仮面メイド喫茶~ますかれーどへようこそ~   作:羅威亜

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もかたん編ラストですね。
ちょっと今回は張り切りすぎて何時もより長めになってしまいました。
自分自身おまえもか(萌々嫁もかさんのファン)なんでね仕方ないね。
もかたん主体の場合基本的にもかたん視点となります。ご了承下さい。

では、続きをお楽しみ下さい。


その3

連絡先を交換してから度々連絡を取り合う。

私の方は仕事の関係上話せないけど、○○くんの方からは仕事の事からプライベートの事まで色んな話を聞けた。

勿論、ライバルの存在も…。

○○くん自体には友達として以外の明確な好意は無さそうだけれど、油断はならない。

○○くんは女友達だと言ってはいるが向こうはそうとは限らない。きっと向こうは○○くんに好意を持っている。これは女の勘だけどね。

○○くんと一緒の所で働いているってのが本当に羨ましい…。

私だって○○くんと一緒の所で働きたかった…!

…まあ無い物ねだりをしても仕方ないのでこれは置いておいて、どうやって彼を私に靡かせるかが重要だ。

色仕掛け…は最終手段だね…。

そんな事を考えているとスマホから通知音が鳴った。

画面を見ると彼からのものだった。

速攻で○INEアプリを開くと彼からお酒を飲みに行かないかとのお誘いだった。

その返事にいいよ!と即答でメッセージを送ってから暫くメッセージのやり取りをした。

日取りは2月の14日になり、その日は彼にはお仕事があると伝えて時間が夜となった。

2月14日といえば、萌々嫁(ももか)もかとしての誕生日でもあり私自身の誕生日でもある日なんだよね。

もしかして意識してその日にしてくれた説ある…?

まさか…ね…?

今まで離ればなれだったのに私の誕生日を覚えてる訳…。でも、一目見て私だって分かった○○くんの事だからもしかしてって期待をしてしまう。

よし、当日は名一杯おめかししないとね!飲みに行くだけなのにって引かれないかな…?

…………一応勝負下着も着ていこう…うん。

よし、明日も仕事だし早く寝てしまおう。

○○くんと会うのを楽しみに明日からも頑張ろう!

私は布団に寝転がり目を閉じて未来に想いを馳せるのであった。

 

その日の私には考えもつかなかったが、約束の日の当日にますかれーどで萌々嫁もかとして誕生日を祝われるなど予想だにしていなかった。

本当に嬉しかった。

めちゃめちゃ嬉しくて彼に対してちょっとやりすぎちゃって最終的にらぶぴーに怒られちゃったけどね。

誕生日プレゼントも貰ったし最高だったよ。

更にその後にまた彼と会えると思うと楽しみすぎてどきどきする。

あわよくば、私自身の誕生日も覚えてて欲しいなと思いながらその日の仕事を頑張る私だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

××××××××××××××××××

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだかなー。んー、ちょっと早く着いちゃった」

 

 

仕事が終わってからすぐに家に帰り身支度をしてから待ち合わせ場所に来たけどまだ彼の姿は無い。

もう、女の子を待たせるなんて常識がなってないぞ☆…なんて心の中で独り言を言ってみたりするがまったく怒ってなんかはいない。

彼には彼の用事はあるだろうし、まだ約束の時間の30分も前だから仕方ないと思う。

ゆっくりと待っていよう。すぐに彼は来てくれる。

………そう思ってた時期が私にはありました…。

 

 

「おっそい…どこほっつき歩いてるの…?」

 

 

スマホの時計を見ると約束の時間から一時間も経っている。

どこで油売ってるんだか…。約束、忘れてないよね…?

