では、続きをどうぞ。
後、ちょっと書き足したりしてます。
「すまん、山本!遅くなった」
「遅いぞ!何をしてたんだ」
「わりぃわりぃ、ちょっとな」
「ちょっとって何だちょっとって。まあいい、さっさと行こうぜ。時間が惜しい」
「ホントにどこに行くんだよ。いい加減教えてくてれも良いだろ?」
駆け足で歩いていく山本の背を追いかける。
本当にどこに連れていくつもりなんだ…。
「いいから騙されたと思って着いてこい。きっと気に入るさ」
「そんなに勿体ぶるって事はお前のお気に入りの所なのか?」
「いや、俺も初めてだ。評判が良いらしくて前から行きたかったんだ。だが、ああいう店は入った事が無くてな。だから、お前と一緒行こうってな」
「はぁ、仕方ない。このまま黙ってついて行くよ」
そうして、他愛もない話をしながら20分ぐらい歩いて市街の中心部から少し離れた郊外の所に周りの建物と作りが違う建物が見えてきた。
「あれがそうか?」
「みたいだな。サイトに載ってた写真通りだ」
近づいてみると日本ではあまりみない建築方式で屋根はピンク、壁はレンガを使った洋風テイストな建物だった。
そして店の看板が目に止まり…
「仮面メイド喫茶ますかれーど?」
「そう、メイド喫茶だ!一度行ってみたかったんだ。ただ、下手な所は嫌だから下調べをしまくってたどり着いたのがここだ!」
「そんなに良いのか?ここが」
「ああ!レビューサイトでは高評価の嵐。少人数とはいえ可愛い女の子がお給仕してるれると評判になっちゃあここに決めるしかないよな!」
「お前…こんなに熱く語る奴だったか?そんなにメイドが好きだったのか」
「今までは特に好きでは無かったが、色々調べている内に好きになってしまった。まあ、今のところここのメイドさんだけだけどな」
「ふぅーん、そうなのか。お前がそこまで熱中するなんてな。とりあえず、百聞は一見に如かずって言うしまず入ってみようぜ」
そう言って店のドアを開けるとそこに広がってたのは…
××××××××××××
「「「お帰りなさいませ!!!」」」
ドアチャイムが鳴って、入った瞬間店内に響く可愛らしい声が耳に心地好い。
その声を聞くだけでこの喫茶店の評判が分かる、そんな気がする。
俺達が入った直ぐ後、一人のメイドさんが近づいてきた。
服装は一目でメイド服と分かる服装だが、鎖骨等の胸元の上の方がぱっくり開いた服装でピンクを基調とした制服だった。
後、変な仮面を着けていた。
「お帰りなさいませ、ご主人様方。初めてのご帰宅ですか?」
「ご帰宅?」
「お前は知らないよな。こういうメイド喫茶は入店を「お帰りなさい」退店を「行ってらっしゃい」って言うんだよ」
「ほーん、そうなのか」
「そうそう、だからこれでいいんだ。で、えっとメイドさん。俺らは初めてなんだけど、何かルールとかあるの?」
「初めてのご帰宅ですね、分かりました!ではまず、当店のルールからお知らせしますね」
そう言ってメイドさんは自身が着けているものと同じのシルエットがウサギっぽいピンクの仮面?みたいなのを取り出した
「まず、ご主人様には当店に居られる間はこれを被っていて貰います。当店の名前をますかれーどと銘打っている様に仮面舞踏会(マスカレード)の様に仮面をつけ、身分素性を隠して店内に滞在していただいて店外での身分や素性を忘れて当店をお楽しみ頂くというものになっております」
「怪しくはないんだよな…」
「勿論そうさ。こういうのが効果を発揮するのはあまり世間体を気にしてこういうところに来たくても来れない人とかがターゲットなのさ。有名議員や有名人。そして、俳優女優などのちょっとでもゴシップに取られやすい人の憩いの場でもあるみたいなんだ。俺らには無縁の世界だけどな」
「そうですね。余りどういう人が来るとかは言えませんが、ご主人様方と一緒にご奉仕させて貰ってます」
「捕捉すると、そういうお忍び以外は普通にメイド喫茶を楽しみたいけど回りの視線が気になるってのが大半だな。分かるだろ、そういう気持ち。純粋に楽しみたいけど回りが気になって仕方がないってやつ。それがこの仮面を被ってるとあら不思議、顔がお互い見えないからお互いがお互い話が盛り上がったりメイドさんと楽しくお話できちゃうって訳よ」
「なるほどなぁ、よく出来てる…」
「という訳で、まずはこの仮面を被ってくださいますか?」
そして、俺達はメイドさんの持ってた仮面を渡された。
んーなんだか気のせいかもしれないけど、この仮面を見てるとなんだかウサギ鍋をしたくなる。ウサギ鍋なんて食べたこと無いのになんでだ?
