シャンフロ妄想集   作:TY

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1/24 時系列順に並べ替えました。内容に変更はありません。
旧3番目

引き続き楽郎×永遠ものです。
時系列的には「思惑通りの結末(ルートは想定外)」の直前になります。
本当はベッドインする前に永遠が楽郎に色々お願いするところまで文字にしようと思いましたが....やめました。
どうオブラートに包んでもR18が隠れなかったんです。


永遠ルート
それは女神の呪いか祝福か


『好奇心は猫を殺す』というイギリスだかフランスの諺がベースの言葉をご存知だろうか。

好奇心が身を滅ぼすこともあるから程々にね?いった意味合いである。

 

そう、好奇心。

事の発端はそんなちょっとした好奇心から始まったのだった。

 

 

今日は花の金曜日。

大学の講義も終え、同じゼミのメンバーからかかる誘いを先約があるからと断り足早に大学を出て駅に向かう。

 

月に最低1度は発生するようになったイベント、天音 永遠からの呼び出しに対応するためである。

 

上京してからのなんやかんや、さらにはプロゲーマー(総受け魚類)からの依頼を断れず顔隠し(ノーフェイス)としてちょくちょく活動する羽目になった際のアドバイス等、借りばかりが増えて座りが悪いと言ったら相手から持ちかけられた対価。

 

「じゃあ、私の都合のいい男になってよ」

 

モデルという仕事の枠組みを越えて、今ではドラマでもその顔を見る機会が増えた天音 永遠。

そのカリスマ性は舞台をかえても、陰ることなく輝きを放っていた。

しかし、その光が眩い程、人々の印象に残っていく。

モデルがメインの頃はメイクで誤魔化してきたが、仕事の間口が広がったためか声をかけられることがかなり増えた....らしい。

 

仕事としては得難い資質なのであろうが、それでプライベートに悪影響が出るのは困る。

芸能人とて人の子。

気軽に出掛けたいあれこれがあるのに、騒ぎになったりイメージと違うとつまらぬ言いがかりをされるのは避けなくてはならないそうだ。

 

面倒だけど、そろそろなんか手を考えなきゃと思っていた所に俺がそんなことを言ってしまったわけで....

 

ならば、タゲをデゴイに分散し(押し付け)ようと手段が決まってしまったら行動は速かった。

 

「顔立ちは悪くないし、背丈も並んでみてもいい感じ」

 

「服のセンスは....うん、きみの予算内で見繕ってあげよう。この永遠さまが直々にコーディネートをしてあげるんだから感謝してよね。あ、妹ちゃんになら自慢してもいいよ?」

 

「あとは、目付きと姿勢かな?こればっかりは長い目で見るしないかぁ....とりあえず日頃から胸を張ることを意識して?ジャックのキャラを借りすぎてるからか猫背気味だよ」

 

そこからは永遠の独壇場(オン・ステージ)

容貌に服装、面相から姿勢まであれこれと。

その勢いに圧倒されてるうちにとりあえず実際に次の永遠のオフに俺の服を見繕いに行くということになっていた。

 

その前日にどこから嗅ぎ付けた瑠美が実家から強襲してきたのは完璧に余談である。

 

とりあえずお試しで出歩いたそれが御目にかなったのか

「うん、いい感じだったわ。じゃあこのアプリを....よし、これに外せない予定あったら入れておいてね」

予定の共有できるカレンダーアプリを入れられて都合のいい男の出来上がり。

 

それからは時間が合うと呼び出され、連れ回された。

季節ものの衣服のウィンドウショッピング

話題になっているスイーツの食べ歩き

気になっているカフェ

番組の話の種として行く映画

ARを使用した体験型アトラクション

花火大会

水族館に動物園、博物館....

 

そして俺がお酒を飲めるようになってからは

番組で紹介された飲み屋

路地裏の居酒屋

洒落たバー

料亭

ドレスコードがあるレストラン....