もしや他の女と遊んで時間を忘れてとか…。

でも、もしかして事故にでもあってるんじゃ…等と考えてると前から走ってくる人影が見えた。

○○くんかな?と目をこらして見てみるとやはり彼だったようで息を切らせながら走ってきていた。

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…。ごめん…遅くなった」

 

「もう、ホントに遅いよ?心配したんだからね」

 

「それは悪かった…。埋め合わせと言ってはなんだが、今日は奢るよ」

 

「えっ、いいの?でもなんだか悪いよ…」

 

「いいのいいの。お前はそのまま奢られていれば良いんだよ」

 

「そう…?なら、その言葉に甘えようかな」

 

「それでいいんだよ、うん」

 

「奢りか…。奢りという事なら遠慮はしないよ、いい?」

 

「お、おう…まかせとけ…!」

 

「なんだか、頼りない返事だなぁ…ふふっ」

 

 

そうして私達は歩き出す。

一緒に歩く彼は隣にいるが別に手を繋ぐ訳でもない。恋人同士というじゃないのだから。

でも、本心から言えば繋ぎたい。いっそのこと彼の腕に絡みつきたいとも思うが恥ずかしすぎて行動に移せない。

彼は気づいてはいないだろうが、手を繋ぐ事を逡巡して手を出しては引っ込めてを繰り返す私。

最終手段は色仕掛けと言っていた私はどこへ…。

やはり、本人を目の前にすると理想(妄想)を現実に持ってこれないみたい。

だからといってこのままはいけないとは思う。

尻込みをしていたら他の人に彼を取られちゃうから…。

なんとかしないと…。

そんな事を考えてると目的の店に到着したようだ。

 

 

「へぇーおしゃれな居酒屋さんだね」

 

「まあな、友達とよく来るんだよ」

 

「友達…ね…」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「んーん、何も言ってないよ」

 

 

何でもないところで勘ぐって焼きもちを焼いてしまう…。

誰も例の女友達と言ってはいないのに。

だからと言って聞く勇気はないのだけれど。

そうこうしてるうちにお店に入ってすぐ席に案内された。

 

 

「んーと、とりあえずビールからいこうかな…。君は?」

 

「俺もそうしようかな。つまみは適当に頼むぞ?」

 

「うん、お願い」

 

 

彼は店員さんに注文をしてこちらに向き直る。

それから他愛もない話で盛り上がり、頼んだものが来てからはお互いの近況で盛り上がった。

 

 

「それでねぇーもう私の上司ったらホントに私をこき使いまくるのよー!確かに人数は少ないし正社員は上司を除いたら私だけだけどさぁー」

 

「ほーん、でもその職場は止めたくないんだろ?前に良いところだって言ってたし」

 

「まあね…。なんだかんだ優しいしこっちのことも気遣ってくれるから居心地はいいんだよねぇ」

 

「ならいいじゃねぇか。今のご時世人間関係やパワハラ、セクハラとかで止めざるを得ない人も少なくないだろうし、いいところじゃないか」

 

「だね。同僚や後輩ちゃんもいい子ばかりだし、助けてもらってばかりだよ…」

 

 

こんな風に働いている場所が特定されない様に愚痴を溢してはそれに反応してくれる彼。反対に彼の愚痴を聞いてそれに返す。それの繰り返しが続く。

やっぱりスマホ越しではなく直接話すと会話が弾む。

うっかり喋ってしまわないか心配。気を引き締めないとね。

 

 

「そうだ、そろそろ別の店に行くか。何軒かハシゴするつもりなんだ。どうだ?」

 

「いいねぇ、そうしよ。明日お休みなんでしょ?私はお休み」

 

「まあな、そうじゃないとハシゴなんて出来ねぇよ」

 

 

そう言って席から立って会計を彼が済ますと店から出る。

さて、次はどこに行こうかな…と辺りを見回すと頭に雫が落ちた。

 

 

「ん…?」

 

「次はどこに行く…ってどうした?」

 

「えーとね、何か頭に雫が…」

 

 

そう言ってすぐに空から土砂降りの雨が降ってきた。

私達は走り出して雨宿り出来そうな所を目指す。

場所はすぐ見つけられたがもう上から下までぐちょぐちょ。

もう…お気に入りのだったのに…。

 

 

「いきなり降ってきたな…ずぶ濡れだ…。そっちは大丈b…!?」

 

「私はもう全身びちょびちょだよ…。ん?どうしたの?」

 

「お、お前の服が…な…」

 

「私の服…?きゃぁ!!?」

 

 

私は咄嗟にしゃがみこみ大事なところを隠す。

思いっきり透けてるじゃん!