「ん、どうした?さっさと着けたらどうだ?」
「あ、わりぃ。なんでもねぇよ」
仮面をつけたがこれといって変わる事もない。
まあ、ただの仮面だしな
「では、ご主人様方に仮面をつけていただきましたので当店の注意事項をご説明します!まず私達メイドにお触りは厳禁なのは前提で、連絡先の交換やプライベートの事を無理矢理聞く、酩酊状態でのご帰宅等の迷惑行為はお止め頂くようお願い申し上げます。酷い場合は出禁処理に致しますのでご注意くださいね!」
「ま、普通だな。こういう店は初めてだがそのまま店を楽しんでたら何も問題ないって感じか」
「そうですね。ですから、しっかりとルールを守っていただける限り私達メイドは誠心誠意ご奉仕させていただきます」
「分かった、元々そんな事する理由もないしな。お前もだろ?」
「ああ、勿論。店を楽しみに来たんだ。別に女の子に出会いを求めて来てる訳じゃない」
「では、注意事項を承諾していただけたところでお名前を伺ってもよろしいでしょうか?今回から当店でのご主人様を呼ばせていただく際のお名前を教えていただきたいのです」
「そんなのがあるのか…どうしようかな…。お前はどうするんだ?」
「そうだな…じゃあ俺は+白亜のシロト+で」
「お前…それってよくSNSで使ってる名前じゃ…それでいいのか?」
「ああ、大丈夫!昔から使ってるHNだからな。多少は愛着あるし」
「それではそちらのご主人様は+白亜のシロト+様で。そちらのご主人様はどうされますか?」
「悩むなぁ…。一応聞きたいんだけど、どういう人がいるの?」
「そうですね…。そちらのご主人様の様によく使われるHNの様なお名前だったり、御自身の名前だったり色々と。他にも普通に『ご主人様』と呼ばれる方も少なからずいらっしゃいますね」
「あぁ…。それじゃあ普通にご主人様で良いかな」
「良いのか?好きな名前で呼んで貰えるんだぞ?」
「別に大丈夫。特に無いしHN持ってる訳じゃないしな」
「分かりました。では、そちらのご主人様はこのままご主人様とお呼びさせて頂きます。こちらがメンバーズカードになっております。次回からはお忘れないようお願いしますね」
メンバーズカードを渡されて表面を見るとしっかりとご主人様と可愛い字で書かれていた。
手書きって良いな…。
「では、ご主人様方をお席にご案内しますね。こちらへどうぞ!」
俺達はメイドさんの案内で席へ誘導されて席へ座りメニュー表を渡された。
「おお、意外と種類あるのな」
「はい!ますかれーどは普通に喫茶店としてご主人様方に喜んで貰えるように誠心誠意作らせてもらってます!」
「え?もしかして、君達が作ってるの?」
「そうです!あ、申し遅れました!私"
「あれ、雰囲気が砕けたね。どうしたの?」
「まあ、砕けたというか…。さっきまでのは真面目モードなだけで普段はこんな感じですよ?」
「何か幼馴染みみたいで接しやすいな。こういうのもこのお店の良いところなのかな?」
「……そうですね!メイドさんは少ないですけど、いい子ばかりですし個性がある子ばかりですよ!あ、そういえば私達がご飯を作ってるとかの話の途中でしたね。私達メイドと支配人さんが交代で作ってるんですよ。ホールに一人か余裕ある時は二人出てて残りの人数で厨房を回すって感じになってます。なので心を込めてどのお料理も作ってますよ!」
「へぇ…よく知らないけどメイドさんがご飯作るって珍しいな。こういうのは別で厨房担当とかいるはずだろうけど、これもこの店の売りなのか。ここまでされると人気なのも頷けるな」
「そう言ってくれると頑張ってるかいがありますよ!では、メニューはどうなさいます?初めてなのでオススメとかにします?」
そうだな…と呟き、メニューに目を落とす。
色んなものがあるがパッと見た感じは普通の喫茶店の雰囲気を残しつつ、メイド喫茶店らしいであろう萌え萌え?したメニューもある。
んー、まあ折角来たのだしなぁ…。
「じゃあ、ホットミルクで料理はオススメでお願いしようかな。お前は?」
「オレンジジュースで俺も料理はオススメで!」
「分かりました!では、ご用意させてもらいますね!」
そういって、メイドさん改めてもかたんは厨房に消えて行った。
「なあ、あのメイドさん。もかたんだっけか、可愛かったな!」
「そうだな。ああいう距離感が近いと親近感が湧いて既に友達なんかじゃないかって思ってしまうメイドさんだな」
「なんで、お前はそんな論理つける様な考え方ばっかりなんだ。折角来たんだから楽しもうぜ!」
「そうだな…。ん?厨房から別の人が出てきたな」
「ん、なんだと!?」
俺はそもそも視線の先で山本は驚き振り返った。
