それもこれも全て読者様皆様のお陰様。
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そしてこの作品はテンションで書いている。
つまり ...?(。-∀-)ニヤリ
事前情報の通り、扉をくぐった瞬間に”ラグランダの社”から”ラグランダの霊界山脈”へと強制的に転送させられ、今まで一緒に行動していた仲間の姿はどこにも見えなくなってしまった。つまり仲間たちと合流するまではたったひとりで戦わなくてはならない。
しかし例えひとりで先に進むことになろうとも、誰一人として諦めることは無かった。なぜなら6人全員が、進んでいるのは自分だけではない、仲間が先で待っているのだと自分自身を鼓舞し続けていたからだ。
そして現在、ミルが敗北を喫したあのフィールドで激しい戦闘が繰り広げられていた。4人vs10体以上という危機的状況の中で、誰一人希望を捨てず自分の全力を出して戦っていた。まだここへ来ていない2人を、冷や汗を拭いながら今か今かと待ち続けて。
「”アンカー・ハウル”っ!!”アイアンバウンズ”っ!!」
数百のナイフと斬撃が飛び交う戦場に、直継の大きな声が響き渡る。思わず背を伸ばしてしまうような威圧感、しかし仲間としては頼もしい限りの声だった。それまで多方向に向かっていたナイフが、アンカー・ハウルを使用したことによって直継ただ一人に殺到する。敵自身も素早い身のこなしでもって直継を殺すために襲い掛かる。しかしそれでも絶対に怯まない。アイアンバウンズを使用し、自身への攻撃に対するダメージ量を減少させたのだ。仲間への攻撃は全て自分が引き受けると言わんばかりに、直継は後衛に頼もしい背中を見せつける。
「”禊ぎの障壁”っ。」
「”火車の太刀”!」
直継の前方に展開される水色に輝く鏡のような障壁がナイフを弾くと同時に、攻撃を仕掛けようと忍び寄る
数で言えば圧倒的にハサンの軍団が有利であるのだが、直継の鉄壁の守りに攻めあぐねている様子だった。中途半端な攻撃を仕掛けようものなら、電光石火の如き一刀のもとに葬られることも分かっていた。
「"イクスペンスヒール"っ!」
地面に光り輝く大きな文様が描かれ、その場にいる全員のHPが継続的に回復する。更に、範囲内に居たハサンのHPは少しずつ減少し続ける。
「サンキュー3人とも!」
直継の言葉に油断なく頷き返す3人。最後尾に位置するマリエール。直継と共に最前線で敵を斬り捨てるソウジロウ。そして防御を中心として、隙を見て回復と攻撃をも満遍なくこなすナズナ。
ミルが最後の2人に選んだのは、アキバにおける戦闘系ギルドの一角”西風の旅団”のギルドマスターであるソウジロウとその副官のナズナであった。
あの時連絡を受けたソウジロウはミルの誘いに二つ返事で了承し、ナズナと共に遠征地へとやってきた。そこでミルからの情報提供を受け、厳しい戦いになると理解した上でそれでもなお一緒に攻略することを望んだのだった。
「ったく、誘っておいて本人が来てないってどういう事なんだい。どこで何やってんだか!」
「確かに、ミル先輩もにゃん太班長もちょっと遅いですね。何かあったのかな。」
「”クロス・スラッシュ”!!さてな、強敵にでもぶち当たってんじゃねぇのっ?」
投擲したナイフをスクリーンに視界の外から飛び掛かってくるハサンを十字に切り裂き冷静に対処する直継は、大きく息継ぎをしながらそう答える。瞬間、その後ろから気配を完全に殺して潜んでいた1体がナイフを逆手に振りかぶった。ソウジロウもナズナも別のハサンと相対しているため、援護が間に合わない。
「直継さん!!」
「”ブラッディピアッシング”。」
その切っ先が首筋に滑り込む直前、レイピアによる高速の刺突連撃がそれを阻む。ニヒルな笑みを携え間一髪間に合ったのはにゃん太だった。