下着は濃い色だから中身まで透けてないけど下着は丸見えじゃん!

うぅ…恥ずかしいぃ…。

 

 

「ど、どうする?流石にこれから続きは無理だろ?」

 

「そ、そうだね…。どうしよっか…」

 

 

彼は顔を赤くしながら目を逸らして私を見ないようにしていた。

恥ずかしがっている○○くんも可愛いけど、今の状況でからかう度胸もない…。

この透けてる状態じゃ恥ずかしいし…。

どうしよう。このまま此処に居ても埒が明かないし、お互い体に良くないよね。

うーん、仕方ない…か…。

 

 

「えっとね、私の家この近くなんだ。このままだと風邪引いちゃうからさ。えーと…来る?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「お、お邪魔します…」

 

「そんな緊張しないで…。私も変に緊張しちゃうからさ…」

 

「緊張するだろ…だって、女の子の部屋に来るの初めてなんだし…」

 

「えっ、そうなの?前に言ってた女友達さんの家には行ったことないの?」

 

「行ったことないな。行く機会もなかったし」

 

「ふーん、そうなんだ」

 

 

表面上ではそんなに気にしない様に振る舞ったが内心ガッツポーズをしていた。

よっしゃあ!勝った!まず一勝!

………別に勝負してる訳でもないのに勝った負けたもないような…。

まあ、今ここで突っ立ってるのも体に悪いからさっさと何とかしないとね。

 

 

「ほら、このままいてても風邪引いちゃうからさっさとお風呂入ってね。お風呂場はあっちだからさ」

 

「ああ、それは有りがたいがここはお前が先に入るべきだろ?ここはお前の家なんだから」

 

「私の家だから○○くんに先に入って欲しいの。私ならまだしも、びちょびちょの君に歩き回られても困るから。ほーら、さっさと入る!」

 

 

そう言って私は彼を脱衣所に無理矢理押し込む。

若干抗議の声がしたが無視だ。

少しするとお風呂場のドアが開く音が聞こえたので大人しく入ってくれたようだ。

さてさて…と。今の私の顔はどんな顔をしているのだろうか。

ニヤけてる?それとも悪い笑みを浮かべてる?

分からないけど、今はまたとないチャンス。アプローチを仕掛けよう。

まあ、びちょびちょで歩き回られても困るってのは嘘ではないからね。

そこのところは分かって欲しいかな。

…誰に説明してるの…。

さて、私も入ろうかな。

一応タオルは巻いておいてっと…。

流石に好きな人の前とはいえ、付き合ってもない人の前で真っ裸なる程痴女じゃないよ、うん。

ふぅ…緊張する…。

私は緊張と恥ずかしいの両方でドキドキして張り裂けそうな胸を(揉むのも)おさえて気合いを入れる。

よし、いくぞ!

私は躊躇せずお風呂場のドアを開けた。

 

 

「ん…?お、おい!?何入って来てんだ!?」

 

 

入って来た私に驚いた彼は咄嗟に体を洗うのを止めて私に背を向けて局部を押さえ目を閉じた。

むぅ…見たかったなぁ…○○くんのアソコ…なんて冗談はさておき、後ろを向いている彼に近づく。

 

 

「大丈夫だよー。ちゃんとタオル巻いてるから隠れてるよ」

 

「そういう問題じゃねぇっての!」

 

「何が問題なの?昔、一緒に入ってたじゃん」

 

「それは幼稚園とか小学生の低学年の頃の話だろ!?今はお互いにいい大人だろ?こういう男女一緒に風呂なんてちょっと危ないだろ!?」

 

「むぅ…んじゃ何?私はびしょ濡れの状態で君がお風呂から上がるのを待って風邪でも引いてろっての?そんな酷い事しないよね?」

 

「むむむ…。それじゃあ俺より先にお前が入れば良いんじゃねぇか」

 

「それじゃ意味ないよ。立場が逆になっただけで私がさっき言った事と同じじゃん。この状況を解決するには一緒に入るしかないの、分かった?」

 

 

ここまで言えば大丈夫かな?

まず論破しなきゃ一緒に入れないしね。

私だって恥ずかしいんだからちょっとは分かってよね?

