なのちゃんらしさを出せてれば良いなと思います。
ではどうぞ。
「で、ここが立華の来たかったところ?」
「そうです!」
そう言って連れてこられたのは…。
「ゲームセンターか」
「んー、なんですか?何か不満でも?」
「いや、不満は無いが…」
「無いが…?」
ここってよく日陽川と来るところだよな…。
日陽川はいないよな…。
そう思い少し辺りを見回す。
って何してんだ俺…。浮気してるんじゃないんだから堂々としろよ、本当に…。
別に日陽川にバレたって何も悪い事は無い…よな?
「どうしたんですか?挙動不審になってますよ」
「何でもないよ。ほら時間が勿体ないからさっさと行こう」
「何隠してるんですかー。教えて下さいよー」
「何も無いよ、ホントに」
まあ、浮気とかのアレコレじゃなくてもデート中に他の女の事を話すのは流石の俺でも躊躇う。
そうじゃないと彼女に失礼だし。
嘘ついてる事にはなるんだけどね。
誤魔化す様に彼女の手を引いて店内に入る。
中に入るとゲームセンター特有の煩さが耳に
響く。
「ちょっと煩いですかね…?でも、ゲームセンターってこんなものですよね…多分」
「まさかとは思ったがやっぱりゲームセンター来た事無かったんだな」
「そうです、悪いですか?」
そう言って立華はじとーっとした目を此方に向けてくる。
こういうのも可愛いのは反則だな…。
「悪いとは言ってないぞ。ただ、立華ってもしかしてぼっt」
「ぼっちじゃないです!ゲームセンターに一緒来る友達がいないだけですぅ!」
「本当かぁ?」
俺はニヤニヤしながら立華に問いかける。
さっきのビュッフェで友達がいる事は知っているがあえて聞く。
この短時間で仲良くなったからか、立華をイジるのが楽しくなってきている自分がいた。
「そう言うお兄さんはどうなんですか!?普通に遊びに来る友達とかいるんでしょうね?」
「ふっ、愚問だな。今日俺と会った時の事を思い出してみるといいさ」
「今日会った時の事…?……あっ。」
「そういう事さ、ちゃんと俺にも友達はいるんだよ」
「ぐぬぬぬ……」
余程悔しいのか、自分でぐぬぬと効果音を出していた。
かわいい。
「そうやって調子に乗っていられるのも今の内です!これでギャフンと言わせてやりますよ!」
そう言って指を指した先に有ったのは某有名格闘ゲームであった。
これで勝負という事か?
ふっ、勝ったな。
というか今時ギャフンって…。
「これで俺に勝負を挑むとは愚かだな、立華」
「そんな顔をしてるのも今の内ですよ。吠え面をかかせてやりますよ!」
俺達は向かい台に座って硬貨を入れる。
さぁて、これで俺に挑戦した事を後悔させてやろう。
そして結果は…。
「なん…だと…!?」
「ふっふっふー、どうですか!」
なんと結果は俺がストレート負けとなった。
な、何故だ!日陽川とだって負けた事無いし他のやつ(NPC)とやった時は負け無しなんだぞ!?
「これでも家でよくオンライン対戦で遊んでるんですよ。ゲームセンターの筐体のは初めてでしたけど、お兄さんが弱すぎて気にする程も無かったです!良い顔してますね、お・に・い・さ・ん?」
「このぉ…」
さっきの仕返しとばかりに煽り散らしやがって…。
ドヤドヤニコニコしてる立華も可愛いと思うが、殴りてぇこの笑顔…!
「くっ、こうなったら二本先取の勝負しようじゃないか!負けっぱなしは趣味じゃねぇ!」
「へぇ…また挑んでくるんですか?お兄さん?」
「余裕をもってられるのも今の内だ。さて、ただの勝負じゃ面白くないから何か罰ゲームが欲しいところだが…」
「それなら…?」
「ん、それなら?」
「……………………か、勝った方がなんでも言うことを聞くっていうのはどうですか!」
えっ………?
ん?今なんでもって…。マジで言ってる!?
貴女、自分が言った事を理解してます!?
動揺し過ぎて口調が乱れてしまった。
何でもって何でもだよな………マジ?