意識の外からの攻撃で反応することさえ叶わなかったハサンは、そのまま仮面を割られて消滅する。
「遅れて申し訳ないですにゃ。皆はやいですにゃあ。おや、ミルはまだ来ていないのですかにゃ。」
相変わらずの大らかさぶりに、メンバーが抱いていた焦燥感が薄れる。嬉しそうににゃん太を見やり、ついにあと一人だと更なる闘志を沸き上がらせる。
にゃん太のステータスを確認したマリエールが、すかさずヒールとキュアを使用した。ここまで激戦を繰り広げてきたのだろう、にゃん太のHPは残り4割といったところで、尚且つ毒状態に陥っていた。
HPが回復したことに気づいたにゃん太がマリエールにお礼を言う。そして遅れた分を取り返そうと、未だ減らない敵影に猛威を振るう。
「皆、用心するのにゃ。ナイフの投擲や無音暗殺以外にも、特殊攻撃を使う敵も居るのにゃ。吾輩の前に現れたハサンは毒を操っていたのにゃ。」
道中敵対した特殊能力を使うハサンについて話すにゃん太だったが、先に来ていた4人は心当たりが無いようだった。その話を聞いた面々は、納得したように反応を返す。
「なるほど、そう言うことですか。」
「ほんならひぃちゃんが遅いんもそれが原因やろかっ?」
「恐らくは。」
「予想通り祭りっ。」
言葉を交えながらも、連携して敵の数を減らす5人。流石はレベル90の冒険者と評するべきだろう。
にゃん太が到着する前にこの場に辿り着いていた4人は、各々程度の差はあれどおかしいと違和感を抱いていた。盗剣士であり二振りのレイピアを華麗に操るにゃん太の戦闘力は凄まじく、多少苦戦するかもしれないがここまで遅いとは思えなかった。
そして言わずもがな、ミルに関しては完全万能型と称されるほどの実力者であり、前回もひとりでこの場まで到達している筈である。いの一番に此処にたどり着いていても何ら不思議はなく、むしろそちらの方が当然と思える程であった。
しかし今もなお目の前で増え続けているこの雑兵とも言える敵(それにしてはレベルが高いのだが)とは全く異なる強さを持つ敵が居るのであれば話は別だ。暗殺者としての素早さと気配遮断能力を持ち、且つ何かしらの特殊能力を持っているとするならば。一切の情報が無い状態での迅速な勝利は難しいと判断せざるを得ない。
それでも、誰もミルが負けることなど少したりとも想像していなかった。元放蕩者の茶会のメンバーは当然、マリエールもまた同様に。5人全員が、必ずミルはこの場所へ辿り着くと信じて、戦場に身を投じる。
&&&
ミルはユニコーンに跨って薄暗い荒道を進んでいた。手元には魔導書がふよふよと浮かんでおり、右上後方には羊を象った白いぬいぐるみが浮かんでいた。
皆は今どのあたりに居るだろうか。流石にまだあの場所へついては居ないだろう。というか、一度経験している自分が一番に辿り着いていなければ、直継あたりに絶対突っ込まれる。そしてにゃん太も便乗してきそうだ。ソウジロウとマリエールは心配してくれるかな~。ナズナはソウジロウしか見てないと思う。
こんな精神状態であっても、湧いて出てくるハサンたちを余力を持って相手取っているあたりは流石と言えよう。たった一度、されど一度。既に戦ったことのある敵に対し、大して力を使うこともなく淡々と処理していく。2枚目の扉を潜り抜け、ハサンが出現するようになってもう随分経っていると感じていたミルは、そろそろあの開けた場所へ着くころだろうと予想していた。
「彼の地に
ナイフを手に迫ってくる数体のハサンが暴風によってなす術無く壁に叩きつけられる。
「彼の地に緑風の囁きを。
不可視の風刃が磔にされたハサンたちの仮面を切り裂く。ミルは先へ進もう、と伝えるようにユニコーンの背をポンポンと叩き合図する。