 

 

「うむむむ……………分かったよ…。ただ、俺は絶対にお前と向き合わない様にするからな」

 

 

よし!許可を取れた。

ふふふ、久しぶりの○○くんとのお風呂。

今、ドキドキが勝って性欲どころじゃないのが本当に助かってる。

 

 

「はーい。それじゃあ、お背中流しますねお客様…なんてね」

 

「い、いいよ。それくらい自分で…」

 

「いいのいいの。ほら、洗うのに使ってたタオル貸して」

 

「……ほらよ」

 

「ありがと。お客様、痒いところはございませんかー?」

 

 

観念した○○くんからタオルを貰って背中を洗い始める。

表面上は隠しているが、ごつごつとした男の子らしい背中にドキドキする。

本当にあの頃と違うんだね…。男らしい体つきになってまあ…。

例の女友達でも見たこと無いであろう箇所を見れてる優越感と一緒にほぼ裸でお風呂に入ってるドキドキがない交ぜになってヤバい。

押し倒したい気持ちを抑えてゆっくりと堪能するように彼の背中を洗う。

 

 

「はい、おーわり。前はどうします、お・きゃ・く・さ・ま?」

 

「ま、前は自分でするよ!」 

 

 

後半のセリフを彼の耳元で囁くと彼の体がビクンっとする。

ふふっ、かわいい…。

 

 

「そう?分かった。頭はもう洗った?」

 

「あ、ああ」

 

「そっか。前洗ったら代わってね」

 

 

○○くんは慌てるように体を洗い泡を流して湯船に浸かった。

そんなに急がなくてもいいのに。恥ずかしかったのかな?

私はタオルを外し、さっと髪を洗い体を洗ってから再びタオルを巻き直す。

ここまでずっと彼は私に背を向けたままだった。

…ちょっとくらい見ても怒らないのに…。

 

 

「さーて、私も入らせてもらおうかな」

 

「え、入ってくるのか!?」

 

「そりゃそうだよ、ほーら、ちょっと詰めて。二人でギリギリなんだから」

 

 

そう言って彼にズレてもらって湯船に入る。

今はお互いに背を向けて三角座りをしてる状態だ。

お互いがお互いの背中が密着してめちゃめちゃドキドキする。

このままいているとすぐのぼせてしまいそうだ。

だけども暫くはこのままでいたいという気持ちもある。

これからお互い向き合ってお互いの体に欲情しておせっs…なんて妄想が頭を巡る。

だけど、それは飛躍しすぎかな。

やっぱり段階を踏まないと…。

こんな妄想ばかりする女の子は嫌われちゃうかな?

でも仕方ないじゃん、それくらい好きなんだから。

 

数分か数十分か、どれくらい時間が経ったか分からないけどそろそろ上がらないと本当にのぼせてしまいそうだった。

 

 

「私、先にあがるね」

 

 

そう言って私は湯船から出て彼の方に向く。

 

 

「ねぇ…その…迷惑だった?一緒に入るの?」

 

「そ、そんな事ねぇよ!ただ、恥ずかしかっただけだ」

 

「そっか、良かった。それにやっとこっちを向いてくれたし」

 

「まあ、タオル巻いてるなら見える心配もないしなって思ったし、今の状態なら俺のも見える事ないし」

 

 

こっちを向いてくれたのが嬉しかったのか分からないけど油断した私は巻いているタオルから手を離してしまった。

お湯を多分に含んだタオルは重さでそのまま下にずり落ちた。

それが意味する答えは…。

 

 

「ん…………?きゃあぁぁぁぁ!!!?」

 

 

私は暫く硬直してずり落ちたタオルを見ていた。

そこから状況が分かって自分の局部と胸を押さえながらお風呂場を後にした。

今度はモロに見られたぁぁぁ!!!