件の立華は顔を真っ赤にしているが此方を見据えている。
お前も恥ずかしいんじゃねぇか…。
「だ、大丈夫なのか?そんな罰ゲーム用意したら俺が何を言うか分からないんだぞ…?」
「ま、まあ確かにそうですが…。私、お兄さんの事信用してますから。それよりお兄さんはいいんですか?私は後一勝ですよ!だから余裕ですよ、余裕!」
一瞬しおらしい一面を見せたかと思いきや、ドヤ顔を披露する立華。
まぁた調子に乗って…。
よし、今度こそ俺に挑んだ事を後悔させてやろう!
「立華がそういうのなら俺は何も言わない。なら、早速始めようか!まずはあれだ!」
そう言って指を指したのは○○堂の有名レーシングゲームのゲームセンター版だ。
これもよく日陽川と対戦してる。これはまあアイテム運とかもあるので戦績はどっこいどっこいだ。
「○リオ○ートですか。これもよく家でやってるのでこれはこの勝負貰いましたね!」
「まあそう言うなって。まだまだ勝負はこれからだぜ?」
ふふふ、そのドヤ顔が崩れる様を見るのが楽しみだ…。
隣同士に筐体に座り硬貨を入れる。
お互いにキャラを選んでスタート位置に並んだ。
「立華はクッ○か」
「そうです!重量級なら安定して走れますし、ぶつかっても吹っ飛ばされにくいですからね!そういうお兄さんは定番の○リオですね」
「俺は何事も定番ばっかりでね。主人公ばかり選んでるな」
お互いにキャラの選び方に自分が出てるというかなんというか…。
スタートランプが光り発進の合図がなる。
最後の合図と共にお互いがスタートダッシュを決める。
ここからは長くなるのでダイジェストでお送りするとしよう。
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「な、中々操作しづらいですね…」
「おやおや、今から負ける言い訳でも言ってるのか?」
「ぐっ…言わせておけばっ!勝ってやりますよ!」
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「ふっふーん、独走ですね!着いてきてますか、お兄さん?」
「あ、アイテムが良いのが出ない…。くそっ…追い付けねぇ…」
「おやおや、お兄さん。アイテムを頼りにしないと私に勝てないんですかぁ?」
「ぐぬぬ…」
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「あっ…」
「どうしたんです、お兄さん?もう諦めちゃいました?」
「いや、そうじゃない。あるものが通過しただけだ」
「あるもの…?………あっ…。や、やめ!来ないで!いま当たったら!ぎゃああああぁぁ!!!」
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「ま、待って…待って下さい…ゴールしないでぇ…」
「お、それならお前が来るまで待っていようか?」
「えっ、良いn」
「だが断る」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
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「ふふ、勝った!」
「ぐぬぬぬぬ…。認めませんよ、あんな運みたいな勝ちかた!」
「運も実力の内とよく言うだろ?」
「うぐっ…それはそうですが…」
○リオ○ートは俺の勝ちに終わった。
危ない危ない…。NPCの投げた青甲羅がなければ負けてた。
俺は何回かやっているが立華は初めてのはずだ。
何せゲーセンが初めてのなのだから。
なんかこうゲームに対するセンス?というものが凄いのだろう、きっと。
「さて、切り替えて次の勝負にいこう。今度は立華が選んでいいよ」
「そうやって余裕を保ってられるのも今の内です!次はこれで勝負です!」
立華が指を指したのは筐体内の景品を釣られてるアームでGゲットを目指すやつだ。まあ、UFOキャッチャーだな。
「良いのか?立華、今日がゲーセン初めてのなんだろ?」
「大丈夫です!勝ってやりますよ!」
「立華がそういうのなら良いが…」
立華、なんだか自棄になってないか…?
そんなに俺に言うことを聞かせたいのか…。
立華のお願いって何なんだ…?