 

なんかもうギャルゲのイベントスチルになりそうなのは大抵揃えたんじゃないかと思えるレベルに色々なところを行った。

ただ、くっそ高そうな....というか高いところは勘弁して欲しかったな。

俺だけ場違い感が半端ないし。

 

しかし、今回のは予定に組まれたものではない。

といってもこれもわりとよくあるパターンで一緒に出掛ける前日に時間が空いたから一緒にご飯でもどうよ?といった感じだ。

 

指示された駅に到着し、改札を抜けたあたりで後ろからぽんと肩を叩かれる。

「やっほー、楽郎くん」

 

「どうもー、天音さん」

自然と横並びになり、適当に挨拶を交わしながら持ち合わせしていたはずの駅の出口に向かう。

人が多いところでは極力名前は呼ばないようにしている。

すこし前に駅前で迂闊にこいつの名前を出した瞬間にぐりん、と首がもげるのではないかという勢いでこちらを見やってきた女子高生が軽いトラウマになっているからだ。

やっぱファン(邪教徒)って怖い。

 

スニーカーにデニムのパンツ、淡い柄物のシャツの上にジャケット。

長い髪をお団子に纏めて、一緒に見に行った時に買っていた覚えのある細身のフレームのだて眼鏡をつけている。

俺にはありふれた着こなしにしか見えなくても、なんかこだわりとかあるんだろうなぁ、と横目で見ていると

 

「お、ついに楽郎くんもそういう目で私を見るようになったか」

そんな視線を感知したのか、にっこりと笑顔を向けてくる。

 

「は?」

 

「ほら、お姉さんの今日のコーディネートのどこがよかったんだい?言ってごらん?どんな拙い言葉(貧相なボキャブラリー)でも笑わないでいてあげるから」

 

なんか勘違いしてるみたいだけど、多分、そんな期待しているような台詞は出ないぞ。

それとは別にポケットで起動してるであろうボイスレコーダー機能を止めろ。

 

「いや、その眼鏡一緒に見てた時に買ってたやつだよなぐらいしか」

 

「....」

なんだよ、その炒飯が食べたかったのに雑炊が出てきたみたいな顔は。

 

「で、今日はどこに行くんだよ」

 

「そういう関心を持つようになったってだけでも進歩か。あー、うん。今日行くつもりなのは肉メインのお店でね。ジビエと洋酒にこだわってるらしいよ」

 

なんか独り言を呟いているが問題はそこじゃないからスルーで。

それよりも今回は肉か。よかった。

実家を出る前に魚の捌きかたを本格的に仕込まれ、いざ一人暮らしを始めたら定期的に釣果が現地から送られてくる環境にあったから魚には困っていないどころかお裾分けしたいレベルである。

妙にデカい冷蔵庫買ってくれたと思ったらそういう算段かよ、とげんなりした記憶だ。

 

「洋酒ね....ちょっと待ってくれ」

お酒を嗜む前にいつも摂取している一本を売っている自販機を見つけた。

手早く小銭を入れて購入。出てきたブツを取ってプルタブを引いたところで

 

「んー....今回それ禁止ね」

 

「....は?あ、おい」

するり、と開けたばかりのライオットブラッド(無印)が手から離れていく。

そしてそのまま奪った相手に飲み干されてしまった。

 

空になった缶を備え付けられたゴミ箱に入れて

「ごちそうさま。じゃあ行こっか」

下手人は何事もなかったのように目的地へと向かい出した。

 

「いやいやいや、禁止ってなんだよ」

ゴールがわからない以上、置いてかれると困るのでその後ろ姿を追う。

エナドリ1本奢るくらいなら問題ないが、禁止?なんだそれは。

 

「だって、いっつも飲んでるじゃない?噂とかは色々聞いてて実際に効果がて出るのかプラシーボなのかはわかんないけど、一回くらいは素の自分を知るべきだと思うのよね」

 

まあ、確かに一理ある気がするが....

「本音は?」

 

「アルコールに飲まれる君が見てみたいという好奇心。そして弱みのひとつでも握れればグッド!」

 

そんなことだろうとは思ったよ!

 

 

「あー、美味しかったし面白かったー」

 

「くっ....やはりアルコールとは相容れぬかッ....」

 

「いやー、まさか楽郎くんが私のことをそんな風に見てたなんてねぇ....悪い気はしないかなぁ」

赤ら顔でころころと笑いながら楽しそうに先導していく永遠。

対して俺は鏡を見なくてもわかる程度には渋面を作っているだろう。

 

料理はうまかった。ジビエと言っていたが海産物の珍味も揃えていて雑学も解説してある楽しい店だったし。

熊の手がまんま入った鍋のなかなか忘れられないビジュアルとか、永遠が面白半分で注文したスッポンの生き血カクテルとかも癖はあったが悪くなかった。

 

では何故そんな顔になっているかというと、ライオットブラッドなしでアルコールを摂取した結果、俺はヤツに散々弄ばれてしまったからだ。

 

端的に言うと、思ってることを素直に口に出しやすくなる程度の状態になっているらしい。

聞きたいことを散々答えさせてから指摘してくるとか人の心はないのかよ!