彼は少し後に出てきたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

××××××××××××××××××

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、寝よう!」

 

「この流れで!?」

 

 

お互い服を着て、私はベッドの上に座っている。

彼はフリーサイズのジャージが有ったのでそれを着てもらった。

 

 

「いや、無理だろ!?見たところ二人で寝れる様な場所無くね?」

 

「だから、ここだよ」

 

 

そう言って私はポンポンと座っているベッドを軽く叩く。

 

 

「いや、寝るのならせめて床で寝るよ。流石に一緒のベッドは…」

 

「こっちこそ流石に君を床には寝させられないよ…」

 

「だからと言ってだなぁ…。一緒寝るとか風呂と同じぐらいヤバくないか?」

 

「んー、何?君は女の子と見ればすぐ襲っちゃう狼さんなの?」

 

「そんな事は無いが…。万が一というものもあるだろ?」

 

「私は君を信じてるからさ。ほら、入る」

 

「うむむむ…だがな…」

 

「もう、焦れったいなぁ!」

 

 

悩んでる彼を私は無理矢理ベッドに引きずり込んだ。

こうなりゃ実力行使だ!

 

 

「な、何を!」

 

「良いじゃん良いじゃん。明日は休みとはいえ早く寝る!」

 

「まあ、そうだけどさ。寝れるかな…」

 

「寝れないなら、お姉さんが子守唄でも歌ってあげようか、なんて」

 

「子供扱いするなって。昔だって一緒に寝た事あるんだから大丈夫、きっと寝れる」

 

 

一人用のベッドの為にお互いに結構密着して向き合う形で寝転がっている。

今にもキスをしていまいそうな距離感に胸が張り裂けそうだ。

このまま思い切り抱き着いて目を閉じればキス…してくれるかな?そんな事を考えながら彼に言葉を紡ぐ。

この時間が永遠に続けば良いなと思う。

続けば他の人に取られる心配も無いし…なんて病んでる子みたいな思考になっちゃってるなぁ、私。

あぁ、ヤバい…今日1日楽しすぎてもう意識が…。

最後に…彼と…手を繋ぎながら…寝た…かった…なぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

×××××××××××××××××××××

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、起きた私達は朝食を一緒に作り食べた。

なんだか、新婚みたいだなって思って少し顔が赤くなった。

それから午前中はゆっくりして昼前になると彼が帰るとの事だったので玄関で見送る事にした。

 

 

「ありがとな、急な事だったのに」

 

「良いよ、私は楽しかったしさ」

 

「そうか、それは良かったよ。あ、そうだ」

 

 

玄関口にいる彼がふと何かを思い出した様で上着のポケットをまさぐる。

取り出したのは濡れた包装紙に入った箱だった。

 

 

「上着は洗濯機に放りこまなかったから忘れてたよ。包装紙濡れちゃったし一日遅れだけどさ、誕生日おめでとう百原」

 

「えっ……?覚えていて…くれてたの?」

 

「勿論だろ?幼馴染みなんだからさ」

 

 

彼からのプレゼントを受け取り胸に寄せる。

まさか、私の誕生日も覚えてくれてたなんて…。

出そうになる涙を堪えて彼を見据える。

 

 

「開けて良い?」

 

「勿論だよ」

 

 

包装紙をゆっくりと開けて中の箱を開けると、そこにはシャチのキーケースだった。

 

 

「めっちゃかわいい!!私シャチ好きって言ってたっけ?」

 

「最近のやりとりでチラッと言ってたよ。それに昔から水族館好きだって言ってたから余計覚えてた感じかな」

 

「そうなんだ…。本当に嬉しい、大切に使うね!」

 

「そう言ってくれて俺も嬉しいよ。よし、渡すものも渡せたし俺は帰るよ」

 

「うん、じゃあね。また誘ってよ」

 

「分かった。じゃあな」

 

 

そう言って彼は私の部屋から出ていった。

そして、私は手にあるキーケースに目を落とす。

すると今まで抑えてた事が顔に出てニヤけが止まらない。

多分今は気持ち悪い顔をしていることだろう。

そんな顔をしながらも考え事をし始める。

今日朝起きた時手に温もりがあったのは気のせいだったのかな…と。

無意識に彼の手を取っていたのかな…。

だったら…良いな…と思う私であった。




どうだったでしょうか?
お楽しみいただけましたか?

次はえるたそ編か複数のキャストさんを交えた話を考えてます。

では次話でお会いしましょう。
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