ちょっとどころじゃないですが、中々書けず今日までかかってしまいました!
申し訳ありません!
ではでは、えるたそ編その2をお楽しみください!
あれから幾日が経ってまた遊ぶことになった。
本当に毎日連絡をして来るようになり、何回かやり取りをして寝るのが日課になっている程だ。
数日連絡を取り合って、黒木は昔からかまってちゃんだったなと思い出した。
何にしても俺達の後ろをついてきてて、まるで親鳥の後ろを着いてくる雛の様だった。
他の子とは遊ばないの?と聞いたことがあったが、「お兄ちゃん達と遊んでる方が楽しい」の一点張りで常に俺達と一緒にいた。
何でこんなにもベッタリと一緒にいたがったのか分からないけど、俺としては一緒にいて楽しかったから何も思う事は無かった。
だけれども、小学校を卒業して中学に上がってからは遊ぶ事も無くなり疎遠になってしまった。
子供の感覚で流石に2歳も離れていると忘れたのか飽きたのか分からないがそれ以降は会わなくなってしまった。
だが最近偶然会うと、向こうは俺の事をしっかりと覚えていて忘れていたとは到底思えない出来事だった。
何故あんなにもベッタリと一緒にいた黒木は小学校を境に会わなくなってしまったのか。
中学にあがった俺達が忙しいだろうと遠慮して小学生の自分は…と思っているのならまだ分かる。
だけれども、二年経っても同じ中学に来ず一切会うことは無かった。
この際聞いてしまおうかと思うが、もしシリアスな理由だとどうしようと思うと行動に移せない。
折角また繋がれた関係なのだ、それを大切にしていきたい。
まあ、この話は追々していくとしよう。
遊ぶ時くらいは暗い事は考えず、楽しい事ばかりしていきたい。
と、いうことで俺達は…。
××××××××××××××××××××××
「きれーーい!」
「ああ、そうだな」
今、俺の運転している車で海岸線を走っている。
まだ海開きには早い季節ではあるが、雲一つない青空に燦々と輝く太陽。そして太陽の光を反射して光輝く海。少し暖かい気候に涼しい海風が心地よい。
運転している俺はあまり集中して見れないが助手席の黒木は身を乗り出す勢いで目の前の海に興奮している。
「まだ泳げないのにそんなに来たかったのか?」
「うん!こういう時期だと人もいないからゆっくりしてられるでしょ?よくおじいちゃんとかに連れてきて貰ってたんだぁ」
「へぇー、そうだったんだな」
そう、何故海に来たかというと黒木の要望故にだったのだ。
今回遊びに行きたい場所はないか?と聞いたところこうなった訳だ。
「でも、ここの海は初めてなんだ。いつもはおじいちゃんの家近くの海だから」
「そうなのか。それじゃああれか?行ったことがある海はこっから遠いのか」
「うん。おじいちゃん家、東北の方だから。引っ越して東北の方で暫く住んでたんだよ。最近、働く為にまたこっちに住んでるけどね」
なるほどそうか。
もしかしたら、俺達が中学に上がるタイミングで黒木が引っ越したから交流が無くなったのかも知れないな…。
これなら納得がいく。
流石に自意識過剰だったのかもしれない。
確かに同じ地域に住んではいたが、同じ中学に進学するとは限らない。
ましてや、親の都合等考えもつかなかった。
まあ最近まで黒木の事を忘れていた俺に言えた事では無いが…。
「ん?どうしたの無言になって」
「んー、ちょっと考え事かな」
「考え事?あっ!もしかしてお姉ちゃんの事!?」
「なんでここで百原が出てくるんだ…?」
「え、だってお兄ちゃんってお姉ちゃんの事好きでしょ?」
「は!?」
俺は黒木の突然の言葉に動揺してハンドル操作を誤りかけた。
回りに車がいなかったことが幸いして何も起こらなかったが今も心臓がバクバクしている。
決して、黒木の言葉でなっている訳ではないのであしからず。
「おお!?危ないよ、お兄ちゃん!」
「お、お前が変な事言うからだろ!?」
「えー、だってお兄ちゃん昔はお姉ちゃんの事好きだったんでしょ?」
「そ、そんな事言ったか…?言ったとしても昔は昔だ!もう、ほら変な事言ってないで。着いたぞ!」
「あ、ホントだぁ!お兄ちゃん、先に行ってるね!違うのなら取っちゃおうかな…なんて?」
「あ、待て!…はあ、掻き乱すだけして自分は呑気だな…。本当にもう…」
後半の黒木の言葉は聞き取れなかった。
呑気な黒木に腹が立たなくもないが、なんとも言えない気持ちが胸中に渦巻きそれどころでは無かった。
×××××××××××××××××××××
「おーい!こっちだよ!」
そう言って俺に大振りで手を振る黒木。
もうあんなに遠くに行ってたなんて脚が速すぎるだろ…。
それともなんだ、俺と一緒に行くのが楽しみだったとかそんなのか?
