これからは時系列順に投稿していけると思います。
繋ぎ回みたいな薄い内容で申し訳ない。
もっと煽り合いとか毒を含ませた会話をさせたいのに出来ないもどかしさ。
やっぱすげぇよ、原作は。
「いやー、おいしかったよ。ごちそうさま」
「それはようございました」
晩飯を食べ終えて、一息ついたところでぬけぬけと言ってくる永遠。
こいつ、本当になんも手伝わないでいやがった。
買い出しにはついてきたものの、帰った後は昼間に買ったものを含めて整理するとか言って部屋中を終始うろちょろしていた。
キッチン回りはそんなにスペースがないから仕方ないと言えば仕方ないが。
「本当に魚介づくしだったねぇ。お酒を買わなかったことを若干後悔してる」
「その感想が出るうちは幸せなんだろうさ」
一週間ほどマグロと戦い続けたり、鯵鯖だけの生活をしてたらありがたみも何もなくなる。
うまいんだが、なんというか、感情じゃないところで捉えるようになるんだよなぁ。
「お義父さんが釣り好きなんだっけ?」
「ん?ああ。もう
あれが一般的な釣り人だと言われたらドン引きだわ。
ぐだぐだと話しながら食休みをしててもいいが、億劫にならないうちに洗い物はしていかないと。
立ち上がり、皿を片付け始めると永遠もそれにならって手を動かす。
流石に後片付けは手伝ってくれるようだ。
うちには食洗機なんてお助けオプションはないので、スポンジによる手洗い。
俺が洗って、永遠が洗剤を流して水切りかごへ。
昨日まではこんなことを並んでするだなんて考えてもみなかったのに。
その間も他愛ない会話は続いていた。
やれ、今日の献立のなにが気に入っただの。
やれ、次はこんなのが食べたいだの。
やれ、本来の予定ではなにをするつもりだっただの。
やれ、大学生なら少しはお酒置いとけだの。
そんな流れで
「....ところでさ」
「ん?」
「さっきのやつ、どこまで本気なのかなって」
「さっきの?」
ぱっと思い当たる節がなく子首をかしげる。
どのことだ?
「ほら、私に釣り合うどうのこうのって」
ああ、
「いや、どこまでももなく本気だが?」
「....言っちゃ悪いけど私ってハードルかなり高いよ?」
んなことは知ってるよ。
ここ一年ちょい付き合い続けた買い物の金額だけでも察せるわ。
芸能とか興味無いやつも今では天音 永遠の名前か顔は知ってるってやつも多い。
それに大学出て就職して....みたいな真っ当な道で追い付こうだなんて相手にも失礼な話だ。
顔がいいから、センスがいいからで辿り着ける場所じゃないのは百も承知。
こいつは自分を磨く努力をし続けているんだろう。
たまにストレス発散とかいって好き放題して後悔してそうだけど。
そんなのに追い付くには常道じゃ駄目だ。
仮に追い付けたとしても遅すぎる。
「まあ、俺にしか使えない
自分だけだとどう売り込めばいいかわからんけど。
武田さんに相談とか考えてたけど、これ、真っ当に取り合ってくれるかな....
「もしかして、プロゲーマー?」
「流石にわかるか」
「楽郎くんにしか使えない手段とか限られてるし....でも、いいの?なんか将来設計してもらってたとか言ってたじゃん」
「まあ....うん。相談してた人にもう色々ぶっちゃけてみるかなぁ」
「それ、信じてもらえる?」
食器を洗い終えたので、手についていた洗剤の泡を流しながら相談する内容に思考を巡らす。
俺、巷で噂の覆面プロゲーマーなんだ!!
このステータス上手く有効活用する方法ありますか!?
うん、いきなり言われても胡散臭いことこの上ないわ。
「俺なら頭の心配するね」
「だよねぇ。しかもきっかけが彼女ができたからときたもんだ」
「詐欺師に騙されてる可能性まであるな....あ、お茶飲む?」
電気ケトルに水を入れてセットしながらケタケタと笑ってる永遠に聞く。
いつもならライオットブラッドをきめてゲームなのだが、彼女が泊まっていくと言ってるのにそれはないというのは流石の俺でもわかる。
特に熱をいれてやってるのがあるわけでもないし。
「紅茶の気分なんだけどある?」
「そこの棚に瑠美がきた時用にって置いてってるのがあるはず」
「つかっていいの?」
「使うなとも言われてないからいいだろ」
本人に聞いても永遠さまならどうぞ!!とよろこんで差し出しそそうだしな。
それぞれお茶をいれてソファに並んで腰掛けた辺りで再び話の内容が戻ってくる。
「やっぱり所属するなら
「一番ありそうなのはそこなんだけど....」
でも、なんか違う気がするんだよな。
押し付けられたのも含めて色々あるが、事の発端は慧のヘルプ要請だし....