この先には先程のもかたんのメイド服の作りは同じだが色違いの緑を基調とした制服を身に纏った女の子が出てきた。
「あの子も可愛いなぁ」
「お前はそればっかだな…」
「可愛いは重要だろ!?特にこういう店場合はな」
「確かにそうだが…」
そういって俺達は今出てきたメイドさんが注文を取ったりしている姿を遠巻きに見ていた。
声はあんまり聞こえないが、相手をしてるお客さんには穏やかな雰囲気が漂ってる
「なんだろうな、あの子。所謂癒し系なのか?」
「どうだろうな。話してみない事には分からないけど」
「あの子は"
声の方向を向くと料理を片手に持ったもかたんが立っていた
「常夏あいみちゃんか…。なんかゆるふわって感じだな」
「話してみれば分かるけれど、結構ゆるふわで可愛い子なんです。皆からは"らぶぴー"って呼ばれてるんですよ」
「らぶぴーか…名前のどこにもないのにどこから出てきたんだろう」
「確か、ラブアンドピースから持ってきたって言ってましたね」
「へぇ…そうなのか」
そういってもかたんは持ってきてくれた料理を配膳し始めた。
料理はというと…。
「オムライスか」
「オムライス!メイド喫茶店といえばの定番!」
「そうです!メイド喫茶の定番中の定番。それに私の大好物でもあります!それに…」
そうして徐にケチャップを取り出してオムライスにハートを書いてそれぞれの名前を書いた。
「そして完成!当店一のメニュー、メイドさん愛を込めたスペシャルオムライスです!ばばん!」
「ばばんって自分で言うのか…」
「それは言わないで下さい!恥ずかしいです…。つい調子が乗っちゃって言ってしまっただけです」
そういってもかたんは顔を両手で隠して俯いた。
あ、ちょっとかわいいかも。
「さて、気を取り直しておまじないかけますね!」
「おまじない?」
「そうです!いつもご主人方がご飯を食べる前に美味しくなるおまじないをかけさせてもらってます!」
「ほう…そんなのもあるのか…。じゃあお願いね」
「ではいきますね。ご主人様のご飯が美味しくなりますように!もえもえきゅーーん!もかもかぁぱわぁー!」
もかたんが胸の前でハートを作り、もえもえきゅんの掛け声で俺達のご飯に向けて腕を付き出した。その後、手を胸の前で握ったとおもったら両手を再び付き出してパワーを送る様な仕草をした
「これでご主人様のご飯がとってもとっても美味しくなりました!食べてみて下さい!」
「これはえっと、ありがとうでいいのかな。よし、いただきます」
見た目は普通に美味しそう。そこにケチャップでハートが描かれてその中にご主人様と名前も書かれてる。
崩すのが勿体ないが味はどうかな…。
「あ、美味しい…」
「うまい!うまい!」
俺はちょっと侮ってたところもあったが、食べてみるとこれは本当に美味しい。
料理も人気の一つなんだなっとも思った。
目の前のヤツは無視だ。
「美味しかったですか!良かったぁ…。これ、私の考えたこだわりメニューなんです!喜んでくれたなら良かったです!」
「そうなのか、凄いな。これこそ好きこそ物の上手なれってやつだな」
「やだなぁ。誉めないで下さいよぉ」
そうして誉められた時の満面の笑みから一転恥ずかしがるように顔を少し赤く染めてまた顔を隠してしまった。
あ、これはヤバイかも…。
「さ、ごゆっくりしていて下さいね!私はまだいますので空いていたらお話しましょうね!」
そういってもかたんは切り替える様に言って別のお客さんのところに行ってしまった。
「ん?おいどうした。食べないのか?」
「なんでもねぇよ。食べるよちゃんと、こんな美味いの残してられるか」
そう言って俺は紛らわすかのようにオムライスにがっついた。
×××××××××××××××
「ご馳走様。美味しかったし、今日はありがとう」
「いえいえ、こちらこそ喜んで貰えて嬉しかったですよ!」
「じゃあ、また来るよ」
「はい!ではまたのご帰宅お待ちしてますね!ご主人様方の出発です!行ってらっしゃいませ、ご主人様!」
「「行ってらっしゃいませ!!」」
言葉と同時にドアが閉められる。
既に外に出ていた俺達だけが取り残される。
「どうだった、楽しかったか?」
「…ああ。」
「どうした?もしかして名残惜しいのか?」
そういってニヤける山本を無視し俺は歩きだす。
「お、おい!置いていくなよ!っていうか無視するなぁ!」
ああ、なんて今は晴れ晴れとしているのだろう。今の俺はどこか気持ちの持ち方が違う気がする。きっとそれは…。
次また来れるように日々を頑張ろう、そう思える様になった俺だった。
どうでしたでしょうか?
面白かったら幸いです。
更新が不定期なのでいつになるか分かりませんが期待していただけるなら嬉しい限りです。
では、次回お会いしましょう。