しかしユニコーンは足を踏み出さなかった。どころか低くいななきの声を上げる。つられて前を向いたミルは最大限の警戒を露わにする。今この細い道には暴風が吹き荒れ、風の刃が飛び交っているのだ。にも関わらず、まるでそんなものなど存在しないかのように、しんと佇む黒い影がひとつ。
「なんか、おかしくね。
ミルが戸惑いの声を上げるのも無理はなかった。目の前に立っているハサンの右腕がおかしい。何故か異様に、長いのだ。使い古したような色褪せた黒い布がグルグルと巻き付けられていて判りにくくはあるのだが、それでも注視せずとも気付くほどには左右の腕の長さが違い過ぎる。それ以外の見た目はほぼ変わらない。頭からは黒い外套を被っており、露出している肌はどこも影のように黒い。そして、顔にはやはり髑髏を象る白い仮面。右腕以外が他のハサンたちと全くと言って良い程同じだからこそ、その異なる1点に余計に違和感を抱く。
「初めまして、召喚術士殿。この右腕は少々特別でして。」
「っ!?」
ミルは別に応えを求めてなどいなかった。ただの独り言のつもりで、若しくはユニコーンからの同意するようなリアクションを期待してポツリと言葉を零しただけ。なぜなら今まで1度も声を発するハサンを見たことがなかったからだ。それなのにこのハサンはミルの言葉を拾い、理解して、答えを提供した。至極真っ当に、当然のように。それが酷くミルを混乱させた。
「…お前、なんだ。明らかに違うだろ、今までの雑魚どもと。理性のあるモンスターね。つまり召喚獣として契約した場合、結構期待できそうだな。」
「私と契約なさるおつもりで?」
「する訳ねぇだろ。」
先手必勝。ミルは不意打ち気味にパラライズショットを使用する。
ハサンは短刀を投げることで魔法を相殺し、首を傾げる。ミルの放った魔法は全く意に介していない様子だ。
「何故、契約しないのでしょう。貴方は私が他の者共とは異なる存在であると考えておいでだ。そしてその考えは当たっています。貴方には見えている筈ですよ、私の名が。」
指摘の通り、ミルには敵のステータスがはっきりと見えていた。
"
レベル90
今までのハサンと違った名前。それは目の前のハサンを指し示すものだった。ネームドどいうことは、想像通りこの敵は相当に手強いのだろう。攻撃手段も異なるかもしれない。だがミルにはこの敵と契約したいとは思えなかった。
「呪腕のハサンねぇ...。いっこしつもーん。その腕、何に呪われてる?」
仮面の奥でにやりと笑う。おぞましさを覚えるこの笑いは、死ぬ間際に見たあれと同じだ。
「なるほど、なるほど。私は悪魔に魂を捧げることで、代わりにこの右腕を得たのです。」
「悪魔ねぇ…。力が欲しかった、とか。そんなありきたりな理由なのかな?」
「はっはっは、流石と言うべきですかな。召喚術士殿。」
話し、感心し、笑い、嗤う。そして力が欲しいと願い、魂を悪魔に売る愚行。
ミルは呪腕のハサンを見て思った。まるで、
「人間みたいだな。」
「...やはり貴方は素晴らしい。その魂、その生命。あの御方に捧げるに値する。」
「あの御方?」
呪腕のハサンの言葉に疑問を抱いたミル。いつの間にか目の前にまで迫っていた数本のナイフを風で弾き言葉の真意を探る。
しかし呪腕のハサンがミルの問いかけに答えることは無かった。代わりに腰を低く構え、何やらブツブツと言葉を発している。
「...などーぅょ。ーぁぶせ。」
次の瞬間、異形の右腕に巻かれていた布が弾け飛んだ。中か出てきたのは、熱せられた金属のように赤く妖しく輝く長い腕。禍々しいオーラを纏っている。空気が重たく感じた。
「"
「っ!!?」
呪腕のハサンは今までとは比較にならない程の体捌きで接近し、その悪魔の右腕を突き出してくる。
ミルは迎撃を試みる。身体を捻り、その攻撃を回避することは可能だった。しかし呪腕のハサンは、ミルが避けようとするや否や、ターゲットをユニコーンへと変えたのだ。この攻撃は不味い。そう直感で判断したミルは、ユニコーンへ伸びる右腕に向かって、瞬時に風を纏わせた脚で蹴りを放とうとした。
