか強い部分があるのだろう。

 

 

「今日は、泊っていくといい。歓迎しよう」

 

「お言葉に甘えさせていただきます」

 

 

 あまり帰らないと、皆に心配をかけてしまう。

 

 明日の朝早くには帰ることを告げ、鱗滝さんの家に泊まらせてもらうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「お世話になりました」

 

 

 朝早く、鱗滝さんの家を出る。鴉は飛ばしたが、みんな心配してくれているだろうから、出来るだけ早く帰りたいのだ。

 

 

「ああ、こちらこそだ。真菰が世話になった。これからも、何かあれば助けてやってくれ」

 

「……私の手が、届くときであれば、約束いたします」

 

「それで充分だ」

 

 

 鱗滝さんと、少しだけ言葉を交わし、まだ日が昇り始めてもいない中、蝶屋敷へと歩を進める。植物たちと会話をしつつ、小屋敷への帰りを急ぐ。

 

 せっかくだし、走りながら帰るか。ジョギングみたいな感じで走るなら大丈夫だろ。鍛錬は出来るだけしておいた方が良いからな。

 

 そんなことを考えつつ、足を速める。きっと、自分のことのように喜んでくれるだろう。彼女たちはそういう人たちだ。

 あと二里ほどの帰り道が長く感じられる。けれど、帰った時のことを想像し、少しでも早く帰ろうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――そんな時だった。

 

 

 

 

 

 その、鎹鴉からの伝令を聞き、全速力で道なき道を駆けた。

 

 ただの一瞬でさえも、その速度を緩める事は許されない。今の私にできることは、ただ、少しでも早く、走ることだった。

 

 

 

 

 無事でいてくれよ……カナエ――。

 

 

 

 

 

「伝令ィ‼ 伝令ィ‼ 花柱・胡蝶カナエ、上弦の弐ト交戦中ゥ‼ 近クノ隊士ハ急ギ救援ヘ向カエェ‼ カァー‼ カァー‼」

 

 

 

 

 





どれだけ朝早くても、真夏だと直ぐお日様昇るじゃん



ってことで、急遽、選別に来たのを八月から十一月に変更させていただきました。
前話を見ていただけると分かるかと思います。



――次回童磨戦





東方自然癒、また、瀬笈葉を知ってますか?

  • 知ってる。原作プレイしたし瀬笈葉大好き
  • 知ってる。名前出されたら顔が思い浮かぶ
  • 名前は聞いたことある。え、顔……?
  • んー……?どっかで聞いたことある気が……
  • 知らん
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