「そもそも奴の後輩扱いになるのがちょっと」
「プロゲーマーの時点で後輩扱いになるんじゃないの?」
「所属が違うと競争相手になるから後輩とは見られないだろ」
それもそうか、と頷きながら永遠はマグカップに口をつける。
「かといって国外ってのもハードルが」
言語の壁というより物理的な距離が辛そう。
あの
プロゲーマーと対戦してフィジカル面の足りなさを感じて色々始めてみたけどああはなれないだろうし。
あと、クソゲー集めるのも通販頼りになるのはちょっと。
「そもそも付き合い始めた彼女を置いてきぼりにするのはお姉さんどうかと思うなー」
相手の表情はにっこり笑顔なのにめっちゃ圧を感じる。
年齢いじりとかおっさんネタ振って地雷踏んだ時よりも本能的な恐怖を感じる。
「その選択肢はないから安心して?」
だから、その圧を引っ込めてください。
「よろしい。でも、あの話は本気にしなくていいよ?私のために人生の進路変えちゃうのもあれだし」
「ん?あー....別に全部が全部、お前のためって訳ではないからそんなに気にしなくてもいいぞ」
少しだけ悩んだが、黙っている程のことでもないかと思い至り素直に話す。
「え?」
「どっちかってと自分のための方が強いのか?」
怪訝な顔をしているのを無視して続けていく。
「これからの付き合いの中で喧嘩もしないなんてのはあり得ないだろうし。その時にマウントとられそうな部分は少しでも無くしておかないと」
「普通、そういうのって君のためだよとか言うもんじゃないの」
言ってることはわかるけどさぁ、と少しだけ拗ねた雰囲気でいる相手を鼻で笑う。
「そういう所を遠慮なく攻めてくるだろうに」
「確かにやる。でも、普通に過ごしてる時はもうちょっと甘い言葉とかくれてもいいのよ?」
「え?俺にそういうの期待する?」
「おっと、昨日の言動思い返してみようか」
「は?普通だろ」
あれで普通とかマジかよ、みたいな表情をしてるがよくわかんないです。
そんな馬鹿話をしているうちにピピピと電子音が鳴り響く。
「お湯張り終わったみたいだからお先にどうぞ」
「ありがと。あ、タオルの類いは?」
「洗濯機の上に新しいのを出してるからそれ使ってくれ」
「はーい」
ぐいっと紅茶を飲み干し、浴室に向かうのを尻目に、携帯端末に手をのばす。
ダメ元で武田さんに相談メールしてみるか....
とりあえず聞くだけ聞いてみようと文面を考えようとした辺りでドアノブに手を掛けた永遠が振り向く。
「覗かないでね?あ、でも、一緒に入りたいっていうなら考えてもいいけど」
「覗かないんで安心して、どうぞ。あと一緒に入れるほど広くないから」
「ふーん。入れるなら入りたいってことかな?えっち」
にやにやと笑いながらこちらの返事を待つことなく足取り軽くドアの影へと消えていった。
ため息を一つついて、改めてメールの内容に頭を切り替える。
切り替えたっつってんだろ。
去れよ、煩悩。
とりあえずメールは送った。
文字通り世界を飛び回ってるからすぐには返事はこないだろうと携帯端末から手を離しマグカップを取る。
中のお茶は既にぬるくなっていた。
ふと、これからどうなっていくのかと疑問がわいた。
永遠と付き合い始めた。
かといって、それを公にする必要もなく。
俺から慧や瑠美に報告してやる義理もない。
いきなり生活を変えれるわけもないからこのままだろう。
プロゲーマーになる道を選んだ。
手っ取り早いのは
武田さんに相談はしてみるが、どうなるかはわからない。
親との約束で大学は通い続けるが。
関係は大きく変わったし、将来の目標も増えたが全体的な状況としてはそんなに変わらない....のだろうか。
多分、後者は本格的に動き出したらそうも言ってられないのだろうが、今は暗中模索の五里霧中だ。
「なんか考え事?」
虚空を眺めながら思考に耽っているといつの間にか風呂からあがってきていた永遠が顔を覗き込んできた。
流石にバスタオル一枚だけということはなくしっかりと昼間の買い物で買っていたスウェットを着ている。
「いや、自分の部屋にスウェットをきた天音 永遠がいるってSNSに画像投げたらどうなんのかなって思って」
「斬新な自殺かな?」
「過激派に即行で特定されて死んだ方がマシな状態にされそう」
よっこらせ、と立ちあがる。
風呂に入ってくる旨をつげ浴室へと向かう。
永遠からは化粧水やらを取り出しながらの気のない返事を背にうける。
今は考えてもどうしようもないことがわかった。
向かう先を決めた、それだけで今は十分なんだろう。
風呂からあがってからも、ぐだぐだしているうちに時間は流れ夜が更けてくる。
「そろそろ寝るか」
「ゲームはいいの?」
確かに普段ならば何かしらのゲームをやっている時間帯だが....