しかしユニコーンもミル同様、あるいはミル以上にその右腕に言いようもない不快感を抱いていた。神聖な存在であるユニコーンは、悪魔と繋がりのあるその右腕を終始警戒していた。恐怖を抱いていたと言っても良い。だからこそ、この右腕に触れてはいけないことを理解した。例え魔法を纏った蹴りであってもだ。
ミルにはその一瞬がスローモーションのように見えていた。凄まじい速さでこちらへ伸びてくる赤い腕。風を纏う自身の蹴り。
そして。
前脚を振り上げ、腕から逃げようとする
指先が。その勢いとは裏腹に、トンと軽く触れる。赤子の頬をつつくように、繊細に。
ビクン、と痙攣し激しく地面に倒れ込むユニコーン。当然跨っていたミルの小さな身体も投げ出されるが、すぐさまそばに駆け寄りその身を揺する。
「ユニコーンっ、ユニコーン!?なんでっ!」
じたばたと苦しそうにもがいているその姿を見てられないと顔を背ける。そしてその視線の先には、偶然だが、呪腕のハサンが居た。ミルは見た。家族が苦しむ元凶、あいつの右手に、心臓とおぼしきものが握られていた。一体何が起きたのかミルには理解できなかった。理解できなかったが、やるべき事はひとつだと咄嗟に送還魔法を使用した。ユニコーンが還った瞬間、握られていたものも消滅した。
「ふむ、その身を賭して主を護るとは。素晴らしい従者ですな。」
「お前、あの子に何した。」
「あの子?あぁ、先程の美しい一角獣ですか。心の臓を頂きました。実を言うと貴方のモノが欲しかったのですが、致し方なし。次は貰い受けましょう。」
心の臓を頂いた?抉り盗ったとでも言うつもりか。いや違う、そうだとしたら右手にはユニコーンの血が付着している筈。
原理は分からないが即死攻撃に類する魔法だとミルは判断する。右腕に触れれば命は無い。そう考えて対峙する他ないだろうと。
ミルは冷静に対処方法を考えていた。しかし傍から見れば冷静と言えるような状態には思えない形相で、目の前の暗殺者を睨みつけている。フッフゥッフッと浅く息を繰り返し、激情を必死に押し留め、理性的に、冷静にあろうと努めていた。
怒髪天を衝く。まさにこの言葉がピッタリ当てはまる。ミルは怒りで満ち満ちていた。腹の底からどろどろと醜い感情が噴き上げ、怨みや憎しみといった負の感情が心を狂わせる。気を抜けば感情に任せて叫び散らしてしまいそうだ。
こいつは家族を殺そうとした。あの子の心臓を、コイツハ。
「如何なされた、召喚術士殿。私を倒せばこの先に居るお仲間と合流できると言うのに。最初の威勢は何処へ?」
ーあぁ、ダメだ。このふざけた声を聞くと、もう。
刹那、6本の黒い短刀が放たれる。ミルは身を捩って避けるが、その動きを予想していたかのようにハサンが接近しミルの首目掛けて左手を突き出す。ミルは上体を逸らし、そのままバク転の要領で距離をとる。瞬時にパラライズショットを発動するが、スルりと避けられてしまった。瞬きさえも許されない程の高速な攻防である。
「彼の地を貫くは天の咆哮。
魔導書が紫の光に包まれる。鳥の鳴くような音と共に槍を模した紫色の雷が凄まじいスピードでハサンへ射出される。
必要最低限の動きで躱し、ミルへ向かって走り出そうとするハサン。一切のよどみなく、静かに足を踏み出そうとした。しかし紙一重で避けたはずの雷槍が蜘蛛の巣状に拡散し、ハサンの脇腹を貫き焼き焦がす。
「がぅっ!?」
「ソーンバインド・ホステージ。」
明らかに冷静さを欠いている。にも関わらず、淡々と魔法を放ち呪腕のハサンを追い詰める。
「くっ!ふは、拘束魔法ですか。私の足を止め確実に攻撃を当てるおつもりでしょうがそう易々と「"シェルグランベリオ"。」っ!!」