「うーん、いっぱい有りすぎて迷いますね…」
俺の考えてる事など気にもしないという感じで沢山あるUFOキャッチャーの筐体を物色する立華。
「まあ、立華が欲しいものでいいんじゃないか?」
「確かに要らないものを取っても仕方ないですもんね」
立華はうーんと周りを見渡すと一つの筐体が目に止まった。
「あれにしましょうか」
そう言って指を指した先にはよくあるUFOキャッチャーとは違い大きい景品を掴む事に特化した筐体で中には青いハート型のクッションが置いてあった。
「お、中々に可愛い趣味してるな」
「むぅ、なんですか?私だって女の子なんですから当たり前ですよ!」
「あんな、汎用ヒト型決戦兵器みたいな絶叫しておいて…?」
「なんですか、それ!?分からないですけれど侮辱されてるのは分かります!絶叫してませんし、それとこれとは関係無いです!」
「ごめんってば。冗談だよ冗談」
「ホントですかぁ…?」
つい冗談を口にしてしまって立華に詰め寄られてたがなんとか誤魔化した。
それでも彼女はジト目で此方を見ている。
何をしても可愛いって反則だよね、うん。
「まあまあ、早く始めよう。これは順番にして早く取れた方が勝ちで良いな?」
「ええ、良いですよ。ならお兄さん先にしてください。お手本として見させてもらいます」
「ようし、任せとけ」
俺は硬貨を入れてアームを動かす。
まずは試しにと景品の直上から掴む感じに動かして降ろす。
案の定アームの力が弱いからか少し持ち上がってからスルッと景品がすっぽぬけた。
「お兄さん、落ちちゃいましたよ?」
「まあ、こんなもんだよ。どうにか工夫して取るのがこれなんだ」
「はえぇ…難しいですね…。よし、兎に角やってみます!」
そう言って立華は硬貨を入れて意気揚々に操作を始める。
さっきの俺と同じ様に操作すると思いきや落とし口に寄った感じの位置に合わせて景品を掴む様に動かした。
そのお陰か少し落とし口に近づいた。
「おお、少し動いたな。やり方を覚えるのが早いな」
「ふぅふーん、もっと誉めてもいいんですよ。でもあんまり動かないですね…」
「そんなもんさ。お店側もすぐに取られたら採算も合わないだろうし」
「確かにそうですね。さてお兄さんの番ですよ」
こうやって交互に操作を進めていき落とし口の近くに持っていく事が出来て立華の番に回った。
「よしよし、もうそろそろ取れそうですね」
「だな。すぐは無理かもしれないけど秒読み段階だな」
そう言って立華は硬貨を入れようとした時、携帯の呼び出し音が鳴り響いた。
手を止めてスマホを見て顔をしかめると「失礼しますね」と言い残し少し離れたところで話し出した。
店内の煩さが際立っていたが、所々彼女の声が大きいのか荒々しい声がここまで聞こえる。
何を言っているか分からないが怒っているのが分かる。
それでもクソウサギと聞こえたのはきっと気のせいだろう。
暫くして彼女が戻ってきて申し訳ないという顔を見てあの時の事を思い出した。
「もしかしてバイト?」
「はい…ごめんなさい…」
「大丈夫だよ、俺は気にしてないから」
「本当にごめんなさい…。埋め合わせのデートなのにまたこんな事に…」
「いいよ、ホント。立華が気に病むならまた遊べばいいじゃないか」
「えっ…また遊んでくれるんですか…?」
「勿論だよ。その為には連絡出来るように連絡先交換しておかないとな」
俺は自分のスマホを取り出してお互いに連絡先を交換する。
立華はあまりやった事が無いようで手こずっていたがなんとかいけた。
連絡先を交換すると彼女は大事そうに自分のスマホを握りしめ胸元に寄せた。
そんなに嬉しかったのか…?まあ、いいか。
「それじゃあ、今度連絡しますね!用がなくても連絡します!」
「用がなかったら連絡しなくても良いだろ…」
「ふふっ、そうですね。まあ、遊びに行く約束以外にもお話してくれると嬉しいです!」
立華は今日一の笑みを浮かべて微笑んだ。
うっ、その笑顔は俺に効く…。
「それじゃあまたお会いしましょう!」
「ああ、またな」
店の外で俺は手を振って立華を見送る。
日陽川と遊んだ時と違って新鮮な感じで楽しかった。
彼女がまた遊びたいと言ってくれるのだ、また遊びに行きたいものだな。
「はてさて、時間が余ったなぁ…」
今はまだ空が明るい、赤みがかってもいない。
そういう事なら…。
「また行くか」
思い立ったが吉日、そう思い足をますかれーどに向けるのであった。
いかがだったでしょう?
面白かったよって思ってもらえると幸いです。
察しの良い方ならもう分かるでしょうが、次はもかたん編を予定しております。
では、次でお会いしましょう。