「流石にここでゲームする勇気はちょっと」
「残念。始めたら家捜ししてやろうと思ってたのに」
「昼間の時点で好き勝手に漁ってただろ」
お約束のごとくベッドの下も覗いてたの見てたぞ。
実家でもないのにそんな所に隠すわけないだろ。
なんてことを口にしようものなら本気で探しはじめるのが目に見えているので心中に留める。
「いやー、彼氏の性癖とか知っておきたいじゃん?唐突にドン引きするようなプレイ要求されてもね」
「人をなんだと思ってやがる」
「
ぐうの音も出ない正論を叩きつけれた。
確かに大衆には理解されにくい趣味ではあるが、だからといって性癖までそうだと決めつけては欲しくない。
「まあ、昨日の様子からウブでねんねな永遠には刺激が強すぎるかもしれないしな」
「んなっ!?」
言われっぱなしあれだから適当に煽ったらなんかクリティカル出したっぽいのでそのまま押しきる。
「始めの方は大人の余裕とか言ってたけど?気がついたらカチンコチンで本番はもう....ねぇ?」
「これだから困るなぁ、童貞は!せっかく花を持たせてあげようと演技してあげてたのに!!」
場の雰囲気を変えるように大仰な口振りで煽りにかかる永遠。
どんな意図で動いてるのか容易に見えてくる程度には焦ってるらしい。
「ほーん、あれが演技だったと?」
「そうでーす。男を立ててあげようとしたのにそんな言い方をしてくるなんてお姉さんは悲しいわ。しかも晩御飯でバフかかってる状態だったのを自分の素だと思ってるとか、もう...ねぇ?」
「バフ?」
「すっぽんとか熊とか猪とか滋養強壮にいいって聞かない?」
「聞いたことはあるけど....そもそも、一緒に同じの食べてたろ」
「....きーこーえーなーいー」
「子供か」
売り言葉に買い言葉。
最後の方には今日日、小学生でもやっているのを見ないような手段に出ている。
「つまりフェアな状態ではなかったのだよ」
「おう」
「なので再戦しよう」
「おう....おう?」
真面目に取り合うのが面倒くさくなり雑に相槌をいれてたら思ってもいない言葉が出て来て思わず反応してしまう。
いや、再戦ってなんだよ。
「よし、じゃあ行こうか」
手を引かれ寝室に連れていかれる。
再戦ってそういうこと?
そういうのを期待してなかったわけではないが。
「ぐへへ、わからせてやるぜ」
「え、それお前が言う側なの?」
閲覧、お気に入り登録等ありがとうございます。
感想もありがとうございます。
オチにエロをもってくるしか芸を持たない私を許して。
以下、蛇足
蛇足その1
「色々おいしかったけど、一番気に入ったのはイカの塩辛かな。あれ、どこのやつ?」
「俺が作ったやつ」
「へ?」
「素材は父親からで、レシピは母親の見よう見まねだけど」
「....マジ?」
蛇足その2
永遠のスウェットの下は買い物の時に誰かが一番反応してた下着を着てる。
言うまでもなく勝負下着。
それでも勝てない。