なさそうだわ。

 

今となっては自覚症状はある。

思考がわりと直線的になってる感じがする。いや、ゲームしてる時はわりとそうなるけどリアルでなったことはない。

こういう時は大抵勢いで行動してしまうという経験則もあるがカフェインではなくアルコールでは制御がどうなるかわからない。

 

だからなのだろうか。

目の前を楽しそうに歩いている彼女がいつもよりも可愛く見えるのは。

ん?というか、あそこまでの赤ら顔なんてはじめて見るのでは?

うわばみを自称しているだけあって、酒には強く、今までの食事で飲んでも顔色一つ変えていなかったやつが?

少しだけ頭が冷える。

 

「あれ....道、間違えちゃったかな?」

 

「曲がるところが何本かはやかったか?」

気がつけば二人、見覚えのない道に見覚えのない店の前。

さっきの店に入る前はまだ日が出てたら印象がかわって間違えたのだろう。

 

「仕方ない戻ろっか....っと」

振り向こうとした永遠がバランスを崩すのを見て、とっさに肩を抱き支える。

服越しにだが触れた体温が高く感じる。

 

「あー....ありがとう楽郎くん。ちょっと躓いただけだから大丈夫だよ?」

 

じっと顔を見つめる。

やはり、顔が赤い。

「ら、楽郎くん?おーい?ちょっ!?いきなりおさわり?!」

自由のきく手を額、頬、首筋と当てていく。

平熱は知らないが、どこも熱い。

 

「な、なんなの?女性の、しかも私の顔を無遠慮に触るとかしょーもない理由なら万死に価するのわかってる?」

 

「なあ、家まで帰るのにどれくらいかかる」

なんか色々と捲し立ててるのを無視して問う。

 

「へ?いや、乗り継ぎ一回の合計で30分ちょいだと思うけど....」

 

多分、普段と体調が違っている自覚はないのだろう。そんな状態で一人で帰すのはよろしくない。

しかし、部屋まで送っていくとなるとそこをすっぱ抜かれたら本末転倒。

ならば

「....よし、あそこで休憩していこう」

落ち着くまで休ませよう。

 

あそこ、と言われて俺の視線を追った先にあったのを見て

「はぇ?」

と気の抜けた声をだす。

それは間違って入ってきた道の先にある休憩もできるホテルであった。

 

「どうしても嫌なら振りほどいていいぞ」

肩を抱いたままだと支え辛いので、腰に腕を回す。

本来なら肩に腕をのせてもらった方が運びやすくていいのだがそうも言ってられない。

 

「えぇ....あぅぅ....」

遂に人語すら話せなくなった永遠は比較的素直に着いてきてくれたのは助かったが本当に大丈夫だろうか。

 

 

どうしてこうなった。

 

アルコールでいい感じに壊れてたのを楽しんだ仕返しなのか?

ちょっと躓いただけなのに、なんか唐突に真顔になったと思ったら腰に腕を回されがっちりホールドされた状態で強引にホテルに連れ込まれ、シャワーのほうがいいのではとか言われ逃げるように浴室に併設されてる洗面所に飛び込んだはいいが状況を飲み込めない。

 

色々連れ回して一年ちょっと。

今回みたいに一緒に食事もするようになって数ヶ月。

少しの悲しみと怒りを覚える程度には、こんな展開の伏線なんてなかったのに。

 

とりあえず団子に纏めていた髪をほどき、だて眼鏡を外す。

メイクの感じは少し違うがこれでいつもの私に戻る。

そうすれば思考も落ち着くだろうと鏡をみる。

 

なんか違う顔が見えた。

 

驚いて瞬きをした次の瞬間には自分に戻っていた。

幻覚見るほど追いつめられてる?と、若干のホラー展開にビビりながら鏡に写った顔を見て違和感を覚えすぐそれに気がつく。

 

顔、真っ赤じゃん。

 

いつも酒を飲んでけろっとしてる人間が顔を真っ赤にしてけっ躓いてみろ。

心配の一つや二つされるわ。

 

しかも、相手はアルコールにやられて思考回路がいつも以上に単純化して行動も即断即決。とどのつまりゲーム中に近くなるらしい。

だから、わりと強引なムーブができていた、と。

 

なんだ、種が割れれば純粋に心配されていただけか。

安心したような少し残念なような複雑な気持ちになるが悪い気はしない。

そうとわかればいつもの私で部屋に戻れる。

 

───本当に?本当にそれでよろしいのですか?