まあ、出発前からのテンションを考えると無きにしもあらずという感じだが。
「はいはい。そんなに急がなくても海は逃げないよ」
俺は自分の歩調で黒木の元へ歩いていく。
なんだか最近走ると直ぐ疲れるんだよなぁ…。
と、歳のせいじゃないんだからね!
…誰に言ってるんだ…。
運動不足かなぁ…。
あ、今度日陽川でも誘ってランニングでもするか…?
あいつとなら仕事場が同じだし都合もつきやすい。
少し相談してみるか…。
…でも、夜の大運動会でもする?みたいなからかいかたされそうだなぁ…。まあ、今度聞いてみるか。
「お兄ちゃん、おっそーい!もしかしてお姉ちゃん以外の他の女の事考えてた?」
「え、そんな事…ないぞ?」
「なあにその間…。ま、良いけどぉ」
黒木がじとーっとした目でこちらを見据える。
なんでこう女の子って察しが良いんだろうか。
確かに女の子と一緒にいて他の子を考えるのはダメな事くらい分かるが…。
これくらいは仕方ないのではと思うのだよ。別にえっちな妄想をしている訳ではないからね。むしろ、健康に気遣ってる訳なんだからね。
…と誰に聞かせるわけでないのに心の中で早口で言ったのであった。
「ほーら、はやくはやく!」
「お、おい待てって。そんなに引っ張ると転けるだろ」
黒木は俺の手を取り、急かすように海の方へ引っ張っていく。
スニーカーだからまだマシだが、砂浜の上を引っ張られながら走るとなると転けてしまいそうになる。
よくスポーツ漫画とかでトレーニングに使われるように砂に足が沈み踏ん張りが効きにくい故の安定感の無さ等が使われる所以なのだろうが俺はトレーニングしに来た訳ではないのであんまり疲れたくはないのだが…。
目の前の女の子を見るとそういう気も失せる。
何せ満面の笑顔で俺を引っ張っていくのだ。これでそんな気持ちを抱く馬鹿はいない。
正に今の気持ちは守りたい、この笑顔って感じだな。
「わー!綺麗!近くで見ると更に綺麗に見えるね!」
「ああ、そうだな。俺はあんまり海に来た事無いがやっぱり海って綺麗なんだな…。今日は天気が良いから更にな」
「お兄ちゃん、そこまで来た事無いんだ?それこそお姉ちゃん辺りと来ててもおかしくなかったんだけど…?」
「前に言っただろ?百原と再会したのはつい最近で高校からずっと会ってなかったんだ。そんな機会は無かったんだよ…」
「へぇー…そうだったんだ…。でも、他には一緒に行く人はいそうなものだけど…もしかしてお兄ちゃんぼっt…」
「ぼっちじゃないやい!行くやつがいないだけで友達いるもん!」
「お、お兄ちゃん…その言い方控えめに言ってもちょっとキモい…」
「年下の幼馴染みにキモいって言われた!!死にたい…」
俺は下が砂浜でも気にもせず、体育座りで地べたに座って足の間に顔を埋めた。
日陽川にだって言われたことないのに!!
「ごめんごめん、お兄ちゃん。はーいよしよし。もう言わないから顔を上げて?」
「うん…」
立派な大人が年下の女の子に慰められてる図…控えめに言って酷い図である。
ホント他に人が居なくて良かった…。
まあ、他に人が居るならこんなことしないが。
「よし!茶番も気がすんだし遊ぶか!ってか何して遊ぶんだ?泳げないのに」
「茶番って言っちゃうんだ…。でも何も考えてなかったなぁ…」
「そうなのか…。まあ、波打ち際歩いてるだけでも良さそうだしあっちまで歩くか」
「うん!そうしよ」
そうして黒木は自然と俺の手を取って歩き始める。
ナチュラルに手を繋いでるが何とも言えない気持ちだ。
ドキドキしてないといえば嘘になるが何回も葛藤した事だが、付き合ってもない子と繋ぐというのはどんな感じなのだろうか?やはりこちらに好意があるのだろうか?
