IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~   作:ホワイト・フェザー

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第11話:くろわっさんがあらわれた!

Side ウィリアム

 

「…というわけで、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を

 逸脱したIS運用、例えば無許可でISを起動したりした場合は、刑法によって厳しく

 罰せられます。そして…」

 

(だりぃなぁ…)

 

俺は山田先生の授業を真面目に聞いているふりをしつつ、頭の中で新しい兵器をどんな

ものにしようか考えていた。おニューのネクストフレームとかどうだろうか、そうだな…

コンセプトは『超重量二脚』! 大きさも従来より2.5倍! ジェネレーターも4つを

常備しており、アサルトアーマーを使った後もすぐにプライマルアーマーが復活する

という優れ物! おまけに内蔵武装も豊富にあり…これなんて小型アームズフォート?

意外といけるかもしれないな…真面目に考えてみるか。主任も喜びそうだし。

 

なんてことを考えていたら山田先生が心配気な表情を浮かべてこっちを見ている。

 

「ロンバート君、何かわからないところはありますか?」

 

「いえ、全く問題ありません。事前に予習をしておきましたから」

 

「そ、そうですか! よかった…」

 

分厚い参考書をもらったけど、ネクストの手引書や会社の書類よりは少ないページ数

だからすぐに暗記できたよ。シャルもリリウムも暗記済みだ。さすがだね。

 

「それじゃあ、織斑君は大丈夫ですか?」

 

「あ、えっと………」

 

おや、一夏の様子が…? 

 

「ほとんど全部わーかりませーん!」

 

何で外人っぽく言ったんだ?

 

「えっ……ぜ、全部、ですか……? あの~、冗談もほどほどに…」

 

「いえ、本当にわかりません」

 

山田先生もびっくりしとる。

 

〈だと思ったよ。さっきから周りをキョロキョロしてたし。僕の方も見てきたよ〉

 

〈ISとは全く縁のなかった男性ですからね。わからない事だらけでも仕方ないでしょう〉

 

〈だけど事前に参考書を読んでおけば多少なりとも知識をつけることはできたはずだが…〉

 

「…織斑君以外で、ここまでの部分で分からない人はどれくらいいますか? 正直に

 手を上げてください」

 

もちろんだーれも手を挙げない。そりゃそうだ。

 

「織斑、入学前の参考書は読んだか? 自宅に送られているはずだが」

 

教室の後ろにいたブリュンヒルデが前に出てそう聞くと一夏は、

 

「えっと…あっ! 古い電話帳と間違えて捨てました」

 

と言いやがった。すげぇな、こいつ…

 

バシッ!!

 

「ぐへっ!!」

 

そして当然のごとく一夏は出席簿の制裁を食らうのであった。

 

 

 

授業が終わって休み時間。

 

「頼むウィル、俺に勉強を教えてくれ!!」

 

「いや、自分で学べよ」

 

シャルとリリウムと話していたら一夏がアクロバティックな土下座をしつつ頼み込んできた。

 

「参考書再発行されるんだろ? それまでは頑張ってノート取るしか無くね?」

 

「そ、そんなぁ~」

 

「でもかわいそうだから放課後教えてやるよ。夕飯おごれよ?」

 

「ありがとうございますウィリアム様~!」

 

 

 

そんな事を話していると。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「へ?」

 

くろわっさんがあらわれた!

 

「訊いてます? お返事は?」

 

「あ、ああ、訊いてるけど……どういう用件だ?」

 

俺も一応挨拶を返しておこうかね。

 

「何か御用かな、ミス・オルコット?」

 

「あなたは…ミスター・ロンバートでしたか。まともな方そうですわね。それに比べて…」

 

くろわっさんは一夏を品定めするような視線でジロジロと見た。

 

「なんですの、そのお返事。私に話しかけられただけでも光栄なのですから、それ相応の

 態度があるのではないかしら?」

 

「……………」

 

一夏は返事に困って無言になった。

 

〈なんという上から目線。イギリス人にもこんなおかしいのがいるんだな〉

 

〈ええ…全くどうしようもないですね〉

 

「悪いな、俺君が誰だか知らないし」

 

おいおい一夏君、さっきの自己紹介聞いてなかったのかよ。

 

「私を知らない? このセシリア・オルコットを? イギリスの代表候補生にして、

 入試主席のこの私を!?」

 

…ん? 何かおかしい。俺が指摘する前にシャルが口を開いた。

 