片膝をつくと同時に左の掌を地面に着けたミルは、氷魔法"シェルグランベリオ"を発動する。その左手から冷気が漏れだし、地面に氷の膜を張る。その氷に覆われた範囲は凄まじいスピードで広がっていき、ついにハサンの足元まで達する。
瞬時に跳んで後方へ退避するハサンだったが、着地点には既に冷気が漂っていた。地に左足をつけた途端に、パキパキと音を立てて凍っていく。
「ギィッェェエア!!」
一瞬狼狽えたハサンだったが、即座に凍った足を短刀で切り捨て離脱する。痛みと出血によって、ゼェゼェと荒い呼吸を繰り返している。
ミルと自分の間の距離を確認し、そこへ等間隔に短刀を投げつける。これで中継ポイントは確保出来た。呪腕のハサンは地面に突き刺した短刀の上を飛び跳ねてミルへ接近する。器用に右足と左手を駆使しながら、一直線に。そして、その右腕が再び妖しく光りを発し始める。
「魂なぞ飴細工よ。苦悶を溢せ。
そして遂に、触れた。
そのまま短刀を壁に突き刺し、その短刀の上で呪腕のハサンはやり遂げたと宣言する。
「はは、然と触れましたぞ。遂にっ。貴方は既に呪われたのです、召喚術士殿。貴方の心の臓は私の手の中にある。」
ミルはどこまでも静かだった。 自分の心臓を握っていると言われてもなお、言葉を発さずに暗い瞳で呪腕のハサンを見つめていた。
「絶望に怯え声も出ないご様子、無理もない。恐怖を感じるのも今この瞬間だけでございます。」
1本足でしゃがみ左手をだらんと垂れ下げ、自分の右手におさめられた赤い心臓をうっとりと見つめるハサン。激戦の末、ようやく手に入れたと嬉しそうに言葉をこぼす。
ーそれでは。
「貴方の心臓、貰い受ける!」
ぐしゃり。
右手に持った心臓をひと息に握りつぶした呪腕のハサンは、そのままシャボン状になって消滅した。
静まり返る薄暗い道。
ため息をついたミルは、おもむろに呟く。
「戻っていいよ、スケープゴート。」
離れたところに漂う羊を模したぬいぐるみは、ミルの言葉を聞いて淡い光と共に姿を消した。その正体は歴としたミルの召喚獣である。
"
悪魔の右手に触れた相手の心臓のコピーを作り出し、鏡面存在であるその心臓のコピーを握りつぶすことで呪殺を成立させる魔法。これは呪腕のハサンのみ扱える固有魔法である。
ミルは呪腕のハサンの右手に触れた場合、無条件に死に至ると予想していた。それは例えどれほどHPが残っていようと、どんなに神聖な存在であろうと関係ない。そう、例えそれが術者本人であろうとも、例外なく死を強制されるのだろうと。
"スケープゴート"
攻撃対象をスケープゴートが触れている相手と入れ替える。
ミルはこのスケープゴートの能力を用いることにより、"
ではどうやってハサンの身体に触れたのか。
足だ。スケープゴートはハサン自身が切り捨てた足に触れることで、"
ハサンはその右腕で確かにミルの身体へ触れた。しかしそれによってコピーされた心臓はハサン自身のものだった。握っている心臓が自分のモノとも知らずに、嬉しげに、愉しげに意気揚々と握りつぶした。
呪腕のハサンは自害した。それだけだった。
ミルは数秒前まで戦っていた暗殺者のことをもう既に忘れかけていた。どうでもいい、とでも言いたげな表情だ。そんなものに思考を割くよりも、愛する家族に少しでも休んで欲しい。そしてこの先にいる仲間たちと合流するために、一刻も早く向かわねば。
MPポーションを一気に喉に流し込んだミルは、ここからが本番だとばかりに深呼吸して、大きな1歩を踏み出した。
名前 :ミルセロス
種族 :法儀族
メイン職業:召喚術士 レベル93
オリジナル魔法を結構出しました。
それと呪腕のハサンのザバーニーヤは宝具と呼ばれるものですが、今作品では魔法としています。固有魔法 、という言葉を使いたかった。かっこいい!
呪腕...好きやでぇ。FGOの呪腕は好きや。
但しHF、お前はダメだ。演出は超絶かっこよかったけどな!!