黒木の場合男女の好意より幼馴染みのお兄ちゃんみたいな好意も考えられるので迂闊に聞くことも出来ない。
それが原因でこの関係が崩れるのは避けたい。
だからといって離すのも憚れる。
つまり最適解はこのままが一番という事だ。
相手方の流れに身を任せてその場その場で凌ぐ。今はそれでいい。時がくればその時決めれば良いのだ。
きっといつか近いうちにくるだろう…多分…。
「あ、うあ!?」
「ん?ひゃっ!わぁ!!」
俺が考え事をしながら歩いてたのが悪かったのだろう。
波打ち際まで来たところで海水で濡れた砂浜で足を取られて盛大に転んだ。
手を繋いでいたので黒木も一緒に倒れて巻き添えになってしまった。
「いたたた…。すまん黒木、注意してた俺が転んでしまった…。大丈夫…か?」
「いたたたぁ…。あ…びしょびしょになっちゃった…」
俺は比較的濡れなかったが、黒木は波が近い所に転んだようで来てきた服がびしょびしょに濡れていた。
今日は少し暖かい気候だった為か薄手の洋服の生地が濡れて服の下側が透けていた。
後、なんだが黒いものが見えてるよう…な…!?
「は!?」
俺は咄嗟に目を背ける。
絶対あれは…下g…。
即理解した俺は来ている上着を黒木に着させる。
「ほ、ほらこれ着とけ。寒いだろ?そ、それに…」
「ありがと、お兄ちゃん。それに…なに?」
「分かるだろ?透けたら…な?」
「え、透けて…?きゃ!!」
黒木は気づいたようで貸した上着で体を隠す。
顔は真っ赤で耳まで赤い。潤んだ瞳でこちらを見据えて…。
「お兄ちゃん…みた…?」
そんな破壊力満載の状態で言わないでくれ!!
と心の中でツッコミを入れた俺。
これはヤバイ、普通の奴なら理性が吹っ飛んでる。
百原とのあの一日が無ければヤバかったかもしれない…。
「み、見てないぞ…?」
「そうなんだ…よかった…。今日は紫だったから見られるの恥ずかしくて…」
「え?黒じゃ…あっ…」
「あー!!見てたんだ!お兄ちゃんの嘘つき!……お兄ちゃんのえっち…」
あ、これはホントにヤバイ…。
外じゃなければ押し倒して…って事にはならないがもう心臓がドキドキで胸がはち切れそうだ。
多分顔も真っ赤で人に見せられる顔ではないだろう。
俺の顔を見て黒木はどう思ってるのだろうか。
まあ、下着を見られて張り倒されてない時点である程度好感度はあるのだろう。
だからといって軽々しく見て良いものでもないが…。
とりあえず危機は無さそうで内心ドキドキしながらも胸を撫で下ろすのであった。
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「ごめんな、もう帰ることになって」
「大丈夫だよ。こんな濡れた状態じゃ何処にも行けないし」
「そっか。そう言ってくれて良かったよ」
俺は今黒木の家の前にいる。
流石に服が濡れた状態で連れ回すのは色々危ないので今日はここでお開きにする事にしたのだ。
「今日はありがとうね、お兄ちゃん。海を見れただけでも嬉しかったし、お兄ちゃんと行けて楽しかったよ!」
「そうか、喜んでくれたなら良かった。また海と言わずどっかに行こうな」
「うん!また連絡するね」
「うん、またな」
「あ、待ってお兄ちゃん!」
そう言って踵を返した俺は車に歩いて行くのだか、黒木に呼び止めれて振り向くと…。
「……。ま、またね!」
黒木に振り向き様に頬に口づけをされた。
顔を真っ赤にした黒木はそそくさと家に入っていった。
「……ほんと今日は心が揺らがされる日だな…」
俺も彼女に釣られたからか、顔を赤くしながら車に乗り込み家路についたのであった。
如何だったでしょうか?
久しぶりだったのでしっかり書けたか分からないですが面白ければ幸いです!
Twitterでえるたそが海の画像を上げてたのでそれから着想を得ました。
次はありすちゃん編を予定しております。
予定ではぺぺろちゃん編も書く予定ではあるので首を長くしてお待ち下さい。
では、次のお話でお会いしましょう!