 

何者かが問いかけてくる。

いいもなにも、相手には(下心)もなかったじゃないか。

 

───相手のことなど聞いていません。あなたのことを聞いているのです。

 

なにを

 

───これはまたとない機会なのではないのですか?

 

言って

 

───願っていなかった訳ではないのでしょう?こういう展開を。

 

いるんだ....

 

───この様なところに男性が女性を強引につれこみ、あまつさえ先に身体を清めてこいなどと言う。これはもう....ねぇ?

 

確かに。それでは勘違いしても仕方ない。

はらりと羽織っていたジャケットを脱ぎ、シャツのボタンに手を掛ける。

 

───ええ、ええ。もちろん彼は下心などなく、純粋にあなたを心配しているのでしょう。

 

そうであろう。そうに違いない。

ソックスを脱ぎ、ベルトに手をかけズボンを下ろしていく。

 

───それでも悲しいかな。すれ違いというのは発生してしまうもの。

 

下着すらも取り払い一糸纏わぬ姿を鏡に晒す。

 

───だから、仕方のないことなのです。求める者にこのようなことをされてしまえば。

 

ムダ毛の処理は昨日した。

お腹もご飯を食べた後だから少し心配したけど許容範囲。

 

───一途に恋をする者とて期待するなと言うのは無理からぬ話。

 

大丈夫、覚悟は決まった。

備え付けのハンドタオルを手に取り浴室に向かう。

 

───それは重畳。では、一つだけアドバイスを。寝台の枕元に置かれているアレ(避妊具)、無粋ですので捨てるか隠してしまいなさいな。

 

それもそうか。

やるなら徹底的に逃げられないようにしなくちゃね。

 

その顔からは既に赤みが引いていた。




閲覧、お気に入り登録等ありがとうございます。
そろそろ違うCPやりたいなーとかプロポーズのシチュエーションまでやりたいなーとか色々と難しいですね。
次回の内容は未定ですが、楽しんでいただけたのなら幸いです。


以下蛇足


蛇足その1
ファンの間では最近の永遠さまはにお気に入りの男性がいると噂になっている。

蛇足その2
永遠がみた幻覚の顔を聞いた楽郎は乱数の女神なのでは?と首を傾げた

蛇足その3
某スレッドにて


193:ライブラの導師
ぬぅっ!?それはいかん!神の怒りに触れるぞ!

194:名もなき暴徒
え?何事?

195:名もなき暴徒
他のお歴々ならわかるけど導師が唐突に発狂するの珍しくね?

196:名もなき暴徒
発狂いうなやwwwwライオットブラッドは合法です

197:名もなき暴徒
でも、なんか今日イベントとかあったか?ライオットブラッドは合法です





213:ライブラの導師
いや、すまぬ
この程度で狼狽えるとは精進が足りぬ証拠か

214:名もなき暴徒
結局、何があったんですか?

215:名もなき暴徒
ライオットブラッドの神の怒りとか既に字面がヤバい

216:名もなき暴徒
この世全てのエナドリがライオットブラッドになりそう

217:名もなき暴徒
なんだよ祝福じゃねーか

218:名もなき暴徒
全ての水分とか言い出さないだけ謙虚

219:ライブラの導師
いや、異教の手先かと勘繰ったがそうではなかったようでな
それどころか迷える者に道を指し示すとは
見えはせなんだが、神の慈悲深さを感じたわい

220:名もなき暴徒
異教とかいってるけど、ライオットブラッドとやりあえるのある?

221:名もなき暴徒
そもそもエナドリ界隈で神を崇めてるのここだけだろ

222:ブレインアイ
いいえ、殺生院ではありません
仮に限りなく殺生院に近いなにかに見えても口調が似ているだけなのでクロスオーバータグはつけません
だって、神の外見とかわかんないし

223:名もなき暴徒
エナジーカイザーのところもそこまではいってないものな

224:名もなき暴徒
殺生院?

225:名もなき暴徒
飲み込まれたくなかったらスルーしとけ

226:名もなき暴徒
見えはせなんだっていつもは見えてるのかよ
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