ーヴァルターー
転生してから自身を磨くことに集中、気付けば一一歳悪党面のぼっちです。……これはアレか? 『天才3』に含まれる『密会』が力を発揮しているのか? 争奪戦が起きる可能性を低くするモノではなく、…人と出会う可能性を低くするモノ!? …それともやっぱり顔か? 完全に可愛い気のないヴァルター顔になっとるし、…わりとこの顔がコンプレックスになってるんだぜ? まぁそれでも両親に似ているみたいだからな、…整形はしない方針です。…というか出来るのか?
…顔のことはどうでもよくないけれど置いといてだ、この俺ヴァルター・バーンシュタインは自分で言うのもアレだが最強である。目指せ軍人てなわけで鍛えまくった結果、同世代や年上世代に勝ちまくり。大人にも勝てるし軍人にも勝てるようになった、そのせいで同世代の男共に嫌われております。勝てないからって嫌うなよ! 努力して強くなれよ!
そんな若手? 最強の俺にも勝てない人物がいるわけで、…黒髪の美人さんにはどうしても勝てないんよ。…名前知らんけど誰なんだ? 両親に聞いても青くなるだけだし。とにかく俺もまだまだってわけですな、驕ることなく気を引き締めて鍛練あるのみ!
そんな感じで日々を鍛練やら趣味やらで過ごしていれば、…褐色肌の年上美少女に勝負を挑まれた。…初顔ですな? 噂を聞いてやって来たのだろうが、……まじでやる気? 例え美少女でもマジでやりますよ? あの黒髪の美人さんにも、
「相手が女の子でも手加減しちゃあダメよ? 男女平等、みんな等しくやっちゃいなさい♪」
と言われているからね。…手加減なしだがいいかい? ………そっか、…了解。
……………で勝負をしたけど結果は当然完勝、開始と同時に懐へ飛び込んでポイッと投げました。投げられた美少女は大の字で倒れ、プルプルと小刻みに震えながら、
「…見えなかった。…手足も出ないで負けるなんて、…私は弱い!!」
とか言って号泣、…何か悪い気がしてきたよ。
それ以降、たまに家へ来ては勝負を挑んできたり共に鍛練したりしてます。俺の凶悪面にビビらないだけでも稀有な存在、…大事にしたい出会いですね。遂にぼっち卒業かな? …こんな俺に絡んでくれる彼女の名はドロテア・エルンスト、その名…覚えよう!!
俺の毎日の日課、…それは散歩である。たまにふらりと訪れては鬼のように襲い掛かってくる黒髪の美人さん、あれは辛いよね? それを含めて毎日何かしらをしている俺だが、その合間に散歩をして自身を癒している。王都は平和だからね、街も整備されていて綺麗だし。俺が一人で散歩しても大丈夫ってな感じ、…まぁ暴漢程度なら余裕で撃破出来るぐらい強いからね。伊達に鬼畜な黒髪美人の扱きに堪えてませんよ!
…俺個人の実力に両親も安心しているからこそ、俺を一人で散歩に送り出してくれるんさ。逆に使用人達は…、
「坊っちゃま、殺しは控えて下さいね?」
とか、違う意味で心配される始末。…顔か? この顔がそういう心配をさせるのか!? 人を殺す顔ですもんね? ……俺。
………まぁ余程のことがなければ、…たぶん殺らねぇし。そもそもこの俺、…一一歳のガキよ?
…今まで平穏無事に散歩が出来ていたのに、…今日に限っては違った。俺の超視力によって街の死角、そこで小さな女の子が誘拐されそうな状況を発見。勘違いだったらヤバイんで静かにバレぬよう近付いて様子を見てみれば…、
「大人しくしろ!!」
とか、
「高く売れそうなガキだぜ!!」
とか言っとる。マジもんの犯罪者で間違いない、女の子も口を塞がれて泣いとるし。
白昼堂々と大胆なことで。この男達はアレだな? 他国から流れてきた奴等だな、うん。国民であれば誘拐は悪手であると認識している筈、…誘拐した相手が純血の国民であればなおのことね。まぁとにかく今から通報しても間に合いそうにない、よって俺が奴等をぶちのめすのが正解か? 俺は未来の軍人、守るべき存在はきっちり救わねばなるまい。
犯罪者に手加減は無用、…それ以上にマジでやらなきゃ黒髪美人さんに殺される! …何故かあの人って何でもお見通しなんだよな、……人間か? まさかの転生者? 分からんけど犯罪者をぶっ潰すのがジャスティス! …やったるぜ!!
素早く警察? 軍人? に通報してから突撃しました、銃を持っていたら危ないんで速攻ですわ。まず見張り役っぽい男に餓狼のテリー級バーンナックルを、その勢いのままに同じく餓狼のジョーばりスラッシュキックをもう一人にぶちかましました。
女の子を捕まえていた二人の男は突然のことに固まっている、…それが命取りだぜ! ってなことで懐へ飛び込んでボコボコにした。…このままKOFに参戦出来るんじゃね? と自画自賛、女の子を無事に救出することが出来ました。
その後、通報を受けて駆け付けてきた軍人さんに犯罪者を引き渡す。軍人さんは気絶している犯罪者に驚いていたけど、俺の名前を言ったら、
「ヴァルター…!? あのバーンシュタイン家の麒麟児!!」
やら、
「あのマリアンヌ様お気に入りの!?」
とか言ってた。……マリアンヌって誰? 皇妃様と同じ名前だけど?
そのまま詰所へと連れていかれ、暫くしてから女の子は両親と再会。めちゃくちゃ感謝されたけどね、俺は当然のことをしたまで。将来は軍人を目指しているし貴族の端くれだからね、弱きを守るのは当たり前のことと言えば大いに感心された。
「流石はマリアンヌ様の秘蔵っ子!」
と言っていたけど、……マジでマリアンヌって誰さ。
それ以降、散歩をすれば高確率で件の女の子と遭遇。こんな悪党狂気面に絡んでくれるのです、この子は天使か?
「お兄ちゃん、…大好き!」
とかって可愛すぎるじゃない? 慕ってくれるならば全力で可愛がります。たまに家へ招待して遊んであげたり、お菓子をあげたり、一緒に昼寝をしたり。家の両親も彼女を娘のように可愛がっています、……だって可愛いんだもの。…ドロテア? 美少女ではあるけれど脳筋:極だからな、どちらかと言えば…あれはゴリラだよ(笑
そんな可愛い彼女の名前はシャーリーちゃん、庶民の子だけどそんなん関係ねぇ! 俺を慕う子は天使だ、いやさ…大天使だ! 異論反論は受け付けねぇ!!
…でそんな感じでシャーリーちゃんを猫可愛がっていると、たまに視線ビームを受けるんだよね。それを辿るとほぼモニカ、……目線を合わせたら逃げるけど。…恐いんだったら見なきゃいいのに、………何だかなぁ~。