「ちょっと待った、その情報は間違っているよ」

 

「なんですって? あなたはロンバートさんの妹さんの…シャルロットさんでしたわね。

 何が間違っているのですか?」

 

「入試の主席は僕とリリウム、それにお兄ちゃんだよ。オルコットさんは次席だよ」

 

そうそう。俺達3人が主席ってブリュンヒルデに言われたんだもん。

 

「な、なんですって!? 私が主席と聞きましたが!?」

 

「リリウム達はあなた方が受験した日と異なる日に試験を行ったので、あなたはその

 事実を知らなかったのでしょう」

 

「そ、そんな…」

 

なんか無言になっとる。プークスクス。

 

「なあウィル」

 

「なんだ?」

 

「代表候補生って国家代表の候補生、ってことだよな?」

 

「そゆこと。まあエリートだわな」

 

「そう、エリートなのですわ!!」

 

くろわっさんがさいきどうした! 再起動のパスワードは「エリート」だな。

 

「本来なら私のような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡…いえ

 幸運なのですわ!」

 

「ワァーオ(棒)」←俺

 

「すごーい(棒)」←シャル

 

「信じられませーん(棒)」←リリウム

 

「あ、あなた達…私を馬鹿にしていますの?」

 

めっさプルプルしとる…駄目だ、ここで笑ったらあかん。部屋に帰ったら思い出し笑い

するんだ! シャル、リリウム、わかっているな?

 

〈笑っちゃ駄目だ、笑っちゃ駄目だ、笑っちゃ駄目だ…よし、僕は我慢できた!〉

 

〈リ、リリウムは…我慢のしすぎでおなかが痛いです…うぅ…〉

 

…大丈夫だな、よし! そろそろくろわっさんに反撃をしようかね。

 

「いや、たかが入試次席の代表候補生よりも世界でISを動かすことのできる男2人と

 同じクラスになれた事の方がよっぽど奇跡、いや幸運ではないのか、と思ってね」

 

「あ、確かにそれは言えてるな」

 

「ぐぐぐ………」

 

「ミス・オルコット、1つお聞きしたいことが」

 

おや、リリウムが前に出たぞ。

 

「…なんでしょうか、ウォルコットさん?」

 

「あなたも試験で模擬戦を行ったと思いますが、どれくらいの時間で教師を倒しましたか?」

 

「えっと…確か5分弱だったかと。それが何か?」

 

「5分弱…随分と長い(・・)ですね」

 

「な、なんですって!?」

 

くろわっさんが目を見開いた。5分弱の戦闘時間が長いと言われたら誰だってそうなる。

 

「え、じゃあウォルコットさんは「リリウムでいいですよ、一夏さん」…じゃあリリウム

 さんは何分だったんだ? 3分弱とか?」

 

「リリウムは35.25()で模擬戦を終了させました」

 

『ええええええええええええええ!!!!』

 

クラス中の女子が全員ハモった。

 

「僕は35.62秒だったよ。お兄ちゃんは?」

 

「俺は35.1秒。実に簡単だったな」

 

「すごいなウィル! 俺も一応勝ったけど相手の自爆みたいなもんだったしなぁ…」

 

俺達以外は模擬戦の相手が山田先生だったんだよな。

 

「あの元日本代表候補生の山田先生を1分未満で倒すなんて…」

 

「何か勘違いをしているようだが俺達3人の相手はあのブリュンヒルデだったぞ?」

 

『え』

 

キーンコーンカーンコーン

 

クラスのみんなが絶句したところでチャイムが鳴った。

 

「くっ! 話の続きはまた次ですわ!! 逃げないでくださいまし!」

 

くろわっさんはにげだした!

 

「なあウィル。あの…オルコットさんだったか。一体何がしたかったんだ?」

 

「さぁ? 話した感じでは完全な女尊男卑のお嬢様だからな、同じクラスの男がどんな

 奴なのか知りたかったんじゃないかな。その上で自分の方が勉強もできるし代表候補生

 だし、ってところをアピールして『これだから男は…はぁ』とでも言うつもりだった

 んだろうよ」

 

「マジか、どんだけだよ…」

 

「全くだな。お、そろそろ授業か…だりぃ」

 

早く授業終わんねえかなぁ…部屋に戻って兵器の設計をやりたいし会社の書類も見たい…

何よりもコジマが足りない! あとお腹減った…はぁ。

 

Side out

 

 

 

 

 

続く…

 

 

 

 

 

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